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みんかぶニュース コラム 29日の株式相場見通し=続落か、米物価指標発表を前に買い手控え  29日の東京株式市場は様子見ムードのなか、日経平均株価は続落しそうだ。3万9000円大台攻防となる可能性がある。前日の欧州株市場は主要国の株価指数が高安まちまちも独DAXは6連騰となり史上最高値を連日で更新したほか、仏CAC40も小幅ながら続伸した。ただ、米国株市場は冴えない展開でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに終始マイナス圏で推移するなど買いが手控えられた。29日発表予定の物価指標でFRBが重視する1月のPCEデフレーターを見極めたいとの思惑が強く、持ち高調整の売りが上値を押さえる形となっている。先日発表された1月の米消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)がコンセンサスを上回る強い内容であっただけに、今回も予想を上振れすることへの警戒感が強い。これを受けて、東京市場でも目先買いポジションを低める動きが優勢となりそうだ。日経平均株価は前日に4日ぶりに反落したものの下げ幅は30円あまりとわずかで、目先過熱感は拭えていない。また、きょうは月末で機関投資家のリバランスの売り圧力も意識されやすい。一方、月初高のアノマリーを念頭に下押す場面では押し目買いの動きが想定され、下げ幅は限定的なものにとどまる可能性もある。  28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比23ドル39セント安の3万8949ドル02セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同87.562ポイント安の1万5947.738だった。  日程面では、きょうは1月の鉱工業生産指数速報値、1月の商業動態統計、1月の住宅着工統計のほか、日銀が「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」を発表する。海外では1月の豪小売売上高、インドの10~12月期GDP、2月の独失業率、2月の独消費者物価指数(CPI)速報値、1月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレーター、2月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)、1月の米仮契約住宅販売指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/02/29 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=半導体祭りのキーワードは「水」と「人」  きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比31円安の3万9208円と4日ぶり反落。もっとも、押し目とも言えないような軽微な下げである。月末は機関投資家のリバランスの売りが出やすい。事実、きょうも市場関係者に聞くと持ち高調整の機械的な売り注文が観測されたようだが、全体相場は高値圏でそれを被弾しても全くバランスを崩すことがない。  市場関係者いわく「砂漠に水を撒くようなもので、投資家にとっては残念な地合い」(ネット証券アナリスト)という。なぜなら、月初(今週末から来週初にかけて)は機関投資家の買いが入りやすく、最近は新NISAのつみたて投資枠の買いがこれに加わる。したがって大勢上昇トレンドにおける「月末安は仕込み好機」との認識がなされており、それを実践しようとする向きにとって、きょうの31円安は拍子抜けということのようだ。  個別株の動向に目を向けると、半導体関連株への波状的な投資資金流入が続いている。先駆したアドバンテスト<6857.T>やディスコ<6146.T>などの主力どころの銘柄は高値圏でやや逡巡する気配もみせているが、一方で中小型株にはリターンリバーサルを狙った投資資金の再攻勢が相次ぐ。その時々で銘柄によって跛行色はあっても、基本的に生成AIと半導体は統合されたひとつのテーマとして輝きを放ち続けている。  きょうの市場で話題となっていたのは超純水製造装置関連だ。当欄でも昨年来、取り上げることが多い野村マイクロ・サイエンス<6254.T>だが、ここに来て改めて本領を発揮。大幅高で4連騰と最高値ロードを疾走し、きょうの高値まで4営業日合計で5200円以上も水準を切り上げた。このほか、同業界の大手といえば栗田工業<6370.T>とオルガノ<6368.T>が挙げられる。両銘柄とも野村マイクロほどの派手さはないが、上値指向が鮮明だ。半導体の高集積化プロセスで回路線幅の微細化への取り組みが熱を帯びているが、そこでは極微の不純物の存在すら許されない環境を強いられる。したがって半導体の洗浄用途で使われる水は、文字通り超ハイレベルの純水製造が不可欠となる。  特に日本の超純水製造装置メーカーは「米国、台湾、韓国、そして国内の4極の需要を囲い込んでいる状態であり、機関投資家目線でも当該企業の株式を保有していないことには話にならない」(ネット証券アナリスト)という状況のようだ。そうしたなかにあって野村マイクロの時価予想PERは26倍、時価総額も1900億円に過ぎない。ちなみにアドテストはPER約80倍、ディスコは約70倍である。つまり、既にモンスター級の株価変貌を遂げた野村マイクロだが、もしかするとこれはまだ序の口で一段と大化けする可能性を内包しているとも考えられる。  最先端半導体の製造シーンで「水」は極めて重要性が高いということを、今の相場が証明しているようにも見えるが、もう一つ半導体製造分野で必要とされているもの、それは「人」である。人手不足の問題はあらゆる業態にいえることだが、技術者という範疇ではなおさら調達が難しい。半導体業界にとっても切実な課題であり、裏を返せばIT人材の派遣サービスや請負を手掛ける企業群は要注目となる。半導体製造分野で高い実績を持つUTグループ<2146.T>、テクノロジスト集団を標榜するジェイテック<2479.T>、IT人材派遣の先駆でハイスキル人材の育成で強みを持つアルトナー<2163.T>、ベトナムをはじめ海外での展開力で優位性を発揮するnms ホールディングス<2162.T>。そして、TSMC<TSM>熊本工場、ラピダス千歳工場を視野に入れながら、九州と北海道で半導体関連人材の育成に戦略的な布石を打つNISSOホールディングス<9332.T>をマークしておきたい。  あすのスケジュールでは、1月の鉱工業生産指数速報値、1月の商業動態統計が朝方取引開始前に発表される。また、午前中に2年物国債の入札が予定される。午後取引時間中には1月の建機出荷、日銀からは「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」が開示される。このほか1月の住宅着工統計も発表される。海外では1月の豪小売売上高、インドの10~12月期GDP、2月の独失業率、2月の独消費者物価指数(CPI)速報値のほか、米国では1月の個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターにマーケットの関心が高い。また、週間の米新規失業保険申請件数、2月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)、1月の米仮契約住宅販売指数などが注目される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/28 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ミマキエンジ、アパレル向け新製品好調  ミマキエンジニアリング<6638.T>は直近の株価上昇で4ケタ台を回復したが、PER9倍台の時価水準はなおも割安感が目立つ。  同社は、広告・看板向け大型プリンターの世界大手。2月14日に発表した24年3月期第3四半期累計決算は、営業利益が39億4600万円(前年同期比26.2%増)と大幅増益で着地。10~12月期も同30.1%増だった。前年欧米で好調だった工業製品向けや広告看板向けは本体販売が苦戦したものの、アパレル向けが新製品「TxF150」の貢献もあって好調に推移。FA事業も上期の減収から増収に転じた。部材の値上がりを受けた価格転嫁も進み、売上総利益率も改善した。  特に注目したいのが「TxF150」のヒットだ。同製品はアパレル印刷用途に向けた同社初のDTF(ダイレクト・トゥ・フィルム)のプリンターで、フィルムにプリントすることにより素材を選ばない特性があり、かつこれまでのDTFプリンターの課題だった「インク吐出不良」や「白インクの詰まり」を解決した画期的な製品。先進国でのオンデマンド需要などを喚起することとなり、売り上げを伸ばしている。  第4四半期も「TxF150」の好調が期待できるほか、工業製品向けや広告看板向けの新製品立ち上げに伴う寄与が期待できる。会社側では通期営業利益は48億4000万円(前期比14.1%増)の従来予想を据え置いたが、調査機関のなかには24年3月期営業利益60億円強、25年3月期同80億円程度を見込むところもある。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/28 10:00 みんかぶニュース コラム 28日の株式相場見通し=売り買い交錯も米重要経済指標を控え上値重い  28日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、上値の重い展開が想定される。日経平均株価は3万9000円台前半で強弱観を対立させる形となりそうだ。前日の欧州株市場では高安まちまちながら、独DAXが連日で最高値を更新、仏CAC40も反発するなど主要国の株価指数が頑強な値動きを示した。一方、米国株市場ではハイテク株が強さを発揮しナスダック総合株価指数は高く引けたものの、NYダウは終日軟調に推移し、一時180ドル以上下落する場面もあった。急ピッチの上昇に対する警戒感が上値を押さえる形となっており、29日に1月の米PCEデフレーターの発表を控えていることもあって、この日は持ち高調整の売りが優勢となった。東京市場では前週22日に日経平均が800円超の大幅高で史上最高値を更新した後も押し目を入れることなく強調展開を続けているが、それだけに目先利益確定売り圧力も拭えない。国内に手掛かり材料が乏しいなか、米株価指数先物の動向などを横目に不安定な値動きとなる可能性もある。  27日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比96ドル82セント安の3万8972ドル41セントと続落。ナスダック総合株価指数は同59.049ポイント高の1万6035.300だった。  日程面では、きょうは12月の景気動向指数の改定値など。海外では1月の豪消費者物価指数(CPI)、ニュージーランド中銀の政策金利発表、米10~12月期GDPの改定値など。 出所:MINKABU PRESS 2024/02/28 08:01 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=スタティアH、中小企業DXの担い手で活躍本番  スターティアホールディングス<3393.T>は年初から一貫した下値切り上げ波動を継続しており、25日移動平均線との上方カイ離修正場面は強気に買いで対処したい。中小企業を主要顧客に複合機やネットワーク機器を提供し、デジタルマーケティング支援を行う。中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化は大手に比べ相対的に遅れが目立っており、同社の活躍余地は大きい。業績は前期から急拡大トレンドに突入、24年3月期の営業利益は前期比28%増の22億円予想と連続最高益更新を見込んでいる。更に25年3月期も2ケタの利益成長が有力視される。  株価は目先1500円台を中心にもみ合っているが、早晩上放れ昨年8月30日につけた昨年来高値1870円を払拭し2000円台を目指す展開が想定される。PER11倍台で割高感に乏しく、株主還元にも積極的に取り組み今期は60円配当を計画、3.8%台の高い配当利回りも魅力となる。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/27 10:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=大塚商会、最高益と実質増配を評価  大塚商会<4768.T>に注目したい。同社は大手ITサービス企業で、中堅・中小企業を主要顧客に法人向けパソコン販売などで強みを持つ。23年12月期の連結営業利益は前の期比15.0%増の629億5900万円と4期ぶりに最高益を更新した。企業の堅調なIT投資需要を捉えることで業績は拡大している。24年12月期の同利益も前期比8.8%増の685億円と2期連続最高益が予想されている。  同社は3月末に1株を2株とする株式分割を行い、今期配当は分割考慮後で70円と実質増配も予定。今後は人工知能(AI)技術を搭載したAIパソコンの登場によるパソコン需要の増加も期待できる。株価は一段高が狙える。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/26 10:00 みんかぶニュース コラム 26日の株式相場見通し=続伸、先物主導で最高値圏を走る展開  26日の東京株式市場はリスクオンの流れが継続し、日経平均株価は3万9000円台で上値を伸ばす展開が想定される。3連休明けとなるきょうの東京市場だが、先物主導で引き続き上値指向が強い地合いとなりそうだ。米国株市場では前週22日木曜日にNYダウが456ドル高、ナスダック総合株価指数が460ポイント高といずれも大幅高となった。また、週末23日はナスダック指数こそ利益確定売りに押されマイナス圏で引けたが、NYダウは小幅ながら続伸するなど買い意欲が勝り、連日で最高値を更新している。FRBによる早期利下げへの期待感はひと頃より後退しているものの、一方で個人消費などをはじめ米経済の強さが株高の根拠となっている。東京市場では前週22日に日経平均が約34年ぶりとなる史上最高値を更新したが、きょうも米株高を受けてリスク選好の流れが続きそうだ。ただ、ここまで急ピッチの上昇で目先達成感もあり、3万9000円台半ばでは利益確定の動きに上値を押さえられる可能性がある。日米の株式市場に大きな影響を与えた米半導体大手エヌビディア<NVDA>は最高値圏をまい進しているものの、前週末は大きく買われた後に値を消す展開となり、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も反落した。きょうの東京市場でも半導体関連株の買い一巡後の値動きが注目される。  23日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比62ドル42セント高の3万9131ドル53セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同44.798ポイント安の1万5996.823だった。  日程面では、きょうは1月の企業向けサービス価格指数、1月の外食売上高など。海外では1月の米新築住宅販売件数など。なお、タイ市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/02/26 08:01 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=日経平均が最高値更新、「脱デフレ」「生成AI特需」を評価  日経平均株価は22日、前日比836円高の3万9098円と急伸。ついに1989年12月の史上最高値(3万8915円)を更新した。東京市場は、34年間という長きにわたる低迷局面を脱し、ついに新ステージに突入した。市場関係者からは「89年の最高値更新は、単なる通過点に過ぎない。遠からず4万円乗せも期待できるはず」(アナリスト)とみる声は多い。  足もとの相場を牽引しているのは、生成AI需要に沸く米エヌビディア<NVDA>の急騰に象徴される半導体関連株だ。ただ、長期的な視点からは、東京市場復活の背景にあるのはデフレ相場の終焉といえる。「脱デフレ」に加え「生成AI特需」という2重の追い風が東京市場には吹いている。この点を評価する格好で海外投資家は日本株に積極買いを入れているのだろう。  足もとの日経平均株価採用企業の1株当たり利益は過去最高の水準にある。来期は10%前後の増益も予想されるだけに、「PER17~18倍まで買えば夏場に向け4万5000円前後も期待できるかもしれない」(市場関係者)との声もある。  エヌビディアの好決算が全体相場を牽引しているだけに、東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>、ディスコ<6146.T>といった半導体関連株が主役の局面は続きそうだ。ただ、4万円相場に向けては中堅銘柄も含め徐々に新たな物色展開が進むことも予想される。「3万8915円」はついに過去のものとなったが達成感はない。もちろん目先一服は予想されるが、4万円に向け突き進む公算が高まっているようだ。  来週は、海外では27日に米2月消費者信頼感指数、28日に米10~12月GDP改定値、29日に米1月個人消費支出(PCEデフレーター)、3月1日に米2月ISM製造業景況感指数が発表される。26日からアマゾン<AMZN>がNYダウに新規採用される。  国内では27日に1月消費者物価指数(CPI)、3月1日に1月失業率・有効求人倍率が発表される。同日に伊藤園<2593.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8700~3万9300円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/22 17:22 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=JUKI、PSIバランス適正化などで今期黒字を見込む  JUKI<6440.T>は2月9日、24年12月期通期の連結業績予想を公表。経常損益は25億円の黒字(前期は36億8400万円の赤字)を見込み、期末一括配当は前期比5円増配の20円を計画している。  今期は生産量決定プロセスの見直しによるPSI(生産、販売、在庫)バランスの適正化と、グループ横断での余剰在庫削減を徹底する構え。加えて、インドや東欧、中南米、アフリカなど成長する経済圏で販売網を拡大するほか、IoTプラットフォームやストレージ事業といった高付加価値分野に経営資源を集中投下するとしている。  株価は好業績見通しを手掛かりに下値を切り上げ、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが視野に入っている。一目均衡表の雲の上限(520円台)を上抜ければ戻りに弾みがつきそうだ。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/22 10:00 みんかぶニュース コラム 22日の株式相場見通し=3万8000円台後半で強調展開  22日の東京株式市場は売り買い交錯のなか日経平均株価は3万8000円台で強調展開が想定される。前日の欧州株市場は主要国の株価指数が高安まちまちの展開だったが、独DAXと仏CAC40はいずれも小幅ながら上昇し揃って過去最高値を更新した。一方、米国株市場ではエヌビディア<NVDA>の決算発表を目前にハイテク株などを中心にポジション調整の売りが優勢となり、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下値を探る展開を強いられた。開示された1月開催分のFOMC議事要旨を受けて、FRBが早期利下げに対し慎重な姿勢を示しているとの認識が広がったことも市場センチメントを冷やした。ただ、両指数いずれも取引終盤に下げ渋る動きをみせており、NYダウは引け際上昇に転じたほか、ナスダック指数はマイナス圏で引けたものの下落率は0.3%とわずかにとどまった。東京市場では3万8000円台半ばから後半で強気優勢の地合いが想定されるが、米国現地時間で取引終了後に発表されたエヌビディア決算後の時間外取引の動向に左右される展開となりそうだ。  21日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比48ドル44セント高の3万8612ドル24セントと3日ぶりに反発。ナスダック総合株価指数は同49.913ポイント安の1万5580.870だった。  日程面では、きょうは1月の全国スーパー売上高、1月の全国百貨店売上高など。海外ではECB理事会議事要旨(1月開催分)、2月のユーロ圏PMI、2月の英PMI、2月の米PMI、トルコ中銀の政策金利発表、1月の米中古住宅販売件数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/02/22 08:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=SREHD、IT・ヘルスケア領域立ち上がり順調  SREホールディングス<2980.T>は押し目を狙ってみたい。  同社は不動産・金融・IT・ヘルスケア領域向けにパッケージ化した業務支援型クラウドツールなどを提供するAIクラウド&コンサルティング(AICC)事業と、アセットマネジメントや売買仲介コンサルティング、デベロップメント・インベストメント事業を手掛けるライフ&プロパティソリューション(L&P)事業が2本柱。24年3月期第3四半期累計決算は、AICC事業のクラウドサービスで顧客基盤の拡大とともにストック収入を着実に積み上げたほか、前期に実施した一部プロダクト利用料の引き上げ効果も寄与。L&P事業の大型案件の利益上振れやアセットマネジメント収益の拡大もあり、営業利益は15億1000万円(前年同期比41.5%増)と大幅増益を達成した。  注目は、AICC事業における高単価・高収益が見込めるIT・ヘルスケア領域の立ち上がりが、計画を上回るペースで進んでいることだ。従来主力の不動産の平均単価が6万円/月(契約社数3696社)であるのに対して、金融・IT・ヘルスケア領域の平均単価は62万円/月(契約社数151社)と高く、今後これら隣接領域の収益寄与が本格化すれば業績へのインパクトも大きい。更に、飲食・物流領域においても提携パートナーとのソリューション共同開発を開始するなど、来期以降の継続成長への仕込みが前進しており、業績拡大基調が続きそうだ。  会社側では24年3月期営業利益21億5000万円(前期比27.5%増)を予想。一方、調査機関のなかには今期営業利益22億円強、25年3月期同30億円強を見込むところもある。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/21 10:00 みんかぶニュース コラム 21日の株式相場見通し=弱含みの展開、エヌビディア決算前で様子見姿勢  21日の東京株式市場で日経平均株価は弱含みの展開となる見通し。20日の米国株市場で主要3指数は下落した。翌日夕に決算を発表する米エヌビディア<NVDA>が一時6%を超す下げとなった。生成AI向け半導体需要の急拡大への期待が膨らむ同社の株価は短期的な過熱感が高く、決算発表後に好材料出尽くしと受け止めた売りが膨らむことへの警戒感が広がったようだ。米株安に連れる形で大阪取引所の日経平均先物3月限の夜間取引終値は3万8280円と水準を切り下げている。米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も1%を超す下げとなっているとあって、朝方の東京市場では半導体関連を中心に売りが先行しそうだ。一方、日経平均の史上最高値更新に対する期待は根強いうえ、ドル円相場は1ドル=150円ちょうど近辺と円安基調そのものは崩れていない。下値では押し目買いを集めて日経平均は底堅く推移すると想定されているが、エヌビディアの決算発表とその後の市場の反応に関心が集まっており、次第に様子見姿勢が強まりそうだ。  20日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比64ドル19セント安の3万8563ドル80セントと続落。ナスダック総合株価指数は同144.871ポイント安の1万5630.783と続落した。  日程面では、きょうは国内では1月の貿易収支や白物家電出荷額、全国スーパー売上高が公表される予定。引け後には1月の訪日外客数の発表も控えている。海外では1月30日~31日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表も予定されている。 出所:MINKABU PRESS 2024/02/21 08:02 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=桜花爛漫の「AI相場」、次に開く蕾は  きょう(20日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比106円安の3万8363円と続落。前日に続いて日経平均は上昇一服場面にあるが、調整を入れたという感触には乏しい。きょうの値動きは想定されたところで、前日の米国株市場が休場だったことから手掛かり材料に乏しく、売買代金も前日に続き盛り上がりを欠いた。加えてあす21日に米エヌビディア<NVDA>の11~1月期決算発表を控えているとあっては、見送りムードとなるのも止む無しといえる。  エヌビディアについては決算前に複数のアナリストがターゲットプライスを引き上げるなど高評価が相次いでおり、逆に事前の期待が強すぎることで発表内容が良くても高いハードルを越えられないケースも考えられる。「実際、過去3回にわたって四半期決算発表後に売られた経緯があるだけに、今回もそうなるのではないかとみている市場関係者は多い」(ネット証券アナリスト)という。ただし、そうなればAI・半導体関連の拾い場提供となり、むしろ有難いと考えている機関投資家も少なくないようだ。  AI関連に位置付けられる銘柄は半導体同様に裾野が広いが、ビジネスモデルに描かれる成長シナリオの確度の高さが選別のポイントとなる。前日紹介した共同ピーアール<2436.T>やニーズウェル<3992.T>などは収益基盤が強固で現時点で既に成長路線をひた走っているが、AI分野を成長ドライバーとした将来的なビジョンも明るい。ニューラルグループ<4056.T>も鮮烈な切り返しをみせた。こちらは足もとの業績は低調に見えるものの、トップラインの2ケタ伸長が続いていることで、成長力は否定されない。エッジAIという生成AI時代のキーテクノロジーで本領を発揮する可能性がある。また、前週13日に取り上げたARアドバンストテクノロジ<5578.T>は急動意後の一服局面にあるが、同社も売り上げの伸びに頼もしさがあり、株価も上値余地が大きそうだ。週足チャートで見れば依然として戻りの初動で、同社株への投資にそれほど躊躇する要素はなさそうだ。  新たなAI関連の有力株としては、比較的オールドファンにも馴染みのある銘柄と思われるコムチュア<3844.T>をマークしてみたい。底値圏からの急反騰で「赤三兵」と言うのも憚(はばか)られる大陽線を連発、きょうは75日移動平均線を綺麗に跳び越えてきた。クラウドを活用したシステムインテグレーターで企業コンサルティングを展開するが、ビッグデータとAI・RPAで優位性を持ち、業績は絶好調だ。24年3月期は売上高が前期比20%増収、営業利益は同17%増益でいずれも連続の過去最高更新を見込む。  また、戦略立案から開発までワンストップで対応するコンサル会社でAIソリューションを駆使して企業のDX推進を支援するシグマクシス・ホールディングス<6088.T>も抜群の好業績が光る。同社も24年3月期は売上高、利益ともに大幅な伸びで連続過去最高更新が濃厚。配当や自社株買いなど株主還元にも積極的だ。  このほか、独立系システム開発会社で大手企業など民間だけでなく、官公庁からの受注実績も豊富なフォーカスシステムズ<4662.T>は、ここ上げ足に弾みがついており目を配っておくところ。ヘルステック分野でAI技術を深耕、FRONTEO<2158.T>とはお互いの株式を持ち合い資本・業務提携関係にある。これ以外では、先端技術を駆使しシステムの受託開発を手掛けるテックファームホールディングス<3625.T>も面白い存在だ。足もとの業績は利益面は低水準ながら、トップラインは高水準をキープしており、400円近辺の株価は長期トレンドでも大底圏に位置している。同社は生成AIを活用したシステム汎用基盤「AI Frame」を開発しており、同基盤を用いたAI導入支援ビジネスに期待が大きい。  あすのスケジュールでは、1月の貿易統計が朝方取引開始前に開示されるほか、午前取引時間中に1月の白物家電出荷額が発表される。午後には1月の全国スーパー売上高、実質輸出入動向、2月の月例報告などが予定される。また、午後取引終了後に発表される1月の訪日外国人客数に注目度が高い。海外ではインドネシア中銀が政策金利を発表、米国では20年物国債の入札が行われるほか、1月開催分のFOMC議事要旨にマーケットの関心が向かいやすい。また、ボウマンFRB理事が経済イベントで発言機会があり、その内容にも耳目が集まる。更に、米主要企業の決算発表ではエヌビディアの11~1月期決算がビッグイベントとして注目される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/20 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=日東紡、生成AI市場拡大で追い風強力  日東紡績<3110.T>は昨年来高値圏でひと押し入れているが、5000円近辺は押し目買い好機といえそうだ。同社はグラスファイバーを主力とし、近年の生成AI市場の拡大が追い風となっている。膨大化する情報処理ニーズを背景にデータセンターの増設需要が旺盛で、半導体やネットワーク機器向けスペシャルガラスが好調に伸びて収益を牽引している。  23年10~12月期は営業利益が前年同期比倍増の25億8600万円と大幅な伸びを確保、24年3月期通期では従来予想を増額し前期比54%増の75億円を見込んでいる。25年3月期も増益基調は維持されそうで、株価は20年5月につけた上場来高値6100円を目指す展開が期待できる。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/20 10:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=野村総研、株主還元拡充も評価  野村総合研究所<4307.T>に注目したい。同社はシステム構築大手で金融、流通向けなどに強い。生成AIを含むデジタルトランスフォーメーション(DX)絡みの需要が拡大するなか、システム開発需要が好調。第3四半期(23年4~12月)の連結営業利益は前年同期比8.8%増の912億3900万円となった。24年3月期通期の同利益は前期比7.3%増の1200億円と最高益更新の見込みだ。  今期配当は前期比8円増の53円と5期連続での増配を計画している。同社では連結配当性向を26年3月期に40%(前期は35%)へ引き上げる意向を表明しており、株主利益還元の拡充を評価し株価は一段高が見込める。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/19 10:00 みんかぶニュース コラム 19日の株式相場見通し=反落、米株安受け上値重い展開に  19日の東京株式市場は主力株をはじめ利益確定売り優勢の地合いとなることが予想され、日経平均株価は3日ぶり反落となりそうだ。前週末の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに軟調な値動きとなり、強気一辺倒の地合いに歯止めがかかった状態にある。ここにきて全体相場は米経済指標に左右される展開となっており、この日は1月の生産者物価指数(PPI)が市場コンセンサスを上回る内容であったことで、FRBによる早期利下げ期待が後退、米10年債利回りが上昇し株式市場に逆風となった。個別株をみても好決算のアプライド・マテリアルズ<AMAT>が大きく買われたものの、インテル<INTC>やマイクロンテクノロジー<MU>、エヌビディア<NVDA>などそれ以外の半導体関連株は総じて冴えない動きを強いられた。これを受けて東京市場でも投資家のセンチメントが悪化し買いが手控えられそうだ。日経平均は前週末の取引時間中に史上最高値3万8915円に肉薄する場面があったが、その後は上げ幅を縮小し3万8000円台半ばで引けた。過熱感が警戒されるなか、きょうも上値の重さが顕在化する公算が大きい。一方、押し目買いニーズは活発で、下値では出遅れた向きの“持たざるリスク”を意識した買いが入り下げ幅は限定的なものにとどまる可能性もある。  16日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比145ドル13セント安の3万8627ドル99セントと3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同130.520ポイント安の1万5775.654だった。  日程面では、きょうは12月の機械受注、1年物国庫短期証券の入札など。なお米国株市場ではプレジデントデーの祝日で休場となる。 出所:MINKABU PRESS 2024/02/19 07:59 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=34年ぶり史上最高値更新の瞬間はくるか  16日の東京市場で日経平均株価は一時700円を超える上昇となり、1989年12月29日につけた歴史的な史上最高値(3万8915円87銭)まであと50円程度まで肉薄する場面があった。  言うまでもなく、急伸の背景にあるのは前日のアプライド・マテリアルズ<AMAT>の好決算に後押しされた半導体関連株の急伸だ。ただ、日経平均株価の3万7000円台をたった2日間で駆け抜けたことが象徴するように、上昇ピッチの速さは否定できない。実際、この日は買い一巡後はレーザーテック<6920.T>やアドバンテスト<6857.T>などが利益確定売りに押され、値を下げて取引を終えた。SCREENホールディングス<7735.T>の場合、年初から今日まで30日間の立ち会いで値を下げたのは7日のみと一本調子の上昇を演じていた。この日の半導体株の下落に関しては、日銀の植田総裁の発言が予定されていたことから「海外の短期筋などがいったん売りを出したのかもしれない」(市場関係者)ともいう。  とは言え、半導体株は下落したが売買代金が膨らむなか全体の8割超の銘柄が上昇。物色の裾野が広がる気配も出始めている。堅調な決算を背景に株価は上昇しており、連結PERは16倍前後に過ぎない。「日経平均株価の最高値更新は時間の問題で、4万円まで一気に突き進むかどうかが焦点」(市場関係者)とみる声は少なくない。いずれにせよ、日経平均株価は来週にも史上最高値更新もあり得る状況にあり、34年ぶりの歴史的瞬間は近づいている。    そんななか、来週は21日に予定されている半導体中核銘柄のエヌビディア<NVDA>の決算が注視される。エヌビディアに関しては昨年11月決算時には純利益が前年同期比で14倍となる大幅増益を発表しながらも、株価は下落した。同社の決算発表で半導体株相場に一段の弾みがつくのか、それともいったん材料出尽くしとなるか、その動向は全体相場を左右しそうだ。また、同日には1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も公表される。  上記以外のスケジュールでは、19日は米国がプレジデント・デーで休場。20日にウォルマート<WMT>、21日にシノプシス<SNPS>、22日にニューモント<NEM>などの決算がある。国内では19日に12月機械受注、21日に1月訪日外客数が発表される。23日は天皇誕生日で休場となる。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7900~3万9100円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/16 17:15 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=エネチェンジ、EV充電サービス拡大で業績飛躍へ  ENECHANGE<4169.T>の飛躍に期待したい。同社は電力・ガス切り替えサービスを主力とするが、2021年に電気自動車(EV)充電サービスに参入。目的地充電ステーションの設置を全国で進め、市場シェアを急速に広げている。直近では政府系ファンドの産業革新投資機構から約40億円を調達し、EV充電サービスの更なる拡大を目指す方針を明らかにした。  今月9日に発表した23年12月期連結決算は、売上高が前の期比77.4%増の66億2500万円、営業損益が前の期実績(11億2100万円の赤字)から赤字幅縮小となる10億6600万円の赤字で着地した。電力・ガス切り替えサービスが好調だったほか、EV充電サービスが大幅に伸び全体業績を牽引した。今期予想は売上高のみ開示し、前期比50.9%増の100億円とした。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/16 10:00 みんかぶニュース コラム 16日の株式相場見通し=大幅続伸、日経平均は過去最高値に接近へ  16日の東京株式市場で、日経平均株価は大幅続伸し、1989年12月29日につけた過去最高値の3万8915円87銭に接近する展開が見込まれている。前日の米国株市場で主要3指数はそろって上昇。景気敏感株や金融株、エネルギー関連株への買いが全体相場を押し上げたほか、中小型株への資金流入も顕著となった。1月の米小売売上高は前月比でマイナス0.8%と市場予想を下回って減少した。低調な結果となったことを受け、FRBによる早期利下げ観測が再び台頭。米長期金利に低下圧力が掛かり、株式市場への資金流入を招いた。ドル円相場は1ドル=150円を挟んで一進一退の展開となり、円安基調そのものは継続。大阪取引所の夜間取引で日経平均先物3月限の終値は3万8570円と大幅に上昇している。世界的に投資家のセンチメントが上向いた状況にあるなか、東京市場でも主力株を中心に買いが先行するとみられている。米国ではエヌビディア<NVDA>が下落し、米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は小幅安となったが、引け後に決算を発表した半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ<AMAT>の株価が時間外取引で急伸しており、直近の日本株上昇のけん引役となってきた半導体関連の反応が注視されそうだ。日経平均株価は取引時間中、3万8400円から3万8800円の範囲での値動きとなるとの見方が多い。  15日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比348ドル85セント高の3万8773ドル12セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同47.028ポイント高の1万5906.174だった。  日程面では、きょうは国内では週間対外及び対内証券売買契約等の状況と、昨年12月の第3次産業活動指数が公表される予定。債券市場では3カ月物国庫短期証券の入札が実施される。また、ブリヂストン<5108.T>や横浜ゴム<5101.T>、三菱鉛筆<7976.T>などの決算発表が控えている。海外では中国市場が休場。米国では1月の生産者物価指数や住宅着工件数などが発表される。 出所:MINKABU PRESS 2024/02/16 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=半導体株爆騰でラスボスと対峙へ  きょう(15日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比454円高の3万8157円と反発。前日は下げるべくして下げた日経平均だったが、下げ幅は260円あまりで1%にも届かない小幅な調整だった。きょうはその軽い押し目を帳消しにして大きなお釣りがくる戻り足をみせ、ついに終値で3万8000円大台を回復した。年初の時点では予想だにしなかった1989年末の史上最高値3万8915円が、現実のターゲットいわゆるラスボスとして粛然と姿を現した感がある。昨年来の強調相場の延長線で、遅かれ早かれ更新するであろうというコンセンサスは醸成されていたが、その「遅かれ早かれ」がこんなに早い段階で意識の中になだれ込んでくるとは誰も思わなかったに違いない。  「陰極まれば陽転す」というのが相場の摂理だが、顧みれば2008年のリーマン・ショックが今の大出直り相場の基点となった。89年末のバブルの頂(いただき)に対し08年10月、そして翌09年3月につけた7000円近辺での2点底がいうなれば「逆バブル」の頂上付近であった。そこから世界的な超金融緩和環境が創生され、デフレの深淵から脱出口へと向かう株式市場復権のステージへと移行した。日本株は史上最高値から約35年の歳月を経てようやく同じ地点まで戻ってきたともいえる。日経平均は銘柄入れ替えによって「ハイテク指数化」しており厳密には当時との株価の連続性は失われているのだが、とはいえ歴史的な大ブーメラン相場の最終章が思わぬタイミングで訪れようとしている。  ちなみにNYダウの89年末は2750ドル台であった。日経平均の大ブーメラン最終章までに使った月日と同じ時間軸でNYダウは何と14倍化した。彼我の差たるや恐るべしである。この間に米国経済は世界一強の座を不動のものとし、日本は中国、そして直近ではドイツに抜かれGDP世界第4位に後退した。円安は株式市場にとっては強力なフォローウインドとなるが、国民にとっては北風以外の何ものでもなく、国力という点で厳しい現実を突きつける。その現実が今のGDPに投影されている。  株式市場は外需で稼ぐ企業の集大成であり、日本の豊かさとは異なるということを痛感させられるが、少なくとも投資家目線ではこれを嘆いていては始まらない。相場牽引の原動力となっている銘柄群に照準を合わせ勝利を収めることこそが、投資家がとるべき正しい選択肢ということになる。いうまでもなく、全盛を極める人工知能(AI)とそれによって生み出されている半導体爆需が現在の相場の最強テーマだ。かつての「ITバブル」と様相が似ているという指摘はあるものの、「崩壊」の2文字が今すぐ眼前で躍るようなことはない。米巨大テック企業の人員削減を促す生成AIの存在が、“AI不況”を引き起こしたとしても、株式市場ではその不況の源泉を買う動きが加速しそうだ。  当欄でも昨年来継続フォローしてきたソシオネクスト<6526.T>がいよいよ本領を発揮してきた。きょうは前場に4000円大台を回復したが、こちらは分割後修正値で昨年6月下旬につけた最高値5666円奪回が目標となる。当時は思惑先行で買われたが、今は地に足のついた上昇トレンドといっても過言ではない。AIの飛躍的な進化に歩調を合わせるべく最先端半導体へのニーズが高まっている。そうしたなか、ソシオネクスは2ナノ製品の開発で台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>やソフトバンクグループ<9984.T>傘下のアーム<ARM>と提携し、フロントランナーとして今後一段と存在感を高める可能性が高い。「異なる性能のチップをブロック化して集結させるチップレットが同社の技術優位性を際立たせることになる」(中堅証券アナリスト)という声も聞かれる。  このほか、レーザーテック<6920.T>、東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、ディスコ<6146.T>、SCREENホールディングス<7735.T>が日本の半導体製造装置メーカーにおける“マグニフィセント・ファイブ”といってよく、この5銘柄の株価動向は全体相場のバロメーターとしても常に目を配っておく必要がある。  あすのスケジュールでは、3カ月物国庫短期証券の入札が午前中に行われるほか、午後取引時間中には12月の第3次産業活動指数が開示される。なお、国内主要企業の決算発表ではブリヂストン<5108.T>が予定されている。海外ではロシア中銀の政策金利発表、1月の米卸売物価指数(PPI)、1月の米住宅着工件数、1月の米建設許可件数、2月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)などにマーケットの関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/15 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=PLANT、PB商品の売上構成比が上昇  PLANT<7646.T>は、日常生活に必要な商品をワンストップで提供するスーパーセンターを展開。1月24日に発表した24年9月期第1四半期の単独決算は、経常利益が前年同期比94.3%増の6億900万円と好スタートを切った。  売り上げに占めるプライベートブランド(PB)商品の割合が上昇したことや、ロスコントロールによって売上総利益率がアップ。水道光熱費などが減少したことも利益増に寄与した。上半期の経常利益見通しは従来通り8億5000万円(前年同期比7.6%増)で据え置いているが、進捗率は71.6%に達していることから上振れ余地が大きいといえそうだ。  株価は1月26日に昨年来高値1777円をつけたあとは上げ一服となっているが、中期トレンドを示す75日移動平均線は上昇基調を維持。PERやPBRには割安感があり、押し目は拾い場と捉えたい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/15 10:00 みんかぶニュース コラム 15日の株式相場見通し=反発、3万8000円台が視野  15日の東京株式市場は主力株中心に幅広く買い戻される展開が想定され、日経平均株価は反発する公算が大きい。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数がいずれも切り返す動きをみせ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は上昇率で1.3%に達しダウを上回った。一昨日に1月の米消費者物価指数(CPI)を受けて波乱含みの下げをみせた米株市場だったが、この日は強気優勢の地合いが戻った。CPIが想定外に強い数字でFRBによる早期利下げ期待が剥落、米長期金利の急上昇が株式市場の重荷となっていたものの、一夜明けて長期金利が低下し、投資家のセンチメントが改善している。東京市場でも米株市場がバランスを取り戻していることで買い安心感が広がりそうだ。日経平均は前日に下値を試す展開となったものの押し目買い意欲は旺盛で、下落率は0.7%弱にとどまった。売買代金は前日まで4営業日連続で5兆円を上回るなど大活況を呈しており、海外投資家の積極的な買いを背景に、きょうはフシ目の3万8000円台乗せを視界に入れるケースも考えられる。  14日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比151ドル52セント高の3万8424ドル27セントと反発。ナスダック総合株価指数は同203.547ポイント高の1万5859.146だった。  日程面では、きょうは10~12月期国内総生産(GDP)速報値、12月の鉱工業生産指数確報値など。海外では、フィリピン中銀の政策金利発表のほか、2月のNY連銀製造業景気指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、1月の米小売売上高、1月の米輸出入物価指数、1月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、12月の米企業在庫、2月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数、12月の対米証券投資、週間の米新規失業保険申請件数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/02/15 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=好決算銘柄からチャート妙味株を探す  きょう(14日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比260円安の3万7703円と4日ぶり反落。前日の米国株市場が久しぶりに荒れ模様となったことで、きょうは向かい風の強いなか取引開始となった東京市場だったが、思いのほか下値は頑強だった。市場では「米国ではFRBの年内利下げはほぼ確定的で、大きく後ずれする可能性も低く、足もとの経済指標に一喜一憂する段階は過ぎている」(ネット証券アナリスト)という声はあったものの、いざフタを開けてみると今回の1月の米消費者物価指数(CPI)は想定外の強い数字で、マーケットは慌てた感じとなった。NYダウは一時700ドル以上下落する場面もあり、前日に1000円超の上昇という一発免停並みのスピード違反をみせていた日経平均は、さすがにきょうはその反動による急反落が予想された。ところが、AI・半導体関連株への実需買いの動きは止まらない。これが全体を下支える形となり、結局0.7%安で着地するというのは、嬉しい誤算であったともいえそうだ。  個別株では内需の消費関連の一角にも強い動きがみられる。インバウンド特需に加え製品値上げも消費者にすんなり受け入れられるとあっては追い風が強い。ラーメン専門店「一風堂」を展開する力の源ホールディングス<3561.T>は4~12月期の好決算を評価され大幅高となり、今年に入ってからの高値を更新した。コンビニ業界も好調で、大手ではセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>などの株価トレンドの強さが目を引く。  また、スイーツ人気も定着しており、バレンタイン商戦は終了してもチョコレート人気は雲散する気配なし。このチョコレートの原料であるカカオ豆や砂糖の先物価格が高騰していることが話題となっており、高水準の需要を背景に強気の値上げが罷り通るとなれば、製糖株に物色の矛先が向くのは分かりやすいシナリオである。  そのなか、昨年12月中旬を境に週足で9連続陽線と派手な上昇パフォーマンスを演じているのが東洋精糖<2107.T>だ。24年3月期営業利益は前期比ほぼ倍増の9億円を見込むが、PER10倍で今期年間配当115円を計画し、配当利回りが4.5%と非常に高い点に着目。信用買い残も枯れ切った状態で株式需給面も軽い。東洋糖は業態こそ違うものの住石ホールディングス<1514.T>の昇龍トレンドを彷彿とさせるような足で、今後の展開に興味が湧く銘柄だ。このほか、製糖業界最大手のDM三井製糖ホールディングス<2109.T>や、三菱商事系で仕手化素地を内包する塩水港精糖<2112.T>なども面白い存在といえる。塩水糖は今期業績回復色が鮮烈でなおかつPER・PBRが超割安圏にあり、貸株注意喚起銘柄ということを考慮しても300円近辺は依然値ごろ感が漂う。  個別株は決算発表がきょうで概ね一巡する。決算発表前後は乱気流が発生しやすく、好決算が期待される銘柄でも基本的に近寄らない方が賢明だ。それまでの株価との兼ね合いで、コンセンサス未達であれば大きく売り叩かれる。また、期待通りでも出尽くし売りというケースもあるため、先取りで買うというコンセプト自体が好んでリスクに突っ込んでいくような要素をはらんでいる。しかし、決算通過後に一呼吸おいて、チャートを見ながら好決算銘柄を選別するのは投資行動として有効性が高い。  3月期決算企業の中で、第3四半期決算発表と合わせ通期見通し上方修正を行った銘柄などは分かりやすいターゲットとなるが、その中でチャート妙味のある銘柄に注目。コンストラクションマネジメントを展開する明豊ファシリティワークス<1717.T>、スマートメーターの大崎電気工業<6644.T>、同じく電力設投関連でEV充電器も手掛ける東光高岳<6617.T>、医療機器メーカーの大研医器<7775.T>、そして三菱重工業<7011.T>を筆頭株主とする異色の総合情報サービス会社である菱友システムズ<4685.T>などをマークしてみたい。  あすのスケジュールでは、10~12月期国内総生産(GDP)速報値、12月の鉱工業生産指数確報値など。海外では、フィリピン中銀の政策金利発表のほか、2月のNY連銀製造業景気指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、1月の米小売売上高、1月の米輸出入物価指数、1月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、12月の米企業在庫、2月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数、12月の対米証券投資、週間の米新規失業保険申請件数などが発表される。なお、米主要企業の決算発表ではアプライド・マテリアルズ<AMAT>の決算発表にマーケットの関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/14 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ヒビノ、中計達成の確度が急速に高まる  ヒビノ<2469.T>は、業績回復を織り込む動きとなっているが、中期経営計画への評価は不十分であり、今後は業績拡大期待を背景にした展開に向かいそうだ。  同社はコンサートや放送局などに映像・音響設備を提供するファブレスメーカーで、建築音響施工工事なども手掛けている。足もとでは、大規模な集客が可能となったことで市場が急速なペースで復活していることを受けて、採算の良いコンサート・イベントサービス事業が順調に拡大。また、顧客の設備投資意欲の回復や都市再開発計画の進展などを背景に大型案件が増加し、販売施工事業、建築音響施工事業も堅調に推移している。2月5日に発表した第3四半期累計(23年4~12月)連結決算は、営業利益が17億8400万円(前年同期1億3700万円の赤字)と計画を上回って着地しており、これを受けて会社側では24年3月期通期業績予想を営業利益で20億円から23億円(前期比87.1%増)へ上方修正した。  コンサート・イベントサービス事業の復調はいわば想定内だが、注目は建築音響施工事業の大型案件の増加であり、この傾向は当面続く見通し。また、これに伴う物販(販売施工事業)の拡大も予想される。第3四半期に新規連結された機器販売・システム設計などを行うエヌジーシーの寄与もあり、26年3月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標である営業利益45億円の達成確度は急速に高まっている。(温羅) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/14 10:00 みんかぶニュース コラム 14日の株式相場見通し=大幅反落、CPI発表を受けた米株安でリスクオフ  14日の東京株式市場は主力株中心に幅広く売りが広がり、日経平均は大幅反落となりそうだ。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大きく売られる展開となった。この日の取引開始前に発表された1月の米消費者物価指数(CPI)は総合指数で前年比3.1%上昇、コア指数で3.9%上昇といずれも事前の市場コンセンサスを大きく上回る強い内容だった。これを受けて米長期金利が4.3%台まで急上昇し相対的な株式市場の割高感が意識される形で、寄り付きからリスク回避の売りがかさむ展開となった。米株市場の急落を受けて、きょうの東京市場も目先筋の利食い急ぎの流れが強まりそうだ。前日に日経平均は1000円を超える急伸をみせ、一時3万8000円台に乗せる場面もあるなど過熱気味に買われており、足もとでその反動が出やすい面もある。ただ、米長期金利上昇を背景に外国為替市場では急速なドル高・円安が進行しており、これが輸出セクターを中心に株価の下支え材料となって、売り一巡後は下げ渋るケースも考えられる。  13日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比524ドル63セント安の3万8272ドル75セントと大幅反落。ナスダック総合株価指数は同286.946ポイント安の1万5655.599だった。  日程面では、きょうは12月のユーロ圏鉱工業生産指数、1月の英消費者物価指数(CPI)、インドネシア大統領選・議会選など。中国、台湾、インドネシア、ベトナムの各市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/02/14 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=AI&半導体関連バブルはまだ序章  3連休明けとなった13日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1066円高の3万7963円と大幅高で3日続伸。前週に日経平均の上昇は別次元と考えておく必要があるという話をしたが、それにしても凄い上げ足で、まさに昇り竜の形容がふさわしい展開となっている。米国株市場の動向はもとより、欧州株市場をみても独DAXや仏CAC40が史上最高値を更新するなど、全体相場が青空圏を飛翔すること自体、世界を俯瞰しても違和感を覚える絵図ではなくなっている。  前週末9日時点で日経平均のPERは16.07倍だった。やや高めに買われているとはいっても、今回の四半期決算発表では3月決算期企業の業績予想の上方修正が結構な数に上っており、一株利益の上昇効果に伴い割高感は緩和される方向が読める。加えて25年3月期の企業業績が更に伸びるという見方が市場関係者の間では優勢で、来期の業績を織り込みに行く過程で3万8915円の史上最高値を更新しても、それは一つのメルクマールを通過したに過ぎないというコンセンサスが出来上がりつつある。海外マネーが最後のオアシスを前にして好機逸すべからずの思いで、ここぞと東京市場に上陸してきた。きょうのプライム市場での6兆円近い売買代金はそれを暗示している。  ただし、個別株を見る限り偏りが目立つのも事実。買われている株とそうではない株が入り交じっている。ひとことで言えば生成AIバブルだが、2000年のITバブルとは異なるとはいえ、AI向け半導体投資は仮需的に極大化している部分もありそうだ。「米オープンAIの資金調達に際しオイルマネーと交渉中のサム・アルトマンCEOが、AI向け半導体を製造するにあたって、その投資額として最大7兆ドル(約1050兆円)が必要という認識を持っていることが伝わり、マーケットが色めき立った」(ネット証券マーケットアナリスト)という。  例えばこれを聞いたグーグルやアマゾンはそれに負けない投資を行わなければ、戦いに勝利することはできないと考える。となれば、ITの巨人たちによって創出される半導体関連特需は全部ひっくるめて数千兆円規模では到底収まらないことになる。今の時点でそれだけの投資が妥当なのかどうかを判断する材料はないが、仮に“行き過ぎた計画”であったとしても、当分の間、株式市場はAI真理教に洗脳された状態が続くはすだ。  きょうの東京市場では常に群を抜く売買代金をこなしてきたレーザーテック<6920.T>がソフトバンクグループ<9984.T>に首位を譲った。レーザーテクは今なお半導体関連の中心軸に位置し人気は佳境にあるといってよいが、AI関連の象徴であるソフトバンクGがそれを上回る売買代金をこなしたことは、投資資金の流れの変化を暗示する。シクリカル・グロースから純正グロース株への見直しムードが醸成されてきた感がある。東証グロース市場にも多く上場する日本のAI関連は、確かに米企業に比べればビジネスモデルの完成度で大差かもしれないが、時価総額はあまりに小さく、それだけ株高への伸びしろは大きい。  10日土曜日のトップ特集「グロース市場リベンジ爆騰の季節へ、輝き放つ超成長株予備軍7選」でエントリーされたグロース市場のAI関連株で、pluszero<5132.T>、メタリアル<6182.T>が値を飛ばしたが、これらは週足チャートで眺めることが肝要。まだ初動の域である。このほかではAI関連の好実態株としてARアドバンストテクノロジ<5578.T>、ティアンドエス<4055.T>などを挙げておきたい。また、プライム市場では、ユーザーローカル<3984.T>、ブレインパッド<3655.T>、フィックスターズ<3687.T>などに改めて着目してみたい。  あすのスケジュールでは、国内では特に目立ったイベントはないが、脱炭素を進めるために発行するクライメート・トランジョン国債の10年債の入札が午前中に予定されている。大引け後には1月の投信概況が開示される。海外では12月のユーロ圏鉱工業生産指数、1月の英消費者物価指数(CPI)のほか、インドネシア大統領選・議会選が行われる。国内主要企業の決算ではソニーグループ<6758.T>、オリンパス<7733.T>、日本郵政<6178.T>、第一生命ホールディングス<8750.T>、キリンホールディングス<2503.T>、SUMCO<3436.T>、楽天グループ<4755.T>などがある。なお、この日は中国、台湾、インドネシア、ベトナムの各市場は休場。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/13 17:01 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=トリケミカル、最先端半導体のキーカンパニー  トリケミカル研究所<4369.T>の上昇トレンドに勢いがある。4000円近辺の株価は絶好の仕込み場面となりそうだ。中勢5000円を目指す強調展開が見込まれる。同社は半導体材料を手掛ける化学メーカーで多品種少量生産に特徴があり、絶縁膜材料では高い技術力を駆使して世界トップクラスの競争力を持つ。同社が製造するHigh―K(高誘電率ゲート絶縁膜)はシリコン酸化物よりも高い誘電率を有し、半導体の性能向上で重要な役割を担う。具体的には半導体の微細化プロセスで起こり得る回路のショートを防ぐことで、最先端半導体の量産では一段と注目されることが必至といえる。近い将来に同社のニッチトップの実力が全面開花する日が訪れそうだ。  業績はメモリー不況の直撃により24年1月期の営業利益が前の期比5割減となる17億円予想と落ち込むが、株価的には既にこれを織り込み、25年1月期の回復を先取りする形で海外筋とみられる大口の資金が攻勢をかけている。今期営業利益はV字回復で30億円前後まで浮上する公算が大きい。韓国などを中心に海外売上高比率が約7割と高いが、国内でも日の丸半導体新会社ラピダスが最先端半導体の量産を目指していることで、トリケミカルの存在感はがぜん高まっていくことが予想される。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/13 10:00 みんかぶニュース コラム 13日の株式相場見通し=大幅高か、終値で3万7000円台回復へ  13日の東京株式市場は半導体関連をはじめハイテク株に買いが集まり、日経平均株価は大きく水準を切り上げる可能性が高そうだ。前週末は一時大幅高も後半失速して終値での3万7000円台回復はならなかったが、きょうは取引終了時点での大台替えを実現する公算が大きい。前日の米国株市場ではNYダウが終始堅調な値動きで反発、過去最高値を更新している。機関投資家がベンチマークとするS&P500指数は前週末に終値でフシ目となる5000の大台に乗せた。前日は利益確定売りに上値の重い展開を強いられ同指数はマイナス圏で引けたが下値では押し目買いニーズが旺盛だ。一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も過去最高値に肉薄している。前週末にザラ場で1万6000大台乗せを達成、この日も取引中盤まで強調展開で2021年11月につけた最高値を上回る場面があった。午後の取引で軟化しマイナス圏で引けたものの、早晩最高値更新が有力視される状況にある。米国株市場だけでなく、欧州株市場も主要国の株価指数は総じて上値指向が鮮明で、前日の独DAXは史上最高値を更新している。東京市場では相対的な出遅れ感から海外投資家の買いが続き、先物を絡めきょうは大幅高を演じるケースも考えられる。ただ、日本時間今晩に1月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、この結果を見極めたいとの思惑から買い一巡後は上げ幅を縮小する可能性もある。  12日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比125ドル69セント高の3万8797ドル38セントと反発。ナスダック総合株価指数は同48.119ポイント安の1万5942.545だった。  日程面では、きょうは1月の企業物価指数など。海外では、1月の英失業率、2月の欧州経済研究センター(ZEW)の独景気予測指数、1月の米消費者物価指数(CPI)など。 出所:MINKABU PRESS 2024/02/13 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=半導体”一極集中”相場に転機は来るか  9日の東京株式市場では、日経平均株価が一時3万7000円台と1990年2月以来、34年ぶりの水準に値を上げた。牽引役を果たしたのは昨日に続きソフトバンクグループ<9984.T>で、同社株だけで日経平均株価を100円強押し上げた格好だ。  今日はオプション・先物の特別清算指数(SQ)算出日だったことも3万7000円乗せの要因に働いたとの観測もある。市場関係者からは「3万6500円前後にはコールオプションの売りが膨らんでいた様子だ。ただ、米アームホールディングス<ARM>の好決算を背景にソフトバンクの株価が急騰したことで日経平均株価が大幅高となり、このため買い戻しの動きが一気に強まったようだ」との声も出ていた。  生成AI絡みの需要でARMが買われ、それとともにソフトバンクGが半導体関連株として再評価された格好だ。ただ、この日の日経平均株価は3連休前ということもあり、買い一巡後は伸び悩み終値では3万7000円を割り込んだ。  視線が集中したソフトバンクGだが、チャート上では大きな上ヒゲをつけて取引を終えたことも話題だ。上値での売りの強さを示す形だけに「さすがに、ここからは高値警戒感が出てくるだろう」(アナリスト)との見方も少なくない。  足もとでは半導体関連株への一極集中相場が続くが、今後の焦点は15日のアプライド・マテリアルズ<AMAT>、そして大本命である21日のエヌビディア<NVDA>の決算発表だ。今後も「長期トレンドとしての半導体株物色は続く」(市場関係者)とみられるものの、目先的には半導体絡みのイベントはピークアウトが近づきつつあるとも見える。徐々に相場の物色内容も分散化へと向かう場面も想定しておくべきなのかもしれない。  上記以外の来週のスケジュールでは、海外では13日に米1月消費者物価指数(CPI)、15日に同小売売上高、16日に同生産者物価指数(PPI)が発表される。13日にコカ・コーラ<KO>、14日にシスコ・システムズ<CSCO>の決算が発表される。  国内では、12日が建国記念の日の振替休日で休場。15日に23年10~12月期国内総生産(GDP)が発表される。同日にH3ロケット2号機の打ち上げが予定されている。13日に鹿島<1812.T>やアサヒグループホールディングス<2502.T>、14日にソニーグループ<6758.T>、楽天グループ<4755.T>の決算発表があり、この日で決算シーズンは一巡する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万6300~3万7300円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/09 17:21 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=リケンテクノ、中期計画の上方修正に期待  リケンテクノス<4220.T>は直近で買い疲れ感が出ているものの、押し目買いスタンスで対応したい。塩ビコンパウンド最大手の同社は1月31日に24年3月期の利益見通しを引き上げ、期末配当予想も増額した。これを受け2月に入り騰勢を強め、1000円の大台に乗せる場面があった。修正後の今期の最終利益予想は前期比40.4%増の64億円と、中期経営計画の最終年度である25年3月期の目標値(50億円)を上回っている。24年3月期は自動車や外食市場向けの回復や製造コストの削減効果、投資有価証券売却益の計上が利益の上振れ要因となる。  同社の事業領域のなかでも、自動車市場向けのコンパウンドの需要は今後も堅調に推移するとの見方は多く、中期計画の上方修正への期待が膨らんだ状況にあると言えるだろう。来期の最終利益の水準次第では、連続増配のシナリオも視野に入ってくる。同社は更に、来期にPBR(株価純資産倍率)1倍以上、ROE(自己資本利益率)8%の達成を目指している。企業価値の向上策に対しては投資家から一定の評価を集めているようだ。目先は過熱感を冷ます局面に入ることが見込まれるものの、PER(株価収益率)は8倍台と、バリュエーション面では割安な水準にとどまっている。フシ目の1000円を明確に上抜けた後は1996年の高値1160円が上値のメドとして意識されそうだ。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/02/09 10:30

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