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ADワークスグループ Research Memo(2):収益不動産販売事業とストック型フィービジネスの両輪で事業を推進

配信日時:2025/09/18 14:02 配信元:FISCO
*14:02JST ADワークスグループ Research Memo(2):収益不動産販売事業とストック型フィービジネスの両輪で事業を推進 ■事業概要

ADワークスグループ<2982>の事業セグメントは収益不動産販売事業、ストック型フィービジネスの2つのセグメントに区分されている。また、連結子会社は2025年6月末時点で国内5社、米国6社の計11社で構成されている。国内には収益不動産販売事業等を展開する(株)エー・ディー・ワークス、PM業務を行う(株)エー・ディー・パートナーズ、リノベーション工事や改修工事を行う(株)スミカワADD※、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)事業やFA(ファイナンシャル・アレンジメント)事業を行う(株)エンジェル・トーチ、クラウドファンディングを活用した資金調達等を行う(株)ジュピター・ファンディングがあり、米国には収益不動産販売事業、PM事業、不動産開発販売事業を行う子会社及びそれらを統括する事業統括会社がある。

※ スミカワADDについては、2025年7月1日付で全株式を譲渡した。事業エリアが東京多摩地区や神奈川城南地区であり、同社グループが主力とするエリア(都心部)とは重なりが少なかったこと、並びに成長戦略に基づく事業の集中と選択の観点から譲渡を決定した。2024年12月期の売上規模は8億円強、利益への影響は軽微である。

収益不動産販売事業は、中古賃貸マンションやオフィス・商業ビル等を仕入れ、法的・物的コンディションを整えたうえで、リノベーションなどのバリューアップを施してから販売する事業で、同社の主力事業である。仕入物件の主な対象エリアは中古マンションやオフィス等の賃貸需要が旺盛な大都市圏となる。1棟当たり10億円前後の中小規模のマンションやオフィスビルを仕入れ、バリューアップ後に事業法人や個人富裕層等に販売している。こうした物件は入居率が高く賃料収入が安定しているほか値下がりリスクも相対的に低いため、投資運用対象として手掛けるのに手頃である。また、2018年から不動産小口化商品「ARISTO」シリーズ※の販売を開始しており、顧客層の拡大にも取り組んでいる。ここ最近は、商業ビルを仕入れる機会も増え、取り扱う物件も大型化しているほか、京阪神や名古屋、博多など地方の主要都市部にもエリアを広げつつある。また、米国ではロサンゼルス市内の物件を対象に収益不動産販売事業を行ってきたが、2020年にハワイに子会社を新設し、賃貸不動産物件の開発販売事業に着手するなど、今後はロサンゼルス以外のエリアにも拡大する意向となっている。

※ 好立地の優良不動産を、最低出資金額500万円(1口100万円)から販売する不動産特定共同事業法に基づく不動産投資商品。出資割合に応じて対象不動産を共同所有し、管理運営は同社で行う。

ストック型フィービジネスは、販売用不動産を売却するまでに得られる賃料収入のほか、同社が保有・売却した物件に関するPM収入(建物の維持・管理受託、賃料・管理料徴収、テナント誘致等によるフィー)、既存顧客に対する売買サポートフィー、不動産に関する相続対策等のコンサルティング収入、受託不動産の保守・修繕工事等で構成されている。同セグメントの利益の大半を占める賃料収入は、収益不動産残高が積み上がれば連動して増えるため、同社にとって安定収益源となっている。

そのほか、子会社のエンジェル・トーチでCVC事業を2021年から、FA事業を2022年からそれぞれ立ち上げている。FA事業では、先進的なファイナンスサービスに取り組む複数のベンチャー企業に出資し、これら企業が提供するサービスや自社で行ってきたライツ・オファリング※による資金調達ノウハウ等を組み合わせることで、資金調達面で課題を抱えるスタートアップ企業や未上場企業、上場企業に対して最適な資本政策の提案を行う資金調達支援サービスを行っている。

※ ライツ・オファリングとは、発行会社以外のすべての株主に対して、その保有する株式数に応じて新株予約権を無償で割当て、株主が当該新株予約権を行使することで資金を調達する手法。

さらには、社内新規事業コンテストで提案された事業等、計50以上の新規事業候補のなかから3つの事業(オフィス区分販売事業、不動産クラウドファンディング事業、系統用蓄電所事業)を2025年12月期より開始しており(詳細は後述)、事業ポートフォリオの拡大を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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