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GVATECH Research Memo(6):流動比率が100%割るも、同社ビジネスモデルを踏まえると問題なし

配信日時:2025/09/18 11:06 配信元:FISCO
*11:06JST GVATECH Research Memo(6):流動比率が100%割るも、同社ビジネスモデルを踏まえると問題なし ■GVA TECH<298A>の業績動向

4. 財務状況と経営指標
2025年12月期中間末の財務状況を見ると、総資産は前期末比85百万円減少の1,216百万円となった。これは主にソフトウェア(無形固定資産)が122百万円増加した一方で、現金及び預金が229百万円減少したことによる。負債合計は前期末比62百万円増加の757百万円となった。これは主に未払金が33百万円減少した一方、契約負債が53百万円増加、有利子負債が31百万円増加したことによる。純資産合計は前期末比147百万円減少し458百万円となった。これは利益剰余金が152百万円減少したことによる。経営指標については、財務の安全性を示す自己資本比率は前期末比9.1ポイント低下し34.6%、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは0.28上昇し0.87倍となったが、引き続き問題ない水準を維持した。一方、1年以内に返済する必要のある負債に対し1年以内に現金化される資産の割合を示した流動比率は93.1%となった。一般的に、100%を割る水準は資金繰への懸念があると言われるが、同社の場合、資金流出を伴わない契約負債※が流動負債全体の50%超を占めるため、特段の問題はないと言える。

※ 契約負債は顧客から受領済で未履行のサービスに関わる残高を指し、年払いのサブスクリプション料などが含まれる。中途解約がない限りは返金の義務はなく、資金流出を伴わずに毎月残高が減少していく負債勘定である。

また、2025年8月末に3銀行から合計5億円を借入調達し、手元流動性の補完を図った。


ソフトウェア投資継続により、現金及び現金同等物は減少

5. キャッシュ・フローの状況
2025年12月期中間期の営業活動によるキャッシュ・フローは35百万円の支出となった。主な支出は税引前中間純損失が151百万円、未払金の減少30百万円であった。一方、主な収入は減価償却費が100百万円、契約負債の増加が53百万円であった。投資活動によるキャッシュ・フローは230百万円の支出で、ソフトウェア(無形固定資産)の取得によるものである。財務活動によるキャッシュ・フローは36百万円の収入であり、借入金の増加が31百万円であった。この結果、2025年12月期中間期の現金及び現金同等物は229百万円減少し、同期末残高は312百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)

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