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SBSHD Research Memo(2):「3PL×物流施設流動化」の独自ビジネスモデルとM&A戦略で高成長
配信日時:2025/09/17 14:02
配信元:FISCO
*14:02JST SBSHD Research Memo(2):「3PL×物流施設流動化」の独自ビジネスモデルとM&A戦略で高成長
■会社概要
1. 会社沿革
SBSホールディングス<2384>は1987年に、現 代表取締役社長の鎌田正彦(かまたまさひこ)氏によって設立された。当時としてはユニークな「即日配送」システムを首都圏で提供する企業として事業を開始した。2003年には日本証券業協会に株式を店頭登録し、財務基盤を強化したうえでM&Aを活用しながら業容を拡大してきた。2004年に雪印物流(株)(現 SBSフレック(株))を子会社化したのを皮切りに、2005年に東急ロジスティック(株)(現 SBSロジコム(株))、2006年に(株)全通(現 SBSゼンツウ(株))、2018年にリコーロジスティクス(現 SBSリコーロジスティクス)、2020年に東芝ロジスティクス(現 SBS東芝ロジスティクス)など国内大手企業の物流子会社を中心に相次いでグループ化し、事業規模拡大の原動力となった。
また、物流事業の拡大と併せて、2004年より3PL事業を強化するための物流施設の開発を開始した。流動化スキームによって投資資金を早期回収し、新たな物流施設開発のための投資に回す独自のビジネスモデルを確立した。自力開発と併せてM&Aの積極推進により、グループの物流拠点運営面積は2020年12月末の約53万坪から2024年12月末には約108万坪と4年間で約2倍に急拡大した。今後もこれら成長戦略の推進により、事業拡大を目指している。
2. 事業内容
同社の事業セグメントは物流事業、不動産事業、その他事業の3つのセグメントで構成されている。物流事業が売上高の9割強、営業利益でも過半を占める主力事業となっている。不動産事業については、保有物流施設の流動化による売却益が大半を占めるため、施設売却の時期や規模によって利益も変動する傾向にあるが、ここ数期では投資・開発規模の大型化に伴い流動化規模も拡大傾向にあり、安定収益源の役割を担っている。
(1) 物流事業
物流事業では、主に企業間物流の分野で総合的な物流サービスを展開している。具体的には、荷主である顧客企業の物流業務を請け負う3PL事業のほか、全国ネットワークを持つ三温度帯(冷凍・冷蔵・常温)での食品物流や一般物流、小型貨物を即日配達する即配サービスのほか、国際物流事業などをグループ各社で展開している。2024年12月期の種類別売上構成比で見ると、メーカー物流が35%と最も大きく、次いで小売物流が30%、食品物流が19%、企業宅配が8%、国際複合一貫輸送が8%となっている。2014年12月期は小売物流が39%、食品物流が56%、企業宅配が5%の構成であったが、複数のM&Aを手掛けてきたことで、物流のポートフォリオが拡充した。なお、グループ会社の営業エリアはSBS東芝ロジスティクスとSBSリコーロジスティクス、SBSフレック、SBS古河物流が全国に展開しており、SBS即配サポート(株)は首都圏、その他グループ会社は関東、関西、中部を中心とした主要都市圏で展開している。また、国際物流に関してはSBS東芝ロジスティクスグループ、SBSリコーロジスティクスグループの2系統で主に展開している。
同社は成長戦略として、3PL、EC物流、国際物流の3事業を強化する方針を打ち出している。これら3事業の売上構成比について見ると、2024年12月期は3PLが58.0%※(2014年12月期は37.3%)、EC物流が14.2%、国際物流が13.0%となっている。
※ 3PLは契約種類別の売上構成比となるため、そのなかにはEC物流や国際物流が含まれるケースがある。
(2) 不動産事業
不動産事業では、自社グループで3PL事業を展開していくための物流施設を開発、流動化して収益を獲得する開発事業と、従来から保有しているオフィスビルやマンションなどの賃料収入からなる賃貸事業で構成されている。
同社の不動産流動化のビジネスモデルは、低リスクかつ高収益であることが特長となっている。新たな物流施設の開発にあたっては、物流事業者固有のライセンスや専門的なアセットマネジメントチームを活用し、土地の仕入れを行っている。物流の視点から無駄のない建物を設計することで開発費用を抑え、価格競争力のある賃料を実現している。このため、景気低迷などで荷量が減少しても、賃料が相対的に高い近隣の他社倉庫からの乗り換え需要が見込まれ、稼働率を大きく落とさずに運営を継続できる。自社の3PL拠点として稼働率をほぼ100%に保ち、事業用不動産としての価値を高めたうえで売却し、セール&リースバックにより継続して使用するため、買い手側も安定した収益性を確保できるWin-Winの関係を構築している。
(3) その他事業
その他事業は、売上高の約5割を倉庫内の軽作業派遣を中心とした人材サービス事業が占め、次いでマーケティング事業(ペットフードの通販サイト運営、EC支援サービス等)が約2割、残りを太陽光発電事業、リサイクル・環境事業(一般及び産業廃棄物の回収及び中間処理を行う)、保険事業などで占めている。太陽光発電事業に関しては、自社の物流センターや事業所の屋上などに太陽光パネルを設置しており、売電だけでなく自社で活用もしている(2024年12月期末の発電能力は合計で約19MW)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
1. 会社沿革
SBSホールディングス<2384>は1987年に、現 代表取締役社長の鎌田正彦(かまたまさひこ)氏によって設立された。当時としてはユニークな「即日配送」システムを首都圏で提供する企業として事業を開始した。2003年には日本証券業協会に株式を店頭登録し、財務基盤を強化したうえでM&Aを活用しながら業容を拡大してきた。2004年に雪印物流(株)(現 SBSフレック(株))を子会社化したのを皮切りに、2005年に東急ロジスティック(株)(現 SBSロジコム(株))、2006年に(株)全通(現 SBSゼンツウ(株))、2018年にリコーロジスティクス(現 SBSリコーロジスティクス)、2020年に東芝ロジスティクス(現 SBS東芝ロジスティクス)など国内大手企業の物流子会社を中心に相次いでグループ化し、事業規模拡大の原動力となった。
また、物流事業の拡大と併せて、2004年より3PL事業を強化するための物流施設の開発を開始した。流動化スキームによって投資資金を早期回収し、新たな物流施設開発のための投資に回す独自のビジネスモデルを確立した。自力開発と併せてM&Aの積極推進により、グループの物流拠点運営面積は2020年12月末の約53万坪から2024年12月末には約108万坪と4年間で約2倍に急拡大した。今後もこれら成長戦略の推進により、事業拡大を目指している。
2. 事業内容
同社の事業セグメントは物流事業、不動産事業、その他事業の3つのセグメントで構成されている。物流事業が売上高の9割強、営業利益でも過半を占める主力事業となっている。不動産事業については、保有物流施設の流動化による売却益が大半を占めるため、施設売却の時期や規模によって利益も変動する傾向にあるが、ここ数期では投資・開発規模の大型化に伴い流動化規模も拡大傾向にあり、安定収益源の役割を担っている。
(1) 物流事業
物流事業では、主に企業間物流の分野で総合的な物流サービスを展開している。具体的には、荷主である顧客企業の物流業務を請け負う3PL事業のほか、全国ネットワークを持つ三温度帯(冷凍・冷蔵・常温)での食品物流や一般物流、小型貨物を即日配達する即配サービスのほか、国際物流事業などをグループ各社で展開している。2024年12月期の種類別売上構成比で見ると、メーカー物流が35%と最も大きく、次いで小売物流が30%、食品物流が19%、企業宅配が8%、国際複合一貫輸送が8%となっている。2014年12月期は小売物流が39%、食品物流が56%、企業宅配が5%の構成であったが、複数のM&Aを手掛けてきたことで、物流のポートフォリオが拡充した。なお、グループ会社の営業エリアはSBS東芝ロジスティクスとSBSリコーロジスティクス、SBSフレック、SBS古河物流が全国に展開しており、SBS即配サポート(株)は首都圏、その他グループ会社は関東、関西、中部を中心とした主要都市圏で展開している。また、国際物流に関してはSBS東芝ロジスティクスグループ、SBSリコーロジスティクスグループの2系統で主に展開している。
同社は成長戦略として、3PL、EC物流、国際物流の3事業を強化する方針を打ち出している。これら3事業の売上構成比について見ると、2024年12月期は3PLが58.0%※(2014年12月期は37.3%)、EC物流が14.2%、国際物流が13.0%となっている。
※ 3PLは契約種類別の売上構成比となるため、そのなかにはEC物流や国際物流が含まれるケースがある。
(2) 不動産事業
不動産事業では、自社グループで3PL事業を展開していくための物流施設を開発、流動化して収益を獲得する開発事業と、従来から保有しているオフィスビルやマンションなどの賃料収入からなる賃貸事業で構成されている。
同社の不動産流動化のビジネスモデルは、低リスクかつ高収益であることが特長となっている。新たな物流施設の開発にあたっては、物流事業者固有のライセンスや専門的なアセットマネジメントチームを活用し、土地の仕入れを行っている。物流の視点から無駄のない建物を設計することで開発費用を抑え、価格競争力のある賃料を実現している。このため、景気低迷などで荷量が減少しても、賃料が相対的に高い近隣の他社倉庫からの乗り換え需要が見込まれ、稼働率を大きく落とさずに運営を継続できる。自社の3PL拠点として稼働率をほぼ100%に保ち、事業用不動産としての価値を高めたうえで売却し、セール&リースバックにより継続して使用するため、買い手側も安定した収益性を確保できるWin-Winの関係を構築している。
(3) その他事業
その他事業は、売上高の約5割を倉庫内の軽作業派遣を中心とした人材サービス事業が占め、次いでマーケティング事業(ペットフードの通販サイト運営、EC支援サービス等)が約2割、残りを太陽光発電事業、リサイクル・環境事業(一般及び産業廃棄物の回収及び中間処理を行う)、保険事業などで占めている。太陽光発電事業に関しては、自社の物流センターや事業所の屋上などに太陽光パネルを設置しており、売電だけでなく自社で活用もしている(2024年12月期末の発電能力は合計で約19MW)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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