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網屋 Research Memo(6):2025年12月期は中間期の好業績を受け上方修正。通期業績達成の蓋然性は高い
配信日時:2025/09/17 11:06
配信元:FISCO
*11:06JST 網屋 Research Memo(6):2025年12月期は中間期の好業績を受け上方修正。通期業績達成の蓋然性は高い
■網屋<4258>の今後の見通し
1. 2025年12月期業績見通し
同社は2025年12月期業績見通しについて、2025年7月30日に通期連結業績予想の修正を行った。売上高5,750百万円(前期比20.6%増)、営業利益780百万円(同48.2%増)、経常利益770百万円(同42.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益530百万円(同37.7%増)としている。売上総利益率の低いネットワークインテグレーションの売上が減少した一方で、「ALog」並びに「Network All Cloud」などのサブスクリプションモデルの高収益事業が好調に推移した。その結果、売上計画は据え置かれたものの、営業利益率が想定を上回り、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益が期初業績予想を上回る見通しとなった。
ALog製品のビジネスモデル転換は、収益構造の改善につながった。従来は300万円程度のライセンスを初期販売し、2年目以降にその10%程度の保守収入を獲得するモデルであった。オールサブスクリプションへの切り替えによって、初期収益は一時的に低減したが、2年目以降は事実上6倍から8倍程度の売上増加が見込まれる。過去のライセンスモデルでは15%前後であった解約率が、サブスクリプション移行後は1%程度まで低下し、極めて高い顧客定着率を実現した。この構造的変化により、ARRは10年スパンで10倍に成長する見通しであり、現状も計画どおりに進捗している。
収益の多様化も進めており、規程・ガイドライン策定、脆弱性診断、サイバー攻撃時の対応など、顧客からの様々な要望に対して、セキュリティ包括事業者として複合事業を展開している。2024年12月期においても前期比で当該サービスの売上高は3倍程度に拡大し、成長余力の高さを示している。加えて、同社製品は海外展開のポテンシャルがある。セキュリティという製品の性質上、政府機関などにも導入しているケースがある。足元ではインドネシアやマレーシアで受注が拡大している。特に東アジア向けの大型供給は今後加速が期待されるが、まずは国内での収益性確保を優先する方針であり、投資規模は現時点では限定的である。
2025年5月にはNTTドコモビジネス(株)と資本業務提携を締結した。この提携により、NTTドコモビジネスは同社が提供するインターネット回線に付随する形で、ALogを活用したセキュリティログを監視するオプションサービスを展開する計画である。この新サービスは、法人LANやWANの通信を対象にしたサイバー攻撃検知及び監視代行を主軸としている。そのため現在、監視機能のカスタマイズや大規模化に向けた開発も進行している。リリースは2026年春頃を予定しており、同社製品がOEMとして提供されることで大きな売上成長要因になると見込まれる。従来のセキュリティ監視代行は、高額な海外製品を使用する必要もあり、量販サービスとしての提供が困難であった。国内企業が提供するSOC(Security Operation Center)サービスも存在するが、コストが高額で普及は限定的であった。国産SIEM製品を提供する同社が参入することで、サービス価格の汎用化が進み、量販型サービスとして拡大が期待される。中長期的には、生成AIを活用した「データ分析プラットフォーム」の実装開発も進めており、NTTドコモビジネスと協業しながら自動対処・自動検知機能の開発を進めている。まずは顧客へのサービス導入を通じて収益基盤を構築し、その上でAIによる自動化をこれまで以上に進めることで労働集約度をさらに下げ、利益率向上を図る戦略である。
投資計画に関しては、2023年12月期〜2024年12月期までの期間では予測と実績に大きな乖離はなく、コストダウンを伴いつつ収益性を高める販路体系を構築した。ただし、大規模顧客の増加に伴い、製品大容量化のための開発投資は必要不可欠であり、その点に関しては積極的投資を継続する方針である。投資計画の一例として、海外製ログ管理製品に対抗し、低コストかつ分かりやすい国産製品としての優位性を発揮するべく研究開発を進めている。専門的な知見を要することなく利用できる、テンプレート化・サービス化されたログ管理ソリューションの提供により、国内市場でのシェア拡大が見込まれる。
北米ではSASE市場が急速に拡大しているが、日本国内では国産SASE製品が希少である。同社が本格的にプロモーションを展開すれば先行者優位を確立できる可能性がある。今後は通信キャリア向けの展開が進む見通しであり、既に(株)NTTPCコミュニケーションズや(株)オプテージ、キヤノンマーケティングジャパン<8060>などが代理店として販売している。
オールサブスクリプション化による安定した収益基盤の確立と、顧客定着率の大幅改善という成長ドライバーを兼ね備えている。2025年12月期中間期は、営業利益486百万円と、期初通期予想に対して81.1%という好調な進捗となった。上方修正の実施や足元の旺盛な需要を踏まえると、第3四半期以降も増収増益基調を継続し、通期予想達成の蓋然性は高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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1. 2025年12月期業績見通し
同社は2025年12月期業績見通しについて、2025年7月30日に通期連結業績予想の修正を行った。売上高5,750百万円(前期比20.6%増)、営業利益780百万円(同48.2%増)、経常利益770百万円(同42.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益530百万円(同37.7%増)としている。売上総利益率の低いネットワークインテグレーションの売上が減少した一方で、「ALog」並びに「Network All Cloud」などのサブスクリプションモデルの高収益事業が好調に推移した。その結果、売上計画は据え置かれたものの、営業利益率が想定を上回り、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益が期初業績予想を上回る見通しとなった。
ALog製品のビジネスモデル転換は、収益構造の改善につながった。従来は300万円程度のライセンスを初期販売し、2年目以降にその10%程度の保守収入を獲得するモデルであった。オールサブスクリプションへの切り替えによって、初期収益は一時的に低減したが、2年目以降は事実上6倍から8倍程度の売上増加が見込まれる。過去のライセンスモデルでは15%前後であった解約率が、サブスクリプション移行後は1%程度まで低下し、極めて高い顧客定着率を実現した。この構造的変化により、ARRは10年スパンで10倍に成長する見通しであり、現状も計画どおりに進捗している。
収益の多様化も進めており、規程・ガイドライン策定、脆弱性診断、サイバー攻撃時の対応など、顧客からの様々な要望に対して、セキュリティ包括事業者として複合事業を展開している。2024年12月期においても前期比で当該サービスの売上高は3倍程度に拡大し、成長余力の高さを示している。加えて、同社製品は海外展開のポテンシャルがある。セキュリティという製品の性質上、政府機関などにも導入しているケースがある。足元ではインドネシアやマレーシアで受注が拡大している。特に東アジア向けの大型供給は今後加速が期待されるが、まずは国内での収益性確保を優先する方針であり、投資規模は現時点では限定的である。
2025年5月にはNTTドコモビジネス(株)と資本業務提携を締結した。この提携により、NTTドコモビジネスは同社が提供するインターネット回線に付随する形で、ALogを活用したセキュリティログを監視するオプションサービスを展開する計画である。この新サービスは、法人LANやWANの通信を対象にしたサイバー攻撃検知及び監視代行を主軸としている。そのため現在、監視機能のカスタマイズや大規模化に向けた開発も進行している。リリースは2026年春頃を予定しており、同社製品がOEMとして提供されることで大きな売上成長要因になると見込まれる。従来のセキュリティ監視代行は、高額な海外製品を使用する必要もあり、量販サービスとしての提供が困難であった。国内企業が提供するSOC(Security Operation Center)サービスも存在するが、コストが高額で普及は限定的であった。国産SIEM製品を提供する同社が参入することで、サービス価格の汎用化が進み、量販型サービスとして拡大が期待される。中長期的には、生成AIを活用した「データ分析プラットフォーム」の実装開発も進めており、NTTドコモビジネスと協業しながら自動対処・自動検知機能の開発を進めている。まずは顧客へのサービス導入を通じて収益基盤を構築し、その上でAIによる自動化をこれまで以上に進めることで労働集約度をさらに下げ、利益率向上を図る戦略である。
投資計画に関しては、2023年12月期〜2024年12月期までの期間では予測と実績に大きな乖離はなく、コストダウンを伴いつつ収益性を高める販路体系を構築した。ただし、大規模顧客の増加に伴い、製品大容量化のための開発投資は必要不可欠であり、その点に関しては積極的投資を継続する方針である。投資計画の一例として、海外製ログ管理製品に対抗し、低コストかつ分かりやすい国産製品としての優位性を発揮するべく研究開発を進めている。専門的な知見を要することなく利用できる、テンプレート化・サービス化されたログ管理ソリューションの提供により、国内市場でのシェア拡大が見込まれる。
北米ではSASE市場が急速に拡大しているが、日本国内では国産SASE製品が希少である。同社が本格的にプロモーションを展開すれば先行者優位を確立できる可能性がある。今後は通信キャリア向けの展開が進む見通しであり、既に(株)NTTPCコミュニケーションズや(株)オプテージ、キヤノンマーケティングジャパン<8060>などが代理店として販売している。
オールサブスクリプション化による安定した収益基盤の確立と、顧客定着率の大幅改善という成長ドライバーを兼ね備えている。2025年12月期中間期は、営業利益486百万円と、期初通期予想に対して81.1%という好調な進捗となった。上方修正の実施や足元の旺盛な需要を踏まえると、第3四半期以降も増収増益基調を継続し、通期予想達成の蓋然性は高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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