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丸運 Research Memo(7):成長分野の事業拡大により2031年3月期に経常利益20億円以上を目指す(2)
配信日時:2025/09/17 12:07
配信元:FISCO
*12:07JST 丸運 Research Memo(7):成長分野の事業拡大により2031年3月期に経常利益20億円以上を目指す(2)
■今後の課題・展望
3. 海外事業
丸運<9067>は現在、中国には丸運国際貨運代理(上海)、丸運物流(天津)の2現地法人を展開。丸運安科迅物流(常州)を閉鎖し丸運物流(天津)に統合した。さらに、実績のある日本国内に向けた設備に関する一貫物流についても、一層の提案営業を展開し新規の業務獲得につなげる方針である。
2017年8月に現地法人を設立したベトナムでは、フンイエン事務所を皮切りにホーチミン支店、ハナム営業所、ティエンザン営業所を開設した。日本企業のベトナム進出が活発化していることから、これら日系企業の輸送面をサポートする考えだ。当面はベトナムでのビジネスを岩盤のように固める方向だが、2024年7月に現地物流梱包事業会社との資本業務提携により差別化を図り、さらなる成長を目指していくと思われる。
4. ドライバー不足、2024年問題の対処
ドライバー不足については、ヤマトホールディングス等のBtoC中心の業者以上に、同社のようなBtoB業者はより深刻な問題となっている。なぜなら、宅配便の配達は普通免許で対応可能だが、同社が得意とする重量物輸送や石油輸送には大型免許が必須であり、対象ドライバーの数が限定されるからだ。
大型免許は取得に時間を要するため、ドライバーが一朝一夕に増えず、さらに石油ローリー等のトレーラーの運転に必要なけん引免許は実運転経験が必要なため取得がさらに難しい。これに“働き方改革”により1人当たりの時間を縮小せざるを得ない労働時間の問題も加わる。同時に法整備が進められている外国人労働者については、右ハンドル、左ハンドル等道路交通の制度上の問題もあるほか、石油関連輸送に関しては取扱資格等もネックになるようで、短期間で即戦力となるプロのドライバーを養成するのは容易ではない。
そこで同社は、顧客と情報を共有しながら、輸送効率の最適化を図るという。一例を挙げると、ドライバーの配送回数や配送業務を均等に割り当てる配送の平準化や積卸順番を待つ時間(待機時間)を削減する配送の効率化等の改善を図っていく。また、ドライバー不足・確保への対応として、賃金改定を中心としたドライバー・作業員の待遇改善を行っており、また、各種SNSを使って認知度を高め、石油ローリードライバーを中心に新規採用を積極的に進めている。さらに、資格取得支援制度を整備することで、ドライバーの資格問題にも対応する。適切な時間管理については、デジタル運行記録計(デジタコ)を活用した配車・勤怠管理システムの導入を進め、特に長距離輸送に関して、適切な拘束時間管理の徹底を図っている。また、政府はいわゆるトラック法と物流効率化法の改正を通じて、物流業界の取引慣行の是正を進めており、同社はシステム対応を実施し、取引健全化の徹底を図っている。このような対応によりコストは上昇するが、荷主に丁寧に説明することにより、事業の継続に必要な適正運賃・料金の収受に努めている。
5. M&Aに関しての考え方
M&Aについては、経営戦略の一つと考えており、持続的な成長と企業価値の向上に不可欠であると同社では考えている。長期ビジョンにおいても、次期成長分野であるリサイクル物流、機工、営業強化分野である海外における営業力強化等において資本提携やM&Aの手法を能動的に活用する方針であり、特にM&Aには積極的な資金投下を考えている。
実際、2025年月には成長戦略の重要なビジネスとして位置付ける機工事業を拡充すべく、中村運輸機工を買収した。中村運輸機工のノウハウや戦力を活用することで、機工事業を拡大していく。
6. 第4次中期経営計画
2023年5月に策定した「第4次中期経営計画」が2026年3月期で最終年度を迎える。同計画の主要アクションプランについては以下のとおりである。
〇貨物輸送事業
・適正運賃・料金の収受
・素材関連分野の強化及び新規顧客開拓による事業拡大
〇エネルギー輸送事業
・石油輸送部門の徹底効率化
・潤滑油・化成品の輸送・保管の強化
〇海外物流事業
・素材一貫物流の拡大
・ベトナム事業・食品輸出事業の拡大
〇テクノサポート事業
・受託業務の維持継続
第4次中期経営計画の収支計画として、最終年度の2026年3月期に連結営業収益49,100百万円(2023年3月期46,586百万円)、連結経常利益1,340百万円(同612百万円)を掲げているが、経常利益については1年前倒しで2025年3月期に目標を達成した。現在は、第5次中期経営計画について検討している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
<HN>
3. 海外事業
丸運<9067>は現在、中国には丸運国際貨運代理(上海)、丸運物流(天津)の2現地法人を展開。丸運安科迅物流(常州)を閉鎖し丸運物流(天津)に統合した。さらに、実績のある日本国内に向けた設備に関する一貫物流についても、一層の提案営業を展開し新規の業務獲得につなげる方針である。
2017年8月に現地法人を設立したベトナムでは、フンイエン事務所を皮切りにホーチミン支店、ハナム営業所、ティエンザン営業所を開設した。日本企業のベトナム進出が活発化していることから、これら日系企業の輸送面をサポートする考えだ。当面はベトナムでのビジネスを岩盤のように固める方向だが、2024年7月に現地物流梱包事業会社との資本業務提携により差別化を図り、さらなる成長を目指していくと思われる。
4. ドライバー不足、2024年問題の対処
ドライバー不足については、ヤマトホールディングス等のBtoC中心の業者以上に、同社のようなBtoB業者はより深刻な問題となっている。なぜなら、宅配便の配達は普通免許で対応可能だが、同社が得意とする重量物輸送や石油輸送には大型免許が必須であり、対象ドライバーの数が限定されるからだ。
大型免許は取得に時間を要するため、ドライバーが一朝一夕に増えず、さらに石油ローリー等のトレーラーの運転に必要なけん引免許は実運転経験が必要なため取得がさらに難しい。これに“働き方改革”により1人当たりの時間を縮小せざるを得ない労働時間の問題も加わる。同時に法整備が進められている外国人労働者については、右ハンドル、左ハンドル等道路交通の制度上の問題もあるほか、石油関連輸送に関しては取扱資格等もネックになるようで、短期間で即戦力となるプロのドライバーを養成するのは容易ではない。
そこで同社は、顧客と情報を共有しながら、輸送効率の最適化を図るという。一例を挙げると、ドライバーの配送回数や配送業務を均等に割り当てる配送の平準化や積卸順番を待つ時間(待機時間)を削減する配送の効率化等の改善を図っていく。また、ドライバー不足・確保への対応として、賃金改定を中心としたドライバー・作業員の待遇改善を行っており、また、各種SNSを使って認知度を高め、石油ローリードライバーを中心に新規採用を積極的に進めている。さらに、資格取得支援制度を整備することで、ドライバーの資格問題にも対応する。適切な時間管理については、デジタル運行記録計(デジタコ)を活用した配車・勤怠管理システムの導入を進め、特に長距離輸送に関して、適切な拘束時間管理の徹底を図っている。また、政府はいわゆるトラック法と物流効率化法の改正を通じて、物流業界の取引慣行の是正を進めており、同社はシステム対応を実施し、取引健全化の徹底を図っている。このような対応によりコストは上昇するが、荷主に丁寧に説明することにより、事業の継続に必要な適正運賃・料金の収受に努めている。
5. M&Aに関しての考え方
M&Aについては、経営戦略の一つと考えており、持続的な成長と企業価値の向上に不可欠であると同社では考えている。長期ビジョンにおいても、次期成長分野であるリサイクル物流、機工、営業強化分野である海外における営業力強化等において資本提携やM&Aの手法を能動的に活用する方針であり、特にM&Aには積極的な資金投下を考えている。
実際、2025年月には成長戦略の重要なビジネスとして位置付ける機工事業を拡充すべく、中村運輸機工を買収した。中村運輸機工のノウハウや戦力を活用することで、機工事業を拡大していく。
6. 第4次中期経営計画
2023年5月に策定した「第4次中期経営計画」が2026年3月期で最終年度を迎える。同計画の主要アクションプランについては以下のとおりである。
〇貨物輸送事業
・適正運賃・料金の収受
・素材関連分野の強化及び新規顧客開拓による事業拡大
〇エネルギー輸送事業
・石油輸送部門の徹底効率化
・潤滑油・化成品の輸送・保管の強化
〇海外物流事業
・素材一貫物流の拡大
・ベトナム事業・食品輸出事業の拡大
〇テクノサポート事業
・受託業務の維持継続
第4次中期経営計画の収支計画として、最終年度の2026年3月期に連結営業収益49,100百万円(2023年3月期46,586百万円)、連結経常利益1,340百万円(同612百万円)を掲げているが、経常利益については1年前倒しで2025年3月期に目標を達成した。現在は、第5次中期経営計画について検討している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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