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コーア商事HD Research Memo(4):2025年6月期は増収増益を確保し、過去最高を更新
配信日時:2025/09/17 13:04
配信元:FISCO
*13:04JST コーア商事HD Research Memo(4):2025年6月期は増収増益を確保し、過去最高を更新
■コーア商事ホールディングス<9273>の業績動向
1. 2025年6月期の業績概要
2025年6月期の市場環境は、長期収載品の選定療養化(ジェネリック医薬品がある先発医薬品を、医療上の必要がないにもかかわらず患者が希望する場合に、特別な料金を支払う仕組み)等のジェネリック医薬品の使用促進策により、ジェネリック医薬品の数量シェアは2025年2月には90.6%へ拡大した。また、米国による相互関税等の政策が同社グループの業績へ及ぼす影響は、取り引きの多くが日本国内向けであるため軽微であった。
以上の事業環境の下、2025年6月期の連結業績は、売上高で前期比5.1%増の23,269百万円、営業利益で同22.2%増の5,355百万円、経常利益で同23.1%増の5,375百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同23.5%増の3,637百万円の増収増益となり、売上高及び各段階の利益は過去最高を更新した。売上高はおおむね期初計画どおりであったが、営業利益は計画比15.9%増、経常利益は同16.8%増、当期純利益は同18.1%増であった。売上総利益の大幅増加に対して、販管費の増加が小幅にとどまったことから大幅増益となった。その結果、営業利益率は同3.2ポイント上昇の23.0%に、経常利益率は同3.4ポイント上昇の23.1%に、当期純利益率も同2.3ポイント上昇の15.6%に改善した。減価償却費は同4.8%減の691百万円、研究開発費は同16.4%増の154百万円と、おおむね横ばいにとどまった。一方、設備投資は同128.3%増の3,077百万円と、蔵王第二工場の建物と機械装置への投資が進捗したことで大幅に増加しており、同社グループではさらなる成長を目指して必要な投資を行っている。
原薬セグメント、医薬品セグメントともに増収増益
2.事業セグメント別動向
(1) 原薬セグメント
原薬セグメントにおいては、前期から発生している得意先での在庫調整、競合の参入、顧客の購入タイミングの影響等により減少したものがあったものの、近年(2020年~2024年)に上市した中枢神経系用薬や腫瘍用薬の拡販や、一部の品目で選定療養や得意先での在庫調整が解消したこと等により取引量が増加して増収となった。以上から、売上高は15,930百万円(前期比3.1%増)、営業利益(セグメント間取引の消去及び全社費用を控除前、以下同)は3,215百万円(同16.1%増)であった。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高(内販)1,330百万円を含む。以上の結果、営業利益率は20.2%(同2.3ポイント上昇)となった。
(2) 医薬品セグメント
医薬品セグメントにおいては、蔵王工場において受託製造しているプレフィルドシリンジ製剤の販売が、ニーズに対応した増産により堅調に推移したこと等により増収となり、収率や稼働率の向上による生産性の改善や売上構成の変化等により利益率が向上した。以上から、売上高は8,668百万円(前期比3.2%増)、営業利益は2,136百万円(同25.7%増)であった。また、営業利益率は24.7%(同4.4ポイント上昇)となった。医薬品セグメントの営業利益率が相対的に高いのは、医薬品の品目を集約しており、生産効率が高いことが一因である。
財務の健全性が高く、収益力もプライム上場企業の平均を上回る
3. 財務状況とキャッシュ・フロー
2025年6月期末の連結財務状況は、資産合計が前期末比4,110百万円増の36,114百万円となった。主な増減要因は、蔵王第二工場建設に伴う建設仮勘定の増加2,762百万円、棚卸資産に含まれる商品及び製品の増加973百万円、現金及び預金の増加964百万円等があった一方で、建物及び構築物の減少201百万円、受取手形及び売掛金、電子記録債権の減少282百万円等があったことによる。
負債合計は前期末比1,041百万円増の7,994百万円となった。主な増減要因は、設備関係未払金の増加1,217百万円、未払法人税等の増加307百万円、支払手形及び買掛金の増加80百万円等があった一方で、長期借入金の減少349百万円、電子記録債務の減少269百万円等があったことによる。長期借入金、短期借入金を合計した借入金は同373百万円減の2,451百万円となった。また、純資産は同3,068百万円増の28,120百万円となった。これは利益剰余金の増加3,090百万円等による。
以上の結果、自己資本比率は77.9%(前期末比0.4ポイント低下)となり、2025年3月期にプライム市場に上場した全産業平均の33.6%を大きく上回る高い安全性を確保しており、流動比率も416.9%と高く、短期的に支払いが必要な負債に対して十分な支払い能力を有している。収益性の面では、ROAは15.8%、ROEは13.7%で、プライム市場に上場する全産業平均の4.5%、9.4%を上回り、高い収益力も兼ね備えていると評価できる。
2025年6月期末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前期末比1,544百万円増の14,739百万円となった。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
営業活動により獲得した資金は、3,777百万円となった。これは主に、税金等調整前当期純利益5,371百万円、減価償却費691百万円等があった一方で、法人税等の支払額1,441百万円、棚卸資産の増加額998百万円等があったことによる。投資活動により使用した資金は、1,282百万円となった。これは主に、定期預金の払戻しによる収入3,396百万円等があった一方で、定期預金の預入による支出2,816百万円、固定資産取得による支出1,888百万円等があったことによる。財務活動により使用した資金は、938百万円となった。これは主に、配当金の支払額547百万円、長期借入金の返済による支出373百万円等があったことによる。
以上から、営業活動で得た資金から投資活動に使用した資金を差し引いて、自由に使える現金を示すフリー・キャッシュ・フローは2,494百万円と、引き続き高水準を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 2025年6月期の業績概要
2025年6月期の市場環境は、長期収載品の選定療養化(ジェネリック医薬品がある先発医薬品を、医療上の必要がないにもかかわらず患者が希望する場合に、特別な料金を支払う仕組み)等のジェネリック医薬品の使用促進策により、ジェネリック医薬品の数量シェアは2025年2月には90.6%へ拡大した。また、米国による相互関税等の政策が同社グループの業績へ及ぼす影響は、取り引きの多くが日本国内向けであるため軽微であった。
以上の事業環境の下、2025年6月期の連結業績は、売上高で前期比5.1%増の23,269百万円、営業利益で同22.2%増の5,355百万円、経常利益で同23.1%増の5,375百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同23.5%増の3,637百万円の増収増益となり、売上高及び各段階の利益は過去最高を更新した。売上高はおおむね期初計画どおりであったが、営業利益は計画比15.9%増、経常利益は同16.8%増、当期純利益は同18.1%増であった。売上総利益の大幅増加に対して、販管費の増加が小幅にとどまったことから大幅増益となった。その結果、営業利益率は同3.2ポイント上昇の23.0%に、経常利益率は同3.4ポイント上昇の23.1%に、当期純利益率も同2.3ポイント上昇の15.6%に改善した。減価償却費は同4.8%減の691百万円、研究開発費は同16.4%増の154百万円と、おおむね横ばいにとどまった。一方、設備投資は同128.3%増の3,077百万円と、蔵王第二工場の建物と機械装置への投資が進捗したことで大幅に増加しており、同社グループではさらなる成長を目指して必要な投資を行っている。
原薬セグメント、医薬品セグメントともに増収増益
2.事業セグメント別動向
(1) 原薬セグメント
原薬セグメントにおいては、前期から発生している得意先での在庫調整、競合の参入、顧客の購入タイミングの影響等により減少したものがあったものの、近年(2020年~2024年)に上市した中枢神経系用薬や腫瘍用薬の拡販や、一部の品目で選定療養や得意先での在庫調整が解消したこと等により取引量が増加して増収となった。以上から、売上高は15,930百万円(前期比3.1%増)、営業利益(セグメント間取引の消去及び全社費用を控除前、以下同)は3,215百万円(同16.1%増)であった。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高(内販)1,330百万円を含む。以上の結果、営業利益率は20.2%(同2.3ポイント上昇)となった。
(2) 医薬品セグメント
医薬品セグメントにおいては、蔵王工場において受託製造しているプレフィルドシリンジ製剤の販売が、ニーズに対応した増産により堅調に推移したこと等により増収となり、収率や稼働率の向上による生産性の改善や売上構成の変化等により利益率が向上した。以上から、売上高は8,668百万円(前期比3.2%増)、営業利益は2,136百万円(同25.7%増)であった。また、営業利益率は24.7%(同4.4ポイント上昇)となった。医薬品セグメントの営業利益率が相対的に高いのは、医薬品の品目を集約しており、生産効率が高いことが一因である。
財務の健全性が高く、収益力もプライム上場企業の平均を上回る
3. 財務状況とキャッシュ・フロー
2025年6月期末の連結財務状況は、資産合計が前期末比4,110百万円増の36,114百万円となった。主な増減要因は、蔵王第二工場建設に伴う建設仮勘定の増加2,762百万円、棚卸資産に含まれる商品及び製品の増加973百万円、現金及び預金の増加964百万円等があった一方で、建物及び構築物の減少201百万円、受取手形及び売掛金、電子記録債権の減少282百万円等があったことによる。
負債合計は前期末比1,041百万円増の7,994百万円となった。主な増減要因は、設備関係未払金の増加1,217百万円、未払法人税等の増加307百万円、支払手形及び買掛金の増加80百万円等があった一方で、長期借入金の減少349百万円、電子記録債務の減少269百万円等があったことによる。長期借入金、短期借入金を合計した借入金は同373百万円減の2,451百万円となった。また、純資産は同3,068百万円増の28,120百万円となった。これは利益剰余金の増加3,090百万円等による。
以上の結果、自己資本比率は77.9%(前期末比0.4ポイント低下)となり、2025年3月期にプライム市場に上場した全産業平均の33.6%を大きく上回る高い安全性を確保しており、流動比率も416.9%と高く、短期的に支払いが必要な負債に対して十分な支払い能力を有している。収益性の面では、ROAは15.8%、ROEは13.7%で、プライム市場に上場する全産業平均の4.5%、9.4%を上回り、高い収益力も兼ね備えていると評価できる。
2025年6月期末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前期末比1,544百万円増の14,739百万円となった。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
営業活動により獲得した資金は、3,777百万円となった。これは主に、税金等調整前当期純利益5,371百万円、減価償却費691百万円等があった一方で、法人税等の支払額1,441百万円、棚卸資産の増加額998百万円等があったことによる。投資活動により使用した資金は、1,282百万円となった。これは主に、定期預金の払戻しによる収入3,396百万円等があった一方で、定期預金の預入による支出2,816百万円、固定資産取得による支出1,888百万円等があったことによる。財務活動により使用した資金は、938百万円となった。これは主に、配当金の支払額547百万円、長期借入金の返済による支出373百万円等があったことによる。
以上から、営業活動で得た資金から投資活動に使用した資金を差し引いて、自由に使える現金を示すフリー・キャッシュ・フローは2,494百万円と、引き続き高水準を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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