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株式会社LIFULL×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(5)

配信日時:2025/09/04 15:35 配信元:FISCO
*15:35JST 株式会社LIFULL×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(5) LIFULL<2120>

私たちは「老後の不安をゼロにする」というビジョンを掲げ、HOME’Sで培ってきたマーケティングや集客のノウハウを積極的に移植することで、LIFULL介護は今後さらに成長できると考えています。
また、HOME’Sのユーザー動向を見ても、学生の一人暮らしのタイミングで賃貸物件を探し、ライフステージが進むと住み替えや住宅購入に利用し、さらに高齢期には老人ホームを探す場面でも当社のサービスをご利用いただける流れが生まれています。人生の各ステージで寄り添い、長期的に利用していただけるサービス群を提供していくうえで、LIFULL介護は非常に重要な役割を担っていると考えております。

やはり人口減少が進む中で、地方の過疎化に伴う「空き家問題」は非常に大きな課題だと考えています。最新のデータによると、日本全国に約900万戸の空き家があり、これは全体の約13%、つまり7軒に1軒が空き家という状況です。これを放置してしまうと建物がどんどん傷んでしまい、町全体の価値も下がっていく。いわゆる「負のスパイラル」に陥ることが予想されます。
そこで私たちは、まず空き家の「見える化」に取り組んでいます。国土交通省と連携し、「空き家バンク」を通じて900万戸の空き家を可視化し、多くの人に興味を持ってもらえるようにしていきます。さらに、利活用の具体的な事例づくりにも一緒になって取り組んでいきたいと考えています。
例えば日常利用はもちろん、用途を転換した形での利活用なども含めて、空き家の活用方法を広げることで「関係人口」を増やしていく。これは大きな社会課題であると同時に、裏を返せば大きなビジネスチャンスでもあります。
私たちはこの領域に積極的に投資を行い、社会課題の解決とビジネスの成長を両輪で回していきたいと考えています。

●DAIBOUCHOU
確かに、地方の民泊と組み合わせることで、さまざまな面白い取り組みができそうですね。右下に「LIFULL STAY」とありますが、最近は会員制の宿泊施設も増えてきていますし、大株主として楽天さんもいらっしゃいますので、楽天トラベルとの連携も考えられるのではないかと思います。
また、冒頭で触れていただいた介護分野については、今後の業績への貢献度も大きくなるのではないでしょうか。
一方で、紹介や仲介といったビジネスでも相応の収益を得られる可能性があると思いますし、相談窓口のような形で利用者と接点を持つサービスも展開されているのか、非常に気になるところです。

■LIFULL 伊東様
我々の方でコンシェルジ店舗というよりは、もういわゆる電話でご相談していただけるのはコンシェルジも用意しています。

●DAIBOUCHOU
そうですか。実は私の親もかなり介護が必要な年齢になってきておりまして、妻の方もすでにそういう段階に入っている状況です。
やはり「どこに相談すればいいのか分からない」というケースが多く、その点で御社のようなサービスには非常に大きなビジネスチャンスがあるのではないかと感じています。
次に、生成AIの活用について伺いたいと思います。最近かなり注目されていますが、御社でもこうした技術を使って新たな機能を生み出したり、広告費の削減や生産性の向上につなげたりされているかと思います。具体的にどのような成果が出ているのか、教えていただけますでしょうか。

■LIFULL 伊東様
先ほど30年の振り返りのページでも触れましたが、当社はこれまで、テクノロジーの進化に合わせて「追いつけ追い越せ」の精神でアジャストしながら成長してきた会社です。そうした中で、生成AIという非常に大きな新しい波が到来したと強く感じております。
実際、これほど関連分野で積極的にリリースを出している企業は他にあまりないのではないかと思うほど、当社としてもさまざまな取り組みを進めております。
生成AIといっても用途は多岐にわたりますので、いくつかに分類してご説明します。まず、ユーザー向けサービスの領域です。右上の「社外の活用」の「プロダクトへのAI技術導入」の項目をご覧いただきたいのですが、当社では「AIホームズくん」というベータ版をリリースしています。
従来のポータルサイトでは、ユーザーが物件を検索し、条件を絞り込み、例えば「2階以上がいい」「オートロックがいい」といったチェックをつけて候補を探し、気に入ったら問い合わせをして内見に進む、という体験でした。
一方で「AIホームズくん」では、もっと感覚的に「こんな感じの物件がいい」「このエリアで賃貸も売買も見比べたい」といった要望を投げかけると、まるで接客を受けているかのように状況を理解し、物件を提案してくれるという新しい体験を実現しています。
このような形で、不動産とAIは非常に相性が良いと考えており、今後もこうした用途をさらに広げていきたいと思っています。

ちょうど7月30日にリリースを出しましたが、まさに生成AIを活用した新しいサービスを開始しております。
「LIFULL HOME'S」の注文住宅サービスにおいて、工務店やハウスメーカーのカタログを見て資料請求できるサイトがありますが、そこにAI機能を導入しました。
具体的には、ユーザーが自分の好みの物件や部屋の画像を登録すると、AIがその画像を解析し、自動的にスタイル分類を行い、好みに合った工務店を検索しやすくする、というものです。

具体的には、ユーザーがリビングの画像などを登録すると、AIが自動でフラグ付けを行います。その結果、ユーザーは自分の感覚に合ったリビングや部屋のイメージを一覧で確認できるようになります。まさに、「こんな家を建てたい」という希望やイメージを感覚的に探せる、事例を確認できる体験を提供することが可能となりました。
このように、AIを活用することで、従来にはなかった新しいサービス体験を生み出すことができ、各事業においても順次活用を広げていくことでさらなる付加価値を創出していきたいと考えております。

右下の「DXパートナーシップ」は、不動産会社と連携し、AIを活用した業務効率化や新サービスの創出を推進する取り組みです。
我々単独でサービスを提供するだけでは、ユーザーが使いこなせないケースもあるため、不動産会社と協働して、現場の課題解決や生成AIの活用を進めています。すでにいくつかのリリースを行い、問い合わせも増えてきております。
この取り組みにより、業務改善・効率化を図るだけでなく、不動産事業者がより売上を上げやすく、収益性を高めやすい環境を作ることが可能となります。
さらに、左側の「社内の活用」では、社内業務の効率化にもAIをフル活用しており、業務全体の生産性向上に寄与しています。

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