注目トピックス 日本株
【IPO】フラー<387A>----買い気配、本日東証グロース市場に新規上場
配信日時:2025/07/24 09:03
配信元:FISCO
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クラボウ Research Memo(10):新中期経営計画ではDOE4%を目標に高配当を持続。自己株式取得にも取り組む
*11:10JST クラボウ Research Memo(10):新中期経営計画ではDOE4%を目標に高配当を持続。自己株式取得にも取り組む
■クラボウ<3106>の株主還元前中期経営計画では、利益配当と自己株式取得による総還元性向50%以上を目標としてきた(結果は3年間で74.1%と目標超過)。新中期経営計画では、高水準で安定した配当を行うため、株主資本配当率(DOE)4%を目標値に設定するとともに、3年間で200億円の自己株式取得も併せて実施する計画だ。2025年3月期の1株当たりの年間配当は前期比80円増配となる180円(中間60円、期末120円)を実施した。2026年3月期は前期比102円増配の282円(中間141円、期末141円)を予定している(予想DOEは4%)。また、自己株式の取得については、2024年11月7日付けの取締役会決議に基づき、取得株式総数(上限)1,300千株、取得株式総額(上限)60億円、取得期間2024年11月8日~2025年10月31日による取得を進めている※。※ 2025年6月30日までに822.6千株(取得総額47億円)を取得済みである。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/25 11:10
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クラボウ Research Memo(9):事業構造改革に取り組む。注力する半導体製造関連分野により収益力向上
*11:09JST クラボウ Research Memo(9):事業構造改革に取り組む。注力する半導体製造関連分野により収益力向上
■クラボウ<3106>の業績推移2017年3月期からの業績を振り返ると、売上高は国内外での市場環境の変化や為替相場の影響、さらにはコロナ禍の影響も重なり、2021年3月期まで減収傾向をたどった。事業別に見ても、総じて低調に推移し、特に繊維事業が国内カジュアル衣料の需要低迷や海外製品との価格競争激化などの外部要因に加え、不採算ビジネスからの撤退などにより低迷した。2022年3月期から2023年3月期にかけて、売上高が回復したのは、構造改革を進めてきた繊維事業の底打ちと、半導体製造関連分野が好調な化成品事業及び環境メカトロニクス事業の伸びによるものである。ただ、2024年3月期及び2025年3月期は工作機械事業の譲渡等の影響を受けて伸び悩む格好となった。利益面では、不動産事業が安定収益源となっているほか、環境メカトロニクス事業などで高付加価値化が進んできたが、繊維事業の落ち込みなどにより2021年3月期までの売上高営業利益率はおおむね3%台の水準で推移していた。特に、中期経営計画「Advance’18」(2017年3月期~2019年3月期)では、「収益拡大に向けた事業変革」を基本方針として、1) 海外ビジネスの拡大・強化、2) 国内ビジネスの再構築、3) 将来市場を見据えたマーケット志向型事業ヘの転換、4) 高収益ビジネスの追求などにより、各事業の拡大を目指してきたものの、経営環境の変化のスピードが想定よりも速く、不採算ビジネスからの撤退や事業縮小による影響もあり、計画は未達となった。中期経営計画「Creation’21」についても、「イノベーションによる収益拡大と企業価値の向上」に取り組んだものの、世界的なコロナ禍の影響を受け、変革のスピードが上がらず、計画は未達となったが、前中期経営計画「Progress’24」に入ってからは、繊維事業の苦戦が続くなかでも、収益性の高い環境メカトロニクス事業の拡大や半導体製造関連分野の伸びにより利益水準が底上げされ、2025年3月期の営業利益は4期連続増益により100億円を突破した。財政状態については、構造改革や投資有価証券の削減などにより総資産の縮小を図る一方、自己資本も自己株式取得を含めた積極的な株主還元により緩やかな増加に抑えたものの、自己資本比率は50%から60%台へと上昇した。資本効率を示すROEも、売上高営業利益率とほぼ連動した形で改善してきており、2022年3月期以降は6%前後で推移し、2025年3月期は政策保有株式の売却益の計上もあり7.6%に改善した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/25 11:09
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クラボウ Research Memo(8):2026年3月期は構造改革等で減収・営業減益も政策保有株売却で最終増益見込む
*11:08JST クラボウ Research Memo(8):2026年3月期は構造改革等で減収・営業減益も政策保有株売却で最終増益見込む
■クラボウ<3106>の業績見通し1. 2026年3月期の業績見通し新中期経営計画「Accelerate’27」の初年度となる2026年3月期の業績については、売上高を前期比4.4%減の144,000百万円、営業利益を同22.4%減の8,000百万円、経常利益を同19.4%減の9,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同5.4%増の9,500百万円とを見込んでいる。構造改革中である「繊維事業」や半導体市場の市況回復の遅れを見込む「化成品事業」が減収となるほか、工場閉鎖に伴う異常操業費用や労務費等のコストアップを見込み営業減益となる見通しとなっている。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益については政策保有株式の売却益により増益を確保する。2. 弊社の注目点弊社でも、業績予想の前提は、外部要因(半導体市場の循環的な調整の動き等)及び内部要因(繊維事業の構造改革費用など)を合理的に織り込んだものと判断している。注目すべきは、2026年3月期下期の回復を見込んでいる半導体市場の動向であり、その回復需要をいかに取り込めるかが、業績の上振れの可能性はもちろん、2027年3月以降の注力事業の伸びを探るうえでも重要な判断材料となる。また、中長期的な視点からは、イノベーションの実現によるポテンシャルを秘めたライフサイエンス・テクノロジー事業の進展をフォローしたい。ロボットビジョンやバイオメディカルなどの新たな成長の軸が立ち上がり、事業創出のパイプラインが積み上がってくれば、同社が目指す事業ポートフォリオの実現に向けて大きく前進するものと見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/25 11:08
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クラボウ Research Memo(7):注力事業へ経営資源を集中し、事業ポートフォリオ改革をさらに加速する方針(2)
*11:07JST クラボウ Research Memo(7):注力事業へ経営資源を集中し、事業ポートフォリオ改革をさらに加速する方針(2)
■クラボウ<3106>の新中期経営計画の概要4. 各事業セグメントの見通し(1) 化成品事業2028年3月期の売上高740億円(平均成長率3.9%)、セグメント利益60億円(同6.1%)を計画している。半導体やエネルギー関連市場へ向けた高機能プロダクツ事業(高機能樹脂製品、機能フィルム)への経営資源集中と事業拡大加速を進めるとともに、自動車や住宅関連市場向け産業マテリアル分野における新規ビジネスの展開と市場への深耕を図る。半導体製造関連向けは初年度である2026年3月期に調整局面を見込むものの、その後大きく伸長する見通しである。利益率は、高収益の高機能樹脂製品の伸びにより8.1%(2025年3月期比0.5ポイント上昇)に改善する想定だ。(2) 繊維事業2028年3月期の売上高490億円(平均成長率0.3%)、セグメント利益12億円(同152.0%)を計画している。厳しい事業環境(価格競争の激化等)が続くなか、独自技術の開発強化と付加価値向上を進めるともに、海外拠点への設備投資を通して競争力を高め、グローバルサプライチェーンの整備・拡大を進める。初年度である2026年3月期に構造改革費用を見込むものの、その後、構造改革効果や独自技術製品の強化、グローバルサプライチェーンの拡大等により収益の底上げを図る。利益率は、まずは2.4%(2025年3月期比2.2ポイント上昇)に改善させる想定だ。(3) 環境メカトロニクス事業2028年3月期の売上高270億円(平均成長率7.2%)、セグメント利益40億円(同6.2%)を計画している。注力領域である半導体製造関連事業、並びにライフサイエンス・テクノロジー事業の成長加速を進めるほか、社会課題の解決に資する環境(排水・排ガス処理、バイオマス等)やインフラ関連ビジネス(交通インフラ検査事業等)などの市場開拓と収益力強化を図る。ライフサイエンス・テクノロジー事業については、バイオ分野やラボオートメーションシステムが拡大するとともに、半導体関連分野への装置・機器の供給が業績の伸びをけん引する想定である、利益率は14.8%(2025年3月期比0.4ポイント下降)と高水準を維持する想定だ。(4) 食品・サービス事業2028年3月期の売上高112億円(平均成長率2.3%)、セグメント利益8億円(同3.4%)を計画している。「食品事業」は、既存商品の市場浸透と差別化商品の開発、販路開拓を進める。また、フリーズドライ食品を軸に注力事業であるライフサイエンス・テクノロジー事業の一端も担っていく。「サービス事業(ホテル事業)」は、観光及びインバウンド需要の取り込みや顧客満足度の向上により引き続き安定推移する見通しである。(5) 不動産事業2028年3月期の売上高38億円(平均成長率0.7%)、セグメント利益22億円(同-0.6%)を計画している。今後も工場跡地等の遊休資産の有効活用による長期安定収益源として重要な役割を担う。賃貸契約の大半が長期のため、引き続き安定的に推移する見通しである。5. キャッシュ・アロケーション3年間の投資計画として、設備投資に210億円(そのうち注力事業へ87億円、環境投資に24億円)、M&Aに100億円の合計310億円を予定している。また、株主還元(3年間)には配当130億円、自己株式取得200億円の合計330億円を予定しており、成長投資と株主還元へバランスよく配分する方針だ。一方、その原資については、営業キャッシュフロー360億円※1、非営業資産※2の売却230億円、借入金など50億円により捻出する計画となっている。※1 研究開発費60億円控除後。※2 政策保有株式、遊休不動産の売却等。(1) 株主還元方針高水準で安定した配当を行うため、株主資本配当率(DOE)4%を新中期経営計画期間の目標値として設定した。また、3年間で200億円の自己株式の取得も併せて実施する。(2) 政策保有株式の圧縮2028年3月期までに連結純資産の20%未満まで段階的に売却を進め、そこで得たキャッシュは自己株式取得などに充当していく。2025年3月期末の投資有価証券の残高は約560億円、純資産は約1,210億円が計上されており、現在の相場環境や簿価を前提とすれば、そこから300億円程度の売却規模になると判断できる。(3) 研究開発投資(R&Dの強化)3年間で60億円の研究開発投資を計画している。特に、技術研究所と各事業部との連携により、次世代の主力事業として推進している4つのプロジェクト(ロボットセンシング、セミコンソリューション、ライフサイエンス・テクノロジー、マテリアル・ソリューション)を本格化していく。6. 資本収益性の向上に向けた道筋同社の推計によれば、株主資本コストは6~7%のレンジにあるが、株主の期待するリターンはさらに高いものと認識しており、新中期経営計画の目標であるROE10%(以上)の実現やIR活動の充実などを通じて、PBRの引き上げ(まずは常時1倍以上の水準を確保)を目指す。特にROEの改善に向けて、事業ポートフォリオ改革や政策保有株式の圧縮によるROICの向上と株主還元の充実に取り組む。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/25 11:07
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クラボウ Research Memo(6):注力事業へ経営資源を集中し、事業ポートフォリオ改革をさらに加速する方針(1)
*11:06JST クラボウ Research Memo(6):注力事業へ経営資源を集中し、事業ポートフォリオ改革をさらに加速する方針(1)
■クラボウ<3106>の新中期経営計画の概要新たにスタートした中期経営計画「Accelerate’27」(2026年3月期~2028年3月期)は、「長期ビジョン2030」(イノベーションと高収益を生み出す事業体制への変革)の実現に向けた第3ステージに位置付けられる。事業ポートフォリオ改革をさらに加速し、最終ステージでの仕上げにつなぐ期間となる。1. 基本方針「高収益事業の成長加速と経営資源の効率的な活用による企業価値の向上」を基本方針に掲げ、1) 成長市場に向けた注力事業の展開・加速と基盤事業の収益力強化、2) R&D活動の強化と新規事業の創出・収益化、3) サステナブル社会の実現への貢献、4) エンゲージメントの高い組織の構築という4つの重点施策を推進していく。とりわけ前中期経営計画で手応えをつかんだ注力事業(半導体製造関連等)のさらなる成長加速、並びに基盤事業の構造改革推進等により、事業ポートフォリオ改革に拍車をかける考えだ。2. 数値目標最終年度(2028年3月期)の連結売上高1,650億円(3年間の平均成長率3.1%)、営業利益130億円(同8.0%)を目標に掲げ、営業利益率は7.9%(2025年3月期比1.1ポイント上昇)に改善を図る。さらに資本収益性の向上や適正な財務・資本政策により、ROICを7.9%(同2.4ポイント上昇)、ROEを10.0%(同2.4ポイント上昇)に高める計画となっている。3. 事業ポートフォリオ戦略事業ポートフォリオを「注力事業」と「基盤事業」の2つに分けたうえで、成長性・収益性の高い「注力事業」へ経営資源を集中し、事業ポートフォリオ改革をさらに加速する戦略である。一方、社会課題の解決に資する「基盤事業」については、資源循環型/環境配慮型ビジネスの推進、事業パートナーとの連携強化、低採算事業の再構築などに取り組む。「注力事業」については、半導体製造関連領域※1(高機能樹脂製品や機能フィルム、液体成分濃度計、薬液供給装置、ウエハー等洗浄装置など)のほか、ライフサイエンス・テクノロジー関連領域※2(撹拌脱泡装置、遺伝子抽出装置・受託解析、ロボットビジョン、自動化装置、食品ほか)などに特定し、各セグメントや事業区分をまたいで製品・サービスを提供していく。※1 市場拡大が続くウエハー/半導体製造工程(前工程・後工程)向けに幅広い製品を提供していく。2025年3月には熊本イノベーションセンター新棟が竣工し、高機能樹脂製品の生産能力及び開発体制を強化した。2028年3月期の売上高313億円(2025年3月期比1.5倍)を目指す。※2 バイオメディカル、ビジョンセンサーなど主要技術の組み合わせにより、健康増進や労働力不足を自動化ソリューションで補い、社会課題の解決を目指す。最近の取り組み事例として、ロボットビジョン(及び協働ロボット)と撹拌脱泡装置との組み合わせによる調剤作業の自動化(調剤薬局の課題解決)などが挙げられる。2028年3月期の売上高171億円(2025年3月期比1.2倍)を目指す。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/25 11:06
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クラボウ Research Memo(5):今後の成長加速に向けて、事業ポートフォリオ改革が着実に進展
*11:05JST クラボウ Research Memo(5):今後の成長加速に向けて、事業ポートフォリオ改革が着実に進展
■クラボウ<3106>の前中期経営計画「Progress’24」の振り返り2025年3月期が最終年度となった中期経営計画「Progress’24」(2023年3月期~2025年3月期)では、「高収益事業の拡大と持続可能な成長に向けた基盤事業の拡大」を基本方針に掲げ、成長・注力事業の業容拡大と基盤事業の拡大、R&D活動の強化による新規事業創出と早期収益化などに取り組んできた。特に、成長領域である半導体製造関連事業が伸長し、抜本的な事業構造改革も着実に進展した。(1) 数値目標の実績売上高は工作機械事業の譲渡等の影響で計画を下回ったものの、各段階利益は注力する半導体製造関連事業の伸び(事業ポートフォリオ改革の進展)などにより、計画を上回る利益成長を達成した。また、ROEについても、営業利益率の改善や積極的な株主還元策(増配及び自己株式取得)により計画を大幅に超過した。総還元性向(3年間)は74.1%と目標である50%を上回り、設備投資もおおむね計画どおりに実施した。(2) 重点施策における成果(及び課題)1) 成長・注力事業の業容拡大と基盤事業の収益力の強化半導体製造関連事業の伸長やフィルム事業の収益化、繊維独自技術商品の拡大などの成果があった。自社評価は「〇」としている。2) R&D活動の強化による新規事業創出と早期収益化R&Dは着実に進捗したものの、ロボットビジョンなどの事業化は遅延しており、自社評価は「△」としている。3) SDGs達成への貢献マテリアリティを特定し、カーボンニュートラルの向けた施策等を実行し、自社評価は「〇」としている。4) 多様な人材の活躍推進DE&Iの推進を通して、多様な人材が働きやすさとやりがいをもてる人事制度や環境を整備し、自社評価は「〇」としている。5) 事業構造改革(特記事項)工作機械事業の譲渡や安城工場の閉鎖(繊維事業における国内生産拠点の整理)、中国の軟質ウレタン事業会社の整理など抜本的な事業構造改革に取り組み、自社評価は最も高い「◎」としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/25 11:05
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クラボウ Research Memo(4):2025年3月期は半導体製造関連などが順調に伸び、計画を上回る大幅増益
*11:04JST クラボウ Research Memo(4):2025年3月期は半導体製造関連などが順調に伸び、計画を上回る大幅増益
■クラボウ<3106>の決算概要1. 2025年3月期の業績概要2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.4%減の150,660百万円、営業利益が同12.3%増の10,311百万円、経常利益が同15.6%増の11,784百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同33.8%増の9,014百万円と微減収ながら各段階利益で計画を上回る大幅増益となった。また、親会社株主に帰属する当期純利益は政策保有株式の売却益の影響もあり、過去最高益を2期連続で更新した。売上高は、半導体製造装置向け高機能樹脂製品や太陽電池向け機能フィルムが好調であった「化成品事業」が大きく伸長した一方、カジュアル向けが不振であった「繊維事業」の落ち込みや「環境メカトロニクス事業」における工作機械事業の譲渡※による影響もあり、わずかに減収となった。ただし、「環境メカトロニクス事業」における工作機械事業の譲渡によるマイナスは想定内であり、エレクトロニクス事業での半導体製造装置向け液体成分濃度計やエンジニアリング事業での環境関連ビジネスは好調を維持している。また、「食品・サービス事業」及び「不動産事業」についても堅調に推移した。※ 2024年1月に実施した倉敷機械の株式譲渡に伴うもの。一方、利益面では、「化成品事業」における高付加価値商品の販売拡大や価格改定の効果に加え、独自技術製品の伸びや海外子会社の損益改善に伴う「繊維事業」の黒字化により、計画を上回る大幅増益となり、営業利益率も6.8%(前期は6.1%)に改善した。また、政策保有株式の売却益(約17億円)を特別利益に計上する一方、安城工場の閉鎖(繊維事業)などの事業構造改善費用(約8億円)や減損損失(約27億円)を特別損失に計上した。財政状態に大きな変動はなく、自己株式取得に伴う現金及び預金の減少等により資産合計は前期末比1.2%減の190,529百万円とわずかに縮小した。一方、自己資本は配当金支払や自己株式取得によるマイナス要因を内部留保の積み増しが上回り、同2.5%増の119,805百万円に増加し、自己資本比率も62.9%(前期末は60.6%)に上昇した。各事業の業績は以下のとおりである。(1) 化成品事業売上高は前期比7.6%増の66,002百万円、セグメント利益は同26.9%増の5,030百万円と増収増益となった。1) 機能樹脂製品は、半導体製造装置向け高機能樹脂製品や太陽電池向け機能フィルムが好調だった。2) 軟質ウレタンは、自動車内装材向けが中国子会社で低調だったものの、国内及びブラジル子会社は好調に推移するとともに、原料価格や労務費の価格転換も順調に進んだ。3) 住宅用建材は、断熱材が低調も、集合住宅向けプレキャストコンクリート製品の受注が伸びた。4) 不織布は、自動車フィルター向けの販売が回復した。利益面でも、機能樹脂製品を中心とする高付加価値商品の伸びや価格改定の効果により大幅な増益となった。(2) 繊維事業売上高は前期比5.0%減の48,532百万円、セグメント利益は75百万円(前期は257百万円の損失)と減収ながら黒字転換した。1) 糸は、高機能製品「NaTech」の販売やタイ子会社でのデニム向けの販売が好調であった。2) テキスタイルは、中東向け素材が堅調だったものの、カジュアル衣料向け素材の販売が減少した。3) 暑熱環境下におけるリスク低減の管理システム「Smartfit(スマートフィット)」の販売は増加したものの、カジュアル縫製品は低調であった。利益面では、海外子会社の損益改善(販売数量の確保や業務効率の向上、為替の影響など複合的な要因)や独自技術商品の伸びなどにより黒字転換を実現した。(3) 環境メカトロニクス事業売上高は前期比14.1%減の21,943百万円、セグメント利益は同6.5%減の3,341百万円と、工作機械事業の譲渡による影響やウエハー洗浄装置の販売台数減などにより減収減益となった。ただし、1) エレクトロニクスでは、半導体製造装置向け液体成分濃度計や鉄鋼業界向け膜厚計などが好調であった。2) エンジニリングは、半導体業界向け薬液供給装置が低調も、排ガス処理設備が順調に推移したほか、子会社での大型プラント案件も業績に寄与した。3) バイメディカルについては撹拌脱泡装置が堅調に推移した。(4) 食品・サービス事業売上高は前期比9.3%増の10,458百万円、セグメント利益は同13.0%増の724百万円と増収増益となった。1) 食品部門は、成型スープが低調であったものの、即席麺具材などが伸びた。2) ホテル関連についても、好調な国内旅行やインバウンド需要の取り込みが業績に寄与した。(5) 不動産事業売上高は前期比1.8%減の3,723百万円、セグメント利益は同3.8%減の2,243百万円となった。売上高はほぼ前期並みを確保したものの、租税課金の増加などにより減益となった。ただ、セグメント利益率は60.3%(前期は61.5%)と高い水準を確保しており、引き続き安定収益源となった。2. 2025年3月期の総括2025年3月期を総括すると、注力する半導体製造関連などの伸びにより計画を上回る大幅増益を実現したところは、中期経営計画最終年度の締めくくりとして評価できる。また、事業構造改革(国内生産拠点の閉鎖など)や政策保有株式の売却、自己株式の取得などを通じて、事業ポートフォリオのみならず、バランスシート改革を進めたところも、資本収益性の改善に向けて注目すべき成果と言える。新中期経営計画のもう1つの目玉となるライフサイエンス・テクノロジー領域については、各技術のシナジー創出を可能とする体制構築を進めながら、具体的な取り組み事例(調剤作業の自動化等)も出始めるなど、今後に向けた取り組みが進展した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/25 11:04
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クラボウ Research Memo(3):技術とノウハウを活用し社会課題解決と成長市場で新価値創出
*11:03JST クラボウ Research Memo(3):技術とノウハウを活用し社会課題解決と成長市場で新価値創出
■価値創造プロセスクラボウ<3106>の価値創造プロセスは、蓄積してきた技術やノウハウ、人財等の経営資源を社会課題の解決や成長市場へと展開し価値を創出するものである。これまでの歴史を振り返っても、1) 樹脂加工技術を住宅用建材や自動車部材へと展開した化成品事業、2) 染色工程での「色」制御の自動化から色彩管理及び検査・計測へと広がったエレクトロニクス事業、3) 自社工場の排ガス・排水処理技術などを環境プラント設備に応用したエンジニアリング事業、4) 技術研究所の開発(除粒子減菌ろ過フィルターや核酸自動分離装置、ロボットビジョンセンシングの開発等)から発展してきたライフサイエンス事業など、これらの多くは祖業である繊維事業から派生したものである。また、工場跡地の活用による不動産事業が安定収益源となっているほか、技術研究所を中心とするR&D体制※も価値創造を支えている。※ コア技術を高める基盤技術グループと製品開発を行う応用開発グループで構成されている。数理科学、物理科学、光電工学、情報工学、物質科学、生命科学をコア技術とするとともに、ロボット関連(ロボットセンシング)、半導体薬液計測(In-Situ計測)、ライフサイエンス(遺伝子応用)、新規素材(高機能スーパーエンプラフィルムや繊維強化複合素材)を主な研究開発テーマに新規事業の開発に取り組んでいる。今後は、半導体製造関連やライフサイエンス・テクノロジー領域(自動化・制御装置市場、メディカル市場などで構成)といった収益性が高く成長が見込める分野へ経営資源を集中し、社会課題の解決と持続的な成長を同時実現していく価値創造ストーリーを描いている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/25 11:03
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クラボウ Research Memo(2):暮らしや産業を支える幅広い分野に事業領域を展開
*11:02JST クラボウ Research Memo(2):暮らしや産業を支える幅広い分野に事業領域を展開
■事業内容クラボウ<3106>は、1888年創業の大手繊維メーカーである。「私たちクラボウグループは、新しい価値の創造を通じてより良い未来社会づくりに貢献します」を経営理念とし、創業以来、常に時代の先を見据えながら、新しい価値の創造に挑み続けてきた。現在は、暮らしを支える繊維、自動車、住宅、バイオメディカル、食品や、産業を支えるエレクトロニクス、半導体、環境プラントなど幅広い分野に事業を展開している。事業セグメントは、同社の祖業である「繊維事業」のほか、「化成品事業」「環境メカトロニクス事業」「食品・サービス事業」「不動産事業」の5つに区分される。2025年3月期の売上構成比は、大きい順に「化成品事業」が43.8%、「繊維事業」が32.2%、「環境メカトロニクス事業」が14.6%、「食品・サービス事業」が6.9%、「不動産事業」が2.5%となっている。(1) 化成品事業「化成品事業」では、自動車内装材や住宅用建材・断熱材、半導体製造装置向け高機能樹脂製品、機能フィルム、産業資材用不織布など、独自の樹脂配合と成形技術を生かして多彩な製品を提供している。半導体製造装置向け高機能樹脂製品、機能フィルムを注力事業と位置付け、成長市場に向けて業容拡大に取り組んでいる。R&Dにも積極的に取り組み、各分野で新商品開発に注力している。具体的には、「住宅用建材分野」では、再生木粉樹脂などを利用した環境配慮製品の開発、「機能フィルム分野」では、半導体・自動車・電子部品用途での新規機能付与や生産技術、「半導体製造装置向け高機能樹脂製品分野」では、高機能樹脂製品の生産技術向上や高性能化、「高機能複合素材分野」では、熱可塑性炭素繊維複合材「KURAPOWER SHEET(クラパワーシート)」の生産・成形・加工技術の開発に取り組んでいる。(2) 繊維事業「繊維事業」は、「カジュアル衣料素材」「ユニフォーム衣料素材」「タオル・靴下・インナー素材」を主力とするほか、新分野として「作業環境支援ツール」も展開している。紡績、織布、染色・加工、縫製における独自の高度な技術を生かし、綿を主力とした天然繊維をベースにした高機能・高感度な繊維製品を開発するとともに、ユニフォームやデニム、カジュアルなどの厚手素材では確固たる地位を確立してきた。繊維業界を取り巻く環境は、国内カジュアル衣料分野の需要低迷や海外製品との価格競争激化など厳しい状況が続いているが、AI及びIoTを活用したスマートファクトリーの実現や繊維の再資源化によるサステナブルな取り組みのほか、独自技術を生かした新商品・サービスの開発により、新しい価値を提供するビジネスモデルへの変革を進めている。注目される商品として、タオル・靴下・インナー素材では、天然繊維に様々な機能を持たせる「NaTech」(ネイテック)※1、カジュアル素材では“断裁くず”のアップサイクルシステム「L∞PLUS」(ループラス)※2、ユニフォーム分野では防炎・難燃素材の「BREVANO」(ブレバノ)、「PROBAN」(プロバン)のほか、作業環境支援ツールでは現場作業者のリスク管理システム「Smartfit(スマートフィット)for work」※3がある。※1 独自の技術で天然繊維等に機能性を持たせた素材で、吸湿発熱、吸放湿、消臭、保湿などの機能素材を展開しており、各機能は洗濯耐久性にも優れる。※2 再資源化プロジェクトから生まれた素材であり、服を作る時に発生する“裁断くず”を、服や雑貨などへとアップサイクルするサステナブルな取り組みと、その取り組みから生まれる製品の総称である。※3 ウェアラブルデバイスから取得した作業者の生体情報と作業現場地域の気象情報などを解析・評価し、作業者の「暑熱環境下での作業リスク」や「体調変化」などの情報をリアルタイムに通知することで、リスク管理をサポートする。(3) 環境メカトロニクス事業「環境メカトロニクス事業」は、「ライフサイエンス事業」「エレクトロニクス事業」「エンジニアリング事業」などに分類される。「ライフサイエンス事業」では、創薬、化粧品開発、前臨床研究の領域で研究試薬や機器、サービスを提供するバイオメディカルビジネスのほか、ロボットビジョンシステム(産業用ロボットのセンシングデバイス)※、自動化・制御装置などを手掛けており、バイオメディカル、ビジョンセンサーなどの主要技術の組み合わせにより、シナジーの創出を図っている。「エレクトロニクス事業」では、色のセンシング技術を軸として、半導体回路基板やフィルムなど幅広い業界向けに検査・計測・制御システム等を提供し、モノづくりの品質向上に貢献している。特に、今後の成長分野として、画像処理及び情報処理技術を活用したインフラ検査システムや、光応用計測技術を用いた膜厚計測システムの研究開発、商品開発などにも取り組んでいる。また、「エンジニアリング事業」では、排水・排ガス処理技術などの環境プラント事業のほか、半導体洗浄システムやバイオマス発電を手掛けている。※ ロボットが、動いている物体や形が定まらない柔らかい素材をハンドリングするために、瞬時につかむ位置を探す“ロボットの目”や、AIを活用して対象物を的確に認識する頭脳を開発している。なお、ロボット産業は、危険な作業や人手の足りない介護医療の現場などでの実用化が進められており、今後の成長分野として注目されている。(4) 食品・サービス事業「食品・サービス事業」では、フリーズドライ(真空凍結乾燥)食品の製造・販売、ホテル等の運営を行っている。「食品分野」は、わが国で初めてフリーズドライ食品を工業化したグループ会社・日本ジフィー食品(株)が展開しており、安全で高品質な商品の提供を通して、人々の健康と食文化の向上に貢献している。一方、「サービス分野」では、同社設立当時の工場をコンバージョンした複合文化施設である「倉敷アイビースクエア」(ホテル・レストラン・宴会場等)の運営のほか、「クラボウドライビングスクール」(自動車教習所)の経営を通じて地域の“安全”に貢献している。赤煉瓦と蔦の外観が特徴的な「倉敷アイビースクエア」は倉敷美観地区内にあり、宿泊できる文化施設として高い集客力と根強い人気がある。(5) 不動産事業「不動産事業」では、工場跡地等の遊休資産の有効活用による長期安定収益の確保を目指し、オフィスや商業施設、大規模メガソーラー用地等の不動産賃貸を展開している。同事業は、不況時にも少ないコストで確実に20億円超の営業利益を稼ぎ出す、高い収益性を維持しており、安定収益源として業績を支えている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/25 11:02
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