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ミルボン:美容室専売ヘア化粧品メーカー、グローバル展開拡大でシェア拡大へ
配信日時:2025/07/15 09:07
配信元:FISCO
*09:07JST ミルボン:美容室専売ヘア化粧品メーカー、グローバル展開拡大でシェア拡大へ
ミルボン<4919>は、美容室専売のヘアケア用剤や染毛剤を中心とする化粧品メーカーであり、研究開発から販売支援まで一貫した体制を構築している。国内においては、業務用ヘア化粧品市場におけるシェアは約18%(2023年度)と業界首位に位置しており、TAC製品開発システムやフィールドパーソン(FP)制度を軸とした顧客密着型の営業体制を展開。また、製品と共に「美容室の増収増益」を実現するサービスを提供することで、美容室との強固な信頼関係を構築している。そのほか、美容室の顧客がオンラインで店販品を購入できるECプラットフォーム「milbon:iD」を2020年から開始、2024年末時点で登録美容室数6,566軒、登録会員数88万人、EC売上(出荷額ベース)19.7億円となっている。
カテゴリ別売上高比率では、ヘアケア用剤が全体の約6割、染毛剤が約3割を占めており、とくに「オージュア」「グローバルミルボン」などの高付加価値ブランドが主力である。2024年度の国別売上高比率では、国内75.4%、海外24.6%。海外では、韓国・中国・米国の3か国で海外売上の8割近くを構成しており、欧州や東南アジアを含めたグローバル展開を加速させている。
国内の主要競合他社としてはナプラやタカラベルモントなどだが、同社の差別化ポイントは、美容室市場に特化し、製品と技術教育を組み合わせた一体型の提供体制を持つ点が挙げられる。とくにFPによる個店対応力は同社の強みであり、国内外でサロン現場への技術支援を行うことで、高価格帯製品の導入と継続利用を実現している。たとえばヘアケア領域では、サロンケアとホームケアを組み合わせた「知販」モデルによってLTV向上を図っており、今後はmilbon:iDやスマートサロンを通じて美容室を経由した消費者へのオンラインでの販売接点も強化する方針である。一方で製品による魅力を訴求しきれていないこともまた事実であり、さらなる営業改善に期待される。
2025年12月期第1四半期の売上高は11,180百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益は712百万円(同46.7%減)と減収減益となった。国内では年始の美容室来店頻度が想定以上に落ち込み、染毛剤などが低調に推移。一方、ヘアケア用剤は良好な需要環境が続いて堅調に推移。染毛剤については、ファッションカラー市場の成熟と競合他社の製品力向上が影響しており、販売は鈍化した。海外では、韓国で政情不安や代理店の在庫調整により減収となったが、中国と米国は回復傾向が顕著であり、第1四半期実績はともに計画を上回った。米国では「グローバルミルボン」導入サロンの拡大が進んでいる。通期の売上高は54,250百万円(前期比5.7%増)、営業利益は7,000百万円(同2.3%増)を見込んでおり、2Q以降の需要回復と価格改定効果、各種販売施策によって業績の巻き返しを図っていく。
市場環境としては、国内の美容室には少子高齢化により客数が中長期的に減少する課題がある中、高単価メニューの推進や店販品によって美容室の生産性・客単価は更なる向上が見込める。国内美容室数はおよそ20万軒とされる中、同社製品を取り扱っている美容室は約5万軒と推測されている。FPが訪問可能なサロン数は約1万件にとどまっており、既存顧客の売上拡大と代理店連携による支援が依然として今後の収益ドライバーとなる。海外では、韓国でのシェア拡大に加え、米国・中国市場においても足元の成長が確認されており、今後はEUを含むグローバル展開の強化も視野に入れる。とくにEU市場では競合が多く参入障壁が高いものの、ヘアケアを足がかりにブランドの浸透を進めていく考えである。
同社は今後、国内外での持続的成長と収益力強化を目指し、中期目標として2026年12月期に売上高580億円(2022-2026年の4年間CAGR7.3%)、営業利益84億円、ROE11.3%を掲げている。国内では、ヘアケア用剤の価格改定や新製品の投入を通じて単価上昇を図るとともに、EC基盤「milbon:iD」とサロンDX施策「スマートサロン」を活用した店販強化を進める。これにより美容室のLTV向上と営業効率の改善が期待されている。海外では、米国・韓国・EUを重点国とし、ブランド力と教育支援を武器に直販から代理店制への移行や製品ローカライズを推進。特に米国市場では関税リスクに対応しつつ、ヘアケア需要の拡大を捉えた販路拡充が進められている。
株主還元については、配当性向50%を目安に累進配当方針を継続。財務基盤は安定しており、成長投資と株主還元のバランスを重視したキャピタルアロケーションを実行している。また、100株以上の株式を保有する株主を対象に、毎年自社製品を届ける株主優待制度を実施、保有株数・期間ごとのポイント数によって優待品は異なる。総じて、「美しさを拓く。Find Your Beauty」をコーポレートスローガンに掲げ、美容室を通じて人々の美しい生き方を応援し、心豊かな社会の実現を目指す日本発のグローバルプロフェッショナルメーカーとしての今後の動向に注目しておきたい。
<HM>
カテゴリ別売上高比率では、ヘアケア用剤が全体の約6割、染毛剤が約3割を占めており、とくに「オージュア」「グローバルミルボン」などの高付加価値ブランドが主力である。2024年度の国別売上高比率では、国内75.4%、海外24.6%。海外では、韓国・中国・米国の3か国で海外売上の8割近くを構成しており、欧州や東南アジアを含めたグローバル展開を加速させている。
国内の主要競合他社としてはナプラやタカラベルモントなどだが、同社の差別化ポイントは、美容室市場に特化し、製品と技術教育を組み合わせた一体型の提供体制を持つ点が挙げられる。とくにFPによる個店対応力は同社の強みであり、国内外でサロン現場への技術支援を行うことで、高価格帯製品の導入と継続利用を実現している。たとえばヘアケア領域では、サロンケアとホームケアを組み合わせた「知販」モデルによってLTV向上を図っており、今後はmilbon:iDやスマートサロンを通じて美容室を経由した消費者へのオンラインでの販売接点も強化する方針である。一方で製品による魅力を訴求しきれていないこともまた事実であり、さらなる営業改善に期待される。
2025年12月期第1四半期の売上高は11,180百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益は712百万円(同46.7%減)と減収減益となった。国内では年始の美容室来店頻度が想定以上に落ち込み、染毛剤などが低調に推移。一方、ヘアケア用剤は良好な需要環境が続いて堅調に推移。染毛剤については、ファッションカラー市場の成熟と競合他社の製品力向上が影響しており、販売は鈍化した。海外では、韓国で政情不安や代理店の在庫調整により減収となったが、中国と米国は回復傾向が顕著であり、第1四半期実績はともに計画を上回った。米国では「グローバルミルボン」導入サロンの拡大が進んでいる。通期の売上高は54,250百万円(前期比5.7%増)、営業利益は7,000百万円(同2.3%増)を見込んでおり、2Q以降の需要回復と価格改定効果、各種販売施策によって業績の巻き返しを図っていく。
市場環境としては、国内の美容室には少子高齢化により客数が中長期的に減少する課題がある中、高単価メニューの推進や店販品によって美容室の生産性・客単価は更なる向上が見込める。国内美容室数はおよそ20万軒とされる中、同社製品を取り扱っている美容室は約5万軒と推測されている。FPが訪問可能なサロン数は約1万件にとどまっており、既存顧客の売上拡大と代理店連携による支援が依然として今後の収益ドライバーとなる。海外では、韓国でのシェア拡大に加え、米国・中国市場においても足元の成長が確認されており、今後はEUを含むグローバル展開の強化も視野に入れる。とくにEU市場では競合が多く参入障壁が高いものの、ヘアケアを足がかりにブランドの浸透を進めていく考えである。
同社は今後、国内外での持続的成長と収益力強化を目指し、中期目標として2026年12月期に売上高580億円(2022-2026年の4年間CAGR7.3%)、営業利益84億円、ROE11.3%を掲げている。国内では、ヘアケア用剤の価格改定や新製品の投入を通じて単価上昇を図るとともに、EC基盤「milbon:iD」とサロンDX施策「スマートサロン」を活用した店販強化を進める。これにより美容室のLTV向上と営業効率の改善が期待されている。海外では、米国・韓国・EUを重点国とし、ブランド力と教育支援を武器に直販から代理店制への移行や製品ローカライズを推進。特に米国市場では関税リスクに対応しつつ、ヘアケア需要の拡大を捉えた販路拡充が進められている。
株主還元については、配当性向50%を目安に累進配当方針を継続。財務基盤は安定しており、成長投資と株主還元のバランスを重視したキャピタルアロケーションを実行している。また、100株以上の株式を保有する株主を対象に、毎年自社製品を届ける株主優待制度を実施、保有株数・期間ごとのポイント数によって優待品は異なる。総じて、「美しさを拓く。Find Your Beauty」をコーポレートスローガンに掲げ、美容室を通じて人々の美しい生き方を応援し、心豊かな社会の実現を目指す日本発のグローバルプロフェッショナルメーカーとしての今後の動向に注目しておきたい。
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