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フタバ Research Memo(9):排気系の電動化対応とインド成長戦略を推進
配信日時:2025/07/09 15:09
配信元:FISCO
*15:09JST フタバ Research Memo(9):排気系の電動化対応とインド成長戦略を推進
■中長期の成長戦略
(b) 排気系部品事業における電動化ニーズに合わせた新たなシステム開発
フタバ産業<7241>の自動車用マフラー国内シェア首位の技術力・開発力を強みにして、BEV化ニーズに合わせた新たな排気システムの開発を目標とする。具体的には、従来1つのマフラーに組み込まれていた浄化・消音機能を分割し、それぞれの機能に特化して小型化・モジュール化(標準化)した数種類の機能別マフラーを組み合わせる「フルモジュラーマフラー」の開発・生産を計画する。モジュール化することで大型バッテリーが搭載されるPHEVやHEVの車台に場所をとらずに配置することができ、車種ごとに最適な機能別マフラーを組み合わせることができる。軽量化と消音効果が大きく、設計時間など開発/生産準備期間の短縮やマフラーの種類や生産設備の低減効果が大きい。現在は、PHEVやHEVへの拡販活動を進めているところだ。排気系部品の売上高は、2024年度の1,300億円を起点として、2027年度は成行きで1,250億円まで落ち込むことを予想するが、部品の拡販で20億円を上乗せし1,270億円を計画する。2030年度には成行きで1,170億円となる予想だが、80億円を部品の拡販で上乗せし1,250億円を目指す。
(c) 新規事業の事業化
農業事業においては、現在販売している「agleaf(R) CO2システム」のCO2回収効率の向上、バイオマス燃料など暖房機燃料の多様化を図るほか、農業残渣を活用したエネルギー循環システムの開発、同社の持つAI画像認識やレーザー照射技術を活用したレーザー除草ロボットの開発を加速させる。エネルギー循環システムは、農業残渣を固液に分離し、固体は燃焼させることで熱とCO2を取り出し、液体は燃焼後の灰と混ぜて肥料化する自産自消の循環システムである。自動車部品事業では、その技術を生かしてBEVを中心とした電動車向けのバッテリーセルケースやバッテリー冷却プレートなどの新製品を開発していく。そのほか、バイオ燃料を用いた長時間稼働可能な超小型SOFC(固体酸化物形)燃料電池の開発、既に建機会社や物流会社と共創している建機やトラックの排気ガスからCO2を分離回収するシステムの開発を加速させていく計画だ。すべての新規事業での売上高は2030年度に40億円を目標としている。
(2) 既存事業の成長(地域)
市場として成長著しいインドでの事業成長を目指す。既に、インドのハリヤナ州カルコダに約45億円を投資して現地法人FMI Automotive Components Private Limitedの分工場新設をリリースしており、2027年3月には排気系部品の製造を開始する予定だ。計画では、スズキ<7269>を中心としたインドでの自動車メーカーの成長に対応してさらに拠点を増やすことも検討中であり、2025年4月にはインド事業本部を新設し準備も進めている。売上高(支給品除く)は現在の140億円程度から2035年度には600億円を目指す。そのために、これまでの累計投資100億円に300億円の追加投資を行っていく計画だ。
(3) 経営基盤の強化
営業利益率やROE向上に向けて強い経営基盤を構築するために強化する戦略として、3Dデータを活用したリードタイム短縮/投資低減、ワレQA/QAネットワークによる品質向上、省人化・無人化、クリーンな工場を目指すスマートファクトリーを掲げる。継続して変えない戦略としては、中国の生産拠点の統合、インドでの工場建設など市場動向に合わせた人・設備能力の可変、ラインの寄せ止め(集約)による2直化比率の向上など生産能力の柔軟性を高める戦略を掲げる。リードタイム短縮/投資低減については、従来の各工程のバトンタッチ型開発から、製品データ、工程、工作図、冶具構想、設備構想、工場レイアウトまで3Dデータを利用した3Dスルー生産準備によりデジタル空間において同時進行でアジャイルに開発するプロセスへの変革を進め、実機でのトライ&エラーを最終的にゼロにする。プレスワレに対するQA(品質保証)においても、CAEや実物評価によりワレリスクを集約したワレQA危険マップを作成し、これをQAネットワークで共有することにより品質向上・不良廃却の低減など歩留まり改善につなげる。スマートファクトリーについては、生産情報のリアルタイム収集システムと出荷管理システムの連携により生産管理のデジタルプラットフォームを完成させ各工程における自動化技術を展開しており、省人化・無人化により中期経営計画の3年間で累計280名(うち国内153名)の人員削減を目標としている。
こうした取り組みにより、歩留まり改善による原価の6割を占める材料使用量の低減、不良品の低減、生産性の向上、省人化・無人化などデジタル技術を活用した現場改善を進め、加えて間接業務のスリム化、工程を短縮し不良品を低減できるもっと作りやすい部品製造などによる収益力の向上、稼ぐ力の向上をグローバルに展開していく計画だ。
また、「人への投資」を継続的に進め、経営基盤を強化する。多様な人材の採用・育成・配置を行う人材マネジメント改革と制度・風土の改革を行う人事制度改革を進め、働きがいと個の成長を支援することで主体的に行動し、変革を推進できる基盤を創ることを目標に掲げる。さらに、カーボンニュートラルへの取り組みについて、従来は2030年度に2013年度比でCO2排出量を50%削減するとしていたが、今回は2019年度比で50%削減するという新たな目標を掲げた。この新たな目標により、年間のCO2削減率は年3%から年4.6%に加速した。ただし、同社単体では既に50%のうち40%削減は目途が付いており、グループ会社では50%の削減に対して既に60%削減の目途が付いている状況である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
<HN>
(b) 排気系部品事業における電動化ニーズに合わせた新たなシステム開発
フタバ産業<7241>の自動車用マフラー国内シェア首位の技術力・開発力を強みにして、BEV化ニーズに合わせた新たな排気システムの開発を目標とする。具体的には、従来1つのマフラーに組み込まれていた浄化・消音機能を分割し、それぞれの機能に特化して小型化・モジュール化(標準化)した数種類の機能別マフラーを組み合わせる「フルモジュラーマフラー」の開発・生産を計画する。モジュール化することで大型バッテリーが搭載されるPHEVやHEVの車台に場所をとらずに配置することができ、車種ごとに最適な機能別マフラーを組み合わせることができる。軽量化と消音効果が大きく、設計時間など開発/生産準備期間の短縮やマフラーの種類や生産設備の低減効果が大きい。現在は、PHEVやHEVへの拡販活動を進めているところだ。排気系部品の売上高は、2024年度の1,300億円を起点として、2027年度は成行きで1,250億円まで落ち込むことを予想するが、部品の拡販で20億円を上乗せし1,270億円を計画する。2030年度には成行きで1,170億円となる予想だが、80億円を部品の拡販で上乗せし1,250億円を目指す。
(c) 新規事業の事業化
農業事業においては、現在販売している「agleaf(R) CO2システム」のCO2回収効率の向上、バイオマス燃料など暖房機燃料の多様化を図るほか、農業残渣を活用したエネルギー循環システムの開発、同社の持つAI画像認識やレーザー照射技術を活用したレーザー除草ロボットの開発を加速させる。エネルギー循環システムは、農業残渣を固液に分離し、固体は燃焼させることで熱とCO2を取り出し、液体は燃焼後の灰と混ぜて肥料化する自産自消の循環システムである。自動車部品事業では、その技術を生かしてBEVを中心とした電動車向けのバッテリーセルケースやバッテリー冷却プレートなどの新製品を開発していく。そのほか、バイオ燃料を用いた長時間稼働可能な超小型SOFC(固体酸化物形)燃料電池の開発、既に建機会社や物流会社と共創している建機やトラックの排気ガスからCO2を分離回収するシステムの開発を加速させていく計画だ。すべての新規事業での売上高は2030年度に40億円を目標としている。
(2) 既存事業の成長(地域)
市場として成長著しいインドでの事業成長を目指す。既に、インドのハリヤナ州カルコダに約45億円を投資して現地法人FMI Automotive Components Private Limitedの分工場新設をリリースしており、2027年3月には排気系部品の製造を開始する予定だ。計画では、スズキ<7269>を中心としたインドでの自動車メーカーの成長に対応してさらに拠点を増やすことも検討中であり、2025年4月にはインド事業本部を新設し準備も進めている。売上高(支給品除く)は現在の140億円程度から2035年度には600億円を目指す。そのために、これまでの累計投資100億円に300億円の追加投資を行っていく計画だ。
(3) 経営基盤の強化
営業利益率やROE向上に向けて強い経営基盤を構築するために強化する戦略として、3Dデータを活用したリードタイム短縮/投資低減、ワレQA/QAネットワークによる品質向上、省人化・無人化、クリーンな工場を目指すスマートファクトリーを掲げる。継続して変えない戦略としては、中国の生産拠点の統合、インドでの工場建設など市場動向に合わせた人・設備能力の可変、ラインの寄せ止め(集約)による2直化比率の向上など生産能力の柔軟性を高める戦略を掲げる。リードタイム短縮/投資低減については、従来の各工程のバトンタッチ型開発から、製品データ、工程、工作図、冶具構想、設備構想、工場レイアウトまで3Dデータを利用した3Dスルー生産準備によりデジタル空間において同時進行でアジャイルに開発するプロセスへの変革を進め、実機でのトライ&エラーを最終的にゼロにする。プレスワレに対するQA(品質保証)においても、CAEや実物評価によりワレリスクを集約したワレQA危険マップを作成し、これをQAネットワークで共有することにより品質向上・不良廃却の低減など歩留まり改善につなげる。スマートファクトリーについては、生産情報のリアルタイム収集システムと出荷管理システムの連携により生産管理のデジタルプラットフォームを完成させ各工程における自動化技術を展開しており、省人化・無人化により中期経営計画の3年間で累計280名(うち国内153名)の人員削減を目標としている。
こうした取り組みにより、歩留まり改善による原価の6割を占める材料使用量の低減、不良品の低減、生産性の向上、省人化・無人化などデジタル技術を活用した現場改善を進め、加えて間接業務のスリム化、工程を短縮し不良品を低減できるもっと作りやすい部品製造などによる収益力の向上、稼ぐ力の向上をグローバルに展開していく計画だ。
また、「人への投資」を継続的に進め、経営基盤を強化する。多様な人材の採用・育成・配置を行う人材マネジメント改革と制度・風土の改革を行う人事制度改革を進め、働きがいと個の成長を支援することで主体的に行動し、変革を推進できる基盤を創ることを目標に掲げる。さらに、カーボンニュートラルへの取り組みについて、従来は2030年度に2013年度比でCO2排出量を50%削減するとしていたが、今回は2019年度比で50%削減するという新たな目標を掲げた。この新たな目標により、年間のCO2削減率は年3%から年4.6%に加速した。ただし、同社単体では既に50%のうち40%削減は目途が付いており、グループ会社では50%の削減に対して既に60%削減の目途が付いている状況である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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