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ロート製薬:国内外で業績好調でシェアも高い、戦略的買収やメディカル領域拡充で中長期視点で企業価値向上へ
配信日時:2025/07/09 12:56
配信元:FISCO
*12:56JST ロート製薬:国内外で業績好調でシェアも高い、戦略的買収やメディカル領域拡充で中長期視点で企業価値向上へ
ロート製薬<4527>は、1899年に創業し、医薬品やスキンケア、内服・サプリメント等のヘルス&ビューティケア製品を世界110ヶ国以上で展開している。現在は東証プライム市場に上場している。同社は「すべての人や社会をWell-beingへ導き、明日の世界を元気にする」ことをパーパス(存在意義)に掲げ、長期的な視点での経営と価値創出に努めるとともに、社会の公器としての使命を自覚しながら事業を推進している。商品カテゴリー別の売上高構成比は、スキンケアが約6割、アイケアと内服・食品がそれぞれ2割弱を占める。地域別では日本が約5割、アジアが約3割、欧州と米州はそれぞれ1割弱である。
アイケア分野では、国内で約45%の高いシェアを有している。また、価格帯としては、300円程度の低価格品と1,000円以上の高付加価値製品に二極化しており、同社は後者に注力することで市場成長を上回る実績を上げている。スキンケアでは「肌ラボ」「メラノCC」などが、ドラッグストアの個数ベース販売の1位・2位を占めている。製薬会社として、エビデンス重視の製品開発を背景に、効果感をもとにリピート率が高い点が強みである。さらに、インドネシアやベトナムには1990年代初頭から進出しており、現地で初めて使用された目薬や化粧品が同社製であったことから、ブランド認知が定着し、シェアが50%を超える地域もある。現地では、日本の2~4倍の価格で販売されており、ブランド価値が極めて高い。
海外では、現地生産・現地販売体制を基本とし、関税や現地規制をクリアしている。フラットな組織体制による迅速な意思決定も強みであり、「肌ラボ」は構想から半年で商品化された実績がある。また、2024年には、欧州医薬品規制に準拠した工場をもつ「モノ社」、東南アジア最大の漢方薬製造販売企業「EYS社」を買収するなど、戦略的なM&Aを推進している。
2025年3月期は、売上高308,625百万円(前期比14.0%増)、営業利益38,939百万円(同2.8%減)、当期純利益31,006百万円(同0.2%増)であった。売上高は、EYS社およびモノ社の業績寄与、インバウンド需要の増加、円安の影響により増収となった。地域別ではアジアと欧州が特に好調であった。一方、営業利益の減少要因は、国内工場ライン再編に伴う一時的な外部委託増加や、欧州から中東向け輸出の薬事遅延による一時的な生産停止により原価率が上昇したこと、研究開発費や人件費、償却費などの増加も影響した。当期純利益は投資有価証券売却益により増益となった。
2026年3月期は、売上高334,500百万円(前期比8.4%増)、営業利益39,000百万円(同0.2%増)、当期純利益31,100百万円(同0.3%増)を予想している。売上高は、国内のインバウンド需要の継続と底堅い需要に加え、アジアおよび欧州での事業成長により、過去最高を更新する見込みである。利益面では、円高や買収先のコスト計上といったマイナス効果はあるものの、増収により増益を確保する見通しである。
同社は、2025年4月に2035年度までの中長期成長戦略を公表した。この戦略において、2031年3月期に売上高4,150億円、営業利益540億円、営業利益率13.0%、海外売上比率53%を目指す。また、中間年となる2028年3月期には売上高3,650億円、営業利益460億円、営業利益率12.6%、海外売上比率50%を目標としている。成長戦略は、アイケア・スキンケアのグローバル展開による「事業収益力の強化」、EYS社との連携や内服・食品分野の強化による「技術商品力の深化と拡充」、医療用点眼薬や再生医療等医薬品の開発、CDMO(医薬品受託製造開発)事業への参入など「メディカル領域の強化」の3本柱を掲げている。2030年度までの6年間で2,700億円の成長投資を計画し、そのうち500億円をM&Aに充てる方針である。
株主還元については、利益の増減に左右されず、持続的・安定的に増配することを基本方針とし、配当性向30%以上、DOE(株主資本配当率)3.5%以上の水準を維持する。2025年3月期の年間配当金は36円(配当性向26.4%)を実施し、2026年3月期は年間42円(同30.5%)を予定している。22年連続の増配実績を持ち、株主優待の拡充や自社株式の取得も視野に入れるなど株主還元には積極的な姿勢である。
国内外での業績堅調推移に加え、今後の海外展開の加速やメディカル分野の拡大によって、株価の見直しが進む可能性がある。中長期視点での企業価値向上に注目したい。
<HM>
アイケア分野では、国内で約45%の高いシェアを有している。また、価格帯としては、300円程度の低価格品と1,000円以上の高付加価値製品に二極化しており、同社は後者に注力することで市場成長を上回る実績を上げている。スキンケアでは「肌ラボ」「メラノCC」などが、ドラッグストアの個数ベース販売の1位・2位を占めている。製薬会社として、エビデンス重視の製品開発を背景に、効果感をもとにリピート率が高い点が強みである。さらに、インドネシアやベトナムには1990年代初頭から進出しており、現地で初めて使用された目薬や化粧品が同社製であったことから、ブランド認知が定着し、シェアが50%を超える地域もある。現地では、日本の2~4倍の価格で販売されており、ブランド価値が極めて高い。
海外では、現地生産・現地販売体制を基本とし、関税や現地規制をクリアしている。フラットな組織体制による迅速な意思決定も強みであり、「肌ラボ」は構想から半年で商品化された実績がある。また、2024年には、欧州医薬品規制に準拠した工場をもつ「モノ社」、東南アジア最大の漢方薬製造販売企業「EYS社」を買収するなど、戦略的なM&Aを推進している。
2025年3月期は、売上高308,625百万円(前期比14.0%増)、営業利益38,939百万円(同2.8%減)、当期純利益31,006百万円(同0.2%増)であった。売上高は、EYS社およびモノ社の業績寄与、インバウンド需要の増加、円安の影響により増収となった。地域別ではアジアと欧州が特に好調であった。一方、営業利益の減少要因は、国内工場ライン再編に伴う一時的な外部委託増加や、欧州から中東向け輸出の薬事遅延による一時的な生産停止により原価率が上昇したこと、研究開発費や人件費、償却費などの増加も影響した。当期純利益は投資有価証券売却益により増益となった。
2026年3月期は、売上高334,500百万円(前期比8.4%増)、営業利益39,000百万円(同0.2%増)、当期純利益31,100百万円(同0.3%増)を予想している。売上高は、国内のインバウンド需要の継続と底堅い需要に加え、アジアおよび欧州での事業成長により、過去最高を更新する見込みである。利益面では、円高や買収先のコスト計上といったマイナス効果はあるものの、増収により増益を確保する見通しである。
同社は、2025年4月に2035年度までの中長期成長戦略を公表した。この戦略において、2031年3月期に売上高4,150億円、営業利益540億円、営業利益率13.0%、海外売上比率53%を目指す。また、中間年となる2028年3月期には売上高3,650億円、営業利益460億円、営業利益率12.6%、海外売上比率50%を目標としている。成長戦略は、アイケア・スキンケアのグローバル展開による「事業収益力の強化」、EYS社との連携や内服・食品分野の強化による「技術商品力の深化と拡充」、医療用点眼薬や再生医療等医薬品の開発、CDMO(医薬品受託製造開発)事業への参入など「メディカル領域の強化」の3本柱を掲げている。2030年度までの6年間で2,700億円の成長投資を計画し、そのうち500億円をM&Aに充てる方針である。
株主還元については、利益の増減に左右されず、持続的・安定的に増配することを基本方針とし、配当性向30%以上、DOE(株主資本配当率)3.5%以上の水準を維持する。2025年3月期の年間配当金は36円(配当性向26.4%)を実施し、2026年3月期は年間42円(同30.5%)を予定している。22年連続の増配実績を持ち、株主優待の拡充や自社株式の取得も視野に入れるなど株主還元には積極的な姿勢である。
国内外での業績堅調推移に加え、今後の海外展開の加速やメディカル分野の拡大によって、株価の見直しが進む可能性がある。中長期視点での企業価値向上に注目したい。
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