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サンマルクHD Research Memo(8):中期経営計画の目標値を上方修正予定
配信日時:2025/07/09 12:27
配信元:FISCO
*12:27JST サンマルクHD Research Memo(8):中期経営計画の目標値を上方修正予定
■成長戦略
1. 中期経営計画(2025年3月期~2029年3月期)
サンマルクホールディングス<3395>は2024年5月に2025年3月期~2029年3月期を対象とする中期経営計画を策定し、中間目標として2026年3月期の売上高660億円、営業利益38億円、最終年度2029年3月期の目標として売上高800億円、営業利益65億円を掲げた。ただし牛かつ業態の大型M&Aにより、最終年度目標を3年前倒しで達成する見込みとなったため、2025年11月に目標の修正、キャピタルアロケーションの見直しを含めて、中期経営計画を更新する予定である。
重点施策は1) 「生麺専門鎌倉パスタ」及び派生業態の継続出店によるパスタ業態のポテンシャル最大化、2) 「サンマルクカフェ」を中心とする運営効率の改善、3) 2027年3月期以降の成長の軸となる第3のブランド確立に向けた投資(M&Aを含む)としている。1) では「生麺専門鎌倉パスタ」を引き続きレストラン事業の中核業態として展開するため、継続的な出店に加え、広告戦略などを通して知名度をさらに向上させる。またインバウンド需要も意識した和風要素の強調など、派生業態の展開を通してパスタ業態のさらなるポテンシャル拡大をねらう。2) の「サンマルクカフェ」については、不採算店舗整理がおおむね完了したため、新メニュー開発や店舗オペレーション効率化等により、さらなる収益性向上を推進する。
3) の第3のブランド確立に向けた投資については、2024年11月及び12月に牛かつ市場のリーディングカンパニー2社を子会社化した。牛かつ業態の国内市場は200店舗程度まで出店余地があると想定しており、和の専門業態として店舗網を継続的に拡大する方針だ。また「牛カツ京都勝牛」は海外からの旅行客に極めて人気が高いため、「牛カツ京都勝牛」のFC中心に海外展開を本格化する方針だ。2025年3月期末時点の海外店舗数は「牛カツ京都勝牛」が8ヶ国・20店舗(内訳は韓国1店舗、台湾8店舗、香港1店舗、タイ2店舗、インドネシア4店舗、フィリピン2店舗、カナダ1店舗、シンガポール1店舗)、「牛かつもと村」が2店舗(台湾2店舗)となっている。2026年3月期は既存出店地域に加えて、新たに2ヶ国への出店を計画している。
長期的なブランドポートフォリオのイメージについては、売上規模拡大・収益性向上に向けた基本戦略として、1) 主力ブランド化に向けた収益性改善(「ベーカリーレストラン・サンマルク」や「サンマルクカフェ」の収益性改善)、2) 主力ブランド化に向けた売上規模拡大(「神戸元町ドリア」の売上規模拡大)、3) 次世代ブランド化に向けた収益性改善、4) 主力ブランドの種となるような業態の新規M&Aを推進する。当面は牛かつ業態「牛カツ京都勝牛」及び「牛かつもと村」を、既存の主力ブランドである「生麺専門鎌倉パスタ」及び「サンマルクカフェ」に次ぐ第3の主力ブランドと位置付けて育成・拡大する。
同社は、PBR(株価純資産倍率)が1倍を超え、2025年3月期末にはROE(自己資本当期純利益率)が8%を上回った。資本コストや株価を意識した経営に取り組むため、株主及び投資家への適切な情報開示や建設的な対話などIR活動も強化し、株主及び投資家との対話内容を経営にフィードバックするなど、さらなる企業価値の向上に努める方針である。サステナビリティ経営については、2023年3月にサステナビリティ委員会を設置し、社会課題の解決による持続可能な社会の実現と、同社グループの中長期的な企業価値向上の両立を目指す。サステナビリティを巡る各種課題への対応を経営戦略及び経営計画等に反映し、全社的なサステナビリティ施策の推進を図る。
株主還元は連結配当性向35%目安、株主優待制度も継続
2. 株主還元策
同社は株主還元について、同社グループの業績動向及び配当性向等を総合的に勘案したうえで、株主に対し利益成長に応じた安定的な配当を継続しつつ、今後のグループ内における事業拡充による将来の利益貢献を図るため内部留保の充実に努めることを基本方針としている。これをベースに今後のグループの利益成長等を勘案し、中期的な連結ベースの配当性向35%を目標としつつ、DOE(純資産配当率)等の要素も加味しながら決定する。この方針に基づき、2025年3月期の配当は前期比2.0円増配の52.0円(中間期末26.0円、期末26.0円)とした。配当性向は42.1%となる。2026年3月期の配当予想は前期と同額の52.0円(中間期末26.0円、期末26.0円)としている。予想配当性向は56.9%となる。今後は下限を50.0円として増配基調を想定している。また同社は株主優待制度も実施している。毎年3月31日時点で100株以上の保有株主に対して、同社グループ店舗で割引利用できる「株主様ご優待カード1枚」(有効期間中は何度でも繰り返し利用可能)を贈呈する。
なお2025年2月に新株予約権行使に伴って4,163,741株の新株発行を行った一方、自己株式として2024年11月に480,600株、2025年2月に2,822,400株を取得、さらに2025年3月に自己株式4,000,000株を消却した。
ブランドポートフォリオ戦略の進捗状況に注目
3. 弊社の視点
同社の業績は回復基調である。これはコロナ禍の影響一巡という外部要因だけでなく、事業環境変化に対応した不採算店の整理、メニューの高付加価値化、サービス品質の高度化、店舗オペレーションの効率化など、同社が継続的に取り組んでいる各種施策の成果によるものと弊社では評価している。さらにM&Aによって牛かつ業態「牛カツ京都勝牛」及び「牛かつもと村」を取得した。既存の主力ブランドである「生麺専門鎌倉パスタ」及び「サンマルクカフェ」に次ぐ第3の主力ブランドに育成・拡大する方針だ。また「牛カツ京都勝牛」は海外旅行客の需要が極めて高いことから、国内のインバウンドだけでなく、海外展開も本格化する方針を打ち出している。主力ブランドの収益性向上に加え、新たな成長ドライバーである牛かつ業態の拡大により、同社が新たな成長ステージに入ることが期待されるだけに、引き続きブランドポートフォリオ戦略の進捗状況に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<NH>
1. 中期経営計画(2025年3月期~2029年3月期)
サンマルクホールディングス<3395>は2024年5月に2025年3月期~2029年3月期を対象とする中期経営計画を策定し、中間目標として2026年3月期の売上高660億円、営業利益38億円、最終年度2029年3月期の目標として売上高800億円、営業利益65億円を掲げた。ただし牛かつ業態の大型M&Aにより、最終年度目標を3年前倒しで達成する見込みとなったため、2025年11月に目標の修正、キャピタルアロケーションの見直しを含めて、中期経営計画を更新する予定である。
重点施策は1) 「生麺専門鎌倉パスタ」及び派生業態の継続出店によるパスタ業態のポテンシャル最大化、2) 「サンマルクカフェ」を中心とする運営効率の改善、3) 2027年3月期以降の成長の軸となる第3のブランド確立に向けた投資(M&Aを含む)としている。1) では「生麺専門鎌倉パスタ」を引き続きレストラン事業の中核業態として展開するため、継続的な出店に加え、広告戦略などを通して知名度をさらに向上させる。またインバウンド需要も意識した和風要素の強調など、派生業態の展開を通してパスタ業態のさらなるポテンシャル拡大をねらう。2) の「サンマルクカフェ」については、不採算店舗整理がおおむね完了したため、新メニュー開発や店舗オペレーション効率化等により、さらなる収益性向上を推進する。
3) の第3のブランド確立に向けた投資については、2024年11月及び12月に牛かつ市場のリーディングカンパニー2社を子会社化した。牛かつ業態の国内市場は200店舗程度まで出店余地があると想定しており、和の専門業態として店舗網を継続的に拡大する方針だ。また「牛カツ京都勝牛」は海外からの旅行客に極めて人気が高いため、「牛カツ京都勝牛」のFC中心に海外展開を本格化する方針だ。2025年3月期末時点の海外店舗数は「牛カツ京都勝牛」が8ヶ国・20店舗(内訳は韓国1店舗、台湾8店舗、香港1店舗、タイ2店舗、インドネシア4店舗、フィリピン2店舗、カナダ1店舗、シンガポール1店舗)、「牛かつもと村」が2店舗(台湾2店舗)となっている。2026年3月期は既存出店地域に加えて、新たに2ヶ国への出店を計画している。
長期的なブランドポートフォリオのイメージについては、売上規模拡大・収益性向上に向けた基本戦略として、1) 主力ブランド化に向けた収益性改善(「ベーカリーレストラン・サンマルク」や「サンマルクカフェ」の収益性改善)、2) 主力ブランド化に向けた売上規模拡大(「神戸元町ドリア」の売上規模拡大)、3) 次世代ブランド化に向けた収益性改善、4) 主力ブランドの種となるような業態の新規M&Aを推進する。当面は牛かつ業態「牛カツ京都勝牛」及び「牛かつもと村」を、既存の主力ブランドである「生麺専門鎌倉パスタ」及び「サンマルクカフェ」に次ぐ第3の主力ブランドと位置付けて育成・拡大する。
同社は、PBR(株価純資産倍率)が1倍を超え、2025年3月期末にはROE(自己資本当期純利益率)が8%を上回った。資本コストや株価を意識した経営に取り組むため、株主及び投資家への適切な情報開示や建設的な対話などIR活動も強化し、株主及び投資家との対話内容を経営にフィードバックするなど、さらなる企業価値の向上に努める方針である。サステナビリティ経営については、2023年3月にサステナビリティ委員会を設置し、社会課題の解決による持続可能な社会の実現と、同社グループの中長期的な企業価値向上の両立を目指す。サステナビリティを巡る各種課題への対応を経営戦略及び経営計画等に反映し、全社的なサステナビリティ施策の推進を図る。
株主還元は連結配当性向35%目安、株主優待制度も継続
2. 株主還元策
同社は株主還元について、同社グループの業績動向及び配当性向等を総合的に勘案したうえで、株主に対し利益成長に応じた安定的な配当を継続しつつ、今後のグループ内における事業拡充による将来の利益貢献を図るため内部留保の充実に努めることを基本方針としている。これをベースに今後のグループの利益成長等を勘案し、中期的な連結ベースの配当性向35%を目標としつつ、DOE(純資産配当率)等の要素も加味しながら決定する。この方針に基づき、2025年3月期の配当は前期比2.0円増配の52.0円(中間期末26.0円、期末26.0円)とした。配当性向は42.1%となる。2026年3月期の配当予想は前期と同額の52.0円(中間期末26.0円、期末26.0円)としている。予想配当性向は56.9%となる。今後は下限を50.0円として増配基調を想定している。また同社は株主優待制度も実施している。毎年3月31日時点で100株以上の保有株主に対して、同社グループ店舗で割引利用できる「株主様ご優待カード1枚」(有効期間中は何度でも繰り返し利用可能)を贈呈する。
なお2025年2月に新株予約権行使に伴って4,163,741株の新株発行を行った一方、自己株式として2024年11月に480,600株、2025年2月に2,822,400株を取得、さらに2025年3月に自己株式4,000,000株を消却した。
ブランドポートフォリオ戦略の進捗状況に注目
3. 弊社の視点
同社の業績は回復基調である。これはコロナ禍の影響一巡という外部要因だけでなく、事業環境変化に対応した不採算店の整理、メニューの高付加価値化、サービス品質の高度化、店舗オペレーションの効率化など、同社が継続的に取り組んでいる各種施策の成果によるものと弊社では評価している。さらにM&Aによって牛かつ業態「牛カツ京都勝牛」及び「牛かつもと村」を取得した。既存の主力ブランドである「生麺専門鎌倉パスタ」及び「サンマルクカフェ」に次ぐ第3の主力ブランドに育成・拡大する方針だ。また「牛カツ京都勝牛」は海外旅行客の需要が極めて高いことから、国内のインバウンドだけでなく、海外展開も本格化する方針を打ち出している。主力ブランドの収益性向上に加え、新たな成長ドライバーである牛かつ業態の拡大により、同社が新たな成長ステージに入ることが期待されるだけに、引き続きブランドポートフォリオ戦略の進捗状況に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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