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マルハニチロ:umiosへの社名変更で第三の創業へ
配信日時:2025/07/07 09:20
配信元:FISCO
*09:20JST マルハニチロ:umiosへの社名変更で第三の創業へ
【会社概要】
マルハニチロ<1333>は、日本を代表する総合食品企業であり、水産業としては世界トップシェアを誇る。同社の起源は1880年創業のマルハと1907年創業のニチロに遡る。両社は2007年10月1日に経営統合し、マルハニチロホールディングスが誕生(2014年4月に中核会社6社と統合し、マルハニチロとなっている)した。この統合により、水産資源の調達力と食品加工の技術力を融合させ、国内外での事業展開を強化してきた。同社は水産品、農産品、畜肉品、冷凍食品・缶詰・レトルト食品など調理済み食品、ペットフード、化成品、介護向け食品など、多岐にわたる製品を提供している。また、「For the ocean, for life」というパーパスのもと、持続可能な漁業や環境保全、食品安全、健康価値の創造といったサステナビリティ活動にも注力している。こうしたパーパスを体現すべく、2026年3月1日付で社名をumios(ウミオス)に変更する予定である。新社名は、「umi(海)」「one(一体)」「solutions(解決)」を組み合わせた造語であり、海を起点にステイクホルダーや地球と一体となって、食を通じて地球規模の社会課題を解決していくという決意を表している。この社名変更を行う2026年から、1880年の創業、2007年の経営統合に続く「第三創業」を迎えると位置付けられている。
【2025年3月期決算概要】
同社の2025年3月期連結決算は、売上高1兆786億円(前期比4.7%増)、営業利益304億円(同14.5%増)、経常利益323億円(同3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益233億円(同11.6%増)と、増収増益を達成した。セグメント別では、水産資源セグメントの漁業ユニットでは、メロやエビ、イカ、ホキなどの漁獲増により増収となり利益も前年赤字より黒字へ改善した。一方、養殖ユニットでは高水温による成長遅れや飼料価格の高騰が影響し、減益となった。北米ユニットは主に欧州での高利益商材の販売好調などにより増収増益となった。
食材流通セグメントでは、水産商事ユニットにおける在庫管理の徹底や市況回復、食材流通ユニットの販売堅調、農畜産ユニットの販売価格改定が功を奏し、増益を確保した。加工食品セグメントでは、タイのペットフード事業や医薬品向けファインケミカルの好調により、増収増益を達成した。
【2026年3月期業績予想】
2026年3月期の業績予想は、売上高1兆800億円(前期比0.1%増)、営業利益270億円(同11.1%減)、経常利益260億円(同19.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益175億円(同24.8%減)を見込んでいる。この予想には、2026年3月1日付の社名変更やTAKANAWA GATE CITYへの本社移転に伴う変革費用50億円を織り込んでおり、実質的には増益計画である。
【成長戦略】
同社は、2025年3月24日に新たな長期ビジョンと中期経営計画「For the ocean, for life 2027」を策定した。
長期ビジョンでは、バリューサイクルをグローカルに展開し価値創造を最大化することを掲げている。同社の言う「グローカル」とは、日本でとった水産品を世界に輸出するのではなく、世界レベルで地産地消を展開することである。今後、世界は人口増により食品の消費量が増えることが確実であり、グローバル市場において地域ごとの食文化や健康課題に対応した価値創出を図る。こうした施策により10年後に向けた目標として海外経常利益率70%以上、ROIC7%以上などを掲げる。
これを踏まえた中期経営計画「For the ocean, for life 2027」(対象期間:2026年3月期〜2028年3月期)では、バリューサイクルの強化、グローカル展開、「挑戦と共創」という企業文化醸成の3つを戦略として掲げている。また営業キャッシュフローと資産効率化などで稼いだ資金を3年間で成長投資1,400億円、定常投資400億円、株主還元に活用するキャッシュアロケーションを設定した。こうした取り組みにより2028年3月期において、営業利益400億円、ROIC5%を目指す。
また、株主還元については、配当性向30%以上を目標とする累進配当政策を掲げ、資本効率と株主価値の両立を図る。同社の今後に注目したい。
<HM>
マルハニチロ<1333>は、日本を代表する総合食品企業であり、水産業としては世界トップシェアを誇る。同社の起源は1880年創業のマルハと1907年創業のニチロに遡る。両社は2007年10月1日に経営統合し、マルハニチロホールディングスが誕生(2014年4月に中核会社6社と統合し、マルハニチロとなっている)した。この統合により、水産資源の調達力と食品加工の技術力を融合させ、国内外での事業展開を強化してきた。同社は水産品、農産品、畜肉品、冷凍食品・缶詰・レトルト食品など調理済み食品、ペットフード、化成品、介護向け食品など、多岐にわたる製品を提供している。また、「For the ocean, for life」というパーパスのもと、持続可能な漁業や環境保全、食品安全、健康価値の創造といったサステナビリティ活動にも注力している。こうしたパーパスを体現すべく、2026年3月1日付で社名をumios(ウミオス)に変更する予定である。新社名は、「umi(海)」「one(一体)」「solutions(解決)」を組み合わせた造語であり、海を起点にステイクホルダーや地球と一体となって、食を通じて地球規模の社会課題を解決していくという決意を表している。この社名変更を行う2026年から、1880年の創業、2007年の経営統合に続く「第三創業」を迎えると位置付けられている。
【2025年3月期決算概要】
同社の2025年3月期連結決算は、売上高1兆786億円(前期比4.7%増)、営業利益304億円(同14.5%増)、経常利益323億円(同3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益233億円(同11.6%増)と、増収増益を達成した。セグメント別では、水産資源セグメントの漁業ユニットでは、メロやエビ、イカ、ホキなどの漁獲増により増収となり利益も前年赤字より黒字へ改善した。一方、養殖ユニットでは高水温による成長遅れや飼料価格の高騰が影響し、減益となった。北米ユニットは主に欧州での高利益商材の販売好調などにより増収増益となった。
食材流通セグメントでは、水産商事ユニットにおける在庫管理の徹底や市況回復、食材流通ユニットの販売堅調、農畜産ユニットの販売価格改定が功を奏し、増益を確保した。加工食品セグメントでは、タイのペットフード事業や医薬品向けファインケミカルの好調により、増収増益を達成した。
【2026年3月期業績予想】
2026年3月期の業績予想は、売上高1兆800億円(前期比0.1%増)、営業利益270億円(同11.1%減)、経常利益260億円(同19.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益175億円(同24.8%減)を見込んでいる。この予想には、2026年3月1日付の社名変更やTAKANAWA GATE CITYへの本社移転に伴う変革費用50億円を織り込んでおり、実質的には増益計画である。
【成長戦略】
同社は、2025年3月24日に新たな長期ビジョンと中期経営計画「For the ocean, for life 2027」を策定した。
長期ビジョンでは、バリューサイクルをグローカルに展開し価値創造を最大化することを掲げている。同社の言う「グローカル」とは、日本でとった水産品を世界に輸出するのではなく、世界レベルで地産地消を展開することである。今後、世界は人口増により食品の消費量が増えることが確実であり、グローバル市場において地域ごとの食文化や健康課題に対応した価値創出を図る。こうした施策により10年後に向けた目標として海外経常利益率70%以上、ROIC7%以上などを掲げる。
これを踏まえた中期経営計画「For the ocean, for life 2027」(対象期間:2026年3月期〜2028年3月期)では、バリューサイクルの強化、グローカル展開、「挑戦と共創」という企業文化醸成の3つを戦略として掲げている。また営業キャッシュフローと資産効率化などで稼いだ資金を3年間で成長投資1,400億円、定常投資400億円、株主還元に活用するキャッシュアロケーションを設定した。こうした取り組みにより2028年3月期において、営業利益400億円、ROIC5%を目指す。
また、株主還元については、配当性向30%以上を目標とする累進配当政策を掲げ、資本効率と株主価値の両立を図る。同社の今後に注目したい。
<HM>
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