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日産東HD Research Memo(8):重点施策を引き続き着実に実行
配信日時:2025/07/02 15:08
配信元:FISCO
*15:08JST 日産東HD Research Memo(8):重点施策を引き続き着実に実行
■中期経営計画
3. 中期経営計画の重点施策
日産東京販売ホールディングス<8291>の中期経営計画は順調に進捗しており、引き続き、電動化リーダー、安全・運転支援技術、モビリティ事業という3つの重点施策を着実に実行する方針である。
(1) 電動化リーダー
電動化リーダーとは、EVなど電動車のパイオニアとしての強みを生かし、電動車を運転する感動を世の中に広げ、カーボンニュートラルの推進に直接的に貢献していくことである。国産メーカーでは日産自動車以外本格参入していないにもかかわらず、EVに対する消費者の関心は高く、EVの購入意欲が高まっている。そこで同社は、販売・営業体制、整備体制・設備、急速充電器網など長年にわたって蓄積してきたEVのノウハウやインフラを生かし、早期に電動車販売比率90%以上(既に達成済みで上方修正の可能性あり)、EVの年間販売台数10,000台の達成を目指すこととした。このため、既存のEV、今後登場する予定の新型車EVなどの販売を一段と強化し、東京都内で33%という日産のEV販売シェアを持続させ、将来もEVのフロントランナーとしてとして電動化をけん引していく考えである。また、EV販売によるCO2排出量1.6万トン削減やEV給電による災害時のエネルギーマネジメント、充電インフラの拡充、再生可能エネルギー利用の店舗網構築を目指すことで、モビリティ社会への対応を先行的に展開、環境や社会に対し直接的な貢献を強める考えである。
(2) 安全・運転支援技術
同社は、先進の安全・運転支援技術による安心と安全をより多くの顧客に提供し、それを支える整備体制によって日々の安心と安全もサポートする方針である。このため、試乗車1,400台を配備して店舗での試乗機会を増やすとともに、レンタカーによる試乗機会を生かして、顧客がプロパイロットなど先進運転支援システムを体験する機会を広げている。なお、プロパイロットは既に主要車種の97%に標準装備またはオプション設定されているため、事故発生率も年々減少している模様である。また、整備士の採用や育成を強化し、技術革新に対応できる人財基盤を整備するとともに、DXを活用した検査ラインの自動化などにより作業の効率化と作業精度の向上を進めている。車載式故障診断装置の全店配備や特定整備制度の認証取得に向けた最新整備機器の導入、既に一日の長がある整備士のさらなる技術力の向上、安心・安全なカーライフに直結する「電子制御システム整備」の体制構築も推進する。
(3) モビリティ事業
モビリティ事業を強化することで、所有からリースやシェアへシフトしている消費トレンドに的確に対応していく方針である。1997年から展開している新車個人リース「P.O.P」については、販売ノウハウなどをベストプラクティスとして全社で生かし、顧客へのベネフィットを訴求することで、利用率・定着率の向上と乗り換えの促進につなげている。この結果、「P.O.P」は、早期の買い替えを通じて同社の新車販売の拡大に貢献する事業として急成長した。同社の保有台数も1.6万台となり、早期代替需要による整備・保険などのストック収益の拡大に寄与している。また、「P.O.P」の好調を受けて中古車個人リースにも参入し、好調な立ち上がりとなった。モビリティ事業ではほかに、レンタカー事業が代車利用の需要を捉えて順調に成長しており、「日産レンタカー」を全店に配備するとともに運用台数を増強している。
成長投資として人的資本の充実を図る
4. 投資計画
同社は、中期経営計画のなかで既存領域への継続投資に加えて、注力領域へ積極的な投資を行う戦略を掲げており、4年間で総額300億円規模の投資を実行する予定である。内訳は、持続的成長のための既存ビジネス強化を目的としたネットワーク刷新や環境対応、事業ポートフォリオ再構成に250億円~、変革への推進力となる人財・DXを目的として、ITによる効率/生産性向上や事業の多角化、ベストプラクティス強化に20億円~、新規事業への参入や資本業務提携による事業領域拡大を目的としたモビリティ関連やEV周辺事業などに30億円~としている。積極的な投資により収益力向上を図り、2027年3月期にはROE(自己資本当期純利益率)7.0%を計画する。また、ROE向上のために、ネットワークの刷新や新たな顧客接点の構築、効率化投資などにより営業利益率4.2%、収益拡大に向けた投資と資産の有効活用(不要な資産の圧縮)によりROA(総資産当期純利益率)3.4%、財務安全性を確保しつつ資本構成の最適化を図ることでD/Eレシオ0.26倍を目指す。
現段階の投資の進捗については、中期経営計画期間内に投資効果の実現を図るため、2024年3月期~2025年3月期の2年間で223億円の過去最大規模の戦略的投資を行っている。今後は、さらなる新規事業や資本提携も視野に入れた投資を予定し、特に店舗ネットワークや設備関連、DX推進、人的資本の充実を図る。なかでも人的資本の充実に関しては、同社の競争力の源泉である人財への投資を成長投資と位置付けている。未来の人財の育成を軸に、モビリティ関連事業を中心に販売と整備の充実を図り、現場力の高度化や組織力の強化を継続的かつ計画的に進めていく。さらに、企業理念の浸透やDE&I推進、自主自発の発揮など多面的な施策によって、従業員のエンゲージメントと定着率の向上を図る考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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3. 中期経営計画の重点施策
日産東京販売ホールディングス<8291>の中期経営計画は順調に進捗しており、引き続き、電動化リーダー、安全・運転支援技術、モビリティ事業という3つの重点施策を着実に実行する方針である。
(1) 電動化リーダー
電動化リーダーとは、EVなど電動車のパイオニアとしての強みを生かし、電動車を運転する感動を世の中に広げ、カーボンニュートラルの推進に直接的に貢献していくことである。国産メーカーでは日産自動車以外本格参入していないにもかかわらず、EVに対する消費者の関心は高く、EVの購入意欲が高まっている。そこで同社は、販売・営業体制、整備体制・設備、急速充電器網など長年にわたって蓄積してきたEVのノウハウやインフラを生かし、早期に電動車販売比率90%以上(既に達成済みで上方修正の可能性あり)、EVの年間販売台数10,000台の達成を目指すこととした。このため、既存のEV、今後登場する予定の新型車EVなどの販売を一段と強化し、東京都内で33%という日産のEV販売シェアを持続させ、将来もEVのフロントランナーとしてとして電動化をけん引していく考えである。また、EV販売によるCO2排出量1.6万トン削減やEV給電による災害時のエネルギーマネジメント、充電インフラの拡充、再生可能エネルギー利用の店舗網構築を目指すことで、モビリティ社会への対応を先行的に展開、環境や社会に対し直接的な貢献を強める考えである。
(2) 安全・運転支援技術
同社は、先進の安全・運転支援技術による安心と安全をより多くの顧客に提供し、それを支える整備体制によって日々の安心と安全もサポートする方針である。このため、試乗車1,400台を配備して店舗での試乗機会を増やすとともに、レンタカーによる試乗機会を生かして、顧客がプロパイロットなど先進運転支援システムを体験する機会を広げている。なお、プロパイロットは既に主要車種の97%に標準装備またはオプション設定されているため、事故発生率も年々減少している模様である。また、整備士の採用や育成を強化し、技術革新に対応できる人財基盤を整備するとともに、DXを活用した検査ラインの自動化などにより作業の効率化と作業精度の向上を進めている。車載式故障診断装置の全店配備や特定整備制度の認証取得に向けた最新整備機器の導入、既に一日の長がある整備士のさらなる技術力の向上、安心・安全なカーライフに直結する「電子制御システム整備」の体制構築も推進する。
(3) モビリティ事業
モビリティ事業を強化することで、所有からリースやシェアへシフトしている消費トレンドに的確に対応していく方針である。1997年から展開している新車個人リース「P.O.P」については、販売ノウハウなどをベストプラクティスとして全社で生かし、顧客へのベネフィットを訴求することで、利用率・定着率の向上と乗り換えの促進につなげている。この結果、「P.O.P」は、早期の買い替えを通じて同社の新車販売の拡大に貢献する事業として急成長した。同社の保有台数も1.6万台となり、早期代替需要による整備・保険などのストック収益の拡大に寄与している。また、「P.O.P」の好調を受けて中古車個人リースにも参入し、好調な立ち上がりとなった。モビリティ事業ではほかに、レンタカー事業が代車利用の需要を捉えて順調に成長しており、「日産レンタカー」を全店に配備するとともに運用台数を増強している。
成長投資として人的資本の充実を図る
4. 投資計画
同社は、中期経営計画のなかで既存領域への継続投資に加えて、注力領域へ積極的な投資を行う戦略を掲げており、4年間で総額300億円規模の投資を実行する予定である。内訳は、持続的成長のための既存ビジネス強化を目的としたネットワーク刷新や環境対応、事業ポートフォリオ再構成に250億円~、変革への推進力となる人財・DXを目的として、ITによる効率/生産性向上や事業の多角化、ベストプラクティス強化に20億円~、新規事業への参入や資本業務提携による事業領域拡大を目的としたモビリティ関連やEV周辺事業などに30億円~としている。積極的な投資により収益力向上を図り、2027年3月期にはROE(自己資本当期純利益率)7.0%を計画する。また、ROE向上のために、ネットワークの刷新や新たな顧客接点の構築、効率化投資などにより営業利益率4.2%、収益拡大に向けた投資と資産の有効活用(不要な資産の圧縮)によりROA(総資産当期純利益率)3.4%、財務安全性を確保しつつ資本構成の最適化を図ることでD/Eレシオ0.26倍を目指す。
現段階の投資の進捗については、中期経営計画期間内に投資効果の実現を図るため、2024年3月期~2025年3月期の2年間で223億円の過去最大規模の戦略的投資を行っている。今後は、さらなる新規事業や資本提携も視野に入れた投資を予定し、特に店舗ネットワークや設備関連、DX推進、人的資本の充実を図る。なかでも人的資本の充実に関しては、同社の競争力の源泉である人財への投資を成長投資と位置付けている。未来の人財の育成を軸に、モビリティ関連事業を中心に販売と整備の充実を図り、現場力の高度化や組織力の強化を継続的かつ計画的に進めていく。さらに、企業理念の浸透やDE&I推進、自主自発の発揮など多面的な施策によって、従業員のエンゲージメントと定着率の向上を図る考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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