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三井松島HD Research Memo(9):エム・アール・エフが通期で業績に寄与
配信日時:2025/07/03 12:09
配信元:FISCO
*12:09JST 三井松島HD Research Memo(9):エム・アール・エフが通期で業績に寄与
■今後の見通し
● 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績について三井松島ホールディングス<1518>は、売上高で前期比8.1%増の65,500百万円、営業利益で同7.7%増の8,200百万円、経常利益で同4.1%減の8,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同32.9%減の5,800百万円としている。
売上高及び営業利益のいずれにおいても増収増益が見込まれており、その主因としては、2025年3月期第2四半期より連結対象となったエム・アール・エフが通期で業績に寄与することが挙げられる。加えて、日本ストロー、MOS、三生電子など、主要な事業会社が好調な受注を継続していることから、いずれのセグメントにおいても前期実績を上回る増収が見込まれている。これにより、連結ベースでの売上げ拡大が支えられる形となっている。ただし、生活消費財セグメントに関しては、明光商会において研究開発費が増加していることから、前期実績に対して減益となる見通しである。一方、産業用製品セグメント及び金融その他セグメントでは、売上げの増加に伴って利益面でも前期を上回る増益が見込まれており、全体としてはセグメント間でバランスの取れた成長が期待される構造となっている。なお、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益については、前期における特殊要因であるリデル炭鉱譲渡による特別利益の反動減により減益が予想されている。各事業セグメントにおいて堅調な拡大が見込まれており、一過性の特殊要因を除いた純粋な収益性は順調な成長を遂げていると弊社では見ている。
また、政府が検討しているM&Aにおける「のれん」償却の不要化は、同社の業績に大きなプラスの影響をもたらす可能性がある。2025年3月期に計上されたのれん償却額は1,153百万円であり、この制度が導入されれば、当期純利益に対して同額のプラス効果が期待される。従来、M&Aによって取得した企業ののれんは、一定期間で償却されるため、利益計上に対する圧迫要因となっていた。しかし、償却不要となれば、企業はより積極的にM&Aを推進でき、成長機会を逃すことなく活用できる。また、財務諸表上の利益が安定することで、投資家に対しても企業の実力を正確に伝えることが可能となる。一方で、のれんを償却せずに貸借対照表に計上し続けることには慎重な意見も存在する。リーマンショックのような大規模な経済危機が発生した場合、のれんの価値が毀損し、多額の減損損失を計上せざるを得ないリスクがある。しかし、これは適切なリスク管理と定期的な資産評価を行うことで、十分に対応可能であると弊社では考える。
■中長期の成長戦略
経営戦略2024は早期達成が見込まれる。株主還元の強化とM&Aを中心とした成長戦略に注力
1. 経営戦略2024(2025年3月期~2027年3月期)
2024年3月期をもって石炭関連事業が終了したことを受け、2025年3月期からは、これまで新たな収益基盤として確立してきた「生活消費財」「産業用製品」「金融その他」の各セグメントにおいて利益を積み上げるとともに、引き続きM&Aを中心とした成長戦略を推進し企業価値の向上を目指す。具体的には、2027年3月期までの3年間を計画期間とし、既存事業の成長とM&Aによって当期純利益で50億円以上を継続的に計上できる収益構造を構築する方針だ。M&Aに関しては、引き続き「安定収益・ニッチ市場・わかりやすい」といった基本方針のもと、いたずらに数を追うことはせず、資本コストと投資リターンを慎重に見極めながら、株主の期待リターンを上回ることができる案件に取り組んでいく。
また、経営戦略2024では、PBR1倍以上、ROE8%以上という目標を対外的に掲げ、資本コストと資本収益性を意識しながら事業活動を遂行していく。既存事業の成長とM&Aによって利益を積み上げていくことはもちろん、資本コストを超える投資案件がない場合には配当や自社株買いなどによって株主還元を拡充する方針だ。2024年3月期末時点のネット現預金216億円(リデル炭鉱終掘に関わる資産除去債務等に必要な資金約52億円を控除した金額)をM&Aと株主還元に積極的に振り向けながら、PBRとROEを高めていく。
2. 進捗状況
同社が2024年5月に公表した「経営戦略2024」は、早期の達成が見込まれる状況にある。当期純利益については、2027年3月期までに50億円以上を継続的に計上できる収益構造を構築することを目標として掲げているが、既に2025年3月期において当期純利益50億円超を達成しており、2026年3月期についても同水準の利益達成が想定されている。また、資本政策においては、2024年3月期末時点でのネット現預金216億円を、今後3年間でのM&A投資あるいは株主還元に積極的に活用する方針が示されているが、2025年3月期は総額150億円をM&A及び株主還元に充当したほか、2024年8月にはMM Investmentsにおいて株式投資事業を開始しており、2025年3月末時点の既投資額は230億円に達している。今後はPBR1倍以上に向けて株主還元策の強化を図るとともに、引き続きM&Aを中心とした成長戦略を推進していく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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● 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績について三井松島ホールディングス<1518>は、売上高で前期比8.1%増の65,500百万円、営業利益で同7.7%増の8,200百万円、経常利益で同4.1%減の8,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同32.9%減の5,800百万円としている。
売上高及び営業利益のいずれにおいても増収増益が見込まれており、その主因としては、2025年3月期第2四半期より連結対象となったエム・アール・エフが通期で業績に寄与することが挙げられる。加えて、日本ストロー、MOS、三生電子など、主要な事業会社が好調な受注を継続していることから、いずれのセグメントにおいても前期実績を上回る増収が見込まれている。これにより、連結ベースでの売上げ拡大が支えられる形となっている。ただし、生活消費財セグメントに関しては、明光商会において研究開発費が増加していることから、前期実績に対して減益となる見通しである。一方、産業用製品セグメント及び金融その他セグメントでは、売上げの増加に伴って利益面でも前期を上回る増益が見込まれており、全体としてはセグメント間でバランスの取れた成長が期待される構造となっている。なお、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益については、前期における特殊要因であるリデル炭鉱譲渡による特別利益の反動減により減益が予想されている。各事業セグメントにおいて堅調な拡大が見込まれており、一過性の特殊要因を除いた純粋な収益性は順調な成長を遂げていると弊社では見ている。
また、政府が検討しているM&Aにおける「のれん」償却の不要化は、同社の業績に大きなプラスの影響をもたらす可能性がある。2025年3月期に計上されたのれん償却額は1,153百万円であり、この制度が導入されれば、当期純利益に対して同額のプラス効果が期待される。従来、M&Aによって取得した企業ののれんは、一定期間で償却されるため、利益計上に対する圧迫要因となっていた。しかし、償却不要となれば、企業はより積極的にM&Aを推進でき、成長機会を逃すことなく活用できる。また、財務諸表上の利益が安定することで、投資家に対しても企業の実力を正確に伝えることが可能となる。一方で、のれんを償却せずに貸借対照表に計上し続けることには慎重な意見も存在する。リーマンショックのような大規模な経済危機が発生した場合、のれんの価値が毀損し、多額の減損損失を計上せざるを得ないリスクがある。しかし、これは適切なリスク管理と定期的な資産評価を行うことで、十分に対応可能であると弊社では考える。
■中長期の成長戦略
経営戦略2024は早期達成が見込まれる。株主還元の強化とM&Aを中心とした成長戦略に注力
1. 経営戦略2024(2025年3月期~2027年3月期)
2024年3月期をもって石炭関連事業が終了したことを受け、2025年3月期からは、これまで新たな収益基盤として確立してきた「生活消費財」「産業用製品」「金融その他」の各セグメントにおいて利益を積み上げるとともに、引き続きM&Aを中心とした成長戦略を推進し企業価値の向上を目指す。具体的には、2027年3月期までの3年間を計画期間とし、既存事業の成長とM&Aによって当期純利益で50億円以上を継続的に計上できる収益構造を構築する方針だ。M&Aに関しては、引き続き「安定収益・ニッチ市場・わかりやすい」といった基本方針のもと、いたずらに数を追うことはせず、資本コストと投資リターンを慎重に見極めながら、株主の期待リターンを上回ることができる案件に取り組んでいく。
また、経営戦略2024では、PBR1倍以上、ROE8%以上という目標を対外的に掲げ、資本コストと資本収益性を意識しながら事業活動を遂行していく。既存事業の成長とM&Aによって利益を積み上げていくことはもちろん、資本コストを超える投資案件がない場合には配当や自社株買いなどによって株主還元を拡充する方針だ。2024年3月期末時点のネット現預金216億円(リデル炭鉱終掘に関わる資産除去債務等に必要な資金約52億円を控除した金額)をM&Aと株主還元に積極的に振り向けながら、PBRとROEを高めていく。
2. 進捗状況
同社が2024年5月に公表した「経営戦略2024」は、早期の達成が見込まれる状況にある。当期純利益については、2027年3月期までに50億円以上を継続的に計上できる収益構造を構築することを目標として掲げているが、既に2025年3月期において当期純利益50億円超を達成しており、2026年3月期についても同水準の利益達成が想定されている。また、資本政策においては、2024年3月期末時点でのネット現預金216億円を、今後3年間でのM&A投資あるいは株主還元に積極的に活用する方針が示されているが、2025年3月期は総額150億円をM&A及び株主還元に充当したほか、2024年8月にはMM Investmentsにおいて株式投資事業を開始しており、2025年3月末時点の既投資額は230億円に達している。今後はPBR1倍以上に向けて株主還元策の強化を図るとともに、引き続きM&Aを中心とした成長戦略を推進していく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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