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三井松島HD Research Memo(7):M&A効果で全セグメント好調、財務も良好な水準維持(1)
配信日時:2025/07/03 12:07
配信元:FISCO
*12:07JST 三井松島HD Research Memo(7):M&A効果で全セグメント好調、財務も良好な水準維持(1)
■三井松島ホールディングス<1518>の業績動向
セグメント別の業績は以下のとおり。
(1) 生活消費財
売上高は前期比2.7%増の26,789百万円、セグメント利益は同55.3%増の2,373百万円となった。MOS、明光商会の売上げが堅調に推移したことにより増収増益を記録した。
a) 日本ストロー
トピックスとして、海洋生分解性ストローが、大手コーヒーチェーンに採用された。本ストローは、(株)カネカと共同で量産技術を確立した「カネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet(R)」(カネカの登録商標)を原料としている。2025年1月より沖縄県内の全店舗で先行導入され、同年3月以降、全国の店舗でも順次展開される予定である。大手コーヒーチェーンによる採用を契機に、ほかのコーヒーチェーンや外食企業へも波及することが期待される。
b) 明光商会
売上高の堅調な増加によりセグメント業績に大きく寄与した。2026年3月期においては、研究開発費の増加を見込んでいるが、これはボイスコール製品のクラウド化対応を目的としている。同製品はこれまでオンプレミスが主流であったが、政令指定都市の自治体を中心にクラウド導入の要望が強まっており、2年がかりの開発を進めている。これが実現されれば、自治体のみならず中小規模の商業施設への導入拡大も期待できる。また、シュレッダー製品の製造は約8割をタイで行っているため、為替が円安・バーツ高となれば調達価格が上昇するが、足元では円高への振れが見られ、調達価格上昇が一定抑制される見通しである。
c) ケイエムテイ
2024年10月に実施されたアーテミス及びブリスミックスの価格改定に伴う、駆け込み需要の反動減により2024年11月から2025年1月にかけては一時的に売上高が減少したものの、業績はおおむね期初の見通しどおりに着地した。2025年4月以降、主力のドライフード以外に口腔内ケア商品等の開発・販売が進展し、為替の追い風もあり、業績は順調に推移している。
d) システックキョーワ
人口減少を背景に今後も戸建住宅市場の縮小が見込まれる中、主要事業の収益減を補う戦略的施策として、日本からタイ自社工場への製造移管によるコスト低減のほか、既存ビジネスの枠に縛られない新商品企画・開発を着実に実行することで、逆風の中においても前進を続け利益を確保していく方針である。
e) MOS
キャッシュレス決済の浸透、インバウンドの回復などの追い風を受け、業績は好調であった。主要事業である感熱レジロール加工販売において高い市場シェアを獲得しており、業界No.1企業として今後も業績は堅調に推移していく見通しである。
(2) 産業用製品
売上高は前期比96.6%増の29,640百万円、セグメント利益は同204.9%増の3,829百万円となった。ジャパン・チェーン・ホールディングスの子会社化を主要因として、大幅増収増益となった。
a) CST
デバイスの液晶から有機ELへの切り替わりにより需要が増加、半導体/電子部品は用途別での波はあるものの、CSTの製品は顧客商品開発過程で消費されるため、最終商品の動向影響は比較的受けにくく、業績は安定して推移している。
b) 三生電子
三生電子と傘下のSaunders & Associatesについては、シリコンサイクルに連動して業績が動く構造にある。過去数年は市況が低調であり影響を受けたものの、足元では反転の兆しが見えている。Saunders & Associatesでは、製造装置のなかにつかわれる計測器等を主にアジア市場に向けて販売しているが、足元の関税政策が緩和傾向に動いていることから、市場環境は好転している。
c) 日本カタン
足元では電力会社各社が燃料費の高止まりや電力価格の抑制圧力を受けて収益環境の不透明感が増しているものの、日本カタンの受注動向に影響は出ていない。これは、政府の意向で電力供給の安定化を図るべく地域間連携線の新設を含む全国大での送電ネットワークの増強を進めていること、また建設された送電線は老朽化により順次更新が不可避であり、この需要が安定した受注を下支えしているためである。日本カタンの取引はレベニューキャップ制度のもと、電力会社の作成する5ヶ年計画に基づいており、今期についても既に通期計画の6割程度の受注が確保されている。2022年の買収以降、こうした構造的な需要に支えられて、安定した事業運営が続いている。
d) プラスワンテクノ
計量装置大手が参入しないコンマ単位の軽量領域というニッチ市場で高い技術力を武器にトップシェアを誇っており、業績は堅調に推移している。
e) ジャパン・チェーン・ホールディングス
米国市場での販売を拡大しており、利益貢献が顕著であった。足元では、トランプ政権下の鉄鋼・アルミ関税の影響を受け、ジャパン・チェーン・ホールディングスの製品にも50%の関税が課されている。しかし、米国内で製造されたチェーン製品も、原材料である鉄などを他国から輸入しているため、価格は同様に上昇している。そのため、競争条件に大きな差はなく現時点では受注状況には影響が出ていないものの、引き続き状況を注視している。
(3) 金融その他
売上高は前期比154.8%増の4,206百万円、セグメント利益は同711.5%増の1,412百万円となった。エム・アール・エフの子会社化が寄与し、大幅増収増益となった。
a) エム・アール・エフ
2024年10月に東京支店が開設され、当初4人体制でスタートし、足元では6人体制に拡充されている。不動産単価が高い東京においては、1件当たりの取引額も大きく、既に利益貢献が始まっている。今後はさらなる人員拡充を計画している。なお、エム・アール・エフの取得により短期借入金は増加したが、資金調達は主に地方銀行からのものであり、約360億円の貸付に対して約250~260億円の借入と約100億円の純資産で賄っている形だ。この借入金は貸付金の返済見合いによるものであり、設備資金のようなほかの借入金とは明確に性質が異なる。
b) MM Investments
M&Aの拡充・発展を目的として、2024年8月より上場株式投資を開始している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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セグメント別の業績は以下のとおり。
(1) 生活消費財
売上高は前期比2.7%増の26,789百万円、セグメント利益は同55.3%増の2,373百万円となった。MOS、明光商会の売上げが堅調に推移したことにより増収増益を記録した。
a) 日本ストロー
トピックスとして、海洋生分解性ストローが、大手コーヒーチェーンに採用された。本ストローは、(株)カネカと共同で量産技術を確立した「カネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet(R)」(カネカの登録商標)を原料としている。2025年1月より沖縄県内の全店舗で先行導入され、同年3月以降、全国の店舗でも順次展開される予定である。大手コーヒーチェーンによる採用を契機に、ほかのコーヒーチェーンや外食企業へも波及することが期待される。
b) 明光商会
売上高の堅調な増加によりセグメント業績に大きく寄与した。2026年3月期においては、研究開発費の増加を見込んでいるが、これはボイスコール製品のクラウド化対応を目的としている。同製品はこれまでオンプレミスが主流であったが、政令指定都市の自治体を中心にクラウド導入の要望が強まっており、2年がかりの開発を進めている。これが実現されれば、自治体のみならず中小規模の商業施設への導入拡大も期待できる。また、シュレッダー製品の製造は約8割をタイで行っているため、為替が円安・バーツ高となれば調達価格が上昇するが、足元では円高への振れが見られ、調達価格上昇が一定抑制される見通しである。
c) ケイエムテイ
2024年10月に実施されたアーテミス及びブリスミックスの価格改定に伴う、駆け込み需要の反動減により2024年11月から2025年1月にかけては一時的に売上高が減少したものの、業績はおおむね期初の見通しどおりに着地した。2025年4月以降、主力のドライフード以外に口腔内ケア商品等の開発・販売が進展し、為替の追い風もあり、業績は順調に推移している。
d) システックキョーワ
人口減少を背景に今後も戸建住宅市場の縮小が見込まれる中、主要事業の収益減を補う戦略的施策として、日本からタイ自社工場への製造移管によるコスト低減のほか、既存ビジネスの枠に縛られない新商品企画・開発を着実に実行することで、逆風の中においても前進を続け利益を確保していく方針である。
e) MOS
キャッシュレス決済の浸透、インバウンドの回復などの追い風を受け、業績は好調であった。主要事業である感熱レジロール加工販売において高い市場シェアを獲得しており、業界No.1企業として今後も業績は堅調に推移していく見通しである。
(2) 産業用製品
売上高は前期比96.6%増の29,640百万円、セグメント利益は同204.9%増の3,829百万円となった。ジャパン・チェーン・ホールディングスの子会社化を主要因として、大幅増収増益となった。
a) CST
デバイスの液晶から有機ELへの切り替わりにより需要が増加、半導体/電子部品は用途別での波はあるものの、CSTの製品は顧客商品開発過程で消費されるため、最終商品の動向影響は比較的受けにくく、業績は安定して推移している。
b) 三生電子
三生電子と傘下のSaunders & Associatesについては、シリコンサイクルに連動して業績が動く構造にある。過去数年は市況が低調であり影響を受けたものの、足元では反転の兆しが見えている。Saunders & Associatesでは、製造装置のなかにつかわれる計測器等を主にアジア市場に向けて販売しているが、足元の関税政策が緩和傾向に動いていることから、市場環境は好転している。
c) 日本カタン
足元では電力会社各社が燃料費の高止まりや電力価格の抑制圧力を受けて収益環境の不透明感が増しているものの、日本カタンの受注動向に影響は出ていない。これは、政府の意向で電力供給の安定化を図るべく地域間連携線の新設を含む全国大での送電ネットワークの増強を進めていること、また建設された送電線は老朽化により順次更新が不可避であり、この需要が安定した受注を下支えしているためである。日本カタンの取引はレベニューキャップ制度のもと、電力会社の作成する5ヶ年計画に基づいており、今期についても既に通期計画の6割程度の受注が確保されている。2022年の買収以降、こうした構造的な需要に支えられて、安定した事業運営が続いている。
d) プラスワンテクノ
計量装置大手が参入しないコンマ単位の軽量領域というニッチ市場で高い技術力を武器にトップシェアを誇っており、業績は堅調に推移している。
e) ジャパン・チェーン・ホールディングス
米国市場での販売を拡大しており、利益貢献が顕著であった。足元では、トランプ政権下の鉄鋼・アルミ関税の影響を受け、ジャパン・チェーン・ホールディングスの製品にも50%の関税が課されている。しかし、米国内で製造されたチェーン製品も、原材料である鉄などを他国から輸入しているため、価格は同様に上昇している。そのため、競争条件に大きな差はなく現時点では受注状況には影響が出ていないものの、引き続き状況を注視している。
(3) 金融その他
売上高は前期比154.8%増の4,206百万円、セグメント利益は同711.5%増の1,412百万円となった。エム・アール・エフの子会社化が寄与し、大幅増収増益となった。
a) エム・アール・エフ
2024年10月に東京支店が開設され、当初4人体制でスタートし、足元では6人体制に拡充されている。不動産単価が高い東京においては、1件当たりの取引額も大きく、既に利益貢献が始まっている。今後はさらなる人員拡充を計画している。なお、エム・アール・エフの取得により短期借入金は増加したが、資金調達は主に地方銀行からのものであり、約360億円の貸付に対して約250~260億円の借入と約100億円の純資産で賄っている形だ。この借入金は貸付金の返済見合いによるものであり、設備資金のようなほかの借入金とは明確に性質が異なる。
b) MM Investments
M&Aの拡充・発展を目的として、2024年8月より上場株式投資を開始している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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