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日産東HD Research Memo(3):事業間の利益バランスが良好
配信日時:2025/07/02 15:03
配信元:FISCO
*15:03JST 日産東HD Research Memo(3):事業間の利益バランスが良好
■事業概要
1. 事業内容
日産東京販売ホールディングス<8291>の事業は、個人リースを含む新車事業、中古車事業、整備事業などで構成されている。事業全体でカーライフ(モビリティ)のワンストップサービスを提供し、付加価値の高い提案とメンテナンスや金融など自動車関連サービスによって顧客のLTV(ライフタイムバリュー)を最大化するとともに、モビリティ関連事業へ展開していくことでグループシナジーを追求するビジネスモデルである。収益構造を見ると、売上高の50%以上を新車が占める一方で、売上利益は各事業間でバランスが取れている。新車を販売することで中古車販売の回転が良くなり、整備などのストックビジネスが積み上がるという安定したバリューチェーンを築いている。なお、日産自動車と日産東京販売の関係は、日産東京販売が日産自動車から新車や部用品を仕入れて一般消費者などに販売するというだけでなく、EVやe-POWERといった先端技術車のPRや試乗会開催、急速充電器の拡充などを通じて、日産自動車と消費者をつなぐ役割も担っている。
(1) 新車事業
子会社の日産東京販売は、EVやe-POWERなど日産自動車の新車全車種を、都内の約100店舗を通じて販売している。現在これらの店舗について、日産自動車が継続的に投入する最先端の新型車と多様化した顧客の期待やライフスタイルに合わせ、「ニッサン・リテール・コンセプト(NRC:Nissan Retail Concept)」という新世代型店舗へとリニューアルしているところである。ルノー車については、日産東京販売社内においてルノー車専門のバーチャルカンパニーとして販売店4店舗を運営、全国のルノーディーラーでNo.1の販売実績を誇っている(2025年3月期実績)。なお、新車販売台数は、少子高齢化や人口減少、自動車保有率の低下傾向などを背景に、全国で500万台程度と横ばいで推移する時代になった。ディーラーが企業として成長するには、スケールメリットや集約化によって新車販売の収益性を高めるとともに、個人リースや中古車販売、整備など新車販売以外の事業を成長ドライバーとする、独自戦略を展開する必要も生じている。
(2) 個人リース「P.O.P」
個人向けカーリースは、販売先がリース会社という新車事業の中の1販売形態で、自動車を所有するモノというより利用するモノと考える消費者や、諸手続きや所有の煩わしさを軽減したい消費者にとって、非常に利便性の高いサービスとなっている。個人リースで先行している同社は、日産ブランドに依存しない「P.O.P」というブランドで1997年よりサービスを展開し、東京都で約4割という高いシェアを誇っている。「頭金ゼロ・コミコミ・定額」が特徴の「P.O.P」は、通常の新車買い替えサイクルが一般的に8〜9年と言われるなか、7割以上の顧客が3年で次の新車に乗り換えるうえ、リピート率が9割以上に達するため、同社にとって非常に効率の良いビジネスとなっている。こうした特徴から、現在、自動車販売会社のみならず様々な業種が個人リースに参入しつつあるが、消費者の選択肢が広がるうえ市場活性化も期待できるため、「P.O.P」にとっては追い風になっている。
(3) 中古車事業
中古車の買取・販売は、収益の1つの柱であると同時に新車買い替えの販売促進という側面もある。仕入は主に新車販売時の下取車や買取、オークション等で調達している。販売は、日産自動車による認定中古車を厳しいサービスレベルをクリアした同社を含む「クオリティショップ」で取り扱っており、充実した保証やアフターサービスを提供している。オークションなどの販売ルートもあるが、収益性の高い自社在庫を自社中古車店舗で消費者に直接販売する「小売販売」が主力である。なお、新車個人リースの好調をヒントに新たな中古車の販売形態となる中古車個人リースを2023年4月に開始し、販売台数も2025年3月期は前年に対し倍増するなど順調に伸長している。
(4) 整備事業
整備は、日産東京販売のストックビジネスの柱として各拠点を中心に事業展開しており、メンテナンスパック会員は13万件超、グループ内の整備入庫の総台数は約65万台である(2025年3月期)。また、子会社で大規模総合自動車整備会社のエヌティオートサービス(株)は、専業としての確かなサービス品質と最新鋭の設備によって、板金・塗装や車検整備、納車整備などを行っており、グループ内の整備を集中的に扱うセンターとしての役割を果たしている。事業所は東京に7拠点、埼玉に1拠点あり、高級輸入車のアルミボディにも対応できる業界屈指の高い技術力を有している。車検は日産東京販売及び日産ブランドに依存しない車検専門店「車検館」で扱っている。「車検館」は東京を中心に神奈川、埼玉、千葉に13店舗のネットワークを有する。全店が最新設備をそろえた指定工場で、メーカーを問わず幅広い車種の自動車を入庫でき、国家資格を持つ検査員による確かな技術に基づく検査がセールスポイントである。また、価格やサービスにも定評があり、顧客の8割以上がリピーターで好調な業績を続けている。
(5) その他の事業
このほか、損害保険・生命保険の代理店や車両輸送・登録代行業務、日産車をベースにしたキャンピングカー専門のディーラー、不動産賃貸など、自動車販売周辺の事業へと多角化することでグループとしてシナジーを高め、幅広いユーザーの獲得につなげている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 事業内容
日産東京販売ホールディングス<8291>の事業は、個人リースを含む新車事業、中古車事業、整備事業などで構成されている。事業全体でカーライフ(モビリティ)のワンストップサービスを提供し、付加価値の高い提案とメンテナンスや金融など自動車関連サービスによって顧客のLTV(ライフタイムバリュー)を最大化するとともに、モビリティ関連事業へ展開していくことでグループシナジーを追求するビジネスモデルである。収益構造を見ると、売上高の50%以上を新車が占める一方で、売上利益は各事業間でバランスが取れている。新車を販売することで中古車販売の回転が良くなり、整備などのストックビジネスが積み上がるという安定したバリューチェーンを築いている。なお、日産自動車と日産東京販売の関係は、日産東京販売が日産自動車から新車や部用品を仕入れて一般消費者などに販売するというだけでなく、EVやe-POWERといった先端技術車のPRや試乗会開催、急速充電器の拡充などを通じて、日産自動車と消費者をつなぐ役割も担っている。
(1) 新車事業
子会社の日産東京販売は、EVやe-POWERなど日産自動車の新車全車種を、都内の約100店舗を通じて販売している。現在これらの店舗について、日産自動車が継続的に投入する最先端の新型車と多様化した顧客の期待やライフスタイルに合わせ、「ニッサン・リテール・コンセプト(NRC:Nissan Retail Concept)」という新世代型店舗へとリニューアルしているところである。ルノー車については、日産東京販売社内においてルノー車専門のバーチャルカンパニーとして販売店4店舗を運営、全国のルノーディーラーでNo.1の販売実績を誇っている(2025年3月期実績)。なお、新車販売台数は、少子高齢化や人口減少、自動車保有率の低下傾向などを背景に、全国で500万台程度と横ばいで推移する時代になった。ディーラーが企業として成長するには、スケールメリットや集約化によって新車販売の収益性を高めるとともに、個人リースや中古車販売、整備など新車販売以外の事業を成長ドライバーとする、独自戦略を展開する必要も生じている。
(2) 個人リース「P.O.P」
個人向けカーリースは、販売先がリース会社という新車事業の中の1販売形態で、自動車を所有するモノというより利用するモノと考える消費者や、諸手続きや所有の煩わしさを軽減したい消費者にとって、非常に利便性の高いサービスとなっている。個人リースで先行している同社は、日産ブランドに依存しない「P.O.P」というブランドで1997年よりサービスを展開し、東京都で約4割という高いシェアを誇っている。「頭金ゼロ・コミコミ・定額」が特徴の「P.O.P」は、通常の新車買い替えサイクルが一般的に8〜9年と言われるなか、7割以上の顧客が3年で次の新車に乗り換えるうえ、リピート率が9割以上に達するため、同社にとって非常に効率の良いビジネスとなっている。こうした特徴から、現在、自動車販売会社のみならず様々な業種が個人リースに参入しつつあるが、消費者の選択肢が広がるうえ市場活性化も期待できるため、「P.O.P」にとっては追い風になっている。
(3) 中古車事業
中古車の買取・販売は、収益の1つの柱であると同時に新車買い替えの販売促進という側面もある。仕入は主に新車販売時の下取車や買取、オークション等で調達している。販売は、日産自動車による認定中古車を厳しいサービスレベルをクリアした同社を含む「クオリティショップ」で取り扱っており、充実した保証やアフターサービスを提供している。オークションなどの販売ルートもあるが、収益性の高い自社在庫を自社中古車店舗で消費者に直接販売する「小売販売」が主力である。なお、新車個人リースの好調をヒントに新たな中古車の販売形態となる中古車個人リースを2023年4月に開始し、販売台数も2025年3月期は前年に対し倍増するなど順調に伸長している。
(4) 整備事業
整備は、日産東京販売のストックビジネスの柱として各拠点を中心に事業展開しており、メンテナンスパック会員は13万件超、グループ内の整備入庫の総台数は約65万台である(2025年3月期)。また、子会社で大規模総合自動車整備会社のエヌティオートサービス(株)は、専業としての確かなサービス品質と最新鋭の設備によって、板金・塗装や車検整備、納車整備などを行っており、グループ内の整備を集中的に扱うセンターとしての役割を果たしている。事業所は東京に7拠点、埼玉に1拠点あり、高級輸入車のアルミボディにも対応できる業界屈指の高い技術力を有している。車検は日産東京販売及び日産ブランドに依存しない車検専門店「車検館」で扱っている。「車検館」は東京を中心に神奈川、埼玉、千葉に13店舗のネットワークを有する。全店が最新設備をそろえた指定工場で、メーカーを問わず幅広い車種の自動車を入庫でき、国家資格を持つ検査員による確かな技術に基づく検査がセールスポイントである。また、価格やサービスにも定評があり、顧客の8割以上がリピーターで好調な業績を続けている。
(5) その他の事業
このほか、損害保険・生命保険の代理店や車両輸送・登録代行業務、日産車をベースにしたキャンピングカー専門のディーラー、不動産賃貸など、自動車販売周辺の事業へと多角化することでグループとしてシナジーを高め、幅広いユーザーの獲得につなげている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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