注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:米中貿易交渉の進展次第で、日経平均は200日線突破を試す可能性も
配信日時:2025/05/10 13:33
配信元:FISCO
*13:33JST 国内株式市場見通し:米中貿易交渉の進展次第で、日経平均は200日線突破を試す可能性も
■外部環境の改善でTOPIXは7年半ぶりの11連騰
先週から今週(4月28日-5月9日)の日経平均は週間(4月25日比)ベースで1797.59円高(+5.03%)の37503.33円と大幅上昇。米国の関税方針を警戒視する動きが緩和し、米国株が持ち直したほか、日米中央銀行による会合後の為替市場ではドル高円安が進行。外部環境の改善を材料にプライム市場の大型株が買われ、日経平均は終値ベースでは3月28日以来となる37000円台回復を達成した。
4月30日から5月1日に開催された日本銀行による金融政策決定会合の結果は想定通りの「現状維持」だったが、その後に行われた植田和男日銀総裁による記者会見において、早期の利上げに対して慎重な姿勢が見られたことで、年内利上げ観測が大幅に後退。日米金利差がやや拡大するとの見方も強まり、為替はドル高円安に振れた。また、懸念されていた米国との関税交渉に関しても、日米関税協議で一定の進展が見られたほか、ベッセント米財務長官と中国の何立峰副首相がスイスで会談すると報じられたこと、米英間の貿易を巡る関税交渉の合意など前向きな進展が確認できたことなどから、投資家心理は大幅に改善。医薬品関連は新たな米関税方針が重しとなったが、企業決算本格化を迎えるなか、好業績や株主還元策の拡大などを発表した銘柄を中心に買われ、日経平均は相互関税発表前の3月末の水準まで値を戻した。なお、TOPIXは2017年10月に記録した12連騰以来の11連騰となった。
■史上最大の円買いポジションの解消が入るか
9日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比119.07ドル安の41249.38ドル、ナスダックは同0.78ポイント高の17928.92で取引を終了した。英国との貿易協定合意を受け、他国とのさらなる協議進展期待や、トランプ米大統領が対中関税の80%への引き下げを示唆したことは好感材料となったものの、報道官が「トランプ大統領が無条件で引き下げるつもりはないという考えは変わっていない」ことを明らかにすると、警戒感が台頭し売り買い交錯となった。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比60円安の37460円で取引を終えた。
4月の米国市場は、「株安、債券安、通貨安」の「トリプル安」が度々発生したが、足下、ベッセント米財務長官とラトニック米商務長官という金融出身者高官に対する期待感などが先行し、落ち着きを取り戻している。最新データである5月6日時点の米商品先物取引委員会(CFTC)が公表する円買いポジションは、差し引き17万6859枚と過去最大水準で推移している。今後、円買いポジション解消に伴う円売りが強まれば、一段のドル高円安も期待できよう。円安進行は、輸出関連企業が多い日経平均には追い風となるため、日経平均一段高の材料となる。米関税方針の方向性次第では、リスク回避の円買いポジションが再度積み上がる可能性も十分にあるため、楽観はできない状況だが、為替市場で過度な悲観論が後退したことは株式市場にとってポジティブだ。
■短期的な過熱感は強いが投資家心理は改善
TOPIXは11連騰するなど短期的な過熱感は強いが、TOPIXは上値抵抗となる可能性があった200日移動平均線(200MA:2687ポイント)水準をあっさり上回るなどトレンドは強い。また、日経平均は上向きに転じた25日移動平均線(25MA)との乖離率が+7.7%ほどにとどまっており、移動平均線との乖離率も小さい。投資家心理を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)も3月末以来の水準まで低下したことで、東京市場の先行き不透明感は払しょくされつつある。来週は企業決算発表のピークを迎えることから、投資家心理が改善された状況下、大型株物色が強まれば、日経平均やTOPIXの一段高も期待できよう。週末に行われる予定の米中貿易交渉で大きな進展が見られれば、日経平均は200日移動平均線(200MA:37938円)水準や、3月26日以来となる38000円台突破を試す展開も期待できよう。
■13日に米CPI、15日に米PPI
来週、国内では、12日に3月経常収支、貿易収支、4月景気ウォッチャー調査、13日に4月マネーストック、14日に4月国内企業物価、16日に第1四半期実質GDP一次速報値、3月鉱工業生産(確報値)などが予定されている。
海外では、13日に英・4月BRC既存店売上高、3月ILO失業率、4月雇用統計、豪・5月Westpac消費者信頼感指数、4月NAB企業景況感、独・5月ZEW景況感指数、欧・5月ユーロ圏ZEW景況感指数、米・4月消費者物価指数、14日に独・4月消費者物価指数(確報)、米・週次原油在庫、15日に豪・4月雇用統計、英・第1四半期実質GDP(速報値)、3月月次GDP、鉱工業生産指数、貿易収支、欧・第1四半期ユーロ圏実質GDP(改定値)、3月鉱工業生産指数、米・週次新規失業保険申請件数、4月生産者物価指数、小売売上高、鉱工業生産指数、3月企業在庫、5月NY連銀製造業景気指数、16日に米・4月住宅着工件数、輸入物価指数、5月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されている。
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先週から今週(4月28日-5月9日)の日経平均は週間(4月25日比)ベースで1797.59円高(+5.03%)の37503.33円と大幅上昇。米国の関税方針を警戒視する動きが緩和し、米国株が持ち直したほか、日米中央銀行による会合後の為替市場ではドル高円安が進行。外部環境の改善を材料にプライム市場の大型株が買われ、日経平均は終値ベースでは3月28日以来となる37000円台回復を達成した。
4月30日から5月1日に開催された日本銀行による金融政策決定会合の結果は想定通りの「現状維持」だったが、その後に行われた植田和男日銀総裁による記者会見において、早期の利上げに対して慎重な姿勢が見られたことで、年内利上げ観測が大幅に後退。日米金利差がやや拡大するとの見方も強まり、為替はドル高円安に振れた。また、懸念されていた米国との関税交渉に関しても、日米関税協議で一定の進展が見られたほか、ベッセント米財務長官と中国の何立峰副首相がスイスで会談すると報じられたこと、米英間の貿易を巡る関税交渉の合意など前向きな進展が確認できたことなどから、投資家心理は大幅に改善。医薬品関連は新たな米関税方針が重しとなったが、企業決算本格化を迎えるなか、好業績や株主還元策の拡大などを発表した銘柄を中心に買われ、日経平均は相互関税発表前の3月末の水準まで値を戻した。なお、TOPIXは2017年10月に記録した12連騰以来の11連騰となった。
■史上最大の円買いポジションの解消が入るか
9日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比119.07ドル安の41249.38ドル、ナスダックは同0.78ポイント高の17928.92で取引を終了した。英国との貿易協定合意を受け、他国とのさらなる協議進展期待や、トランプ米大統領が対中関税の80%への引き下げを示唆したことは好感材料となったものの、報道官が「トランプ大統領が無条件で引き下げるつもりはないという考えは変わっていない」ことを明らかにすると、警戒感が台頭し売り買い交錯となった。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比60円安の37460円で取引を終えた。
4月の米国市場は、「株安、債券安、通貨安」の「トリプル安」が度々発生したが、足下、ベッセント米財務長官とラトニック米商務長官という金融出身者高官に対する期待感などが先行し、落ち着きを取り戻している。最新データである5月6日時点の米商品先物取引委員会(CFTC)が公表する円買いポジションは、差し引き17万6859枚と過去最大水準で推移している。今後、円買いポジション解消に伴う円売りが強まれば、一段のドル高円安も期待できよう。円安進行は、輸出関連企業が多い日経平均には追い風となるため、日経平均一段高の材料となる。米関税方針の方向性次第では、リスク回避の円買いポジションが再度積み上がる可能性も十分にあるため、楽観はできない状況だが、為替市場で過度な悲観論が後退したことは株式市場にとってポジティブだ。
■短期的な過熱感は強いが投資家心理は改善
TOPIXは11連騰するなど短期的な過熱感は強いが、TOPIXは上値抵抗となる可能性があった200日移動平均線(200MA:2687ポイント)水準をあっさり上回るなどトレンドは強い。また、日経平均は上向きに転じた25日移動平均線(25MA)との乖離率が+7.7%ほどにとどまっており、移動平均線との乖離率も小さい。投資家心理を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)も3月末以来の水準まで低下したことで、東京市場の先行き不透明感は払しょくされつつある。来週は企業決算発表のピークを迎えることから、投資家心理が改善された状況下、大型株物色が強まれば、日経平均やTOPIXの一段高も期待できよう。週末に行われる予定の米中貿易交渉で大きな進展が見られれば、日経平均は200日移動平均線(200MA:37938円)水準や、3月26日以来となる38000円台突破を試す展開も期待できよう。
■13日に米CPI、15日に米PPI
来週、国内では、12日に3月経常収支、貿易収支、4月景気ウォッチャー調査、13日に4月マネーストック、14日に4月国内企業物価、16日に第1四半期実質GDP一次速報値、3月鉱工業生産(確報値)などが予定されている。
海外では、13日に英・4月BRC既存店売上高、3月ILO失業率、4月雇用統計、豪・5月Westpac消費者信頼感指数、4月NAB企業景況感、独・5月ZEW景況感指数、欧・5月ユーロ圏ZEW景況感指数、米・4月消費者物価指数、14日に独・4月消費者物価指数(確報)、米・週次原油在庫、15日に豪・4月雇用統計、英・第1四半期実質GDP(速報値)、3月月次GDP、鉱工業生産指数、貿易収支、欧・第1四半期ユーロ圏実質GDP(改定値)、3月鉱工業生産指数、米・週次新規失業保険申請件数、4月生産者物価指数、小売売上高、鉱工業生産指数、3月企業在庫、5月NY連銀製造業景気指数、16日に米・4月住宅着工件数、輸入物価指数、5月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されている。
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