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新田ゼラチン:ゼラチン国内シェアNo.1メーカーで海外売上5割超え、PBR1倍以下でアップサイド余地残る
配信日時:2025/03/19 15:20
配信元:FISCO
*15:20JST 新田ゼラチン:ゼラチン国内シェアNo.1メーカーで海外売上5割超え、PBR1倍以下でアップサイド余地残る
新田ゼラチン<4977>は、ゼラチン国内シェアNo.1メーカー。ゼラチンは、ゼリーの素のほかにグミや食品売り場のお惣菜、医薬品・健康食品のカプセル等にも使われており、また、ゼラチンから生産されるコラーゲンペプチドは、美容・健康分野で注目の素材である。近年では医療用ゼラチン・コラーゲンの研究も進んでおり人工骨等に実用化されている。同社の事業を製品区分別に見ると、グミ・ソフトキャンディー用・カプセル用・業務用などで活用されるゼラチン(2025年3月期第3四半期売上構成比73.8%)、健康食品用・美容サプリメント用などに活用されるコラーゲンペプチド(同17.4%)、デザート用ゲル化剤や食肉加工品用安定剤を提供する食品材料(同8.0%)、人工骨・人工皮膚や細胞培養用・再生医療用のコラーゲン・ゼラチンを提供するバイオメディカル(同0.8%)、と4つに分かれている。顧客も食品メーカーだけでなく、カプセルメーカー、健康食品メーカー、医療機器メーカーなど多岐に渡っている。
同社は、ゼラチン・コラーゲンペプチド市場で高いシェアを獲得しており、ゼラチン販売量シェア56%*でトップ、コラーゲンペプチド販売量シェア24%*で国内2位となっている。高品質かつ「安心・安全」な原料を直接調達して国内で一貫生産しており、様々な用途に対して長年蓄積してきた技術力で高い品質を実現できている。また、製造部門・販売部門の緊密な連携による安定供給と顧客要望への対応力が評価されているようだ。2024年10月時点で特許保有数78件と業界1位で、高い技術開発力と蓄積された豊富なデータを保有。さらに、海外売上比率50%超のグローバルカンパニーで、2024年3月期時点の地域別売上構成比は、日本48%、北米29%、インド14%、アジア8%、その他1%となっている。日本基準の高品質な製品を世界へ提供しており、コスト競争力の高いインドでの生産能力を拡大させることで将来に向けた収益力強化を進める。(*2023年度 日本ゼラチン・コラーゲン工業組合調べ)
2025年3月期第3四半期累計の売上高は前年同期比1.4%減の29,646百万円、営業利益が同2.1倍の3,193万円で着地した。主力のゼラチンは、2024年1月のニッタゼラチンユーエスエーInc.(以下、NGU)の生産停止影響により減収となったものの、日本でのグミキャンディー用・ソフトカプセル用・写真用等は引き続き好調なほか、北米ではソフトカプセル向け牛骨ゼラチンが伸長したようだ。コラーゲンペプチドは、日本は顧客商品の販売減により減収、北米では新規拡販により数量拡大してインド・アジア市場は引き続き好調だった。総じて、NGU生産停止影響を除くと各製品区分とも順調に推移し、収益性改善と販売好調により高い利益水準を維持している。
好調な業績推移と特別利益の発生を踏まえて通期予想を上方修正しており、売上高で前期比3.5%減の39,000百万円(従来計画39,000百万円)、営業利益で同2.1倍の3,900百万円(同3,600百万円)を見込んでいる。また、年間配当予想を前回予想から2.0円の増配となる20.0円に引き上げている(配当利回り2.42%)。
同社は中期経営計画を開示しており、2027年3月期に売上高430億円、営業利益35億円を掲げている。本中計は2030年ビジョンの達成に向けて高収益企業への転換と持続的な成長を実現するための一歩となる。各事業の収益性・効率性の課題に取り組んでおり、NGU生産停止は施策の一環で、コスト競争力の高いインド拠点の生産能力を拡大させていく。国内ではコロナ禍以降、グミ市場が大きく拡大しており、食品用途でゼラチンを一番多く使っているのは「グミ」となる。グミ市場は今後も堅調な成長が見込まれるため、国内では生産量の増加とともに底堅い成長を続けよう。海外では、同社のインド売上が10年間で約1.5倍となっており、今後も海外での成長ドライバーはインドとなるほか、成長著しいアジア・オセアニアでコラーゲンペプチドのブランディング戦略を強化する。また、食品材料の製造販売拠点であるニッタゼラチンベトナムCo.,Ltdを起点とした各国の代理店との協働による拡販にも取り組む。さらに、ゼラチン・コラーゲンは先端医療分野での活躍も期待できる。2025年3月期2Qから始まった海外医用材料メーカーへの拡販をはじめ、同社は世界初「コラーゲン人工腱」の実用化に向けて新たな医療への貢献を目指した研究開発に注力する。
株主還元では、配当方針としてDOE(株主資本配当率)1.5%以上の水準を安定的に確保したうえで中計最終年度において2.0%以上に引き上げることを目指す。株主優待は、従前より同社が通信販売で扱っている商品を進呈してきたが、同社コラーゲンペプチドの良さを実感してもらうため、2025年3月期末より、人気の「コラゲネイド」シリーズにグレードアップするという。金額面でも、保有株式数100株以上・継続保有期間3年未満の場合、従来の1,000円相当から3,000円相当に見直しており、これまでより優待利回りも改善する。そのほか、収益力及びキャッシュ創出力を抜本的に強化する中で、PBRは0.7倍台で1倍を下回っている。ROEは、NGU閉鎖により大幅に改善する見込みだが、更なる改善を目指す。PERも業界平均値を下回っており改善施策に取り組んでいる。2030年3月期売上高500億円、営業利益50億円を掲げるなか、バリュエーションがPBR1倍水準に戻るだけでも株価のアップサイド余地が残る同社の今後の動向に注目しておきたい。
<HM>
同社は、ゼラチン・コラーゲンペプチド市場で高いシェアを獲得しており、ゼラチン販売量シェア56%*でトップ、コラーゲンペプチド販売量シェア24%*で国内2位となっている。高品質かつ「安心・安全」な原料を直接調達して国内で一貫生産しており、様々な用途に対して長年蓄積してきた技術力で高い品質を実現できている。また、製造部門・販売部門の緊密な連携による安定供給と顧客要望への対応力が評価されているようだ。2024年10月時点で特許保有数78件と業界1位で、高い技術開発力と蓄積された豊富なデータを保有。さらに、海外売上比率50%超のグローバルカンパニーで、2024年3月期時点の地域別売上構成比は、日本48%、北米29%、インド14%、アジア8%、その他1%となっている。日本基準の高品質な製品を世界へ提供しており、コスト競争力の高いインドでの生産能力を拡大させることで将来に向けた収益力強化を進める。(*2023年度 日本ゼラチン・コラーゲン工業組合調べ)
2025年3月期第3四半期累計の売上高は前年同期比1.4%減の29,646百万円、営業利益が同2.1倍の3,193万円で着地した。主力のゼラチンは、2024年1月のニッタゼラチンユーエスエーInc.(以下、NGU)の生産停止影響により減収となったものの、日本でのグミキャンディー用・ソフトカプセル用・写真用等は引き続き好調なほか、北米ではソフトカプセル向け牛骨ゼラチンが伸長したようだ。コラーゲンペプチドは、日本は顧客商品の販売減により減収、北米では新規拡販により数量拡大してインド・アジア市場は引き続き好調だった。総じて、NGU生産停止影響を除くと各製品区分とも順調に推移し、収益性改善と販売好調により高い利益水準を維持している。
好調な業績推移と特別利益の発生を踏まえて通期予想を上方修正しており、売上高で前期比3.5%減の39,000百万円(従来計画39,000百万円)、営業利益で同2.1倍の3,900百万円(同3,600百万円)を見込んでいる。また、年間配当予想を前回予想から2.0円の増配となる20.0円に引き上げている(配当利回り2.42%)。
同社は中期経営計画を開示しており、2027年3月期に売上高430億円、営業利益35億円を掲げている。本中計は2030年ビジョンの達成に向けて高収益企業への転換と持続的な成長を実現するための一歩となる。各事業の収益性・効率性の課題に取り組んでおり、NGU生産停止は施策の一環で、コスト競争力の高いインド拠点の生産能力を拡大させていく。国内ではコロナ禍以降、グミ市場が大きく拡大しており、食品用途でゼラチンを一番多く使っているのは「グミ」となる。グミ市場は今後も堅調な成長が見込まれるため、国内では生産量の増加とともに底堅い成長を続けよう。海外では、同社のインド売上が10年間で約1.5倍となっており、今後も海外での成長ドライバーはインドとなるほか、成長著しいアジア・オセアニアでコラーゲンペプチドのブランディング戦略を強化する。また、食品材料の製造販売拠点であるニッタゼラチンベトナムCo.,Ltdを起点とした各国の代理店との協働による拡販にも取り組む。さらに、ゼラチン・コラーゲンは先端医療分野での活躍も期待できる。2025年3月期2Qから始まった海外医用材料メーカーへの拡販をはじめ、同社は世界初「コラーゲン人工腱」の実用化に向けて新たな医療への貢献を目指した研究開発に注力する。
株主還元では、配当方針としてDOE(株主資本配当率)1.5%以上の水準を安定的に確保したうえで中計最終年度において2.0%以上に引き上げることを目指す。株主優待は、従前より同社が通信販売で扱っている商品を進呈してきたが、同社コラーゲンペプチドの良さを実感してもらうため、2025年3月期末より、人気の「コラゲネイド」シリーズにグレードアップするという。金額面でも、保有株式数100株以上・継続保有期間3年未満の場合、従来の1,000円相当から3,000円相当に見直しており、これまでより優待利回りも改善する。そのほか、収益力及びキャッシュ創出力を抜本的に強化する中で、PBRは0.7倍台で1倍を下回っている。ROEは、NGU閉鎖により大幅に改善する見込みだが、更なる改善を目指す。PERも業界平均値を下回っており改善施策に取り組んでいる。2030年3月期売上高500億円、営業利益50億円を掲げるなか、バリュエーションがPBR1倍水準に戻るだけでも株価のアップサイド余地が残る同社の今後の動向に注目しておきたい。
<HM>
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