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ギフトHD Research Memo(6):2026年10月期に売上高400億円、営業利益38億円を目指す

配信日時:2024/10/30 11:36 配信元:FISCO
*11:36JST ギフトHD Research Memo(6):2026年10月期に売上高400億円、営業利益38億円を目指す ■ギフトホールディングス<9279>の中期経営計画

2. 中期経営計画
基本戦略をベースに、同社は毎期3ヶ年の中期経営計画をローリングしている。今中期経営計画の重点テーマは、既存事業の拡大、人材確保、出店力の強化、海外展開、製造体制の強化、購買・物流体制の強化、DX、サステナビリティの8つである。特に2024年10月期における中期経営計画の重点施策は、人材確保、既存事業の拡大につながる店舗改装、製造体制の強化につながる新製麺工場で、価格改定も重点施策と言える。こうした施策を着実に実行することで、2026年10月期に国内1,057店体制を構築し、売上高400億円、営業利益38億円を目指している。なお、業績好調につき、前中期経営計画に対して2024年10月期と2025年10月期が上方修正されており、2024年10月期については期中でさらなる上方修正となった。


人材確保、店舗改装、価格改定など重点施策は順調

3. 重点施策の進捗
足元では重点施策は順調に進捗しているようだ。人材確保に向けて、働きやすさと働きがいの両立を推進した。具体的には、採用率向上のため、採用サイトの更新、賃上げ(2024年1月)、カンテラ採用※1(16名)、海外採用(10名)を進め、特に来年の新卒向けに本社移転※2(2024年6月)も実施した。退職率改善に向けては、拠点ごとの人員配置のため希薄になりがちだった社内コミュニケーションを、同期会や社内部活動の推奨などによって活性化した。こうした働きがいの改善により、退職率(年率)が前第3四半期の18.3%から16.1%へと改善するとともに、採用コストの低減にもつながったようだ。なお、退職率については、3年以内に大手外食チェーン並みの10%以下の水準へ引き下げる方針だ。教育は従来どおり厚く手を打っているが、今般採用した外国人については、1年間現地で日本語学校に通っているところで、日本で受け入れるための教育体制を構築している最中である。

※1 アルバイトから正社員に採用すること。退職した人を再雇用するアルムナイ採用も検討中である。
※2 本社移転は既存スタッフの働きやすさが主目的で、国内1,000店舗、海外1,000店舗の出店に向けての第2創業期に臨む強い意思の現れでもある。

店舗改装では、スープクオリティの安定化と生産性向上に向けて最新レイアウトへの改装を行っている。スープクオリティの安定化が主目的で、そのため一部ガスコンロをIHに切り替えた(茹麺用にガスの使用も続ける)。ガスよりIHのほうが温度を一定にすることが容易なためで、味の標準化がまた一歩前進したようだ。その他の改装効果として、従業員動線などの改善によって業務の効率化や生産性の向上、顧客の快適性向上が進んだ。また、「DX推進」も進めやすくなり、ライスロボ(設置可能な店には全店導入済み)やキャッシュレス対応券売機(2025年2月に完了予定)を導入している。特にキャッシュレス対応券売機は、オペレーションを停滞させる札詰まりが圧倒的に減ったうえ、リアルタイムでのデータ取得も可能になった。これらの結果、客回転率が改善し、改装1年後の客数は8.1%ほど増加したもようである。さらに、IH化によってCO2の排出量を約10%引き下げられる見込みだ。IHへの改装は、電力需給が厳しいなか電力会社の認可が必要で、一部申請〜認可にやや時間がかかったため、許可が集中した第3四半期に一気に進むこととなり、改装休業が増えた。

既存事業の拡大も順調で、麺の製造能力増強に向けて茨城県神栖市に神栖工場を新設した。4番目の製麺工場として2024年10月期首から稼働しているが、同社の成長速度が早いため、2年後には新たな製麺工場の建設が必要になると思われる。また、現在1ヶ所のチャーシュー工場も、需要状況から同時期に新工場建設が視野に入ってくる可能性がある。

価格改定については、2024年10月期も1月1日に引き続き7月1日にも実施した。豚肉や米、海苔などの食材価格、最低賃金の上昇による人件費増加、激変緩和措置の終了や再エネ賦課金の上昇、容量拠出金の創設などによる水道光熱費の上昇が見込まれたためで、コストアップ分を価格改定で対応するという基本的な考え方から先行的に値上げした。特に7月の価格改定はこれまでで一番大きく、全ブランド平均で約50円(約5%)の上昇となった。しかし、従来どおり客足への影響はなく、価格改定後の客数は前年同期を上回って推移しており、直営店舗の1店舗当たり月商も過去最高を更新した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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