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アクシスC Research Memo(1):ハイエンド人材を強みに中期2ケタ成長を目指す

配信日時:2024/10/10 14:01 配信元:FISCO
*14:01JST アクシスC Research Memo(1):ハイエンド人材を強みに中期2ケタ成長を目指す ■要約

1. ハイエンドの人材紹介サービスとスキルシェアサービスを提供
アクシスコンサルティング<9344>は、ハイエンド人材領域の人材紹介サービスとスキルシェアサービスを行っている。人材紹介サービスでは、主としてコンサルティングファームのコンサルタント採用を支援する一方、事業会社向けにCxO(最高責任者)などのエグゼクティブ層やマネージャー以上の採用をサポートしている。スキルシェアサービスでは、「フリーコンサルBiz」と「コンパスシェア」を提供しており、フリーコンサルBizではフリーランスのコンサルタントによる課題解決プロジェクトを提供、コンパスシェアではスポットコンサルが利用できるデジタルプラットフォームを運営している。様々な環境変化に適応するため、企業には社会課題の解決や新しい価値の創出が求められているが、同社は専門性の高いハイエンド人材を最適配置することで顧客企業を支援している。

2. ビジネスモデルの特徴は「リカーリング」であり、強みは85,000人超の登録人材など
同社ビジネスモデルの特徴は、継続的に収益が期待できる「リカーリング」にある。マネージャー以上のハイエンド人材の転職を支援しているため、キャリアパートナーとして中長期に転職を支援するだけでなく、ビジネスパートナーとして人材発注者というポジションを得ることの多い転職後の支援も行うからである。また、企業との付き合いもリカーリングなものである。つまり、コンパスシェアを入口にフリーコンサルBizから人材紹介へと同社サービスの利用を広げていくという仕組みになっているうえ、企業の成長プロセスのなかでこの仕組みが繰り返し利用されるからである。同社の強みは、このようなビジネスモデルを背景に85,000人を超えるハイエンド人材が登録していることに加え、アドバイザーの質やフォローの仕組み、複合したサービスなどにある。

3. 中期経営計画の下、2027年6月期に営業利益12億円と2ケタ成長を目指す
同社はより多くの人材や企業が集まる好循環を構築することで、独自のプラットフォーム型エコシステムを拡大し、長期的な成長につなげていく方針である。その方針を実現すべく中期経営計画を策定し、2027年6月期に売上高75億円、営業利益12億円と2ケタ成長を目指している。そのなかで、第1の柱である「コンサルファーム向け人材紹介」で業界トップクラスの維持、第2の柱として「事業会社向け人材紹介」の拡大、第3の柱として「スキルシェア」の成長という基本戦略に沿って、(1) 現役コンサルタントの登録シェア拡大、(2) 事業会社向けサービスの強化、(3) 自社社員とフリーランスによるハイブリッドなコンサルティング、(4) 会員向けサービスの強化とポータルの開発、(5) 積極採用と生産性の向上という5つの重点施策を推進していく。

4. 2025年6月期は一時的に営業減益予想も、先行投資により利益成長に弾みをつける
2024年6月期の業績は、売上高4,665百万円(前期比7.5%増)、営業利益833百万円(同23.7%増)と、増収増益となった。特に、営業利益は大手コンサルティングファームの採用傾向の変化に対応したことが奏功し、大幅増となった。2025年6月期の業績は、売上高5,200百万円(同11.4%増)、営業利益700百万円(同16.0%減)を見込んでいる。中期経営計画に沿った先行投資により一時的に営業減益となるが、その後の利益成長に弾みをつける計画だ。なお、2024年7月に子会社を吸収合併したため非連結決算となるが、便宜上増減率を表示した。また、将来の成長投資と安定した利益還元の両立が可能と判断されたことから、純資産当率(DOE)5%を下限に配当を実施していく方針で、2025年6月期は1株当たり35.0円の配当を予定している。

■Key Points
・ハイエンドの人材紹介サービスとスキルシェアサービスを提供
・ビジネスモデルの特徴は「リカーリング」。強みは85,000人超の登録人材など
・2025年6月期は先行投資により一時的に営業減益予想も、中期成長に弾み
・2027年6月期営業利益12億円と中期2ケタ成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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