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自動車業界、サステナビリティー推進の優先順位が低下=調査

配信日時:2023/09/05 13:58 配信元:REUTERS

Victoria Waldersee

[ベルリン 4日 ロイター] - 自動車メーカーや部品サプライヤーの間で、原材料調達において社会の持続可能性(サステナビリティー)を推進する取り組みの優先順位が低下していることが、コンサルティング会社キャップジェミニが4日公表した調査結果で明らかになった。

何年にもわたってサプライチェーン(供給網)の混乱が続いたことを受け、業界では地政学リスク抑制が重視されつつあるという。

調査は、中国のBYD(比亜迪)や米フォードを含む売上高10億ドル超のメーカーと、5億ドル以上のサプライヤーの幹部1004人を対象に実施した。

それによると、企業活動全体を通じた温室効果ガス排出量を二酸化炭素(CO2)換算したカーボンフットプリントの表示や、調達ルート最適化による排出量削減といったサステナビリティー関連の取り組みを展開する企業の数は昨年から今年にかけて9─11%ポイント減少した。

サプライヤーのサステナビリティー関連対策向け投資額の平均も3050万ドルと、昨年の3660万ドルを下回った。

また調査対象企業の3分の1は、包括的なサステナビリティー戦略を用意していないと答えた。

回答企業の間では、サプライチェーンに絡む決定の根拠として品質や地政学リスク、コスト、信頼性といった要素が多く挙げられ、サステナビリティーはこれらに及ばなかった。

キャップジェミニは「これからは業務の継続性を保つ必要性の方が、例えばカーボンフットプリントの測定やルート最適化を通じた排出量削減、トレーサビリティー向上といった取り組みよりも優先されるようになる」と指摘した。

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