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情報BOX:中国の株式市場てこ入れ策

配信日時:2023/09/05 12:28 配信元:REUTERS

[4日 ロイター] - 中国政府は低迷する株式市場のてこ入れと景気に対する投資家の信頼感回復に向けた措置を矢継ぎ早に打ち出している。

取引コスト引き下げや新規株式公開(IPO)のペース抑制などが含まれており、1日には北京証券取引所の改革策を公表した。

当局がこれまで講じた措置や検討中の対策を以下にまとめた:

<北京証取改革>

中国証券監督管理委員会(証監会)は1日、投資要件を緩和して取引メカニズムを改善することで北京市場の流動性を高める改革を発表。

マーケットメーカー(値付け業者)を増やし、北京証取の全ての上場株について株式担保融資適格とする。

また、さらに多くの投資信託に北京市場への投資引き上げを促すとした。

ニッチな分野に特化した革新的な中小企業の資金調達に重きを置くことで市場を活性化する方針も示した。上場規則の緩和と上場企業の質向上のためのルールも打ち出した。

<取引コスト>

中国財政省は8月28日に株式取引にかかる印紙税を半減させた。証監会によると、証券会社が証取に届け出ている取引手数料も引き下げられた。

各証取はまた、証券担保融資の担保比率を引き下げ、投資家の借り入れを促進する。8日付で実施する。

CSRCの指針を受け、運用手数料を引き下げる投資信託会社も増えている。

<資本調達と借り換え>

証監会は資本調達と投資活動の「動的平衡」を目指し、IPOのペースを抑制すると表明。

また、赤字企業や業績不振の企業を念頭に、上場企業による借り換えへの制限を強化するとした。

<小口投資家の保護>

証監会は企業の株価がIPO価格あるいは1株当たりの純資産を下回っているか、企業の過去3年の配当が不十分な場合について、主要株主の保有株売却への規制を強化した。

また、株式のプログラム取引への監視を強化すると表明した。

市場では、同日中の株式売買を可能にする当日決済(T+0)の導入が期待されていたが、証監会は投機を助長し小口投資家を阻害する可能性があるとして見送った。現在は2営業日後の受け渡しとなっている。

<さらなる措置を検討>

証監会は37本の個人向けファンドの創設を承認した。また、インデックスファンドの登録を迅速化し、株式ファンドの設定を後押しする可能性を示唆した。市場参加者はより革新的なインデックス商品が出現することを期待している。

当局は自社株買いのルールを最適化する検討も進めており、株価急落時の要件緩和が対象項目に含まれている。

画期的な技術を手がける企業を支援する意向も示し、これら企業の資金調達の選択肢拡大に向けた検討も行っている。

また、中国資本市場に参加する年金基金など長期投資家を増やすことを視野に入れており、取引時間の拡大も検討している。

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