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トルコ保護預金口座から流出の資金、大半が外貨に回帰

配信日時:2023/09/05 08:36 配信元:REUTERS

Ebru Tuncay Can Sezer

[イスタンブール 4日 ロイター] - トルコ中央銀行がリラ預金を為替相場下落の影響から保護する制度(KKM)の解除に乗り出したことに伴って、これまでにKKM口座から流出した資金の大半が外貨預金に戻っている。各種データや銀行関係者の話で明らかになった。

KKMは2021年終盤、リラ安を防止する対策として導入された。ただそれ以降もリラは下げ続け、KKMの運営負担が重くなるなどの問題が浮上。エルドアン大統領の再選後、経済・金融政策の正常化が進められる下で、この制度も見直されることになった。

銀行関係者によると、当初外貨建てからリラ建てに転換されたKKM口座の20%が8月中に取り崩され、このうち3分の2は外貨に回帰し、残りが通常のリラ預金に移行したという。

KKM利用者の1人は、このまま制度を利用することに不安を感じて再びドルに資金を移したと明かした。

政府統計に基づくと、8月25日までの週に国内居住者と企業が保有する外貨建て預金の残高は47億8000万ドル増加した。

この間、KKM口座の残高は400億リラ減って3兆37000億リラとなった。同残高の減少は過去8カ月で初めて。

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