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トルコ、保護預金制度の解除に着手 金融政策転換の一環

配信日時:2023/08/21 14:08 配信元:REUTERS

[アンカラ 20日 ロイター] - トルコ中央銀行は20日、自国通貨リラの下落による預金の目減りを保護する制度(KKM)の解除に着手した。5月のエルドアン大統領再選後、利下げから利上げに転じたのに続き、正統派の金融政策にシフトする動きの一環。

銀行は現在、外貨預金を目標水準までKKMに転換するよう義務付けられているが、この目標を解除。今度は逆に、KKM口座を通常のリラ建て口座に移行させるための目標値を設定するよう銀行に求めた。具体的には、企業や個人にKKM口座を更新しないよう促すなどして、移行を進めるべきだとしている。

中銀はまた、外貨預金の預金準備率を引き上げた。これも通常のリラ建て口座への移行を後押しする措置。

エルドアン大統領は2021年末、リラの急落を食い止めるためにKKM制度を導入。リラは過去2年間で約68%下落したためKKM口座は急拡大し、今では全銀行預金の約4分の1に相当する約1170億ドルに膨らんだ。中銀はKKM口座の目減りを保護するため、多大な支出を迫られている。

中銀は今回の措置について、「リラ預金を支えることによってマクロ的な金融安定を遂行する」ものだとし、追加措置を講じると表明した。

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