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中国の債券ファンド、募集を制限 景気減速で大量の資金流入

配信日時:2023/08/18 18:23 配信元:REUTERS

[上海/シンガポール 18日 ロイター] - 中国の景気減速を受けて国内投資家が債券投資信託に殺到しており、既存の投資家の利益を守るために募集を制限するファンドが増えている。

ファンド業界のコンサルティング会社Zベン・アドバイザーズ(上海)の調査責任者Ivan Shi氏は「暗い経済状況では債券投信が好まれる。今回の募集制限は大量の資金流入が引き金となっている」と指摘した。

中国証券投資基金業協会(AMAC)のデータによると、株式より安全とされる債券投信の運用資産残高は6月に昨年10月以来の高水準となった。

こうした資金の流入は既存の投信保有者の利益を希薄化させ、ファンドマネージャーの資産配分を複雑にする可能性がある。

中航基金管理は18日、「既存の投信保有者の利益を守る」ことを理由に、AVIC RuiSu Pure Bond Fundの募集を一時停止したと発表した。中銀国際証券も同日、同じ理由でBOC International AnChe Bond Fundの募集を停止した。

今週これまでに興銀基金、財通基金管理、華泰柏瑞基金など十社以上の投信運用会社が債券商品の募集を停止または制限した。

中国のCSI普通債指数は年初から2.8%上昇する一方で、株式市場のCSI300指数は2%以上下落している。

Zベン・アドバイザーズのShi氏は「潤沢な流動性に支えられた債券の強気相場を背景に、このような商品は今年これまでのところ堅実なリターンをもたらしている」と述べた。

キャピタル・エコノミクスはメモで「中国人民銀行(中央銀行)が景気下支えのために緩和を続けていることから、長期債利回りはおそらくもう少し下がるだろう」とし、10年物中国国債利回りは年末までに2.4%まで低下すると予想した。

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