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中国人民銀、1年物MLF金利を予想外に下げ 過去3カ月で2度目

配信日時:2023/08/15 11:20 配信元:REUTERS

[上海/シンガポール 15日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は15日、1年物の中期貸出制度(MLF)金利を市場の予想に反して引き下げた。引き下げは過去3カ月で2度目となる。

アナリストは、21日に銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)が引き下げられる可能性があると指摘した。

7月に信用の伸びが落ち込み、デフレリスクが高まったことで追加の金融緩和を余儀なくされたほか、一部不動産デベロッパーの債務不履行リスクや、民営ウェルスマネジメント会社による未払いも金融市場の信頼感に影響を与えたという。

コメルツ銀行の中国担当シニアエコノミスト、トミー・ウー氏は「これらにより、消費者と企業の景況感が急激に悪化する前に政策当局者が迅速に行動する必要性が高まった」と述べた。

人民銀は一部金融機関に対する4010億元(約552億5000万ドル)の1年物MLF金利を15ベーシスポイント(bp)引き下げ、2.50%とした。

声明文で、今回の資金供給は納税などの要因に対抗し、「銀行システムの流動性を合理的に潤沢に保つ」ためだとした。

ロイター調査では市場関係者26人中20人がMLFの据え置きを予想、6人が小幅な引き下げを予想していた。

みずほ銀行のアジアFX担当チーフストラテジスト、ケン・チュン氏は「予想外の利下げは低調な信用指標と景気回復を支えるための迅速な対応だった」と指摘。苦境にある不動産業界を支援するため、特に5年物LPRの引き下げに道を開くものとの認識を示した。

人民銀はまた、期間7日のリバースレポを通じて2040億元を供給。金利は1.90%から1.80%に引き下げた。

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