米下院の中国問題特別委、ブラックロックとMSCIを調査
[1日 ロイター] - 米下院で中国問題を扱う特別委員会は、米資産運用大手ブラックロックと米株価指数算出会社MSCIについて、米国のブラックリストに掲載された中国企業への投資を促進しているとして調査していることを明らかにした。
特別委は7月31日付の文書で両社について、中国の軍事的発展や人権侵害を助長していると米政府が判断した企業への米資本の流入を促進したと主張。ロイターが1日に文書を確認した。
ブラックロックは「中国および世界中の市場へのあらゆる投資において、適用される全ての米政府の法律を順守している」と述べて不正行為を否定。「提起された問題について特別委と直接的な対話を続ける」とした。
MSCIは特別委からの「質問を検討している」と述べた。
中国大使館の広報担当者はロイター宛てにメールで「国家安全保障の概念を過大解釈し、経済・貿易・投資の問題を政治化することは市場経済や国際貿易のルールに反する」とコメントした。
特別委の調査は、米中関係の緊張が米企業に広く影響を与えている現状を明らかにした。
米共和党は下院の多数派となった1月に特別委を立ち上げた。共和・民主の二大政党の対立で議会の分断が深まる中、対中強硬策は超党派の支持がある数少ない政策の一つとなっている。
特別委は法案の策定は行わずに政策を提言する役割を担っている。企業幹部に召喚状を出す権限もある。
特別委はブラックロックとMSCIについて、ブラックリストに掲載された数十社の企業への投資を可能にしたことが初期調査で判明したが「実際の規模はこれよりかなり大きいだろう」との見解を示した。
中国の資産に投資するファンドや上場投資信託(ETF)は、フランクリン・テンプルトンやヴァンエック、ウィズダムツリーを含む他の運用会社も提供していることが各社のサイトで示されている。これらの企業からコメントは得られていない。