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ウッド氏のアークETF、成績好調でも個人投資家は冷淡 今後は変化も

配信日時:2023/06/22 09:40 配信元:REUTERS

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 著名投資家キャシー・ウッド氏の主力ファンド「アーク・イノベーションETF」は今年好調な値動きを続けているが、個人投資家は冷淡な態度を示している。それでも市場心理がさらに改善すれば個人投資家の資金流入が期待できる、というのが一部専門家の見方だ。

運用資産80億ドルのアーク・イノベーションETFは新型コロナウイルスのパンデミックが発生した2020年に全ての米株式ファンドをアウトパフォーム。昨年はリターンが急減したものの、今年これまでのリターンはプラス37%と、株式市場全体を再び上回っている。

しかしリッパーのデータによると、年初来で差し引き2億5000万ドル強の資金が流出。直近8週間でもアークETFの価格上昇率は15%近くとナスダック総合の13%をしのいだのに、1億5700万ドル余りが逃げ出した。

今年は株高にもかかわらず、株式ファンド全体から投資家が資金を引き揚げているという事情もある。ベッタファイの調査責任者トッド・ローゼンブルース氏はその一因として、債券利回りが高水準となり、投資家を呼び込んでいる状況を挙げた。

実際米投資信託協会(ICI)のデータを見ると、米国株ファンドとETFは年初から7日までに1513億ドルが流出した。

ローゼンブルース氏は、アークETFの場合、個人投資家からの資金流入が見られないのは彼らの大半が以前このETFの持ち分所有者になっていて、昨年の価格急落で痛手を受けた記憶があるので、また手を出すのをためらっているとの見方を示した。

同氏は「多くの投資家はアークETFについて苦戦していた期間に我慢の限界を迎え、別の戦略に移ってしまった。残っている人たちもエクスポージャー拡大に積極的なようには見えない」と述べた。

ただバン・リーウエンのポートフォリオ・ストラテジスト、ビラグ・シャー氏は、最近の株式市場は値上がり銘柄の範囲が一部の超大型株から多方面に広がりつつあり、投資家は最終的にアークETFにも改めて目を向ける可能性があると強調した。

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