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中国5月製造業PMI、48.8に予想外の低下 需要低迷響く

配信日時:2023/05/31 12:42 配信元:REUTERS

[北京 31日 ロイター] - 中国国家統計局が31日発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.8と、4月の49.2から予想に反して低下し、5カ月ぶりの低水準を付けた。需要低迷が響いた。

景況拡大・悪化の分かれ目となる50も下回り続けている。市場は49.4に上昇すると見込んでいた。

統計局が同時に発表した5月の非製造業PMIは54.5と、4月の56.4から低下した。

PMIや4月の経済指標は、新型コロナウイルス禍後の景気回復ペースの鈍化を示している。

野村とバークレイズは弱い景気回復を受け、2023年の中国の国内総生産(GDP)成長率予測を下方修正した。

李強首相は今月、内需拡大に向けより的を絞った措置を打ち出す考えを表明。中国人民銀行(中央銀行)は15日、実体経済を「強力かつ安定的」に支援する方針を示した。

PMI統計を受けて、アジア株は急落。人民元、豪ドル、ニュージーランドドルも下落している。

ジョーンズ・ラング・ラサールのチーフエコノミスト、ブルース・パン氏は「PMI統計は、中国がK字型回復に向かっている可能性を示唆している。広範な回復を促す効果的な政策が導入されなければ、内需低迷で中国の持続可能な経済成長が圧迫される恐れがある」と指摘。

「積極財政、利下げもしくは預金準備率引き下げ、的を絞った金融政策手段、構造改革が鍵になるだろう」と述べた。

保銀投資(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「金融市場の地合いは非常に弱い。政府が現在の経済情勢をどのように解釈するか明らかではない」とし「直ちに政策対応が行われる兆しはない。政府は当面様子見姿勢を継続する可能性がある」と述べた。

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