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午前の日経平均は反落、上昇の反動で利益確定売り優勢

配信日時:2023/05/31 11:57 配信元:REUTERS

[東京 31日 ロイター] - 午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比351円62銭安の3万0976円54銭と、反落した。日経平均は前日までに4日続伸していたうえ、バブル後の高値圏にあることから、利益確定売りが優勢となった。

日経平均は271円安と大幅に反落してスタート。その後も下げ幅を拡大し、一時前営業日比399円安の3万0928円88銭まで下落した。指数寄与度の大きい銘柄が軟調に推移したことや、為替が前日の取引時間中と比べやや円高に振れたことが相場の重しとなった。その後、米下院議事運営委員会が30日、連邦債務上限を一時的に停止する法案を7対6の賛成多数で可決したとの報道が伝わると、日経平均は下げ渋る場面もみられた。前引けにかけては、再び下げ幅を拡大し、ほぼ全面安の展開となった。

ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「高値警戒感のある中で、前日の取引終了後に為替がやや円高に動いたので、それが利益確定売りのきっかけになったのではないか」との見方を示した。ただ、短期筋が一部利益確定売りを出しているものの、きょう以降に米国で重要な経済指標が発表されることもあり、本格的な売りにはなっていない、という。

中国国家統計局が前場中盤で発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.8と、市場予想を下回った。井出氏は「市場は中国景気の回復の鈍さをある程度織り込みつつあるので、ネガティブサプライズというほどではなかった」と指摘した。

TOPIXは0.99%安の2137.87ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆7928億7200万円だった。東証33業種では、卸売や鉄鋼、鉱業など32業種が値下がり。値上がりは銀行のみだった。

個別では、指数寄与度の大きいファーストリテイリングが1.6%安、東京エレクトロンが1.4%安、アドバンテストが2.1%安で、3銘柄で指数を110円程度押し下げた。一方、ソフトバンクグループは1.4%高と堅調だった。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが220銘柄(11%)、値下がりが1565銘柄(85%)、変わらずが50銘柄(2%)だった。

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