注目トピックス 日本株
ロジザード Research Memo(1):2022年6月期は増収増益。WMSで先行者利益の確立に注力
配信日時:2022/09/20 16:01
配信元:FISCO
■要約
ロジザード<4391>は小売業、流通業、メーカー、3PL企業を主要な顧客とし、在庫管理を支援するシステムの販売とそれに付随するサービスを提供している。同社が提供するシステムは、倉庫の在庫管理を支援する「ロジザードZERO」、店舗の在庫管理を支援する「ロジザードZERO-STORE」、複数店舗・倉庫の在庫情報を一元的に管理することによって効率的な在庫管理と物流の実現を支援する「ロジザードOCE」の3つである。中小規模の企業でも導入しやすいようクラウドを通じて提供しており、収益モデルはサブスクリプション型であるため、安定した収益基盤となっている(2022年6月期の売上に占めるクラウドサービスの割合は76.8%)。
1. 2022年6月期の業績概要
2022年6月期の連結業績は、売上高が前期比6.1%増の1,787百万円、営業利益が同6.8%増の352百万円、経常利益が同6.9%増の352百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.9%増の237百万円と増収増益を達成した。営業を中心とした人員増強による労務費の増加と、新規顧客拡大によるサーバー費用と外注費用の増加があったものの、物流業界において同社システムに対する需要が堅調に推移した。売上高の伸びがコストの伸びを吸収し、利益に関しても前期を上回る結果を残した。なお、同社は2022年6月期から「収益認識に関する会計基準」等の適用を開始している。そのため、前期との業績の比較は参考値である。
2. 2023年6月期の業績見通し
2023年6月期の単体業績は、売上高は前期比3.0%増の1,824百万円、経常利益は同45.6%減の199百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同41.1%減の139百万円を見込んでいる。物流業界における人手不足とそれに起因する省力化・自動化ニーズの高まりは、同社の事業にとって追い風となっているが、さらに中長期的な企業価値の拡大を実現するため先行投資を実施する構えだ。具体的には新経営計画のもとで、研究開発、人材採用と教育への投資を実施する。ウィズコロナのなかで生まれたO2Oマーケティング※1とOMOマーケティング※2のニーズに対応した製品開発を行い、新たな市場機会を着実に取り込む方針だ。なお、子会社で中国現地法人である龍騎士供応鏈科技(上海)有限公司は現在、解散及び清算手続きを行っており、清算が結了すると個別業績となることから、2023年6月期の業績予想は単体の予想となっている。
※1 O2O(Online to Offline)とは、ネット上(オンライン)から、実地(オフライン)での消費行動を促す施策や、それとは逆に実地(オフライン)での情報接触行動をもってオンラインの消費行動に影響を与えるような販売方法のこと。
※2 OMO(Online Merges with Offline)とは、オンライン・オフラインを区別することなく、オンライン上に統合された状態を構築することで、これまでにない新しい購買体験を提供する概念や取り組みのこと。
3. 新経営計画の概要
2022年8月に同社は、新経営計画(2023年6月期~2027年6月期)を発表した。ウィズコロナが新常態となるなか新たに発生した物流ニーズを早期にキャッチアップし、将来の事業拡大に向けた基盤作りを行っていく考えだ。具体的には、OMOマーケティングへトレンドが移行するなかで、時流にあった製品開発、人材採用・育成に先行投資することを計画している。将来を見据えた投資によって、利益面に一時的な影響が出るものの、2024年6月期以降は先行投資を回収し、増収増益を予想している。最終年度となる2027年6月期の目標値として、主力のクラウドサービスの売上高は2022年6月期比で46.6%増の2,012百万円、全体の営業利益は同76.7%増の622百万円を目指す。また人材の確保については、2022年6月期の105人から2027年6月期には157人に増員することを計画している。同社はこれまで、成長の土台作りのための先行投資を積極的に実行してきた。今後もオンライン・オフラインによる販売イベントと日々の営業活動から得た業界のトレンドに対する知見をもとに、時流を捉えた研究開発を順調に進めていくものと弊社は推察する。長期的には市場のニーズを捉えた研究開発が業績拡大に貢献することが期待される。
■Key Points
・2022年6月期は同社サービスに対する需要が堅調に推移し増収増益
・2023年6月期以降は先行投資を実施し、先行者利益の確立に注力
・2027年6月期のクラウドサービス売上高は2022年6月期比で5割増を計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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ロジザード<4391>は小売業、流通業、メーカー、3PL企業を主要な顧客とし、在庫管理を支援するシステムの販売とそれに付随するサービスを提供している。同社が提供するシステムは、倉庫の在庫管理を支援する「ロジザードZERO」、店舗の在庫管理を支援する「ロジザードZERO-STORE」、複数店舗・倉庫の在庫情報を一元的に管理することによって効率的な在庫管理と物流の実現を支援する「ロジザードOCE」の3つである。中小規模の企業でも導入しやすいようクラウドを通じて提供しており、収益モデルはサブスクリプション型であるため、安定した収益基盤となっている(2022年6月期の売上に占めるクラウドサービスの割合は76.8%)。
1. 2022年6月期の業績概要
2022年6月期の連結業績は、売上高が前期比6.1%増の1,787百万円、営業利益が同6.8%増の352百万円、経常利益が同6.9%増の352百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.9%増の237百万円と増収増益を達成した。営業を中心とした人員増強による労務費の増加と、新規顧客拡大によるサーバー費用と外注費用の増加があったものの、物流業界において同社システムに対する需要が堅調に推移した。売上高の伸びがコストの伸びを吸収し、利益に関しても前期を上回る結果を残した。なお、同社は2022年6月期から「収益認識に関する会計基準」等の適用を開始している。そのため、前期との業績の比較は参考値である。
2. 2023年6月期の業績見通し
2023年6月期の単体業績は、売上高は前期比3.0%増の1,824百万円、経常利益は同45.6%減の199百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同41.1%減の139百万円を見込んでいる。物流業界における人手不足とそれに起因する省力化・自動化ニーズの高まりは、同社の事業にとって追い風となっているが、さらに中長期的な企業価値の拡大を実現するため先行投資を実施する構えだ。具体的には新経営計画のもとで、研究開発、人材採用と教育への投資を実施する。ウィズコロナのなかで生まれたO2Oマーケティング※1とOMOマーケティング※2のニーズに対応した製品開発を行い、新たな市場機会を着実に取り込む方針だ。なお、子会社で中国現地法人である龍騎士供応鏈科技(上海)有限公司は現在、解散及び清算手続きを行っており、清算が結了すると個別業績となることから、2023年6月期の業績予想は単体の予想となっている。
※1 O2O(Online to Offline)とは、ネット上(オンライン)から、実地(オフライン)での消費行動を促す施策や、それとは逆に実地(オフライン)での情報接触行動をもってオンラインの消費行動に影響を与えるような販売方法のこと。
※2 OMO(Online Merges with Offline)とは、オンライン・オフラインを区別することなく、オンライン上に統合された状態を構築することで、これまでにない新しい購買体験を提供する概念や取り組みのこと。
3. 新経営計画の概要
2022年8月に同社は、新経営計画(2023年6月期~2027年6月期)を発表した。ウィズコロナが新常態となるなか新たに発生した物流ニーズを早期にキャッチアップし、将来の事業拡大に向けた基盤作りを行っていく考えだ。具体的には、OMOマーケティングへトレンドが移行するなかで、時流にあった製品開発、人材採用・育成に先行投資することを計画している。将来を見据えた投資によって、利益面に一時的な影響が出るものの、2024年6月期以降は先行投資を回収し、増収増益を予想している。最終年度となる2027年6月期の目標値として、主力のクラウドサービスの売上高は2022年6月期比で46.6%増の2,012百万円、全体の営業利益は同76.7%増の622百万円を目指す。また人材の確保については、2022年6月期の105人から2027年6月期には157人に増員することを計画している。同社はこれまで、成長の土台作りのための先行投資を積極的に実行してきた。今後もオンライン・オフラインによる販売イベントと日々の営業活動から得た業界のトレンドに対する知見をもとに、時流を捉えた研究開発を順調に進めていくものと弊社は推察する。長期的には市場のニーズを捉えた研究開発が業績拡大に貢献することが期待される。
■Key Points
・2022年6月期は同社サービスに対する需要が堅調に推移し増収増益
・2023年6月期以降は先行投資を実施し、先行者利益の確立に注力
・2027年6月期のクラウドサービス売上高は2022年6月期比で5割増を計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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