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ケアネット Research Memo(3):情報の信頼性、医師のカバー数、医師への伝達力において高い競争力を有する
配信日時:2022/09/16 16:03
配信元:FISCO
■会社概要
2. 事業内容
ケアネット<2150>は企業理念として「デジタル時代のサステナブルな健康社会づくりに邁進します」を掲げている。事業セグメントは、今後成長が見込まれる連結子会社の経営成績等を明確にするために会社組織の変更を2022年12月期第1四半期に実施した。報告セグメントは、従来の医薬DX事業、メディカルプラットフォーム事業、連結グロース事業の3区分から、医薬DX事業、メディカルプラットフォーム事業の2区分に変更した。2022年12月期第2四半期累計の売上構成比で見ると、医薬DX事業が売上高、営業利益ともに、90%前後を占める主力事業となっている。
(1) 医薬DX事業
医薬DX事業は、製薬企業の営業・プロモーション活動をインターネットを活用して支援するサービス「MRPlus」、Web講演会のほか、2020年4月に事業取得したがん専門医向けに特化した情報発信プラットフォーム「がん@魅せ技」などが含まれる。
「MRPlus」は、ターゲット医師に対して、医師が必要とする視点で作成した動画コンテンツを「CareNet.com」を通じて配信している。医師の反応を分析(コンテンツ視聴後にアンケートを実施・回収)するとともに、MR(医薬情報担当者)とのエンゲージメントの機会を創出するサービスで、クライアントは製薬企業となる。製薬企業の通常の営業活動は、MRが医師に面会し、様々な医薬情報を提供したうえで自社商品を販売する。そのため、医師のニーズを汲み取る必要があり、同サービスはそのための重要なツールとして機能する。「MRPlus」は動画コンテンツを視聴した医師と担当MRが情報交換できるプラットフォームであり、営業活動の生産性を向上するサービスとなる。情報配信先の医師は「CareNet.com」の登録会員であるため、同会員数を増やすことが「MRPlus」の価値を高めることにつながる。そのため、同社は「CareNet.com」のサービス品質向上に努めている。具体的には、医療関係者に役立つ医療コンテンツ(手技動画や患者指導、ガイドライン解説など)や海外論文、最新の医療ニュースなどから質の高いコンテンツを掲載している。2022年6月末の登録医師会員数は202千人と年々増加しており、国内における医師数(2020年末時点339千人)の6割弱をカバーする水準となっている。
「MRPlus」のサービスは販促対象となる医薬品が抱える課題によって支援方法が異なるため、金額や契約形態は案件ごとに異なる。また、製薬企業のプロモーション活動費用が年後半に偏重する傾向にあることから、同サービスの売上高も第4四半期(10月~12月)が最も高くなる傾向にある。競合企業としてはエムスリー<2413>やメドピア<6095>のほか、最近は(株)日経BP(日経メディカルOnline)とも競合するケースが増えている。これら競合サイトのなかにおける「CareNet.com」の差別化要因は、コンテンツの高い専門性・品質である。
そのほか、Web講演会も「MRPlus」と並ぶ主力サービスとなっている。多忙な医師が外出する必要なく、KOL(キー・オピニオンリーダー)のレクチャーを視聴することができるため、新規治療法などに関する情報を全国に迅速にとどけるソリューションとして、コロナ禍を契機として需要が急速に拡大している。20万人を超える医師会員基盤を持つ「CareNet.com」を通じて集客告知することで医師1人当たりの集客コストを抑えることが可能であるほか、配信ベンダーとのサービスパッケージ化によって、集客から配信、視聴/アンケートログ報告までをワンストップで提供できることが強みとなっており、コストパフォーマンスの高いプロモーション施策として製薬企業からの需要が増加している。
「がん@魅せ技」は、臓器別がん治療において国内トップクラスの実績を持つKOLが自らの治療法を動画で公開しており、登録医師会員が視聴できるようになっている。ビジネスモデルは「MRPlus」とほぼ同様で、製薬会社を中心に、手術に使用する医療機器メーカー等もクライアントとなる。
(2) メディカルプラットフォーム事業
メディカルプラットフォーム事業では、医師や医療従事者に対する医療教育動画サービス「CareNeTV」が主力サービスとなっている。医療教育分野のプログラム数としては2,000を超えており、日本最大級のコンテンツを有していること、また、コンテンツの品質も高く、PCだけでなくスマートフォンやタブレット端末でも視聴が可能で利便性も高く、医療教育分野のコンテンツ配信サービスとしては圧倒的なポジションを築いている。
料金プランは月額課金方式(月額5,500円)とPPV方式(330円~)の2通りとなるが、大半は月額課金方式による収入となっている。2022年6月末の有料会員数は6,497人と年々増加しており、特に2020年以降は新型コロナウイルス感染症関連の最新情報コンテンツを充実させたこともあり、増加ペースが加速している。売上高についても、2021年12期で7期連続増収増益を達成した。直近2期は前期比40%超の成長を実現している。そのほか、教育コンテンツのDVD販売なども手掛けている。また、後述の連結グロース事業の廃止に伴い、医師向けキャリア支援事業を行う(株)ケアネットワークスデザインが組み入れられている。
(3) 連結グロース事業
連結グロース事業は、2022年12月期第1四半期より報告セグメントを廃止した。従来においては、今後成長が見込まれる連結子会社の経営成績等の明確化を目的に区分管理していたが、前期において一定規模までの成長が確認できたことから、グループ一体として事業の開発、営業を推進する方針とした。その結果、連結グロース事業の報告セグメントを廃止し、各連結子会社を、医薬DX事業・メディカルプラットフォーム事業のいずれかの報告セグメントへ組み入れた。具体的には、連結子会社6社のうち営業活動を行っている5社について、(株)SC-Labo、(株)アスクレピア、ヘルスケアコンサルティング、アドメディカの4社を医薬DX事業に、ケアネットワークスデザインをメディカルプラットフォーム事業にそれぞれ組入を実施した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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2. 事業内容
ケアネット<2150>は企業理念として「デジタル時代のサステナブルな健康社会づくりに邁進します」を掲げている。事業セグメントは、今後成長が見込まれる連結子会社の経営成績等を明確にするために会社組織の変更を2022年12月期第1四半期に実施した。報告セグメントは、従来の医薬DX事業、メディカルプラットフォーム事業、連結グロース事業の3区分から、医薬DX事業、メディカルプラットフォーム事業の2区分に変更した。2022年12月期第2四半期累計の売上構成比で見ると、医薬DX事業が売上高、営業利益ともに、90%前後を占める主力事業となっている。
(1) 医薬DX事業
医薬DX事業は、製薬企業の営業・プロモーション活動をインターネットを活用して支援するサービス「MRPlus」、Web講演会のほか、2020年4月に事業取得したがん専門医向けに特化した情報発信プラットフォーム「がん@魅せ技」などが含まれる。
「MRPlus」は、ターゲット医師に対して、医師が必要とする視点で作成した動画コンテンツを「CareNet.com」を通じて配信している。医師の反応を分析(コンテンツ視聴後にアンケートを実施・回収)するとともに、MR(医薬情報担当者)とのエンゲージメントの機会を創出するサービスで、クライアントは製薬企業となる。製薬企業の通常の営業活動は、MRが医師に面会し、様々な医薬情報を提供したうえで自社商品を販売する。そのため、医師のニーズを汲み取る必要があり、同サービスはそのための重要なツールとして機能する。「MRPlus」は動画コンテンツを視聴した医師と担当MRが情報交換できるプラットフォームであり、営業活動の生産性を向上するサービスとなる。情報配信先の医師は「CareNet.com」の登録会員であるため、同会員数を増やすことが「MRPlus」の価値を高めることにつながる。そのため、同社は「CareNet.com」のサービス品質向上に努めている。具体的には、医療関係者に役立つ医療コンテンツ(手技動画や患者指導、ガイドライン解説など)や海外論文、最新の医療ニュースなどから質の高いコンテンツを掲載している。2022年6月末の登録医師会員数は202千人と年々増加しており、国内における医師数(2020年末時点339千人)の6割弱をカバーする水準となっている。
「MRPlus」のサービスは販促対象となる医薬品が抱える課題によって支援方法が異なるため、金額や契約形態は案件ごとに異なる。また、製薬企業のプロモーション活動費用が年後半に偏重する傾向にあることから、同サービスの売上高も第4四半期(10月~12月)が最も高くなる傾向にある。競合企業としてはエムスリー<2413>やメドピア<6095>のほか、最近は(株)日経BP(日経メディカルOnline)とも競合するケースが増えている。これら競合サイトのなかにおける「CareNet.com」の差別化要因は、コンテンツの高い専門性・品質である。
そのほか、Web講演会も「MRPlus」と並ぶ主力サービスとなっている。多忙な医師が外出する必要なく、KOL(キー・オピニオンリーダー)のレクチャーを視聴することができるため、新規治療法などに関する情報を全国に迅速にとどけるソリューションとして、コロナ禍を契機として需要が急速に拡大している。20万人を超える医師会員基盤を持つ「CareNet.com」を通じて集客告知することで医師1人当たりの集客コストを抑えることが可能であるほか、配信ベンダーとのサービスパッケージ化によって、集客から配信、視聴/アンケートログ報告までをワンストップで提供できることが強みとなっており、コストパフォーマンスの高いプロモーション施策として製薬企業からの需要が増加している。
「がん@魅せ技」は、臓器別がん治療において国内トップクラスの実績を持つKOLが自らの治療法を動画で公開しており、登録医師会員が視聴できるようになっている。ビジネスモデルは「MRPlus」とほぼ同様で、製薬会社を中心に、手術に使用する医療機器メーカー等もクライアントとなる。
(2) メディカルプラットフォーム事業
メディカルプラットフォーム事業では、医師や医療従事者に対する医療教育動画サービス「CareNeTV」が主力サービスとなっている。医療教育分野のプログラム数としては2,000を超えており、日本最大級のコンテンツを有していること、また、コンテンツの品質も高く、PCだけでなくスマートフォンやタブレット端末でも視聴が可能で利便性も高く、医療教育分野のコンテンツ配信サービスとしては圧倒的なポジションを築いている。
料金プランは月額課金方式(月額5,500円)とPPV方式(330円~)の2通りとなるが、大半は月額課金方式による収入となっている。2022年6月末の有料会員数は6,497人と年々増加しており、特に2020年以降は新型コロナウイルス感染症関連の最新情報コンテンツを充実させたこともあり、増加ペースが加速している。売上高についても、2021年12期で7期連続増収増益を達成した。直近2期は前期比40%超の成長を実現している。そのほか、教育コンテンツのDVD販売なども手掛けている。また、後述の連結グロース事業の廃止に伴い、医師向けキャリア支援事業を行う(株)ケアネットワークスデザインが組み入れられている。
(3) 連結グロース事業
連結グロース事業は、2022年12月期第1四半期より報告セグメントを廃止した。従来においては、今後成長が見込まれる連結子会社の経営成績等の明確化を目的に区分管理していたが、前期において一定規模までの成長が確認できたことから、グループ一体として事業の開発、営業を推進する方針とした。その結果、連結グロース事業の報告セグメントを廃止し、各連結子会社を、医薬DX事業・メディカルプラットフォーム事業のいずれかの報告セグメントへ組み入れた。具体的には、連結子会社6社のうち営業活動を行っている5社について、(株)SC-Labo、(株)アスクレピア、ヘルスケアコンサルティング、アドメディカの4社を医薬DX事業に、ケアネットワークスデザインをメディカルプラットフォーム事業にそれぞれ組入を実施した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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