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アンジェス Research Memo(8):研究開発費の増加により2022年12月期第2四半期累計の営業損失はやや拡大
配信日時:2022/09/16 15:48
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2022年12月期第2四半期累計業績の概要
アンジェス<4563>の2022年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比38.1%増の31百万円、営業損失は9,124百万円(前年同期は7,540百万円の損失)、経常損失は7,420百万円(同7,330百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は7,425百万円(同7,450百万円の損失)となった。
売上高については、「コラテジェン(R)」が前年同期比19百万円減の3百万円となったものの、2021年4月に開設したACRLにおけるオプショナルスクリーニング検査の手数料収入28百万円を計上したことが増収要因となった。「コラテジェン(R)」に関しては2021年までに田辺三菱製薬向けに一定量を出荷したことによる反動減となっている。売上原価は検査事業に関連した費用の増加により36百万円を計上した。
研究開発費は6,617百万円と前年同期比1,655百万円増加した。新型コロナウイルス感染症ワクチンの臨床試験が完了したことにより、研究用材料費が同621百万円減少した一方で、新たな製造委託先に対する製造関連費用の計上により外注費が2,125百万円増加した。また、主にEmendoの研究開発人員増加により、給料手当が138百万円増加した。
販管費は2,502百万円と前年同期比85百万円減少した。為替の円安進行によりEmendoののれん償却額が167百万円増加した一方で、支払手数料が同130百万円減少した。また、営業外収支は同1,494百万円改善した。円安の進行で為替差益が同1,223百万円増加したほか、補助金収入202百万円を計上した。
2022年12月期も100億円規模の研究開発費を投下予定
2. 2022年12月期の業績見通し
2022年12月期の業績見通しは、臨床試験の進捗状況によって研究開発費が変動することや、営業外収益に計上している新型コロナウイルス感染症ワクチン開発に係る補助金収入の計上時期が流動的なことから非開示としており、合理的な算出が可能となり次第速やかに開示する方針としている。
経営の指針としては、「新たな展開を考え、ますます発展、進化していく端緒となる年」にすることを目指しており、新型コロナウイルス感染症ワクチン及び治療薬を筆頭に、既存パイプラインの開発推進に取り組んでいく方針だ。子会社のEmendoでもELANE変異によるSCNを対象とした臨床試験開始に向けた取り組みを最優先課題として推進し、研究開発費については前期とほぼ同水準の100億円規模を投下していく予定だ。売上高については、「コラテジェン(R)」及びオプショナルスクリーニング検査の手数料収入が第3四半期以降もほぼ同水準で推移することが見込まれる。
なお、新型コロナウイルス感染症ワクチンに係る補助金収入については、第2四半期末の前受金が5,764百万円となっており、最大で同額分を計上する可能性がある。
手元キャッシュは130億円超と潤沢で当面の事業活動資金は確保
3. 財務状況について
2022年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比2,862百万円減少の42,592百万円となった。流動資産では、「コラテジェン(R)」の原薬製造に伴い原材料及び貯蔵品が446百万円増加した一方で、現金及び預金が4,687百万円減少したほか、新型コロナウイルス感染症ワクチンに関連した前渡金が1,161百万円減少した。固定資産では円安の進展に伴いのれんが2,775百万円増加した。
負債は前期末比1,258百万円増加の8,079百万円となった。新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発プロジェクトにかかる助成金の入金により前受金が644百万円増加したほか、新型コロナウイルス感染症ワクチンの製造関連費用計上により買掛金が804百万円増加した。純資産は前期末比4,121百万円減少の34,513百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純損失7,425百万円を計上した一方で、主にのれんに係る為替変動の影響により為替換算調整勘定が3,316百万円増加した。
2022年12月期第2四半期末の現金及び預金は13,211百万円と前期末より減少したものの、2022年12月期の事業活動資金については確保されているものと考えられる。2023年12月期以降は各開発パイプラインの進捗や導出状況等によるが、必要であれば新たな資金調達を検討していくものと見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
1. 2022年12月期第2四半期累計業績の概要
アンジェス<4563>の2022年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比38.1%増の31百万円、営業損失は9,124百万円(前年同期は7,540百万円の損失)、経常損失は7,420百万円(同7,330百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は7,425百万円(同7,450百万円の損失)となった。
売上高については、「コラテジェン(R)」が前年同期比19百万円減の3百万円となったものの、2021年4月に開設したACRLにおけるオプショナルスクリーニング検査の手数料収入28百万円を計上したことが増収要因となった。「コラテジェン(R)」に関しては2021年までに田辺三菱製薬向けに一定量を出荷したことによる反動減となっている。売上原価は検査事業に関連した費用の増加により36百万円を計上した。
研究開発費は6,617百万円と前年同期比1,655百万円増加した。新型コロナウイルス感染症ワクチンの臨床試験が完了したことにより、研究用材料費が同621百万円減少した一方で、新たな製造委託先に対する製造関連費用の計上により外注費が2,125百万円増加した。また、主にEmendoの研究開発人員増加により、給料手当が138百万円増加した。
販管費は2,502百万円と前年同期比85百万円減少した。為替の円安進行によりEmendoののれん償却額が167百万円増加した一方で、支払手数料が同130百万円減少した。また、営業外収支は同1,494百万円改善した。円安の進行で為替差益が同1,223百万円増加したほか、補助金収入202百万円を計上した。
2022年12月期も100億円規模の研究開発費を投下予定
2. 2022年12月期の業績見通し
2022年12月期の業績見通しは、臨床試験の進捗状況によって研究開発費が変動することや、営業外収益に計上している新型コロナウイルス感染症ワクチン開発に係る補助金収入の計上時期が流動的なことから非開示としており、合理的な算出が可能となり次第速やかに開示する方針としている。
経営の指針としては、「新たな展開を考え、ますます発展、進化していく端緒となる年」にすることを目指しており、新型コロナウイルス感染症ワクチン及び治療薬を筆頭に、既存パイプラインの開発推進に取り組んでいく方針だ。子会社のEmendoでもELANE変異によるSCNを対象とした臨床試験開始に向けた取り組みを最優先課題として推進し、研究開発費については前期とほぼ同水準の100億円規模を投下していく予定だ。売上高については、「コラテジェン(R)」及びオプショナルスクリーニング検査の手数料収入が第3四半期以降もほぼ同水準で推移することが見込まれる。
なお、新型コロナウイルス感染症ワクチンに係る補助金収入については、第2四半期末の前受金が5,764百万円となっており、最大で同額分を計上する可能性がある。
手元キャッシュは130億円超と潤沢で当面の事業活動資金は確保
3. 財務状況について
2022年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比2,862百万円減少の42,592百万円となった。流動資産では、「コラテジェン(R)」の原薬製造に伴い原材料及び貯蔵品が446百万円増加した一方で、現金及び預金が4,687百万円減少したほか、新型コロナウイルス感染症ワクチンに関連した前渡金が1,161百万円減少した。固定資産では円安の進展に伴いのれんが2,775百万円増加した。
負債は前期末比1,258百万円増加の8,079百万円となった。新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発プロジェクトにかかる助成金の入金により前受金が644百万円増加したほか、新型コロナウイルス感染症ワクチンの製造関連費用計上により買掛金が804百万円増加した。純資産は前期末比4,121百万円減少の34,513百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純損失7,425百万円を計上した一方で、主にのれんに係る為替変動の影響により為替換算調整勘定が3,316百万円増加した。
2022年12月期第2四半期末の現金及び預金は13,211百万円と前期末より減少したものの、2022年12月期の事業活動資金については確保されているものと考えられる。2023年12月期以降は各開発パイプラインの進捗や導出状況等によるが、必要であれば新たな資金調達を検討していくものと見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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