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SANKO Research Memo(1):事業ポートフォリオ転換が完了、水産業の6次産業化を推進
配信日時:2022/09/16 15:11
配信元:FISCO
■要約
SANKO MARKETING FOODS<2762>(三光マーケティングフーズが2021年10月1日付で商号変更)は、企業理念に「価値ある食文化の提案」を掲げ、首都圏を中心に飲食チェーンを展開している。事業ポートフォリオ転換が完了し、成長戦略をアップデートして水産業の6次産業化を推進している。
1. 現在は郊外立地で投資効率の高い中小型店舗の大衆酒場「アカマル屋」が主力
同社は居酒屋業態の事業環境変化に対応して、いち早く事業ポートフォリオの転換を推進した。飲食チェーンについては、従来の主力であった「金の蔵」など都心繁華街立地で大型店舗中心の総合型居酒屋業態は固定費負担が大きいため大幅に縮小し、現在は、郊外の駅前商店街立地で投資効率の高い中小型店舗中心の大衆酒場「アカマル屋」を主力業態としている。また、ノンアセット型ビジネスモデルとして、官公庁等を中心とする飲食施設運営受託事業も拡大している。
2. 水産業の6次産業化に向けてサプライチェーン構築が一気に進展
水産業の6次産業化に向けた動きも加速している。2020年12月の沼津我入道漁業協同組合への加入、2021年9月の沼津魚市場における買参権の取得、2021年11月の浜松中央卸売市場仲卸兼マグロ加工メーカーである(株)SANKO海商の子会社化、2021年12月の漁船「辨天丸」の譲り受けに続いて、2022年7月に豊洲市場の水産物卸売会社(大卸)である綜合食品(株)を子会社化し、生産から販売までのサプライチェーン構築が一気に進展した。
3. 2022年6月期は損失縮小
2022年6月期の連結業績(連結決算初年度のため前期比増減率は非記載、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし、SANKO海商の2022年1月~3月分を新規連結)は、売上高が2,410百万円、営業損失が1,097百万円、経常損失が305百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が439百万円だった。2021年6月期の非連結業績との単純比較で見ると、売上高は308百万円増収(前期比14.7%増)となり、営業損失は650百万円縮小、経常損失は1,121百万円縮小、親会社株主に帰属する当期純損失は1,378百万円縮小した。売上面はSANKO海商の新規連結が寄与して増収だが、単体ベースの売上高は2,002百万円で100百万円減少した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の長期化により全体として売上回復が遅れた。利益面では円安等による物価上昇や子会社要因で売上総利益が減少したが、事業ポートフォリオ転換による都内大型店舗の閉店等が奏功し固定費負担が軽減して営業損失が大幅に縮小した。営業外収益では助成金収入が増加し、特別損失では店舗閉鎖損失や減損損失が減少した。
4. 2023年6月期は黒字転換予想
2023年6月期の連結業績予想(SANKO海商を12ヶ月分連結、綜合食品を9ヶ月分連結)は、売上高が前期比310.6%増の9,900百万円、営業利益が32百万円(前期は営業損失1,097百万円)、経常利益が22百万円(同、経常損失305百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益が10百万円(同、親会社株主に帰属する当期純損失439百万円)としている。事業環境としてコロナ禍の影響は2023年6月期下期に下火となり、withコロナのもとで緩やかな外食需要の回復を想定している。売上面では、SANKO海商及び綜合食品の連結によって水産セグメントが大幅に拡大するとともに、大衆酒場業態「アカマル屋」及びノンアセット型ビジネスモデルとしての飲食施設運営受託事業の出店を拡大し、大幅増収予想としている。利益面では、水産流通2社を連結することで売上総利益率が低下するが、増収効果に加えて、事業ポートフォリオ転換による固定費負担軽減も寄与して黒字転換予想としている。
5. 成長戦略をアップデート、「飲食×水産」の両軸経営で再成長
同社は攻めの展開の段階に入ったとして2021年11月に3ヶ年の中期経営計画を策定し、目標値として最終年度2024年6月期の売上高11,500百万円、営業利益700百万円を掲げた。その後、店舗事業において大衆酒場「アカマル屋」が好調に推移していること、水産セグメントにおいて水産業の6次産業化に向けた生産から販売までのサプライチェーン構築が一気に進展したことを受けて、2022年6月期末時点で成長戦略をアップデートした。大衆酒場「アカマル屋」出店計画を上方修正するとともに、水産セグメントを持つ強みを活かして「飲食×水産」の両軸経営で収益力の向上を目指す方針だ。同社の長澤成博代表取締役社長は「水産業の産地を活性化することで、漁師をなりたい職業にしたい」と熱く語っている。弊社では、この熱意も勘案して再成長に向かう可能性が高いと評価している。
■Key Points
・事業ポートフォリオを転換して郊外・高効率中小型の大衆酒場「アカマル屋」が主力業態
・2023年6月期は固定費負担軽減も寄与して黒字転換を予想
・成長戦略をアップデートし、「飲食×水産」の両軸経営で収益力向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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SANKO MARKETING FOODS<2762>(三光マーケティングフーズが2021年10月1日付で商号変更)は、企業理念に「価値ある食文化の提案」を掲げ、首都圏を中心に飲食チェーンを展開している。事業ポートフォリオ転換が完了し、成長戦略をアップデートして水産業の6次産業化を推進している。
1. 現在は郊外立地で投資効率の高い中小型店舗の大衆酒場「アカマル屋」が主力
同社は居酒屋業態の事業環境変化に対応して、いち早く事業ポートフォリオの転換を推進した。飲食チェーンについては、従来の主力であった「金の蔵」など都心繁華街立地で大型店舗中心の総合型居酒屋業態は固定費負担が大きいため大幅に縮小し、現在は、郊外の駅前商店街立地で投資効率の高い中小型店舗中心の大衆酒場「アカマル屋」を主力業態としている。また、ノンアセット型ビジネスモデルとして、官公庁等を中心とする飲食施設運営受託事業も拡大している。
2. 水産業の6次産業化に向けてサプライチェーン構築が一気に進展
水産業の6次産業化に向けた動きも加速している。2020年12月の沼津我入道漁業協同組合への加入、2021年9月の沼津魚市場における買参権の取得、2021年11月の浜松中央卸売市場仲卸兼マグロ加工メーカーである(株)SANKO海商の子会社化、2021年12月の漁船「辨天丸」の譲り受けに続いて、2022年7月に豊洲市場の水産物卸売会社(大卸)である綜合食品(株)を子会社化し、生産から販売までのサプライチェーン構築が一気に進展した。
3. 2022年6月期は損失縮小
2022年6月期の連結業績(連結決算初年度のため前期比増減率は非記載、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし、SANKO海商の2022年1月~3月分を新規連結)は、売上高が2,410百万円、営業損失が1,097百万円、経常損失が305百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が439百万円だった。2021年6月期の非連結業績との単純比較で見ると、売上高は308百万円増収(前期比14.7%増)となり、営業損失は650百万円縮小、経常損失は1,121百万円縮小、親会社株主に帰属する当期純損失は1,378百万円縮小した。売上面はSANKO海商の新規連結が寄与して増収だが、単体ベースの売上高は2,002百万円で100百万円減少した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の長期化により全体として売上回復が遅れた。利益面では円安等による物価上昇や子会社要因で売上総利益が減少したが、事業ポートフォリオ転換による都内大型店舗の閉店等が奏功し固定費負担が軽減して営業損失が大幅に縮小した。営業外収益では助成金収入が増加し、特別損失では店舗閉鎖損失や減損損失が減少した。
4. 2023年6月期は黒字転換予想
2023年6月期の連結業績予想(SANKO海商を12ヶ月分連結、綜合食品を9ヶ月分連結)は、売上高が前期比310.6%増の9,900百万円、営業利益が32百万円(前期は営業損失1,097百万円)、経常利益が22百万円(同、経常損失305百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益が10百万円(同、親会社株主に帰属する当期純損失439百万円)としている。事業環境としてコロナ禍の影響は2023年6月期下期に下火となり、withコロナのもとで緩やかな外食需要の回復を想定している。売上面では、SANKO海商及び綜合食品の連結によって水産セグメントが大幅に拡大するとともに、大衆酒場業態「アカマル屋」及びノンアセット型ビジネスモデルとしての飲食施設運営受託事業の出店を拡大し、大幅増収予想としている。利益面では、水産流通2社を連結することで売上総利益率が低下するが、増収効果に加えて、事業ポートフォリオ転換による固定費負担軽減も寄与して黒字転換予想としている。
5. 成長戦略をアップデート、「飲食×水産」の両軸経営で再成長
同社は攻めの展開の段階に入ったとして2021年11月に3ヶ年の中期経営計画を策定し、目標値として最終年度2024年6月期の売上高11,500百万円、営業利益700百万円を掲げた。その後、店舗事業において大衆酒場「アカマル屋」が好調に推移していること、水産セグメントにおいて水産業の6次産業化に向けた生産から販売までのサプライチェーン構築が一気に進展したことを受けて、2022年6月期末時点で成長戦略をアップデートした。大衆酒場「アカマル屋」出店計画を上方修正するとともに、水産セグメントを持つ強みを活かして「飲食×水産」の両軸経営で収益力の向上を目指す方針だ。同社の長澤成博代表取締役社長は「水産業の産地を活性化することで、漁師をなりたい職業にしたい」と熱く語っている。弊社では、この熱意も勘案して再成長に向かう可能性が高いと評価している。
■Key Points
・事業ポートフォリオを転換して郊外・高効率中小型の大衆酒場「アカマル屋」が主力業態
・2023年6月期は固定費負担軽減も寄与して黒字転換を予想
・成長戦略をアップデートし、「飲食×水産」の両軸経営で収益力向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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