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米中首脳電話会談——勝敗は「ペロシ下院議長の訪台」次第(2)【中国問題グローバル研究所】

配信日時:2022/08/01 10:36 配信元:FISCO
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。


◆アメリカ側が発表した米中首脳電話会談の内容
アメリカ時間7月28日、ホワイトハウスは米中首脳会談に関する内容を以下のように発表した(※2)。その概略を示す。

・バイデン大統領は本日、中華人民共和国の習近平国家主席と会談した。この呼びかけは、米中間のコミュニケーションを維持し深め、責任を持って私たちの違いを管理し、私たちの利益が一致する点では協力するというバイデン政権の努力の一環である。

・この呼びかけは、3月18日の2人の指導者の会談と、米中両国高官の間の一連の会話に続くものだ。両首脳は二国間関係やその他の地域的および世界的な問題にとって重要なさまざまな問題について話し合い、特に気候変動と健康の安全に取り組むために、今日の会話をフォローアップし続けるようチームに命じた。

・台湾について、バイデン大統領は、「アメリカの政策は変更されておらず、アメリカは、現状を変更させる一方的な動きや、台湾海峡の平和と安定を損なうことに強く反対する」と強調した。

◆ペロシの動きに関して
7月29日に行われた中国外交部定例記者会見において、記者が「米中首脳会談中にペロシ下院議長訪台に関する話題は出ましたか?」と質問したのに対して、趙立堅報道官は「皆さんご存じのように、このたびの電話会談はペロシ下院議長が訪台を計画しているという背景の下で行われたのだ」と回答し、質問をはぐらかした。

アメリカのペンシルバニア州にいる友人からメールが来て、ペロシはもう82を過ぎていて年齢的に次はないので、自分の後継者に関してバイデンに圧力をかけるため、嫌中行動を強行しようと、一種の交換条件を提示しているという要素があると知らせてきた。

次期政権がバイデンになるとは限らないし、バイデンの支持率が低迷しているので民主党が勝つとは限らないのではないかと聞いたところ、「ペロシは自分の夫がNVidiaの株を購入することに関してインサイダー取引があったのではないかという批判を浴びている(すなわち、アメリカでのCHIPS法案が成立する直前に株を購入してぼろ儲けをしている(※3))ので、その批判をかわすためにバイデンや民主党に対して利益交換をしているとも言われている」と教えてくれた。

加えて、ペロシが呼び掛けた訪台代表団に関しては、少なからぬ議員が「都合が悪いので」などと言い訳をして断っているという情報も飛び交っている。

あるいは、バイデンとしては、習近平には「台湾独立を支持しない」と言いながら、ペロシ訪台に関しては下院議長としての意思決定なので、自分にはどうしようもないとして逃げる可能性もなくはない。

そうは言っても現実問題として、ウクライナ戦争を仕掛けたバイデンとしては、ウクライナに何としても勝ってもらわないと困るが、アメリカのLNG(液化天然ガス)産業関係者と武器製造業者だけはぼろ儲けしていても、物価高騰などによりアメリカ経済は疲弊しているので、ここに台湾衝突が加われば対処しきれず、中間選挙も大統領選も失敗する可能性が高くなるので、ペロシの訪台はバイデン政権にメリットをもたらすとは思えないという側面は否めない。

あと数日で趨勢は決まるだろう。

この視点でゆくえを見守っていきたい。

写真: 新華社/アフロ

(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2022/07/28/readout-of-president-bidens-call-with-president-xi-jinping-of-the-peoples-republic-of-china/
(※3)https://www.reuters.com/markets/us/pelosis-husband-dumps-nvidia-stock-house-eyes-chip-bill-2022-07-27/


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