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アクシージア Research Memo(5):2022年7月期第3四半期は積極的な広告宣伝投資とチャネル横展開を継続
配信日時:2022/07/25 15:05
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2022年7月期第3四半期累計業績の概要
アクシージア<4936>の2022年7月期第3四半期累計の売上高は5,630百万円(前年同期比38.8%増)、営業利益1,097百万円(同10.7%増)、経常利益1,177百万円(同19.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益747百万円(同20.4%増)となった。2022年3月28日に実施された上海ロックダウンの影響により、第3四半期単独では計画比未達(売上高96.4%、営業利益70.5%、経常利益91.9%)となったものの、第3四半期累計では計画に対し売上高で9.1%、営業利益で7.5%、経常利益で19.4%上振れて着地した。
海外化粧品市場においては、コロナ禍の影響等による先行き不透明な状況は続き、中国市場では、コロナ禍に伴うロックダウンにより物流が停滞し、製品の配送や輸出入に影響が出た。最も大きな影響を受けたのはエステサロン及びリテール向け販売を展開する上海子会社で、リアルチャネルであるエステサロン向け販売が減少したことにより、2022年4月の売上高は計画比3.5%と大幅な未達となった(5月は一定程度回復)。同社単体については、「Tmall Global」「RED」において上海物流停止の影響で通常月よりもキャンセルが増加したことから同97.1%と計画を下回ったものの、2022年7月期に旗艦店を出店した「TikTok」は順調に推移している。中国ECの第3四半期累計業績は4月を除き好調に推移しており、前年同期比50.4%と高い成長を維持している。「Taobao」や「Tmall Global」など大手プラットフォームでの販売が伸長したことに加え、プラットフォーム横展開(「TikTok」や「JD.com」への進出)が奏功し、4月の計画未達分をカバーした。このほか、中国の大型ECイベント「3.8」※開催期間中の売上高は前年比108%増と伸長した。製品別では、主力ブランドである「AXXZIA」の「エッセンスシート」や「AGtheory」の「AGドリンク」に加え、美容サプリメント「ホワイトアミノズ」をリニューアルした「ザ ホワイト ドリンク」が好調に推移し、業績に貢献した。
※中国EC3大イベントの1つで、3月8日の「国際女性デー(International Women's Day)」に合わせて行われる女性関連製品のECセール。中国EC3大イベントは他に、毎年11月11日に中国で行われる独身の日(シングルデー)を祝う中国最大のECセール「W11」(2021年11月の開催期間中の同社売上高は前年比57%増)、中国のECサイト「JD.com」による、毎年6月18日付近に開催されるECセール「618」がある。なお、中国EC3大イベントでは、他社と比較して値引き幅は少なくして対応しているようだ。
利益面では、ブランド知名度向上及び販売基盤拡大のための広告先行投資を積極的に実施した結果、第3四半期累計の広告宣伝費率は19.1%と、期初計画の20%(前期は13.7%)に対しほぼ計画どおりとなった。また、支払手数料(ECプラットフォーム利用料等)については、「TikTok」の売上が計画を大幅に超過したことに伴い増加した。これらの結果、販管費は前年同期比68.1%増加したものの、増収による売上総利益の増加が上回り、営業利益は同10.7%増となった。
中国3大ECセールの1つである「618」の成果も前年を大きく上回ったことなどから、2022年7月期業績予想を上方修正
2. 2022年7月期業績の見通し
2022年7月期の連結業績について同社は、上海ロックダウンの影響等により売上高を始めとする業績見通しは不透明であったものの、2022年6月に開催された中国3大ECセールの1つである「618」の成果も前年を大きく上回り、期初予想を上回ることが明らかとなったことから、同年7月に業績予想を上方修正した。上方修正後の連結業績予想は、売上高8,000百万円(前期比38.2%増)、営業利益は売上高の増加による影響及び販管費の見通しの精緻化により1,500百万円(同8.5%増)、経常利益は為替差損益の見通しを修正し1,600百万円(同16.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は税金費用の見積もりを修正し1,050百万円(同20.9%増)としている。
売上高については、中国市場を中心に成長を図る。既存のECプラットフォームの深耕に加え、「TikTok」や「JD.com」への横展開により売上高の上積みを狙う。営業利益については、中国及び日本市場でのブランド認知度向上・販売基盤拡大のため、引き続き広告宣伝活動に先行投資する方針で、販管費は増えるものの増収効果により増益を目指す。
通期予想に対する進捗率については、売上高で70.4%(前年同期は70.1%)、営業利益で73.1%(同71.6%)と前年同期をやや上回って推移している。2022年3月28日に実施された上海ロックダウンにより、第3四半期には特に上海子会社で影響を受けたが、第4四半期の足元では対策の効果も出ており、影響は残るものの上向きに推移する予想だ。直近では、既述のとおり2022年5月24日~6月20日に開催された「618」で成果を上げ、「Tmall Global」「RED」をはじめとする旗艦店のGMV(流通取引総額)は前年比約86%増となった。なお、2022年4月に子会社化したユイット・ラボラトリーズの業績寄与は、売上高で150百万円程度、営業利益で3百万円程度を見込んでいる。弊社では、中国経済及び物流の部分的な混乱や中国ECプラットフォームの勢力地図の変化などが発生しているものの、これらは同社が対象とする化粧品EC市場の成長を脅かすものではなく、マルチプラットフォームに展開している同社にとってリスクは低いと考えている。2022年7月期第3四半期単独では成長がペースダウンしたものの、第4四半期の足元は順調に推移していることから、通期業績は上方修正後の見通しを達成する公算が高いと言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 2022年7月期第3四半期累計業績の概要
アクシージア<4936>の2022年7月期第3四半期累計の売上高は5,630百万円(前年同期比38.8%増)、営業利益1,097百万円(同10.7%増)、経常利益1,177百万円(同19.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益747百万円(同20.4%増)となった。2022年3月28日に実施された上海ロックダウンの影響により、第3四半期単独では計画比未達(売上高96.4%、営業利益70.5%、経常利益91.9%)となったものの、第3四半期累計では計画に対し売上高で9.1%、営業利益で7.5%、経常利益で19.4%上振れて着地した。
海外化粧品市場においては、コロナ禍の影響等による先行き不透明な状況は続き、中国市場では、コロナ禍に伴うロックダウンにより物流が停滞し、製品の配送や輸出入に影響が出た。最も大きな影響を受けたのはエステサロン及びリテール向け販売を展開する上海子会社で、リアルチャネルであるエステサロン向け販売が減少したことにより、2022年4月の売上高は計画比3.5%と大幅な未達となった(5月は一定程度回復)。同社単体については、「Tmall Global」「RED」において上海物流停止の影響で通常月よりもキャンセルが増加したことから同97.1%と計画を下回ったものの、2022年7月期に旗艦店を出店した「TikTok」は順調に推移している。中国ECの第3四半期累計業績は4月を除き好調に推移しており、前年同期比50.4%と高い成長を維持している。「Taobao」や「Tmall Global」など大手プラットフォームでの販売が伸長したことに加え、プラットフォーム横展開(「TikTok」や「JD.com」への進出)が奏功し、4月の計画未達分をカバーした。このほか、中国の大型ECイベント「3.8」※開催期間中の売上高は前年比108%増と伸長した。製品別では、主力ブランドである「AXXZIA」の「エッセンスシート」や「AGtheory」の「AGドリンク」に加え、美容サプリメント「ホワイトアミノズ」をリニューアルした「ザ ホワイト ドリンク」が好調に推移し、業績に貢献した。
※中国EC3大イベントの1つで、3月8日の「国際女性デー(International Women's Day)」に合わせて行われる女性関連製品のECセール。中国EC3大イベントは他に、毎年11月11日に中国で行われる独身の日(シングルデー)を祝う中国最大のECセール「W11」(2021年11月の開催期間中の同社売上高は前年比57%増)、中国のECサイト「JD.com」による、毎年6月18日付近に開催されるECセール「618」がある。なお、中国EC3大イベントでは、他社と比較して値引き幅は少なくして対応しているようだ。
利益面では、ブランド知名度向上及び販売基盤拡大のための広告先行投資を積極的に実施した結果、第3四半期累計の広告宣伝費率は19.1%と、期初計画の20%(前期は13.7%)に対しほぼ計画どおりとなった。また、支払手数料(ECプラットフォーム利用料等)については、「TikTok」の売上が計画を大幅に超過したことに伴い増加した。これらの結果、販管費は前年同期比68.1%増加したものの、増収による売上総利益の増加が上回り、営業利益は同10.7%増となった。
中国3大ECセールの1つである「618」の成果も前年を大きく上回ったことなどから、2022年7月期業績予想を上方修正
2. 2022年7月期業績の見通し
2022年7月期の連結業績について同社は、上海ロックダウンの影響等により売上高を始めとする業績見通しは不透明であったものの、2022年6月に開催された中国3大ECセールの1つである「618」の成果も前年を大きく上回り、期初予想を上回ることが明らかとなったことから、同年7月に業績予想を上方修正した。上方修正後の連結業績予想は、売上高8,000百万円(前期比38.2%増)、営業利益は売上高の増加による影響及び販管費の見通しの精緻化により1,500百万円(同8.5%増)、経常利益は為替差損益の見通しを修正し1,600百万円(同16.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は税金費用の見積もりを修正し1,050百万円(同20.9%増)としている。
売上高については、中国市場を中心に成長を図る。既存のECプラットフォームの深耕に加え、「TikTok」や「JD.com」への横展開により売上高の上積みを狙う。営業利益については、中国及び日本市場でのブランド認知度向上・販売基盤拡大のため、引き続き広告宣伝活動に先行投資する方針で、販管費は増えるものの増収効果により増益を目指す。
通期予想に対する進捗率については、売上高で70.4%(前年同期は70.1%)、営業利益で73.1%(同71.6%)と前年同期をやや上回って推移している。2022年3月28日に実施された上海ロックダウンにより、第3四半期には特に上海子会社で影響を受けたが、第4四半期の足元では対策の効果も出ており、影響は残るものの上向きに推移する予想だ。直近では、既述のとおり2022年5月24日~6月20日に開催された「618」で成果を上げ、「Tmall Global」「RED」をはじめとする旗艦店のGMV(流通取引総額)は前年比約86%増となった。なお、2022年4月に子会社化したユイット・ラボラトリーズの業績寄与は、売上高で150百万円程度、営業利益で3百万円程度を見込んでいる。弊社では、中国経済及び物流の部分的な混乱や中国ECプラットフォームの勢力地図の変化などが発生しているものの、これらは同社が対象とする化粧品EC市場の成長を脅かすものではなく、マルチプラットフォームに展開している同社にとってリスクは低いと考えている。2022年7月期第3四半期単独では成長がペースダウンしたものの、第4四半期の足元は順調に推移していることから、通期業績は上方修正後の見通しを達成する公算が高いと言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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