注目トピックス 日本株
データアプリ Research Memo(6):データ・インテグレーション領域でマーケットリーダーを目指す
配信日時:2022/07/22 15:06
配信元:FISCO
■成長戦略
1. 市場環境
データ・アプリケーション<3848>を取り巻く市場環境については、いわゆる「2025年の崖」問題(2018年9月に経済産業省が発表した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」)では、既存システムの老朽化・肥大化・複雑化・ブラックボックス化などによって、企業の競争力が低下し、2025年以降に最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が発生する可能性が指摘されている。このため今後の市場環境については、あらゆる産業で新たなビジネスモデルが求められ、DXの流れが加速すると想定している。
同社が展開する企業間電子データ交換分野のほか、企業間電子データ交換を含めた企業内外のシステムの全体最適化を目指して、オンプレミス・クラウド環境など分散化する企業内外のシステム間におけるデータ連携・変換・加工・活用といったデータに関する様々なビジネスの拡大が予想されている。これらのことから、同社が属する市場環境は良好と言えるだろう。
2. 成長戦略
同社は、ありたい姿を「データと一緒にワクワクする未来へ!」と定義し、中期ビジョンとして「変革への挑戦」を掲げた。また、経営戦略の基本方針として、(1) 研究開発や技術探求に加えて、他社との協業等を実行しつつ、DXをはじめとした新たな市場開拓を行い、企業成長の方向性を広げる、(2) 継続的な製品機能のエンハンスや提供サービスの拡充等により、既存事業の周辺市場への展開を含め、事業領域の拡大深耕を目指す、(3) サポートサービス品質を上げ、解約率の低減と顧客満足度の向上を図りつつ、リカーリングビジネスを推進し、収益安定性の向上を目指す、(4) 教育・労働環境を整備し、優秀な人材の採用・育成に努め、企業としての持続的成長の実現を図る、の4つを掲げた。
この中期ビジョン及び基本方針に基づき同社は、2021年5月に中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)を策定し、2024年3月期の売上高25億円、サブスクリプション売上3倍(2021年3月期比)、営業利益3.5億円とする数値目標を掲げた。また、株主還元方針として、DOE(株主資本配当率)3.5%を目安に長期的・安定的な配当の維持を目指している。
既述のとおり、収益安定性向上のため、同社はソフトウェアの売り切り型からサブスクリプション型へのシフトを戦略的に推進している。このため、ソフトウェア全体の売上高は一時的に伸び悩んでいるものの、導入企業数の積み上げに伴ってリカーリングは拡大基調となっている。ソフトウェア(売り切り)の提供に対して、サブスクリプションは短期的には売上減少要因となるが、期ずれなどの影響を受けにくく、顧客の導入障壁が低いことから安定収益源になるとして、サブスクリプションの推進を継続する方針だ。
(1) 成長イメージ
定性的な成長イメージとしては、EDIミドルウェア市場でのマーケットリーダーのポジションを足掛かりに、既存パートナーとの協業も深化させつつ、AI・ BI・RPAをはじめとした様々なテクノロジーと新たな協業を模索し、ビジネスの変化に適応し成長し続けることを目指す。具体的には、市場規模420億円(同社推定)のデータ・インテグレーションマーケットへ事業拡大することで、データ・インテグレーション領域でマーケットリーダーを目指すとともに、同社の戦略製品を活用することで顧客のDX促進を目指す。
(2) アクションプラン
計画達成に向け、「新市場」「既存市場」「顧客・販売」「組織・人材」をキーワードとし、アクションプランを掲げている。特に「顧客・販売」が順調なスタートを切っており、ストックビジネスのさらなる強化、業務提携・技術提携・M&Aの強化・検討、製品品質の向上、顧客単価・案件単価の向上、顧客満足度の向上、サービスレベルの向上などが好調に推移しているほか、顧客のDX化支援、パートナーとの協業深化、営業効率化、サービス提供の迅速化も順調に進捗している。このほか、「新市場」では製品・サービスの適用分野拡大や戦略製品による課題解決力強化、「既存市場」では主力製品による課題解決力強化や製品の付加価値向上による既存顧客維持、「組織・人材」では長期的な育成、各種学習機会の提供、開発効率化、多様な働き方の提供、技術探究部門新設、コスト最適化、社内におけるDX推進、ブランドイメージ向上が順調に進捗している。
一方、2023年3月期以降の取り組みとしては、「新市場」ではDXでの新規ビジネス創出や新事業による市場深耕・拡大・開拓、「既存市場」では需要喚起による市場拡大や既存市場深耕、「顧客・販売」では顧客層拡大や顧客のグローバル化支援、「組織・人材」では社員のスキルアップ、経営感覚のある人材養成、対話型組織の形成、人材確保、優秀な人材の外部採用、人員の最適配置、離職率低減、オフィススペースの最適化を予定している。
(3) 中期経営計画の進捗状況
中期経営計画初年度である2022年3月期は、売上高で期初計画比7.5%増、営業利益で同110.5%増、経常利益で同113.3%増、親会社株主に帰属する当期純利益で同107.7%増となり、売上高・各利益ともに期初計画を大きく上回って着地した。また、サブスクリプション売上が伸長した結果、リカーリングの売上比率は71.2%に向上するなど、順調に進捗している。2023年3月期は広範囲かつ積極的な投資を計画していることから減益予想であるものの、計画に対する進捗が順調であることから、2024年3月期は投資効果が表れ目標を達成する可能性が高いと見ている。加えて、市場環境が良好であること、データ・インテグレーションマーケットへの事業拡大、サブスクリプションへの戦略的シフトによる収益安定性向上などを考慮すると、同社の成長ポテンシャルは大きいと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 市場環境
データ・アプリケーション<3848>を取り巻く市場環境については、いわゆる「2025年の崖」問題(2018年9月に経済産業省が発表した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」)では、既存システムの老朽化・肥大化・複雑化・ブラックボックス化などによって、企業の競争力が低下し、2025年以降に最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が発生する可能性が指摘されている。このため今後の市場環境については、あらゆる産業で新たなビジネスモデルが求められ、DXの流れが加速すると想定している。
同社が展開する企業間電子データ交換分野のほか、企業間電子データ交換を含めた企業内外のシステムの全体最適化を目指して、オンプレミス・クラウド環境など分散化する企業内外のシステム間におけるデータ連携・変換・加工・活用といったデータに関する様々なビジネスの拡大が予想されている。これらのことから、同社が属する市場環境は良好と言えるだろう。
2. 成長戦略
同社は、ありたい姿を「データと一緒にワクワクする未来へ!」と定義し、中期ビジョンとして「変革への挑戦」を掲げた。また、経営戦略の基本方針として、(1) 研究開発や技術探求に加えて、他社との協業等を実行しつつ、DXをはじめとした新たな市場開拓を行い、企業成長の方向性を広げる、(2) 継続的な製品機能のエンハンスや提供サービスの拡充等により、既存事業の周辺市場への展開を含め、事業領域の拡大深耕を目指す、(3) サポートサービス品質を上げ、解約率の低減と顧客満足度の向上を図りつつ、リカーリングビジネスを推進し、収益安定性の向上を目指す、(4) 教育・労働環境を整備し、優秀な人材の採用・育成に努め、企業としての持続的成長の実現を図る、の4つを掲げた。
この中期ビジョン及び基本方針に基づき同社は、2021年5月に中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)を策定し、2024年3月期の売上高25億円、サブスクリプション売上3倍(2021年3月期比)、営業利益3.5億円とする数値目標を掲げた。また、株主還元方針として、DOE(株主資本配当率)3.5%を目安に長期的・安定的な配当の維持を目指している。
既述のとおり、収益安定性向上のため、同社はソフトウェアの売り切り型からサブスクリプション型へのシフトを戦略的に推進している。このため、ソフトウェア全体の売上高は一時的に伸び悩んでいるものの、導入企業数の積み上げに伴ってリカーリングは拡大基調となっている。ソフトウェア(売り切り)の提供に対して、サブスクリプションは短期的には売上減少要因となるが、期ずれなどの影響を受けにくく、顧客の導入障壁が低いことから安定収益源になるとして、サブスクリプションの推進を継続する方針だ。
(1) 成長イメージ
定性的な成長イメージとしては、EDIミドルウェア市場でのマーケットリーダーのポジションを足掛かりに、既存パートナーとの協業も深化させつつ、AI・ BI・RPAをはじめとした様々なテクノロジーと新たな協業を模索し、ビジネスの変化に適応し成長し続けることを目指す。具体的には、市場規模420億円(同社推定)のデータ・インテグレーションマーケットへ事業拡大することで、データ・インテグレーション領域でマーケットリーダーを目指すとともに、同社の戦略製品を活用することで顧客のDX促進を目指す。
(2) アクションプラン
計画達成に向け、「新市場」「既存市場」「顧客・販売」「組織・人材」をキーワードとし、アクションプランを掲げている。特に「顧客・販売」が順調なスタートを切っており、ストックビジネスのさらなる強化、業務提携・技術提携・M&Aの強化・検討、製品品質の向上、顧客単価・案件単価の向上、顧客満足度の向上、サービスレベルの向上などが好調に推移しているほか、顧客のDX化支援、パートナーとの協業深化、営業効率化、サービス提供の迅速化も順調に進捗している。このほか、「新市場」では製品・サービスの適用分野拡大や戦略製品による課題解決力強化、「既存市場」では主力製品による課題解決力強化や製品の付加価値向上による既存顧客維持、「組織・人材」では長期的な育成、各種学習機会の提供、開発効率化、多様な働き方の提供、技術探究部門新設、コスト最適化、社内におけるDX推進、ブランドイメージ向上が順調に進捗している。
一方、2023年3月期以降の取り組みとしては、「新市場」ではDXでの新規ビジネス創出や新事業による市場深耕・拡大・開拓、「既存市場」では需要喚起による市場拡大や既存市場深耕、「顧客・販売」では顧客層拡大や顧客のグローバル化支援、「組織・人材」では社員のスキルアップ、経営感覚のある人材養成、対話型組織の形成、人材確保、優秀な人材の外部採用、人員の最適配置、離職率低減、オフィススペースの最適化を予定している。
(3) 中期経営計画の進捗状況
中期経営計画初年度である2022年3月期は、売上高で期初計画比7.5%増、営業利益で同110.5%増、経常利益で同113.3%増、親会社株主に帰属する当期純利益で同107.7%増となり、売上高・各利益ともに期初計画を大きく上回って着地した。また、サブスクリプション売上が伸長した結果、リカーリングの売上比率は71.2%に向上するなど、順調に進捗している。2023年3月期は広範囲かつ積極的な投資を計画していることから減益予想であるものの、計画に対する進捗が順調であることから、2024年3月期は投資効果が表れ目標を達成する可能性が高いと見ている。加えて、市場環境が良好であること、データ・インテグレーションマーケットへの事業拡大、サブスクリプションへの戦略的シフトによる収益安定性向上などを考慮すると、同社の成長ポテンシャルは大きいと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<YM>
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