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アドバンクリエ Research Memo(3):国内最大級の保険選びサイト「保険市場」を運営(2)
配信日時:2022/07/11 16:03
配信元:FISCO
■アドバンスクリエイト<8798>の事業概要
(2) ASP事業
ASP事業では、Salesforceのクラウドサービスを活用して社内用に開発・利用してきた顧客管理システム「御用聞き」(2018年11月販売開始)や申込共通プラットフォームシステム「丁稚(DECHI)」(2019年6月販売開始)、オンラインビデオ通信システム「Dynamic OMO」(2021年3月販売開始)などを保険代理店向け等に外販する事業となる。
「御用聞き」の特徴は、クラウドサービスにより低コストで利用が可能なこと、保険業法や個人情報保護法等の関係法令に準拠しておりスムーズな顧客情報の管理・共有が可能なこと、各保険商品の手数料データの取込みと比較・分析ができること、歩合外務員の歩合率を設定する機能や報酬計算機能などを備えていることなどが挙げられる。乗合代理店では多くの保険商品を取り扱っており、保険商品ごとに手数料やインセンティブが異なるなど複雑な仕組みとなっているため、業務効率の面から利便性の高い顧客管理システムが求められており、同サービスの普及拡大が期待される。
「丁稚(DECHI)」は同社が構築する共通プラットフォームシステム「ACP (Advance Create Cloud Platform)」と保険会社の基幹システムを連携(2022年6月末で14社と連携)させることで、複数社にまたがる保険商品の申込み手続きを一度の入力で完結できるシステムとなる。入力時間の短縮と入力間違い等のミスを防ぐだけでなく、顧客の待ち時間も短縮できるなど、乗合代理店にとって生産性並びに顧客満足度の向上につながるサービスとなっている。また、「丁稚(DECHI)」は「御用聞き」を利用していない代理店でも自社のCRMシステムを「ACP」と連携することで利用可能となっている。
「Dynamic OMO」は、保険相談に特化したビデオ通信システムとして自社開発したもので、同社のオンライン保険相談の7割以上を占めるスマートフォン向けに最適化されたシステムとなっている。2020年3月以降、汎用のビデオ通信システムを活用し、トライアンドエラーを繰り返して顧客や社員の要望を反映し、汎用システムでは対応しきれなかった使い勝手の良い機能を継続的に追加実装するなど、社内で開発部門を持つ強みが生かされている。主な特長として、ブラウザでの使用が可能なこと、互いの顔をワイプ表示し保険資料の画面をメインとして複数の資料をタブで簡単に切り替え表示できるようにしたこと、顧客が資料の随意箇所を拡大表示し顧客が閲覧している箇所を募集人が把握できるズームアップ機能を取り入れたことなどが挙げられる。利用料金は、月額基本料と使用データ量に応じた従量課金を組み合わせたものとなっている。オンライン保険相談では情報セキュリティ対策を施したうえで自動録画を行っているため、コンプライアンス上の問題がないか検証することができるほか、優秀な営業担当者の商談内容を可視化して研修用として営業担当者の育成に活用できることも導入メリットとして挙げられる。
そのほか、同社の顧客に対して無償提供している証券管理アプリ「folder」の外販を2020年秋より開始している。保険商品をスマートフォンで撮影することによりクラウド上で保険証券を管理できるほか、保険契約情報の家族との共有や保障の過不足診断、年金・教育費シミュレーションなど様々な機能を実装していることが特長となっている。アプリのダウンロード件数は提供開始以降順調に拡大しており、2022年5月時点で13万件を超えている(保険証券登録数は8.1万件)。同ツールは、OMO戦略を推進していくうえで顧客との長期的な関係を構築し、保険検討時の「最初の接点」として収益機会を獲得するための有力ツールとなっており、今後もさらなる機能強化を進めていく予定だ。外販についての料金は、登録ID数のレンジごとに月額課金するビジネスモデル(サーバー費用含む)となる。
これらサービスの販売ターゲットは、提携代理店のほか複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店や保険会社となる(ビデオ通信システムについてはほかの業種でも利用可能)。保険募集人の数は国内で100万人規模となり、このうち乗合代理店が数十万人規模、同社の提携代理店だけでも5万人超の規模となる。「御用聞き」や「丁稚」の料金は月額課金制でIDごとに課金する格好となる。また、注目すべき点はこれらシステムが社内利用を目的に開発されたため、開発費負担がほとんどかからず高い収益性が期待できる点にある。ASP事業の費用としては、営業スタッフ(2022年3月時点で専属3名)の人件費と開発費の一部(外販用の機能のみ)だけとなる。コロナ禍により営業活動が制限されたこともあり、当初の想定よりは契約件数の伸びがスローとなっているが、今後新たな販売戦略を立てることで導入ペースの加速を目指していく。
(3) メディア事業
メディア事業は、保険選びサイト「保険市場」を広告媒体とした広告枠の販売となる。国内最大級の保険選びサイトとしてのブランドを確立しており、保険への関心が高い顧客層に直接アプローチできることから、広告主も保険会社や保険代理店が大半で広告単価も比較的安定している。
(4) メディアレップ事業
メディアレップ事業は、自社で蓄積してきた広告運用業務のノウハウを用いて、保険会社向けにSEO対策を中心とした広告運用サービスを行う広告代理店ビジネスとなる。2017年9月期より事業を開始して以降、年々売上規模が拡大してきたことから、2020年9月期よりメディア事業から分離して開示している。保険会社からは費用対効果の面で高い評価を受けており、同事業を展開している保険市場は、2020年4月にヤフー(株)が運営する「Yahoo!マーケティングソリューション パートナープログラム」※において、保険専業広告代理店として初の「Yahoo!マーケティングソリューション2つ星セールスパートナー」に選定され、3年連続で認定されている。また2021年9月期より、ヤフーの定める領域において、特に運用能力が高いと認められたセールスパートナーに進呈される「広告運用認定パートナー」にも認定されている(星の認定を受けたセールスパートナー約200社のうち、「広告運用認定パートナー」はわずか31社)。
※「Yahoo!マーケティングソリューション パートナープログラム」とは、「Yahoo!マーケティングソリューション パートナー」のなかで、Yahoo! JAPANの広告商品・サービスを総合的に活用し、優れた実績のあるパートナーに対して、星ごとにパートナー認定し、実績に応じて★7段階で認定しているもの。
(5) 再保険事業
再保険事業は、同社が保険代理店として獲得した保険契約の一部について、元受保険会社とAdvance Create Reinsurance inc.との間で再保険契約を結び、再保険料を得るビジネスとなる。生命保険の再保険が中心で、2022年3月末時点の契約先企業は11社(生命保険8社、損害保険2社、少額短期保険1社)となっている。ストック型のビジネスモデルであるため期初段階でほぼ年間の収入見通しが把握可能で、大規模自然災害や環境の変化によって保険会社の保険金支払い額が想定を超えて大きく増えない限りは、営業利益率で15%前後の高収益性と安定性が期待できる事業となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
(2) ASP事業
ASP事業では、Salesforceのクラウドサービスを活用して社内用に開発・利用してきた顧客管理システム「御用聞き」(2018年11月販売開始)や申込共通プラットフォームシステム「丁稚(DECHI)」(2019年6月販売開始)、オンラインビデオ通信システム「Dynamic OMO」(2021年3月販売開始)などを保険代理店向け等に外販する事業となる。
「御用聞き」の特徴は、クラウドサービスにより低コストで利用が可能なこと、保険業法や個人情報保護法等の関係法令に準拠しておりスムーズな顧客情報の管理・共有が可能なこと、各保険商品の手数料データの取込みと比較・分析ができること、歩合外務員の歩合率を設定する機能や報酬計算機能などを備えていることなどが挙げられる。乗合代理店では多くの保険商品を取り扱っており、保険商品ごとに手数料やインセンティブが異なるなど複雑な仕組みとなっているため、業務効率の面から利便性の高い顧客管理システムが求められており、同サービスの普及拡大が期待される。
「丁稚(DECHI)」は同社が構築する共通プラットフォームシステム「ACP (Advance Create Cloud Platform)」と保険会社の基幹システムを連携(2022年6月末で14社と連携)させることで、複数社にまたがる保険商品の申込み手続きを一度の入力で完結できるシステムとなる。入力時間の短縮と入力間違い等のミスを防ぐだけでなく、顧客の待ち時間も短縮できるなど、乗合代理店にとって生産性並びに顧客満足度の向上につながるサービスとなっている。また、「丁稚(DECHI)」は「御用聞き」を利用していない代理店でも自社のCRMシステムを「ACP」と連携することで利用可能となっている。
「Dynamic OMO」は、保険相談に特化したビデオ通信システムとして自社開発したもので、同社のオンライン保険相談の7割以上を占めるスマートフォン向けに最適化されたシステムとなっている。2020年3月以降、汎用のビデオ通信システムを活用し、トライアンドエラーを繰り返して顧客や社員の要望を反映し、汎用システムでは対応しきれなかった使い勝手の良い機能を継続的に追加実装するなど、社内で開発部門を持つ強みが生かされている。主な特長として、ブラウザでの使用が可能なこと、互いの顔をワイプ表示し保険資料の画面をメインとして複数の資料をタブで簡単に切り替え表示できるようにしたこと、顧客が資料の随意箇所を拡大表示し顧客が閲覧している箇所を募集人が把握できるズームアップ機能を取り入れたことなどが挙げられる。利用料金は、月額基本料と使用データ量に応じた従量課金を組み合わせたものとなっている。オンライン保険相談では情報セキュリティ対策を施したうえで自動録画を行っているため、コンプライアンス上の問題がないか検証することができるほか、優秀な営業担当者の商談内容を可視化して研修用として営業担当者の育成に活用できることも導入メリットとして挙げられる。
そのほか、同社の顧客に対して無償提供している証券管理アプリ「folder」の外販を2020年秋より開始している。保険商品をスマートフォンで撮影することによりクラウド上で保険証券を管理できるほか、保険契約情報の家族との共有や保障の過不足診断、年金・教育費シミュレーションなど様々な機能を実装していることが特長となっている。アプリのダウンロード件数は提供開始以降順調に拡大しており、2022年5月時点で13万件を超えている(保険証券登録数は8.1万件)。同ツールは、OMO戦略を推進していくうえで顧客との長期的な関係を構築し、保険検討時の「最初の接点」として収益機会を獲得するための有力ツールとなっており、今後もさらなる機能強化を進めていく予定だ。外販についての料金は、登録ID数のレンジごとに月額課金するビジネスモデル(サーバー費用含む)となる。
これらサービスの販売ターゲットは、提携代理店のほか複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店や保険会社となる(ビデオ通信システムについてはほかの業種でも利用可能)。保険募集人の数は国内で100万人規模となり、このうち乗合代理店が数十万人規模、同社の提携代理店だけでも5万人超の規模となる。「御用聞き」や「丁稚」の料金は月額課金制でIDごとに課金する格好となる。また、注目すべき点はこれらシステムが社内利用を目的に開発されたため、開発費負担がほとんどかからず高い収益性が期待できる点にある。ASP事業の費用としては、営業スタッフ(2022年3月時点で専属3名)の人件費と開発費の一部(外販用の機能のみ)だけとなる。コロナ禍により営業活動が制限されたこともあり、当初の想定よりは契約件数の伸びがスローとなっているが、今後新たな販売戦略を立てることで導入ペースの加速を目指していく。
(3) メディア事業
メディア事業は、保険選びサイト「保険市場」を広告媒体とした広告枠の販売となる。国内最大級の保険選びサイトとしてのブランドを確立しており、保険への関心が高い顧客層に直接アプローチできることから、広告主も保険会社や保険代理店が大半で広告単価も比較的安定している。
(4) メディアレップ事業
メディアレップ事業は、自社で蓄積してきた広告運用業務のノウハウを用いて、保険会社向けにSEO対策を中心とした広告運用サービスを行う広告代理店ビジネスとなる。2017年9月期より事業を開始して以降、年々売上規模が拡大してきたことから、2020年9月期よりメディア事業から分離して開示している。保険会社からは費用対効果の面で高い評価を受けており、同事業を展開している保険市場は、2020年4月にヤフー(株)が運営する「Yahoo!マーケティングソリューション パートナープログラム」※において、保険専業広告代理店として初の「Yahoo!マーケティングソリューション2つ星セールスパートナー」に選定され、3年連続で認定されている。また2021年9月期より、ヤフーの定める領域において、特に運用能力が高いと認められたセールスパートナーに進呈される「広告運用認定パートナー」にも認定されている(星の認定を受けたセールスパートナー約200社のうち、「広告運用認定パートナー」はわずか31社)。
※「Yahoo!マーケティングソリューション パートナープログラム」とは、「Yahoo!マーケティングソリューション パートナー」のなかで、Yahoo! JAPANの広告商品・サービスを総合的に活用し、優れた実績のあるパートナーに対して、星ごとにパートナー認定し、実績に応じて★7段階で認定しているもの。
(5) 再保険事業
再保険事業は、同社が保険代理店として獲得した保険契約の一部について、元受保険会社とAdvance Create Reinsurance inc.との間で再保険契約を結び、再保険料を得るビジネスとなる。生命保険の再保険が中心で、2022年3月末時点の契約先企業は11社(生命保険8社、損害保険2社、少額短期保険1社)となっている。ストック型のビジネスモデルであるため期初段階でほぼ年間の収入見通しが把握可能で、大規模自然災害や環境の変化によって保険会社の保険金支払い額が想定を超えて大きく増えない限りは、営業利益率で15%前後の高収益性と安定性が期待できる事業となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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