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萩原電気HD Research Memo(5):財務基盤は安定、手元の現金及び預金は85億円と豊富(1)
配信日時:2022/06/28 15:05
配信元:FISCO
■業績動向
(2) 財務状況
萩原電気ホールディングス<7467>の2022年3月期末の財務状況は、流動資産は76,729百万円(前期末比8,975百万円増)となったが、主に現金及び預金の減少1,207百万円、受取手形・売掛金及び契約資産(電子記録債権を含む)の減少4,126百万円、棚卸資産の増加12,068百万円などによる※。固定資産は5,753百万円(同164百万円増)となったが、主に有形固定資産の減少37百万円、無形固定資産の増加57百万円、投資その他の資産の増加145百万円による。この結果、2022年3月期末の資産合計は82,482百万円(同9,140百万円増)となった。
※棚卸資産が大きく増加した要因としては、デバイス事業において、自動車生産の計画に対する生産調整に伴う在庫増及び将来の売上高増及び半導体供給不足への対応として在庫を増やしたこと、ソリューション事業において、主に部材供給不足に備えて原材料在庫を増やしたことによるものであることから、将来に備えての前向きな在庫増と言える。
一方で、負債合計は43,113百万円(前期末比6,824百万円増)となったが、これは主に流動負債のうち、支払手形及び買掛金(電子記録債権を含む)の増加544百万円、短期借入金等の増加3,106百万円、固定負債のうち、長期借入金の増加1,375百万円などによる。なお長短借入金が増加したのは、上記の在庫増に伴うものである。純資産合計は39,369百万円(同2,316百万円増)となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加2,053百万円などによる。この結果、2022年3月期末の自己資本比率は45.2%(前期末は47.7%)となった。
(3) キャッシュ・フローの状況
2022年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは4,905百万円の支出となった。主な収入科目は、税金等調整前当期純利益の計上4,403百万円、減価償却費282百万円、売上債権の減少4,219百万円、仕入債務の増加544百万円など。主な支出科目は、棚卸資産の増加12,067百万円などとなっている。
投資活動によるキャッシュ・フローは、特に大きな投資等がなかったことから171百万円の支出となった。財務活動によるキャッシュ・フローは3,564百万円の収入だったが、主な収入科目は長短借入金の増加(ネット)4,480百万円、主な支出科目は配当金の支払額796百万円などとなっている。この結果、現金及び現金同等物は1,207百万円の減少となり、2022年3月期末残高は8,506百万円となった。
2. 2022年3月期のセグメント別状況
(1) デバイス事業
売上高は134,661百万円(前期比27.2%増)、営業利益は2,663百万円(同23.1%増)、営業利益率は2.0%(前期は2.0%)となった。
得意先の自動車生産台数が大きく回復したことにより売上高は大幅な増収となり、それに伴い営業利益も回復したが、営業利益率は横ばいだった。これは主に、液晶関連など新商材の拡販に注力していることによる。これらの新商材は競争も激しく経費もかかることから、従来品に比べて利益率が低くなるためだ。同社の方針としては、従来品を伸ばすと同時に新商材にも注力することから利益率自体は低下するものの、セグメント利益の増加を目指すとしている。また、引き続き成長を目的とした人材や新規ビジネスへの先行的な投資を継続していること、物流費が増加したこと、商流移管に伴う補償金の増加があったことなども利益率低下の要因となっている。
a) デバイス事業:得意先別売上高
デバイス事業における得意先別売上高では、デンソー向け75,685百万円(前期比8.5%増)、東海理化<6995>向け4,293百万円(同7.2%増)、トヨタ自動車向け1,623百万円(同34.9%減)、その他19,850百万円(同66.7%増)、海外拠点得意先33,208百万円(同87.0%増)となった。
その他及び海外拠点得意先が大きく増加した要因は、デンソーグループ内での商流変更に伴うもので、トヨタ自動車向けが減少したのも同様の理由(トヨタ自動車の広瀬工場向けがデンソーの広瀬製作所に振り替わったため)による。また、その他では特に(株)デンソーテン向けが商流変更により大きく増加した。
b) デバイス事業:地域別売上高
デバイス事業における地域別売上高は、日本101,453百万円(構成比75.3%、前期比15.1%増)、アジア15,553百万円(同11.6%、同133.8%増)、アメリカ14,173百万円(同10.5%、同47.8%増)、欧州3,480百万円(同2.6%、同130.3%増)となった。この結果、海外売上高は33,208百万円(同24.7%、同87.0%増)となり、デバイス事業全体の成長に大きく貢献した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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(2) 財務状況
萩原電気ホールディングス<7467>の2022年3月期末の財務状況は、流動資産は76,729百万円(前期末比8,975百万円増)となったが、主に現金及び預金の減少1,207百万円、受取手形・売掛金及び契約資産(電子記録債権を含む)の減少4,126百万円、棚卸資産の増加12,068百万円などによる※。固定資産は5,753百万円(同164百万円増)となったが、主に有形固定資産の減少37百万円、無形固定資産の増加57百万円、投資その他の資産の増加145百万円による。この結果、2022年3月期末の資産合計は82,482百万円(同9,140百万円増)となった。
※棚卸資産が大きく増加した要因としては、デバイス事業において、自動車生産の計画に対する生産調整に伴う在庫増及び将来の売上高増及び半導体供給不足への対応として在庫を増やしたこと、ソリューション事業において、主に部材供給不足に備えて原材料在庫を増やしたことによるものであることから、将来に備えての前向きな在庫増と言える。
一方で、負債合計は43,113百万円(前期末比6,824百万円増)となったが、これは主に流動負債のうち、支払手形及び買掛金(電子記録債権を含む)の増加544百万円、短期借入金等の増加3,106百万円、固定負債のうち、長期借入金の増加1,375百万円などによる。なお長短借入金が増加したのは、上記の在庫増に伴うものである。純資産合計は39,369百万円(同2,316百万円増)となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加2,053百万円などによる。この結果、2022年3月期末の自己資本比率は45.2%(前期末は47.7%)となった。
(3) キャッシュ・フローの状況
2022年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは4,905百万円の支出となった。主な収入科目は、税金等調整前当期純利益の計上4,403百万円、減価償却費282百万円、売上債権の減少4,219百万円、仕入債務の増加544百万円など。主な支出科目は、棚卸資産の増加12,067百万円などとなっている。
投資活動によるキャッシュ・フローは、特に大きな投資等がなかったことから171百万円の支出となった。財務活動によるキャッシュ・フローは3,564百万円の収入だったが、主な収入科目は長短借入金の増加(ネット)4,480百万円、主な支出科目は配当金の支払額796百万円などとなっている。この結果、現金及び現金同等物は1,207百万円の減少となり、2022年3月期末残高は8,506百万円となった。
2. 2022年3月期のセグメント別状況
(1) デバイス事業
売上高は134,661百万円(前期比27.2%増)、営業利益は2,663百万円(同23.1%増)、営業利益率は2.0%(前期は2.0%)となった。
得意先の自動車生産台数が大きく回復したことにより売上高は大幅な増収となり、それに伴い営業利益も回復したが、営業利益率は横ばいだった。これは主に、液晶関連など新商材の拡販に注力していることによる。これらの新商材は競争も激しく経費もかかることから、従来品に比べて利益率が低くなるためだ。同社の方針としては、従来品を伸ばすと同時に新商材にも注力することから利益率自体は低下するものの、セグメント利益の増加を目指すとしている。また、引き続き成長を目的とした人材や新規ビジネスへの先行的な投資を継続していること、物流費が増加したこと、商流移管に伴う補償金の増加があったことなども利益率低下の要因となっている。
a) デバイス事業:得意先別売上高
デバイス事業における得意先別売上高では、デンソー向け75,685百万円(前期比8.5%増)、東海理化<6995>向け4,293百万円(同7.2%増)、トヨタ自動車向け1,623百万円(同34.9%減)、その他19,850百万円(同66.7%増)、海外拠点得意先33,208百万円(同87.0%増)となった。
その他及び海外拠点得意先が大きく増加した要因は、デンソーグループ内での商流変更に伴うもので、トヨタ自動車向けが減少したのも同様の理由(トヨタ自動車の広瀬工場向けがデンソーの広瀬製作所に振り替わったため)による。また、その他では特に(株)デンソーテン向けが商流変更により大きく増加した。
b) デバイス事業:地域別売上高
デバイス事業における地域別売上高は、日本101,453百万円(構成比75.3%、前期比15.1%増)、アジア15,553百万円(同11.6%、同133.8%増)、アメリカ14,173百万円(同10.5%、同47.8%増)、欧州3,480百万円(同2.6%、同130.3%増)となった。この結果、海外売上高は33,208百万円(同24.7%、同87.0%増)となり、デバイス事業全体の成長に大きく貢献した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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