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ミライノベート Research Memo(4):2022年3月期は投資事業で損失計上したものの6期振りに営業利益を計上
配信日時:2022/06/09 15:14
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2022年3月期業績
ミライノベート<3528>の2022年3月期の連結業績は、売上高7,243百万円(前期比31.1%減)、営業利益11百万円(前期は395百万円の損失)、経常利益106百万円(同586百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益1,415百万円(同55百万円の利益)となった。
2022年3月期決算で特筆すべきは、本業の儲けを示す営業損益で利益を計上した点だ。ここ数年は、営業損失を計上しながら、営業外収益や特別利益でそれを補うパターンが続いていたが、2022年3月期は本業で利益を計上した。しかも、投資事業でマイナスの売上高及び営業損失を計上しながらも、全体の収益では営業利益を確保した点は注目に値する。2020年6月に経営陣が入れ替わり、事業集約及びバランスシートの適正化を進めた成果が出ていると言えそうだ。
セグメント別では、不動産事業、再生可能エネルギー事業で営業利益を計上したが、投資事業では保有有価証券の時価が下落したことにより評価損を計上したことから営業損失を計上した。また、全社費用が減少したことも営業損益改善に寄与している。営業外損益では、匿名組合投資利益126百万円(前期は同87百万円)を計上したことなどから、経常利益は営業利益を上回った。さらに関係会社出資金売却益(主に成田神崎プロジェクト)704百万円や投資有価証券売却益857百万円を特別利益として計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は1,415百万円と大幅な増益となった。
2. セグメント別状況
(1) 不動産事業
既述のとおり2021年3月期からセグメント変更を行い、変更前の不動産販売事業(マンション分譲、土地建物、注文住宅)及び不動産賃貸事業と、株式交換により完全子会社化したグローベルスが営んでいる戸建住宅の販売及び商業施設建築事業を集約し、不動産事業に変更した。2022年3月期の不動産事業の売上高は7,333百万円(前期比16.3%減)となったが、高採算の物件を販売できたことから、セグメント利益は1,056百万円(前期は313百万円の損失)と大きく改善した。
マンション分譲では、「グローベル横濱大通り公園南」(全28戸)を竣工した(前期は3棟、96戸の竣工)。販売状況については、66戸、2,611百万円の新規契約(同99戸、3,685百万円)を行い、前期契約分を含め64戸を引渡した。これらの結果、売上高は2,547百万円となった(同100戸、3,730百万円)。
注文住宅では、59棟、1,548百万円の新規契約(前期は59棟、1,578百万円)を行い、前期契約分を含めて60棟を引き渡した。この結果、収益認識会計基準等の適用による増加を含めて、売上高※は1,931百万円となった(同54戸、1,872百万円)。
※注文住宅の売上高にはリフォーム工事等を含む。
戸建分譲は、4棟、268百万円の新規契約(前期は13棟、1,486百万円)を行い、5棟を引渡した。この結果、売上高※は321百万円となった(同18棟、864百万円)。
※戸建分譲の売上高には附帯する手数料収入等を含む。
商業用施設建築の契約実績はなく、売上高は44百万円となった(前期の契約実績は7件、156百万円で、売上高は376百万円)。
その他では、建物の一棟販売やマンション・戸建用地等の宅地販売、自社所有不動産の賃貸等を行っており、売上高は2,488百万円となった(前期は1,914百万円)。
トピックとしては、商業用施設の設計・施工、不動産賃貸、不動産投資型クラウドファンディング「大家どっとこむ」の運営など、総合不動産企業として幅広いサービスの提供を開始した。2022年3月期は31案件、1,141百万円を募集し、大多数の案件で早期期間にて満額成立した。
(2) 再生可能エネルギー事業
自社または合同で運営する太陽光発電設備で発電した電気を電力会社に販売する太陽光発電事業と、ロシアでの木質ペレット製造等を行うバイオマス発電事業からなり、売上高は757百万円(前期比44.6%減)、セグメント利益は311百万円(同29.6%減)となった。
太陽光発電においては、成田神崎プロジェクトを2021年6月に売却したことから減収減益となった。なお、2022年3月期末の稼働数は9ヶ所、そのうち出資のみが2ヶ所となり同社持分の発電容量は45.45MWとなった。
バイオマス発電事業は営業外損益(持分法による投資損益)として業績に寄与するが、2022年3月期は123百万円の損失(前期は373百万円の損失)を計上した。通年ではまだ損失を計上しているものの、損失幅は縮小してきている。なお現時点において、工場は正常に稼働し製品出荷も行われていることから、ロシアによるウクライナ侵攻の影響は今のところ出ていないようだ。
(3) 投資事業
保有有価証券の時価が下落したことから評価損を計上し、売上高はマイナス847百万円(前期は384百万円の売上高計上)、セグメント損失は847百万円(同197百万円の利益)となった。新たな試みとして、2021年9月に不動産投資型クラウドファンディング専用のポータルサイト「CRAMO」※を開設するなど、収益機会の増加を図っている。
※「CRAMO」は、2022年4月からグローベルスが運営している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 2022年3月期業績
ミライノベート<3528>の2022年3月期の連結業績は、売上高7,243百万円(前期比31.1%減)、営業利益11百万円(前期は395百万円の損失)、経常利益106百万円(同586百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益1,415百万円(同55百万円の利益)となった。
2022年3月期決算で特筆すべきは、本業の儲けを示す営業損益で利益を計上した点だ。ここ数年は、営業損失を計上しながら、営業外収益や特別利益でそれを補うパターンが続いていたが、2022年3月期は本業で利益を計上した。しかも、投資事業でマイナスの売上高及び営業損失を計上しながらも、全体の収益では営業利益を確保した点は注目に値する。2020年6月に経営陣が入れ替わり、事業集約及びバランスシートの適正化を進めた成果が出ていると言えそうだ。
セグメント別では、不動産事業、再生可能エネルギー事業で営業利益を計上したが、投資事業では保有有価証券の時価が下落したことにより評価損を計上したことから営業損失を計上した。また、全社費用が減少したことも営業損益改善に寄与している。営業外損益では、匿名組合投資利益126百万円(前期は同87百万円)を計上したことなどから、経常利益は営業利益を上回った。さらに関係会社出資金売却益(主に成田神崎プロジェクト)704百万円や投資有価証券売却益857百万円を特別利益として計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は1,415百万円と大幅な増益となった。
2. セグメント別状況
(1) 不動産事業
既述のとおり2021年3月期からセグメント変更を行い、変更前の不動産販売事業(マンション分譲、土地建物、注文住宅)及び不動産賃貸事業と、株式交換により完全子会社化したグローベルスが営んでいる戸建住宅の販売及び商業施設建築事業を集約し、不動産事業に変更した。2022年3月期の不動産事業の売上高は7,333百万円(前期比16.3%減)となったが、高採算の物件を販売できたことから、セグメント利益は1,056百万円(前期は313百万円の損失)と大きく改善した。
マンション分譲では、「グローベル横濱大通り公園南」(全28戸)を竣工した(前期は3棟、96戸の竣工)。販売状況については、66戸、2,611百万円の新規契約(同99戸、3,685百万円)を行い、前期契約分を含め64戸を引渡した。これらの結果、売上高は2,547百万円となった(同100戸、3,730百万円)。
注文住宅では、59棟、1,548百万円の新規契約(前期は59棟、1,578百万円)を行い、前期契約分を含めて60棟を引き渡した。この結果、収益認識会計基準等の適用による増加を含めて、売上高※は1,931百万円となった(同54戸、1,872百万円)。
※注文住宅の売上高にはリフォーム工事等を含む。
戸建分譲は、4棟、268百万円の新規契約(前期は13棟、1,486百万円)を行い、5棟を引渡した。この結果、売上高※は321百万円となった(同18棟、864百万円)。
※戸建分譲の売上高には附帯する手数料収入等を含む。
商業用施設建築の契約実績はなく、売上高は44百万円となった(前期の契約実績は7件、156百万円で、売上高は376百万円)。
その他では、建物の一棟販売やマンション・戸建用地等の宅地販売、自社所有不動産の賃貸等を行っており、売上高は2,488百万円となった(前期は1,914百万円)。
トピックとしては、商業用施設の設計・施工、不動産賃貸、不動産投資型クラウドファンディング「大家どっとこむ」の運営など、総合不動産企業として幅広いサービスの提供を開始した。2022年3月期は31案件、1,141百万円を募集し、大多数の案件で早期期間にて満額成立した。
(2) 再生可能エネルギー事業
自社または合同で運営する太陽光発電設備で発電した電気を電力会社に販売する太陽光発電事業と、ロシアでの木質ペレット製造等を行うバイオマス発電事業からなり、売上高は757百万円(前期比44.6%減)、セグメント利益は311百万円(同29.6%減)となった。
太陽光発電においては、成田神崎プロジェクトを2021年6月に売却したことから減収減益となった。なお、2022年3月期末の稼働数は9ヶ所、そのうち出資のみが2ヶ所となり同社持分の発電容量は45.45MWとなった。
バイオマス発電事業は営業外損益(持分法による投資損益)として業績に寄与するが、2022年3月期は123百万円の損失(前期は373百万円の損失)を計上した。通年ではまだ損失を計上しているものの、損失幅は縮小してきている。なお現時点において、工場は正常に稼働し製品出荷も行われていることから、ロシアによるウクライナ侵攻の影響は今のところ出ていないようだ。
(3) 投資事業
保有有価証券の時価が下落したことから評価損を計上し、売上高はマイナス847百万円(前期は384百万円の売上高計上)、セグメント損失は847百万円(同197百万円の利益)となった。新たな試みとして、2021年9月に不動産投資型クラウドファンディング専用のポータルサイト「CRAMO」※を開設するなど、収益機会の増加を図っている。
※「CRAMO」は、2022年4月からグローベルスが運営している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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