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急ピッチの上昇の反動から利食い売り先行も底堅い値動きに【クロージング】

配信日時:2021/11/02 15:59 配信元:FISCO
2日の日経平均は反落。126.18円安の29520.90円(出来高概算11億8000万株)で取引を終えた。前日に大きく上昇した反動から主力株中心に利益確定の売りが先行して始まり、寄り付き直後に一時29458.27円まで水準を切り下げた。ただし、経済対策への期待感が売り込む向きも限られた。後場半ばには29457.18円と若干ながら日中安値を更新する場面もみられたものの、概ね29500円を挟んだ底堅さは意識されていた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が1500を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、空運、海運、繊維製品、電気機器の4業種が上昇。一方、保険の下落が2%を超えたほか、証券・商品先物、非鉄金属、鉄鋼、その他金融など29業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、TDK<6762>、京セラ<6971>、ファーストリテ<9983>、ネクソン<3659>、リクルートHD<6098>が堅調だった半面、KDDI<9433>、ダイキン<6367>、テルモ<4543>、オリンパス<7733>、協和キリン<4151>が軟化した。

前日の米国市場はテスラ株の急騰や良好な経済指標などを背景に主要株価指数はそろって過去最高値を更新した。ただし、東京市場は前日に大幅高を演じただけに、米国株高はあまり材料視されず利益確定売りが先行して始まった。一方、岸田首相が前日の記者会見で、大型経済対策の月内取りまとめを表明したほか、「政府が新型コロナの水際対策を緩和する検討に入った」と一部で伝わり、経済政策への期待から押し目買いが入ったほか、旅客需要回復への思惑から空運株が値を上げたことから、相場を下支えしていた。

日経平均は反落したものの、全般としては底堅い印象を受ける。企業の決算発表も本格化するなか。好業績銘柄への資金シフトも続いており、相場の先行きは明るいとみる投資家も増え始めている。しかし、日経平均が再び3万円の大台を突破していくためには、「岸田政権が海外勢に大きく評価されるような改革策を打ち出せるかにかかっている」との指摘も聞かれ、月内にまとまる予定の経済対策の内容などを見極める必要がありそうだ。このため、目先は決算を受けた選別物色の色彩が一段と強まりそうだ。

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