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サイバネット Research Memo(6):無借金経営で金融資産は140億円超と財務基盤は盤石
配信日時:2021/10/29 15:36
配信元:FISCO
■サイバネットシステム<4312>の業績動向
2. 財務状況
2020年6月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,306百万円増加の23,548百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では受取手形及び売掛金が1,183百万円増加した。また、親会社である富士ソフト向けの短期貸付金(キャッシュ・マネジメント・システムによる取引)が1,149百万円、有価証券が500百万円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が1,655百万円増加し、これらを合計した金融資産は前期末比5百万円増加の14,894百万円となった。一方で、固定資産は、基幹業務システムの導入に伴い無形固定資産が105百万円増加し、投資その他の資産が57百万円減少した。
負債合計は前期末比118百万円増加の7,881百万円となった。流動負債で、買掛金や未払法人税等が増加したことが主因となっている。また、純資産合計は前期末比1,187百万円増加の15,667百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により利益剰余金が970百万円増加したほか、円安の進展に伴い為替換算調整勘定が138百万円増加した。
経営指標を見ると、自己資本比率で65.4%と60%を超える水準で推移しているほか、無借金経営で金融資産が140億円を超える水準となるなど、財務内容は極めて良好な状況にあると判断される。今後は、潤沢な金融資産を使ってどのように収益成長につなげていくことができるかが課題となる。
2021年12月期業績はSynopsysとの代理店契約解消の影響もあり増収減益見通しに
3. 2021年12月期業績見通し
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比1.8%増の22,056百万円、営業利益で同14.1%減の2,472百万円、経常利益で同13.3%減の2,462百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同1.6%減の1,536百万円となる見通しである。主要取引先であるSynopsysとの代理店契約を2021年10月1日付で終了した影響により、期初計画からそれぞれ見通しを引き下げている。
Synopsys関連の売上高は2020年12月期で4,657百万円、連結売上高に占める割合は21.5%とAnsysに次ぐ売上規模となっている。利益率も全社平均並みの水準だったと見られる。同製品の売上高はライセンス更新時期が集中する第2四半期に偏重しているため、当第4四半期の売上高への影響額は数億円程度にとどまる見通しで、本格的な影響が出るのは2022年12月期となる。同社では対策として、10月2日よりAnsysと光学系CAEソフト※に関する新たな代理店契約を締結しており、従来のSynopsys製品の顧客企業に対してリプレースを提案していく方針となっている。Synopsys製品は国内でもトップシェアの製品であったことからリプレースは容易ではないが、同社が35年以上にわたって培ってきた経験と技術に基づくソリューション力を強みとしてリプレースを進めていくほか、新規顧客の獲得にも取り組んでいく。また、Synopsys製品以外の取扱製品や自社開発製品の拡販、並びにエンジニアリングサービスやクラウド・セキュリティソリューションに注力していくことで、Synopsysとの代理店契約解消に伴うマイナス影響を最小限に食い止めていく方針となっている。
※次元光学解析ソフトウェア「Ansys Speos®」、VRソリューション「Ansys VRXPERIENCETM」、フォトニクス解析ソフトウェア「Ansys Lumerical」の取り扱いを開始した。
売上高が増加するにもかかわらず減益となっているのは、2020年12月期にコロナ禍の影響で減少した旅費交通費や広告宣伝費等の増加を下期に見込んでいるほか、前期に海外子会社で計上した補助金を見込んでいないことが主因となる。また、今後の成長基盤を構築していくための人材投資やシステム投資等を実行していくことも一因だ。第2四半期までの営業利益の進捗率は90.6%と高水準となっており、通期計画の達成は可能と弊社では見ている。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に計上した特別損失425百万円が大幅に減少するため、減益率は小幅にとどまる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 財務状況
2020年6月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,306百万円増加の23,548百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では受取手形及び売掛金が1,183百万円増加した。また、親会社である富士ソフト向けの短期貸付金(キャッシュ・マネジメント・システムによる取引)が1,149百万円、有価証券が500百万円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が1,655百万円増加し、これらを合計した金融資産は前期末比5百万円増加の14,894百万円となった。一方で、固定資産は、基幹業務システムの導入に伴い無形固定資産が105百万円増加し、投資その他の資産が57百万円減少した。
負債合計は前期末比118百万円増加の7,881百万円となった。流動負債で、買掛金や未払法人税等が増加したことが主因となっている。また、純資産合計は前期末比1,187百万円増加の15,667百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により利益剰余金が970百万円増加したほか、円安の進展に伴い為替換算調整勘定が138百万円増加した。
経営指標を見ると、自己資本比率で65.4%と60%を超える水準で推移しているほか、無借金経営で金融資産が140億円を超える水準となるなど、財務内容は極めて良好な状況にあると判断される。今後は、潤沢な金融資産を使ってどのように収益成長につなげていくことができるかが課題となる。
2021年12月期業績はSynopsysとの代理店契約解消の影響もあり増収減益見通しに
3. 2021年12月期業績見通し
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比1.8%増の22,056百万円、営業利益で同14.1%減の2,472百万円、経常利益で同13.3%減の2,462百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同1.6%減の1,536百万円となる見通しである。主要取引先であるSynopsysとの代理店契約を2021年10月1日付で終了した影響により、期初計画からそれぞれ見通しを引き下げている。
Synopsys関連の売上高は2020年12月期で4,657百万円、連結売上高に占める割合は21.5%とAnsysに次ぐ売上規模となっている。利益率も全社平均並みの水準だったと見られる。同製品の売上高はライセンス更新時期が集中する第2四半期に偏重しているため、当第4四半期の売上高への影響額は数億円程度にとどまる見通しで、本格的な影響が出るのは2022年12月期となる。同社では対策として、10月2日よりAnsysと光学系CAEソフト※に関する新たな代理店契約を締結しており、従来のSynopsys製品の顧客企業に対してリプレースを提案していく方針となっている。Synopsys製品は国内でもトップシェアの製品であったことからリプレースは容易ではないが、同社が35年以上にわたって培ってきた経験と技術に基づくソリューション力を強みとしてリプレースを進めていくほか、新規顧客の獲得にも取り組んでいく。また、Synopsys製品以外の取扱製品や自社開発製品の拡販、並びにエンジニアリングサービスやクラウド・セキュリティソリューションに注力していくことで、Synopsysとの代理店契約解消に伴うマイナス影響を最小限に食い止めていく方針となっている。
※次元光学解析ソフトウェア「Ansys Speos®」、VRソリューション「Ansys VRXPERIENCETM」、フォトニクス解析ソフトウェア「Ansys Lumerical」の取り扱いを開始した。
売上高が増加するにもかかわらず減益となっているのは、2020年12月期にコロナ禍の影響で減少した旅費交通費や広告宣伝費等の増加を下期に見込んでいるほか、前期に海外子会社で計上した補助金を見込んでいないことが主因となる。また、今後の成長基盤を構築していくための人材投資やシステム投資等を実行していくことも一因だ。第2四半期までの営業利益の進捗率は90.6%と高水準となっており、通期計画の達成は可能と弊社では見ている。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に計上した特別損失425百万円が大幅に減少するため、減益率は小幅にとどまる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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