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クリレスHD Research Memo(1):22年2月期上期はコロナ禍継続でも計画を大きく上回る増益(黒字転換)達成
配信日時:2021/10/22 15:11
配信元:FISCO
■要約
1. 会社概要
クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、ショッピングセンター内のレストラン及びフードコートの運営を主力とするとともに、M&Aにより獲得した居酒屋業態や飲食店業態も展開している。集客力の高い立地へのこだわりとそれぞれの立地環境(地域特性や顧客属性、競合状況等)に見合った業態の組み合わせによるマルチブランド・マルチロケーション戦略に特徴があり、それが同社の主力事業を支えてきた。2021年8月末現在の店舗数は約250業態で1,060店舗※となっている。また、過去数年においては、積極的なM&Aを通じて成長性のある業態を同社の成長に取り込む「グループ連邦経営」を推進してきた。足元では新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による影響が継続し、外食業界に影を落としているが、徹底したコストコントロールを通じた収益体質の強化等により、早期回復と環境変化への対応を図る方針である。
※業務受託店舗、FC店舗のすべてを含む(以下、同様)。
2. 2022年2月期上期決算の概要
2022年2月期上期の業績(IFRS基準)は、売上収益が前年同期比7.7%増の34,493百万円、営業利益が7,314百万円(前年同期※1は9,760百万円の損失)と、コロナ禍が継続するなかでも、計画を上回る大幅な増益(黒字転換)となった。重視する調整後EBITDA※2についても、15,121百万円のプラスとなり、コロナ禍前の水準をも上回る状況となっている。売上収益は、相次ぐ緊急事態宣言の発出に伴う時短営業や休業等により居酒屋業態を中心とする「SFPカテゴリー」が大きく下振れたものの、郊外SCが好調であった「CRカテゴリー」の上振れや「海外カテゴリー」の回復によりカバーしたほか、「専門ブランドカテゴリー」についても、日常ブランド(ベーカリーやそば・つけめん業態等)の貢献によりほぼ計画どおりに推移した。一方、損益面では、徹底した固定費削減(人件費の削減等)により筋肉質なコスト構造への転換が完了したことに加え、当初見込みを超えた時短営業協力金・雇用調整助成金※3等の下支えもあり、大幅な増益(黒字転換)を達成することができた。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進プロジェクトやグループの購買企画機能を担う新会社の設立など、将来を見据えた取り組みでも一定の成果をあげている。
※1 前期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前年同期の関連する連結経営成績について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させている。
※2 営業利益+その他の営業費用−その他の営業収益(協賛金収入、雇用調整助成金及び賃料減免分等を除く)+減価償却費+非経常的費用項目
※3 緊急事態宣言の発出に伴う時短営業や休業要請に応じた事業者に対し、各自治体から支給される協力金のこと。また、「雇用調整助成金」は、コロナ禍の影響により事業活動の縮小を余儀なくされた企業の従業員の雇用維持を図るために、休業を実施する企業に対して政府から休業手当などの一部を助成するものである。
3. 2022年2月期の業績見通し
2022年2月期の業績予想について同社は、緊急事態宣言の発出による影響等を踏まえ、期初予想から2回の業績修正(いずれも売上収益を減額修正する一方、利益面では大幅な増額修正)を実施した。その結果、売上収益は前期比22.5%増の91,200百万円、営業利益は10,800百万円(前期は14,181百万円の損失)と、売上収益の一定の回復や時短営業協力金等の寄与により、通期でも大幅な増益(黒字転換)となる見通しである。売上収益を減額修正したのは、緊急事態宣言の発出等に伴う時短営業及び休業等の影響を反映したことが理由である。もっとも、段階的な回復を見込んでいた期初の想定と比べて、回復ペースが後ろ倒しにはなるものの、行動規制の緩和等により、第4四半期には回復に向かうシナリオを見込んでいる。一方、利益面を増額修正したのは、前期から取り組んできた筋肉質な経営体制の強化が奏功していることや、時短営業協力金等の見込み額が増加することが理由である。
4. 今後の方向性
同社は2021年7月14日付けで3ヶ年の中期経営計画を公表した。1)アフターコロナを見据えたポートフォリオの見直し、2)グループ連邦経営の更なる進化、3)DX推進による生産性の向上・人財不足への対応、を成長戦略の3本の柱に位置付け、「食を通じて、ステークホルダーに対し、『豊かさ』を提供し続ける企業グループ」を目指していく方向性である。最終年度である2024年2月期の業績目標として、売上収益141,500百万円、営業利益10,800百万円、調整後EBITDA 28,700百万円を掲げており、今期(2022年2月期)は基礎収益力強化期間として基盤整備に注力するものの、来期(2023年2月期)からは30店舗の新規出店等により、成長軌道に回帰させるシナリオを描いている。また、同月19日付けで、財務基盤の一層の拡充及び成長資金の確保を目的として、200億円を上限とする新株式発行登録(発行予定期間は1年間)を行った。
■Key Points
・2022年2月期上期の業績は、コロナ禍が続くなかでも計画を上回る大幅な増益(黒字転換)を達成
・それに伴って、2022年2月期の通期利益予想についても大幅に増額修正
・7月14日付けで中期経営計画を公表。環境変化を見据えた成長戦略により、持続的な成長軌道へ回帰させるシナリオ
・財務基盤の一層の拡充及び成長資金の確保を目的として、200億円を上限とする新株式発行登録を実施
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 会社概要
クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、ショッピングセンター内のレストラン及びフードコートの運営を主力とするとともに、M&Aにより獲得した居酒屋業態や飲食店業態も展開している。集客力の高い立地へのこだわりとそれぞれの立地環境(地域特性や顧客属性、競合状況等)に見合った業態の組み合わせによるマルチブランド・マルチロケーション戦略に特徴があり、それが同社の主力事業を支えてきた。2021年8月末現在の店舗数は約250業態で1,060店舗※となっている。また、過去数年においては、積極的なM&Aを通じて成長性のある業態を同社の成長に取り込む「グループ連邦経営」を推進してきた。足元では新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による影響が継続し、外食業界に影を落としているが、徹底したコストコントロールを通じた収益体質の強化等により、早期回復と環境変化への対応を図る方針である。
※業務受託店舗、FC店舗のすべてを含む(以下、同様)。
2. 2022年2月期上期決算の概要
2022年2月期上期の業績(IFRS基準)は、売上収益が前年同期比7.7%増の34,493百万円、営業利益が7,314百万円(前年同期※1は9,760百万円の損失)と、コロナ禍が継続するなかでも、計画を上回る大幅な増益(黒字転換)となった。重視する調整後EBITDA※2についても、15,121百万円のプラスとなり、コロナ禍前の水準をも上回る状況となっている。売上収益は、相次ぐ緊急事態宣言の発出に伴う時短営業や休業等により居酒屋業態を中心とする「SFPカテゴリー」が大きく下振れたものの、郊外SCが好調であった「CRカテゴリー」の上振れや「海外カテゴリー」の回復によりカバーしたほか、「専門ブランドカテゴリー」についても、日常ブランド(ベーカリーやそば・つけめん業態等)の貢献によりほぼ計画どおりに推移した。一方、損益面では、徹底した固定費削減(人件費の削減等)により筋肉質なコスト構造への転換が完了したことに加え、当初見込みを超えた時短営業協力金・雇用調整助成金※3等の下支えもあり、大幅な増益(黒字転換)を達成することができた。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進プロジェクトやグループの購買企画機能を担う新会社の設立など、将来を見据えた取り組みでも一定の成果をあげている。
※1 前期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前年同期の関連する連結経営成績について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させている。
※2 営業利益+その他の営業費用−その他の営業収益(協賛金収入、雇用調整助成金及び賃料減免分等を除く)+減価償却費+非経常的費用項目
※3 緊急事態宣言の発出に伴う時短営業や休業要請に応じた事業者に対し、各自治体から支給される協力金のこと。また、「雇用調整助成金」は、コロナ禍の影響により事業活動の縮小を余儀なくされた企業の従業員の雇用維持を図るために、休業を実施する企業に対して政府から休業手当などの一部を助成するものである。
3. 2022年2月期の業績見通し
2022年2月期の業績予想について同社は、緊急事態宣言の発出による影響等を踏まえ、期初予想から2回の業績修正(いずれも売上収益を減額修正する一方、利益面では大幅な増額修正)を実施した。その結果、売上収益は前期比22.5%増の91,200百万円、営業利益は10,800百万円(前期は14,181百万円の損失)と、売上収益の一定の回復や時短営業協力金等の寄与により、通期でも大幅な増益(黒字転換)となる見通しである。売上収益を減額修正したのは、緊急事態宣言の発出等に伴う時短営業及び休業等の影響を反映したことが理由である。もっとも、段階的な回復を見込んでいた期初の想定と比べて、回復ペースが後ろ倒しにはなるものの、行動規制の緩和等により、第4四半期には回復に向かうシナリオを見込んでいる。一方、利益面を増額修正したのは、前期から取り組んできた筋肉質な経営体制の強化が奏功していることや、時短営業協力金等の見込み額が増加することが理由である。
4. 今後の方向性
同社は2021年7月14日付けで3ヶ年の中期経営計画を公表した。1)アフターコロナを見据えたポートフォリオの見直し、2)グループ連邦経営の更なる進化、3)DX推進による生産性の向上・人財不足への対応、を成長戦略の3本の柱に位置付け、「食を通じて、ステークホルダーに対し、『豊かさ』を提供し続ける企業グループ」を目指していく方向性である。最終年度である2024年2月期の業績目標として、売上収益141,500百万円、営業利益10,800百万円、調整後EBITDA 28,700百万円を掲げており、今期(2022年2月期)は基礎収益力強化期間として基盤整備に注力するものの、来期(2023年2月期)からは30店舗の新規出店等により、成長軌道に回帰させるシナリオを描いている。また、同月19日付けで、財務基盤の一層の拡充及び成長資金の確保を目的として、200億円を上限とする新株式発行登録(発行予定期間は1年間)を行った。
■Key Points
・2022年2月期上期の業績は、コロナ禍が続くなかでも計画を上回る大幅な増益(黒字転換)を達成
・それに伴って、2022年2月期の通期利益予想についても大幅に増額修正
・7月14日付けで中期経営計画を公表。環境変化を見据えた成長戦略により、持続的な成長軌道へ回帰させるシナリオ
・財務基盤の一層の拡充及び成長資金の確保を目的として、200億円を上限とする新株式発行登録を実施
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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