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LeTech Research Memo(8):2024年7月期に売上高19,833百万円、経常利益711百万円を目指す
配信日時:2021/10/19 16:08
配信元:FISCO
■成長戦略
1. 中期経営計画の概要
LeTech<3497>は、経営基盤の強化と企業価値の向上及び不動産テック企業としての地位の確立を目指す中期経営計画(2022年7月期~2024年7月期の3ヶ年)を策定した。初年度となる2022年7月期については、売上高18,634百万円、経常損失1,476百万円、最終年度となる2024年7月期は、売上高19,833百万円、経常利益711百万円を目指す。トップラインを一定水準に保ち、また経常利益の継続的な成長を重要指標とし、経営効率改善による利益の最大化を目指す計画となっている。同様に自己資本比率も重要な経営指標とし、期間利益の積み増しや有利子負債の圧縮により自己資本比率の向上を目指す方針である。具体的には、2022年7月期の業績は厳しく短期的には自己資本比率の低下(10.4%)が予測されるが、物件売却及び財務体質強化による有利子負債の圧縮を推し進め、最終年度の2024年7月期には、13.2%に回復させる計画だ。
2. 戦略テーマ
中期経営計画における、戦略テーマは「収縮と転換」「多極化」「事業ポートフォリオの最適化」の3点であり、さらに4つの具体的戦略に分類できる。
戦略テーマ「収縮と転換」においては、「「LEGALAND」の拡大・成⾧」が具体的な戦略課題となる。少子高齢化による人口減少は現在の生活圏の縮小と消費そのものに対して大きな影響を及ぼし、生活環境の変化と価値観の転換が起こっている。このような外部環境のなかで、同社は東京都心10区、ターミナル駅徒歩10分などの資産価値の高い重点エリアに焦点を絞り、主力投資商品「LEGALAND」をマーケットリーダーに成長させたい考えだ。3ヶ年計画期間においては、最大で50棟の「LEGALAND」の開発を目指す。また、通常の「LEGALAND」シリーズのマンションは単身者・少人数世帯向けコンパクト低層賃貸マンションで、価格帯としては5億円から8億円程度であるが、今後は8億円を上回る価格帯もラインナップする予定としている。具体的には、より大規模な開発や最新のIT技術などを備えた商品「LEGALAND+」を想定している。
戦略テーマ「多極化」においては、「展開エリアの市況注視」が具体的な戦略課題となる。同社は大阪が発祥地であり、のちに東京へも進出し事業を拡大してきた。当面は東京、大阪エリアを中心に調達及び売却を行っていく方針に変わりはない。3ヶ年計画での事業ボリュームとしては、東京70%、大阪30%程度の構成比で進める計画だ。東京エリアでは、引き続き主力商品である「LEGALAND」の拡大が見込まれるため、用地の積極取得、開発を加速させていく。また、パイプライン契約による拡大が期待できる。一方、大阪エリアではコロナ禍により悪化した市場の回復後にホテル物件の売却を進める。同時に、大阪を拠点として培ってきた強みと情報網を駆使し、共同事業開発、企画業務・仲介業務等のフィービジネスのさらなる強化を図る。このように大阪と東京の2大都市を事業の中心としながら、その他の都市圏についても人口増減や、不動産需給等のマーケット動向を注視して優良物件を購入することにより収益性を高めていく方針としている。不動産調達面では、2022年7月期に取得ベースで66億円の用地取得を行う計画である。これにより2024年7月期までに152億円の売上高寄与を同社は予想している。同社は3ヶ年累計では、187億円の不動産調達額(建築費等の開発費を除く)を見込んでいる。
戦略テーマ「事業ポートフォリオの最適化」においては、「DX活用による新市場の開拓」「経営資源の最適化」が具体的な戦略課題となる。「DX活用による新市場の開拓」については、不動産DXの進展を最重要戦略とし、YANUSY事業を発展させ、オンラインとオフラインの融合したOMOプラットフォームとして新しいマーケティング方法の確立を目指す。また、クラウドファンディング事業の推進によるマス層・アッパーマス層の顧客の獲得、多様な投資ニーズへの対応と当社の資金調達の多様性を確保する(DX事業による成⾧戦略は後述)。「経営資源の最適化」に関しては、コロナ禍によるインバウンドの減少や企業のオフィスビル売却等の動向も踏まえ、都市部のなかでも不動産需要の二極化に注視し、出口戦略も含めて適正な保有不動産のポートフォリオを見極めながら事業を進めていくとしている。
3. DX事業による成⾧戦略
2021年7月期を初年度とする中期経営計画の計画値には、「YANUSY」を活用したDX事業による利益創出は一切含まれていない。実際には、向こう3年間に様々なサービスメニューが開始される。その中にはDXが早期に実現し利益貢献するケースも想定され、中期計画の上振れ要因として期待できる。マイルストーンとして注目されるのは、クラウドファンディング提供サービス「YANUSY Funding」の開始である。メニューとしては、投資未経験層向け安定性重視商品(物件選定は不動産のプロに任せ、優先劣後構造によりリスクを抑制しやすい)や投資初級者層向け中リスク商品(期待リターンと許容リスクを踏まえ、会員自身がポートフォリオを設計できる)などが計画されている。いずれも不動産特定共同事業法上、ライセンスやパートナー等を準備する必要がある。運用開始は2022年7月を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<EY>
1. 中期経営計画の概要
LeTech<3497>は、経営基盤の強化と企業価値の向上及び不動産テック企業としての地位の確立を目指す中期経営計画(2022年7月期~2024年7月期の3ヶ年)を策定した。初年度となる2022年7月期については、売上高18,634百万円、経常損失1,476百万円、最終年度となる2024年7月期は、売上高19,833百万円、経常利益711百万円を目指す。トップラインを一定水準に保ち、また経常利益の継続的な成長を重要指標とし、経営効率改善による利益の最大化を目指す計画となっている。同様に自己資本比率も重要な経営指標とし、期間利益の積み増しや有利子負債の圧縮により自己資本比率の向上を目指す方針である。具体的には、2022年7月期の業績は厳しく短期的には自己資本比率の低下(10.4%)が予測されるが、物件売却及び財務体質強化による有利子負債の圧縮を推し進め、最終年度の2024年7月期には、13.2%に回復させる計画だ。
2. 戦略テーマ
中期経営計画における、戦略テーマは「収縮と転換」「多極化」「事業ポートフォリオの最適化」の3点であり、さらに4つの具体的戦略に分類できる。
戦略テーマ「収縮と転換」においては、「「LEGALAND」の拡大・成⾧」が具体的な戦略課題となる。少子高齢化による人口減少は現在の生活圏の縮小と消費そのものに対して大きな影響を及ぼし、生活環境の変化と価値観の転換が起こっている。このような外部環境のなかで、同社は東京都心10区、ターミナル駅徒歩10分などの資産価値の高い重点エリアに焦点を絞り、主力投資商品「LEGALAND」をマーケットリーダーに成長させたい考えだ。3ヶ年計画期間においては、最大で50棟の「LEGALAND」の開発を目指す。また、通常の「LEGALAND」シリーズのマンションは単身者・少人数世帯向けコンパクト低層賃貸マンションで、価格帯としては5億円から8億円程度であるが、今後は8億円を上回る価格帯もラインナップする予定としている。具体的には、より大規模な開発や最新のIT技術などを備えた商品「LEGALAND+」を想定している。
戦略テーマ「多極化」においては、「展開エリアの市況注視」が具体的な戦略課題となる。同社は大阪が発祥地であり、のちに東京へも進出し事業を拡大してきた。当面は東京、大阪エリアを中心に調達及び売却を行っていく方針に変わりはない。3ヶ年計画での事業ボリュームとしては、東京70%、大阪30%程度の構成比で進める計画だ。東京エリアでは、引き続き主力商品である「LEGALAND」の拡大が見込まれるため、用地の積極取得、開発を加速させていく。また、パイプライン契約による拡大が期待できる。一方、大阪エリアではコロナ禍により悪化した市場の回復後にホテル物件の売却を進める。同時に、大阪を拠点として培ってきた強みと情報網を駆使し、共同事業開発、企画業務・仲介業務等のフィービジネスのさらなる強化を図る。このように大阪と東京の2大都市を事業の中心としながら、その他の都市圏についても人口増減や、不動産需給等のマーケット動向を注視して優良物件を購入することにより収益性を高めていく方針としている。不動産調達面では、2022年7月期に取得ベースで66億円の用地取得を行う計画である。これにより2024年7月期までに152億円の売上高寄与を同社は予想している。同社は3ヶ年累計では、187億円の不動産調達額(建築費等の開発費を除く)を見込んでいる。
戦略テーマ「事業ポートフォリオの最適化」においては、「DX活用による新市場の開拓」「経営資源の最適化」が具体的な戦略課題となる。「DX活用による新市場の開拓」については、不動産DXの進展を最重要戦略とし、YANUSY事業を発展させ、オンラインとオフラインの融合したOMOプラットフォームとして新しいマーケティング方法の確立を目指す。また、クラウドファンディング事業の推進によるマス層・アッパーマス層の顧客の獲得、多様な投資ニーズへの対応と当社の資金調達の多様性を確保する(DX事業による成⾧戦略は後述)。「経営資源の最適化」に関しては、コロナ禍によるインバウンドの減少や企業のオフィスビル売却等の動向も踏まえ、都市部のなかでも不動産需要の二極化に注視し、出口戦略も含めて適正な保有不動産のポートフォリオを見極めながら事業を進めていくとしている。
3. DX事業による成⾧戦略
2021年7月期を初年度とする中期経営計画の計画値には、「YANUSY」を活用したDX事業による利益創出は一切含まれていない。実際には、向こう3年間に様々なサービスメニューが開始される。その中にはDXが早期に実現し利益貢献するケースも想定され、中期計画の上振れ要因として期待できる。マイルストーンとして注目されるのは、クラウドファンディング提供サービス「YANUSY Funding」の開始である。メニューとしては、投資未経験層向け安定性重視商品(物件選定は不動産のプロに任せ、優先劣後構造によりリスクを抑制しやすい)や投資初級者層向け中リスク商品(期待リターンと許容リスクを踏まえ、会員自身がポートフォリオを設計できる)などが計画されている。いずれも不動産特定共同事業法上、ライセンスやパートナー等を準備する必要がある。運用開始は2022年7月を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<EY>
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