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アイエスビー Research Memo(2):5G開発案件の伸長などで21年12月期2Q累計は計画上回る増収増益を達成
配信日時:2021/10/01 15:12
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
アイ・エス・ビー<9702>の2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比5.9%増の12,845百万円、営業利益で同15.6%増の1,021百万円、経常利益で同16.3%増の1,052百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同30.4%増の648百万円となり、半期ベースで過去最高を更新、期初会社計画に対してもすべての項目で上回るなど順調な決算となった。
売上高は企業のIT投資拡大が続くなか、すべての事業分野で増収となり、なかでも業務効率化や5G関連の開発案件が好調に推移した。営業利益の増減要因を見ると、人件費や研究開発費の増加により販管費が151百万円増加したものの、増収効果で176百万円、オフショア開発などグループ連携を強化したことに伴う原価率改善効果で113百万円の増益要因となった。また、会社計画からの上振れ要因としては、5G関連の売上が想定以上に伸長したことに加えて、社内の業務効率向上やグループ連携によるシナジー効果が寄与したことが挙げられる。
事業セグメント別の業績動向を見ると、情報サービス事業は売上高で前年同期比5.9%増の10,580百万円、セグメント利益で同18.0%増の789百万円となった。コロナ禍が続くなかで企業のIT投資への影響が懸念されたものの、引き続き業務効率化のためのIT投資や、5G関連業務等を中心に堅調に推移した。利益面では、増収効果に加えて業務効率化やグループ連携によるシナジー効果により、テレワーク環境の整備や人件費、研究開発費の増加を吸収し、2桁増益となった。セグメント利益率についても前年同期の6.7%から7.5%に上昇した。
一方、セキュリティシステム事業は売上高で前年同期比6.0%増の2,264百万円、セグメント利益で同10.6%増の228百万円となった。リニューアル物件の受注増に加えて、新型コロナウイルス感染症対策としてのAI搭載サーマルカメラ等の売上が好調に推移した。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)※や、アートが提供するクラウド型アクセスコントロールプラットフォーム「ALLIGATE」関連についても導入件数が順調に拡大した。利益面では、入退室管理システムやALLIGATE関連の次期製品開発に向けた研究開発費用の増加を増収効果で吸収して増益となっている。セグメント利益率は前年同期の9.7%から10.1%に上昇した。
※建設業に関わる技能者の資格・社会保険加入状況・現場の就業履歴などを個人用カード(ICカード)に登録・蓄積し、技能者の適正な評価や建設事業者の業務負担軽減に役立てるためのシステム。国土交通省が推進役となり、(一財)建設業振興基金が運営主体となって2019年4月より本格運用が開始された。新型コロナウイルス感染症対策として建設現場の入退場管理としても注目されるようになり、導入件数が増えている。
なお、四半期業績の推移を見ると、2021年12月期第2四半期は売上高で前年同期比6.3%増の6,159百万円と増収だったにもかかわらず、営業利益は同26.2%減の195百万円と減益に転じている。これは、セキュリティシステム事業において一部案件が第1四半期に前倒し計上されたことに加えて、人件費や研究開発費が増加したこと、前年同期は初めての緊急事態宣言下で営業経費が大きく絞り込まれていたことなどが要因となっている。このため、第2四半期の減益については一時的なもので、収益トレンドそのものには変化がないと会社側では捉えている。
モビリティソリューションの2桁増収を含め、すべての事業分野で増収に
2. 分野別売上動向
(1) 「モビリティソリューション」
「モビリティソリューション」分野は、前年同期比14.8%増の2,428百万円となった。スマートフォン向けコンテンツ・アプリ開発案件は低迷したものの、高速無線通信サービスである5Gの本格展開に伴って、5G対応基地局やネットワーク機器関連の受注が拡大し大幅増収となった。また、コロナ禍の影響を受けたものの車載向け組込み開発の受注は堅調に推移した。
(2) 「ビジネスインダストリーソリューション」
「ビジネスインダストリーソリューション」分野は、前年同期比0.6%増の4,170百万円と高水準が続いた。医療系の組込み開発や通信機器向けのデバイス開発業務が順調に推移したほか、民間企業向け大型案件を受注したことにより漸増となった。
(3) 「エンタープライズソリューション」
「エンタープライズソリューション」分野は前年同期比7.5%増の3,867百万円となった。サーバ・ネットワーク構築業務で大型案件を獲得したことや、既存顧客からの継続受注の寄与により増収となった。また、公共向けも二次請け案件を中心に堅調に推移した。一方、金融向けは中堅以下の証券会社の投資意欲が鈍く、システム刷新案件が減少した。
(4) 「プロダクトソリューション」
「プロダクトソリューション」分野は、前年同期比4.6%増の2,381百万円となった。アートで展開するセキュリティシステムのリニューアル案件の受注増や、AI搭載サーマルカメラ等の販売が伸長し増収となった。一方、同社で展開しているMDM事業については前年同期比横ばいとなり、L-Share事業については、コロナ禍で医療施設向けの営業活動が制限されたこともあり減少した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
アイ・エス・ビー<9702>の2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比5.9%増の12,845百万円、営業利益で同15.6%増の1,021百万円、経常利益で同16.3%増の1,052百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同30.4%増の648百万円となり、半期ベースで過去最高を更新、期初会社計画に対してもすべての項目で上回るなど順調な決算となった。
売上高は企業のIT投資拡大が続くなか、すべての事業分野で増収となり、なかでも業務効率化や5G関連の開発案件が好調に推移した。営業利益の増減要因を見ると、人件費や研究開発費の増加により販管費が151百万円増加したものの、増収効果で176百万円、オフショア開発などグループ連携を強化したことに伴う原価率改善効果で113百万円の増益要因となった。また、会社計画からの上振れ要因としては、5G関連の売上が想定以上に伸長したことに加えて、社内の業務効率向上やグループ連携によるシナジー効果が寄与したことが挙げられる。
事業セグメント別の業績動向を見ると、情報サービス事業は売上高で前年同期比5.9%増の10,580百万円、セグメント利益で同18.0%増の789百万円となった。コロナ禍が続くなかで企業のIT投資への影響が懸念されたものの、引き続き業務効率化のためのIT投資や、5G関連業務等を中心に堅調に推移した。利益面では、増収効果に加えて業務効率化やグループ連携によるシナジー効果により、テレワーク環境の整備や人件費、研究開発費の増加を吸収し、2桁増益となった。セグメント利益率についても前年同期の6.7%から7.5%に上昇した。
一方、セキュリティシステム事業は売上高で前年同期比6.0%増の2,264百万円、セグメント利益で同10.6%増の228百万円となった。リニューアル物件の受注増に加えて、新型コロナウイルス感染症対策としてのAI搭載サーマルカメラ等の売上が好調に推移した。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)※や、アートが提供するクラウド型アクセスコントロールプラットフォーム「ALLIGATE」関連についても導入件数が順調に拡大した。利益面では、入退室管理システムやALLIGATE関連の次期製品開発に向けた研究開発費用の増加を増収効果で吸収して増益となっている。セグメント利益率は前年同期の9.7%から10.1%に上昇した。
※建設業に関わる技能者の資格・社会保険加入状況・現場の就業履歴などを個人用カード(ICカード)に登録・蓄積し、技能者の適正な評価や建設事業者の業務負担軽減に役立てるためのシステム。国土交通省が推進役となり、(一財)建設業振興基金が運営主体となって2019年4月より本格運用が開始された。新型コロナウイルス感染症対策として建設現場の入退場管理としても注目されるようになり、導入件数が増えている。
なお、四半期業績の推移を見ると、2021年12月期第2四半期は売上高で前年同期比6.3%増の6,159百万円と増収だったにもかかわらず、営業利益は同26.2%減の195百万円と減益に転じている。これは、セキュリティシステム事業において一部案件が第1四半期に前倒し計上されたことに加えて、人件費や研究開発費が増加したこと、前年同期は初めての緊急事態宣言下で営業経費が大きく絞り込まれていたことなどが要因となっている。このため、第2四半期の減益については一時的なもので、収益トレンドそのものには変化がないと会社側では捉えている。
モビリティソリューションの2桁増収を含め、すべての事業分野で増収に
2. 分野別売上動向
(1) 「モビリティソリューション」
「モビリティソリューション」分野は、前年同期比14.8%増の2,428百万円となった。スマートフォン向けコンテンツ・アプリ開発案件は低迷したものの、高速無線通信サービスである5Gの本格展開に伴って、5G対応基地局やネットワーク機器関連の受注が拡大し大幅増収となった。また、コロナ禍の影響を受けたものの車載向け組込み開発の受注は堅調に推移した。
(2) 「ビジネスインダストリーソリューション」
「ビジネスインダストリーソリューション」分野は、前年同期比0.6%増の4,170百万円と高水準が続いた。医療系の組込み開発や通信機器向けのデバイス開発業務が順調に推移したほか、民間企業向け大型案件を受注したことにより漸増となった。
(3) 「エンタープライズソリューション」
「エンタープライズソリューション」分野は前年同期比7.5%増の3,867百万円となった。サーバ・ネットワーク構築業務で大型案件を獲得したことや、既存顧客からの継続受注の寄与により増収となった。また、公共向けも二次請け案件を中心に堅調に推移した。一方、金融向けは中堅以下の証券会社の投資意欲が鈍く、システム刷新案件が減少した。
(4) 「プロダクトソリューション」
「プロダクトソリューション」分野は、前年同期比4.6%増の2,381百万円となった。アートで展開するセキュリティシステムのリニューアル案件の受注増や、AI搭載サーマルカメラ等の販売が伸長し増収となった。一方、同社で展開しているMDM事業については前年同期比横ばいとなり、L-Share事業については、コロナ禍で医療施設向けの営業活動が制限されたこともあり減少した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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