注目トピックス 日本株
アイエスビー Research Memo(1):5G関連を中心としたモビリティソリューションが好調
配信日時:2021/10/01 15:11
配信元:FISCO
■要約
アイ・エス・ビー<9702>は1970年創立の独立系ITソリューションプロバイダーで、通信分野での高い技術力をベースに、組込みソフトウェア開発や業務用システム開発を展開しており、積極的なM&Aによりグループシナジーを高めながら成長を続けている。2023年12月期を最終年度とする「ISBグループ中期経営計画2023」を当期よりスタートしており、「新しい一歩~move up further~」をスローガンに、新経営体制で挑む。
1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
2021年12月期第2四半期累計(2021年1月−6月)の業績は、売上高で前年同期比5.9%増の12,845百万円、営業利益で同15.6%増の1,021百万円と増収増益が続き、期初会社計画(売上高12,500百万円、営業利益820百万円)に対しても上回る順調な滑り出しとなった。企業の業務効率化や5G基地局関連などの開発案件を中心に売上高が増加したことに加え、オフショア開発などグループ連携の推進により原価率が改善したことが増益要因となった。なお、四半期ベースで見ると、第2四半期の営業利益が前年同期比で26.2%減と落ち込んだが、これはセキュリティシステム事業において、第1四半期に案件の前倒し計上があったこと、前第2四半期は初の緊急事態宣言下で営業活動費用が大きく減少しており、2021年12月期第2四半期は人件費も含めてこうした費用が増加したことなどが要因であり、一時的な落ち込みと会社側では捉えている。
2. 2021年12月期業績見通し
2021年12月期業績は売上高で前期比6.4%増の26,000百万円、営業利益で同7.7%増の1,770百万円と期初計画を据え置いた。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)が続くなかで、今後の収益に与える影響が不透明なためとしている。ただ、足元の受注状況に変化はなく、下期も業務効率化のためのシステム開発や5G関連を中心に堅調な増収増益が続くものと予想される。また、同社は新規顧客獲得や既存顧客における取引深耕を図るべく、2021年よりソリューション営業統括部を新設して提案営業を強化しているほか、営業ツールの活用による受注獲得機会の増加に取り組んでおり、こうした成果もこの下期以降に顕在化してくるものと期待される。このため、市場環境に大きな変化がなければ通期業績についても会社計画を上振れする可能性は十分あると弊社では見ている。なお、同社は子会社の(株)アートとJR東日本メカトロニクス(株)が共同で、東日本旅客鉄道(JR東日本)<9020>が発行する「Suica」等の交通系ICカードを入退室の鍵として利用できる「Suicaスマートロック」の提供を2021年12月頃から開始することを発表した。オフィスやホテル、マンション、公共施設、駐車場、ロッカー等での導入が見込まれ、2022年12月期以降の収益貢献が期待される。
3. 中期経営計画について
同社は2023年12月期を最終年度とする3年間の中期経営計画を期初に発表している。基本方針として、「今までの50年の進化と新たな領域への挑戦で、より多くの顧客にソリューションを提供できる企業を目指す」ことを掲げ、業績目標として最終年度に売上高300億円、営業利益24億円を目指す。目標を達成するための重点戦略として、「顧客開拓、有望分野の拡大」「ソリューション事業の創出」「グループ経営強化」の3つに注力する。5G関連やMaaSを含む車載分野など成長が見込める有望分野で受注拡大に取り組むほか、ソリューション提案の積極化により、付加価値の高いプライム案件の受注を獲得していく。また、グループのオフショア・ニアショア拠点との連携強化により、地域拠点での受注拡大も目指す。営業利益率はグループ経営の強化や高付加価値案件の獲得により、2020年12月期の6.7%から8.0%の水準に引き上げていく。なお、M&Aについても引き続き検討しているが、業績計画の中には織り込んでいない。今後も有望分野を中心にIT投資の拡大が期待できることを考えれば、業績目標値は十分達成可能な水準であると弊社では見ている。
■Key Points
・業務効率化、5G開発案件の伸長により2021年12月期第2四半期累計業績も計画を上回る増収増益を達成
・2021年12月期業績は過去最高を連続更新見込みで、会社計画も上振れ余地あり
・「顧客開拓、有望分野の拡大」「ソリューション事業の創出」「グループ経営強化」を重点戦略として年率10%台の利益成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>
アイ・エス・ビー<9702>は1970年創立の独立系ITソリューションプロバイダーで、通信分野での高い技術力をベースに、組込みソフトウェア開発や業務用システム開発を展開しており、積極的なM&Aによりグループシナジーを高めながら成長を続けている。2023年12月期を最終年度とする「ISBグループ中期経営計画2023」を当期よりスタートしており、「新しい一歩~move up further~」をスローガンに、新経営体制で挑む。
1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
2021年12月期第2四半期累計(2021年1月−6月)の業績は、売上高で前年同期比5.9%増の12,845百万円、営業利益で同15.6%増の1,021百万円と増収増益が続き、期初会社計画(売上高12,500百万円、営業利益820百万円)に対しても上回る順調な滑り出しとなった。企業の業務効率化や5G基地局関連などの開発案件を中心に売上高が増加したことに加え、オフショア開発などグループ連携の推進により原価率が改善したことが増益要因となった。なお、四半期ベースで見ると、第2四半期の営業利益が前年同期比で26.2%減と落ち込んだが、これはセキュリティシステム事業において、第1四半期に案件の前倒し計上があったこと、前第2四半期は初の緊急事態宣言下で営業活動費用が大きく減少しており、2021年12月期第2四半期は人件費も含めてこうした費用が増加したことなどが要因であり、一時的な落ち込みと会社側では捉えている。
2. 2021年12月期業績見通し
2021年12月期業績は売上高で前期比6.4%増の26,000百万円、営業利益で同7.7%増の1,770百万円と期初計画を据え置いた。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)が続くなかで、今後の収益に与える影響が不透明なためとしている。ただ、足元の受注状況に変化はなく、下期も業務効率化のためのシステム開発や5G関連を中心に堅調な増収増益が続くものと予想される。また、同社は新規顧客獲得や既存顧客における取引深耕を図るべく、2021年よりソリューション営業統括部を新設して提案営業を強化しているほか、営業ツールの活用による受注獲得機会の増加に取り組んでおり、こうした成果もこの下期以降に顕在化してくるものと期待される。このため、市場環境に大きな変化がなければ通期業績についても会社計画を上振れする可能性は十分あると弊社では見ている。なお、同社は子会社の(株)アートとJR東日本メカトロニクス(株)が共同で、東日本旅客鉄道(JR東日本)<9020>が発行する「Suica」等の交通系ICカードを入退室の鍵として利用できる「Suicaスマートロック」の提供を2021年12月頃から開始することを発表した。オフィスやホテル、マンション、公共施設、駐車場、ロッカー等での導入が見込まれ、2022年12月期以降の収益貢献が期待される。
3. 中期経営計画について
同社は2023年12月期を最終年度とする3年間の中期経営計画を期初に発表している。基本方針として、「今までの50年の進化と新たな領域への挑戦で、より多くの顧客にソリューションを提供できる企業を目指す」ことを掲げ、業績目標として最終年度に売上高300億円、営業利益24億円を目指す。目標を達成するための重点戦略として、「顧客開拓、有望分野の拡大」「ソリューション事業の創出」「グループ経営強化」の3つに注力する。5G関連やMaaSを含む車載分野など成長が見込める有望分野で受注拡大に取り組むほか、ソリューション提案の積極化により、付加価値の高いプライム案件の受注を獲得していく。また、グループのオフショア・ニアショア拠点との連携強化により、地域拠点での受注拡大も目指す。営業利益率はグループ経営の強化や高付加価値案件の獲得により、2020年12月期の6.7%から8.0%の水準に引き上げていく。なお、M&Aについても引き続き検討しているが、業績計画の中には織り込んでいない。今後も有望分野を中心にIT投資の拡大が期待できることを考えれば、業績目標値は十分達成可能な水準であると弊社では見ている。
■Key Points
・業務効率化、5G開発案件の伸長により2021年12月期第2四半期累計業績も計画を上回る増収増益を達成
・2021年12月期業績は過去最高を連続更新見込みで、会社計画も上振れ余地あり
・「顧客開拓、有望分野の拡大」「ソリューション事業の創出」「グループ経営強化」を重点戦略として年率10%台の利益成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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