注目トピックス 日本株
kubell Research Memo(7):営業利益は期初予想から引き上げ大幅増加の見込み
配信日時:2025/09/22 12:07
配信元:FISCO
*12:07JST kubell Research Memo(7):営業利益は期初予想から引き上げ大幅増加の見込み
■今後の見通し
1. 2025年12月期の業績見通し
kubell<4448>は、通期の業績見通しの確度が高まったことを受け、通期業績予想を成長率での開示から具体的な金額レンジでの開示に修正した。修正後の2025年12月期の業績予想は、売上高9,571~9,826百万円(前期比13.0~16.0%増)、EBITDA1,005~1,300百万円(同17.3~51.7%増)、営業利益120~414百万円(同23.9~328.2%増)、経常利益100~395百万円(同33.5~424.0%増)、親会社株主に帰属する当期純損益は236百万円の損失~41百万円の利益(前期は1,172百万円の損失)としている。売上高はBPaaS事業の力強い成長を背景に着実な成長を見込み、EBITDAは前回予想からレンジを引き上げた予想としている。営業利益についても大幅な増加を見込んでおり、コスト構造の改善と成長分野へのリソース集中が功を奏している。営業利益の増加幅の大きさは、事業ポートフォリオの最適化とBPaaSの収益貢献度の高さを裏付けるものであり、中期的な収益拡大の持続性を強く示すシグナルであると弊社では見ている。
2025年12月期は、中期経営計画における「売上高の年平均成長率(CAGR)30%以上」という目標を踏まえると、将来の成長に向けた準備期という印象である。各事業における重点施策としては、Chatwork事業では、各KPIの詳細開示からも読み取れるように、課金ID数やARPUを着実に伸ばす施策が講じられている。セールスマーケティング部門も筋肉質な組織となってきており、さらなる成長の加速が期待される。BPaaS事業は今後さらに成長へ向かうフェーズにあり、人員も増加する見通しである。同事業の売上高は、全社売上高に占める割合が大きくなるほど、業務効率の向上や利益率の改善、他サービスとの連携による相乗効果が生まれやすくなるという特性があり、その結果として、事業全体の成長スピードが一段と高まる構造になっている。2025年12月期は成長率の底であり、翌期以降の加速的な成長に向けた投資フェーズであると弊社では見ている。
2. トピックス
足元のトピックスは以下のとおりである。
(1) 「Chatwork アシスタント」を「タクシタ」に名称変更
同社は「Chatwork アシスタント」の名称を「タクシタ」に変更し、「Chatwork」ユーザー以外にもサービスの魅力を広く訴求するねらいを明確にした。「タクシタ」という名称には、顧客に安心して業務を託してもらえるサービスを提供するという思いが込められており、ブランドコンセプトを直感的に伝える工夫が見られる。これにより、TeamsやSlackなど、「Chatwork」以外のビジネスチャットツールを利用している企業にも訴求しやすくなったと弊社では考える。サービス内容については、従来のチケット制による時間単位での業務支援だけでなく、業務全体を定額で請け負うプランを追加するなど、ニーズに応じてラインナップを拡充していく方針である。なお、既存の「Chatwork」ユーザー向けには「Chatwork アシスタント」の名称を継続利用する方針を示し、既存顧客基盤への配慮も行っている。この名称変更は市場認知の拡大と顧客層の多様化をねらったブランド戦略の一環であり、BPaaS事業の成長加速にも寄与する可能性が高いと弊社では見ている。
(2) kubellパートナーとミナジンの経営統合を実施
同社は2025年7月1日付で、グループ会社のkubellパートナーと(株)ミナジンの経営統合を行った。kubellパートナーとミナジンはともにBPaaS事業を展開しており、経営統合により成長スピードの向上とグループ管理の効率化を目指す。同一事業領域における経営資源の統合はスケールメリットを生みやすく、開発・営業・サポートの一体運営によるコスト削減やサービス品質の向上が期待される。
(3) グループの総合力を強化する新体制が発足
2025年7月から、主力事業であるChatwork事業の責任者が交代し、新たにCPO(Chief Product Officer)、CTO(Chief Technology Officer)、CSO(Chief Strategy Officer)のポジションを設置する新体制が発足した。新たにChatwork事業を管掌する澤口玄(さわぐちげん)氏はこれまで経営企画を統括しており、グループ全体のリソース配分と重要事業の連携を強化する方針を示している。CPO、CTO、CSOの設置により、これまで事業や子会社ごとに分散していたプロダクトや戦略を統合し、ビジネスチャットとBPaaSを一体化した総合力を発揮できる体制へ移行する。この体制変更は組織横断的な意思決定の迅速化とプロダクト戦略の一貫性向上につながり、長期的な成長戦略の実現を後押しすると弊社では見ている。
(4) 自治体・金融機関とのパートナーシップ推進
同社は北九州市及び(公財)北九州産業学術推進機構と連携し、「北九州市DX推進プラットフォーム」に「Chatwork」をコミュニティ基盤として提供する。この取り組みは、少子高齢化による労働力不足や産業構造の変化という地域課題に対応し、参加企業・団体間の双方向コミュニケーションを活性化させることで、地域全体の生産性向上と競争力強化をねらうものである。さらに(株)商工組合中央金庫(以下、商工中金)とはBPaaS「タクシタ」の顧客紹介に関する協定を締結し、全国の中小企業へのサービス展開を加速させる方針を示した。商工中金は中小企業支援を最重要ミッションとしており、この連携により顧客企業のDX推進と業務効率化を支援し、地域経済の活性化に貢献する。自治体と金融機関の双方との連携は、事業領域拡大と顧客基盤の多様化を同時に推進する極めて戦略的な動きであり、中長期的な売上成長のドライバーとして注目に値する。
(5) IRサイトのリニューアル
2025年7月よりIRサイトを刷新し、個人投資家向け説明資料の掲載を中心にリニューアルを実施した。最新IR資料の一括ダウンロード機能を新設し、その他UI・UXの改善を行うことで、投資家にとっての使い勝手を向上させた。今後も継続的なアップデートを予定しており、投資家とのコミュニケーション強化に向けた姿勢が明確である。この取り組みは投資家層の拡大と企業理解の促進に資するものであり、株式市場での評価向上にもつながる可能性が高いと弊社では考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
<HN>
1. 2025年12月期の業績見通し
kubell<4448>は、通期の業績見通しの確度が高まったことを受け、通期業績予想を成長率での開示から具体的な金額レンジでの開示に修正した。修正後の2025年12月期の業績予想は、売上高9,571~9,826百万円(前期比13.0~16.0%増)、EBITDA1,005~1,300百万円(同17.3~51.7%増)、営業利益120~414百万円(同23.9~328.2%増)、経常利益100~395百万円(同33.5~424.0%増)、親会社株主に帰属する当期純損益は236百万円の損失~41百万円の利益(前期は1,172百万円の損失)としている。売上高はBPaaS事業の力強い成長を背景に着実な成長を見込み、EBITDAは前回予想からレンジを引き上げた予想としている。営業利益についても大幅な増加を見込んでおり、コスト構造の改善と成長分野へのリソース集中が功を奏している。営業利益の増加幅の大きさは、事業ポートフォリオの最適化とBPaaSの収益貢献度の高さを裏付けるものであり、中期的な収益拡大の持続性を強く示すシグナルであると弊社では見ている。
2025年12月期は、中期経営計画における「売上高の年平均成長率(CAGR)30%以上」という目標を踏まえると、将来の成長に向けた準備期という印象である。各事業における重点施策としては、Chatwork事業では、各KPIの詳細開示からも読み取れるように、課金ID数やARPUを着実に伸ばす施策が講じられている。セールスマーケティング部門も筋肉質な組織となってきており、さらなる成長の加速が期待される。BPaaS事業は今後さらに成長へ向かうフェーズにあり、人員も増加する見通しである。同事業の売上高は、全社売上高に占める割合が大きくなるほど、業務効率の向上や利益率の改善、他サービスとの連携による相乗効果が生まれやすくなるという特性があり、その結果として、事業全体の成長スピードが一段と高まる構造になっている。2025年12月期は成長率の底であり、翌期以降の加速的な成長に向けた投資フェーズであると弊社では見ている。
2. トピックス
足元のトピックスは以下のとおりである。
(1) 「Chatwork アシスタント」を「タクシタ」に名称変更
同社は「Chatwork アシスタント」の名称を「タクシタ」に変更し、「Chatwork」ユーザー以外にもサービスの魅力を広く訴求するねらいを明確にした。「タクシタ」という名称には、顧客に安心して業務を託してもらえるサービスを提供するという思いが込められており、ブランドコンセプトを直感的に伝える工夫が見られる。これにより、TeamsやSlackなど、「Chatwork」以外のビジネスチャットツールを利用している企業にも訴求しやすくなったと弊社では考える。サービス内容については、従来のチケット制による時間単位での業務支援だけでなく、業務全体を定額で請け負うプランを追加するなど、ニーズに応じてラインナップを拡充していく方針である。なお、既存の「Chatwork」ユーザー向けには「Chatwork アシスタント」の名称を継続利用する方針を示し、既存顧客基盤への配慮も行っている。この名称変更は市場認知の拡大と顧客層の多様化をねらったブランド戦略の一環であり、BPaaS事業の成長加速にも寄与する可能性が高いと弊社では見ている。
(2) kubellパートナーとミナジンの経営統合を実施
同社は2025年7月1日付で、グループ会社のkubellパートナーと(株)ミナジンの経営統合を行った。kubellパートナーとミナジンはともにBPaaS事業を展開しており、経営統合により成長スピードの向上とグループ管理の効率化を目指す。同一事業領域における経営資源の統合はスケールメリットを生みやすく、開発・営業・サポートの一体運営によるコスト削減やサービス品質の向上が期待される。
(3) グループの総合力を強化する新体制が発足
2025年7月から、主力事業であるChatwork事業の責任者が交代し、新たにCPO(Chief Product Officer)、CTO(Chief Technology Officer)、CSO(Chief Strategy Officer)のポジションを設置する新体制が発足した。新たにChatwork事業を管掌する澤口玄(さわぐちげん)氏はこれまで経営企画を統括しており、グループ全体のリソース配分と重要事業の連携を強化する方針を示している。CPO、CTO、CSOの設置により、これまで事業や子会社ごとに分散していたプロダクトや戦略を統合し、ビジネスチャットとBPaaSを一体化した総合力を発揮できる体制へ移行する。この体制変更は組織横断的な意思決定の迅速化とプロダクト戦略の一貫性向上につながり、長期的な成長戦略の実現を後押しすると弊社では見ている。
(4) 自治体・金融機関とのパートナーシップ推進
同社は北九州市及び(公財)北九州産業学術推進機構と連携し、「北九州市DX推進プラットフォーム」に「Chatwork」をコミュニティ基盤として提供する。この取り組みは、少子高齢化による労働力不足や産業構造の変化という地域課題に対応し、参加企業・団体間の双方向コミュニケーションを活性化させることで、地域全体の生産性向上と競争力強化をねらうものである。さらに(株)商工組合中央金庫(以下、商工中金)とはBPaaS「タクシタ」の顧客紹介に関する協定を締結し、全国の中小企業へのサービス展開を加速させる方針を示した。商工中金は中小企業支援を最重要ミッションとしており、この連携により顧客企業のDX推進と業務効率化を支援し、地域経済の活性化に貢献する。自治体と金融機関の双方との連携は、事業領域拡大と顧客基盤の多様化を同時に推進する極めて戦略的な動きであり、中長期的な売上成長のドライバーとして注目に値する。
(5) IRサイトのリニューアル
2025年7月よりIRサイトを刷新し、個人投資家向け説明資料の掲載を中心にリニューアルを実施した。最新IR資料の一括ダウンロード機能を新設し、その他UI・UXの改善を行うことで、投資家にとっての使い勝手を向上させた。今後も継続的なアップデートを予定しており、投資家とのコミュニケーション強化に向けた姿勢が明確である。この取り組みは投資家層の拡大と企業理解の促進に資するものであり、株式市場での評価向上にもつながる可能性が高いと弊社では考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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