注目トピックス 日本株
株式会社セレス×馬渕磨理子氏|対談動画文字起こし(2)
配信日時:2025/09/18 10:01
配信元:FISCO
*10:01JST 株式会社セレス×馬渕磨理子氏|対談動画文字起こし(2)
株式会社セレス<3696>×馬渕磨理子氏|対談動画文字起こし(1)の続き
馬渕:
そこまで詳細に紐付けられるのですね。
都木:
はい。すべて追跡でき、広告主が自由に成功報酬を設定できます。ただし、成功報酬単価が低いとユーザーに付与されるポイントも少なくなるため、利用者の行動につながりにくくなります。ユーザーに行動してもらうためには、ある程度のインセンティブが必要です。広告は常時5,000〜1万件ほど掲載されていますので、ユーザーはその中から選ぶことができます。その意味では、広告主同士である程度の競争が生まれる仕組みになっています。
馬渕:
なるほど。現在は企業も広告費用を可視化し、効率的に運用しようとする流れがあります。その中で、モッピーのように「ここに出稿したらこれだけの成果が返ってきた」と明確に見える化されている仕組みは、企業側にとって非常に使いやすいですね。
都木:
そうですね。当社のサービスはオンラインですので、例えばユーザーが証券会社に口座を開設したり、クレジットカードを利用したり、アプリをダウンロードした場合、その行動結果がクライアント側にも可視化されます。つまり、当社を経由したユーザーがどれだけ売上やアクションをもたらしたかまで把握できるのです。そのため、クライアントはユーザーのLTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)を算出し、その値に基づいた広告単価で出稿することが可能になります。
馬渕:
ユーザーのその後の活動までも可視化されるのですね。
都木:
はい。テレビや一般的なCMではそこまで追えません。
馬渕:
確かにそうです。モッピーの場合はランディング効果が非常に強いのですね。
都木:
よくあるケースとしては、テレビCMと当社のようなインセンティブメディアを組み合わせて利用されることがあります。プロモーション戦略として両方を併用される企業は多いです。
馬渕:
広告主の業種としては、どういった企業が多いのでしょうか。
都木:
基本的にはインターネットサービスを展開している企業はすべてお客様になっていただけます。その中でも売上比率が高いのは金融系です。金融サービスはオンラインとの相性が良く、特にクレジットカード会社や、最近では銀行口座開設の広告が多く見られます。例えばオリーブのような新しいサービスも対象になっています。
馬渕:
銀行の口座獲得競争は非常に激しくなっています。金利が上昇した環境も影響しているのでしょうか。
都木:
はい。例えば三菱UFJ銀行さんが新しくテレビCMを展開していますし、証券会社も動きを強めています。新NISAが始まったことで、各証券会社は若いユーザーの獲得に力を入れています。証券会社の平均的な利用者層は50代、60代、70代が中心です。そのため、20代・30代のユーザーを獲得する施策を打ち出してほしいという依頼は非常に多く、今も継続しています。
馬渕:
モバイルサービスでは、モッピー以外にどのようなサービスを展開しているのでしょうか。
都木:
当社ではD2C事業も展開しています。自社で化粧品やインソールなどを製造し、オンラインで直接販売しています。
馬渕:
インソールが特にヒットしていると伺いました。
都木:
そうですね。ダイエットインソールと呼ばれる新しいジャンルの商品です。インソールの内部に突起をつけ、歩くことで姿勢を矯正する仕組みになっています。その効果についてはエビデンス(科学的根拠)を取得しており、多くのお客様にご購入いただいています。
馬渕:
少し話を戻しますが、「モッピーフクモニ」という覆面調査サービスもあるのですか。
都木:
はい。新しく始めたサービスです。例えば、飲食店の案件の場合、契約している飲食店で指定された料理を注文していただき、領収書をアップロードしたうえで味の感想などをモニターとして提出していただきます。その結果に応じて、最大全額、あるいは半額や7割程度をポイントバックします。
馬渕:
覆面調査は特別な資格がなくても一般の方が参加できるのですか。
都木:
はい。大手の飲食店はクオリティコントロールのために常時覆面調査を行っていますが、店舗数が多いため、人手不足で十分に対応できないのが現状です。その役割を一般ユーザーに担ってもらう仕組みです。アンケート調査に近いイメージですね。
馬渕:
なるほど。ユーザーにとっても楽しそうですね。アプリを見ながら「今日はここで食べてみよう」と選べますし、自己負担が少しあるものもあれば、全額ポイントでカバーされるケースもあるのですね。
都木:
はい。当社のポイントは1ポイント1円で現金に交換できますので、実質的に無料で食事ができる場合もあります。
馬渕:
それは面白いですね。私も趣味にしてみたくなります。ところで、モバイルサービス事業は特に粗利率が高いと伺いました。その背景にはどのような理由があるのでしょうか。
都木:
当社は元々「モッピー」というポイントメディアを運営しています。一般的に広告の商流では、広告代理店が2〜3割を中抜きしますよね。アフィリエイトの世界でもASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)が同様に手数料を取ります。そこで当社は「AD.TRACK」という自社ASPサービスを立ち上げ、広告主を直接獲得することで、その2〜3割分を自社で粗利として確保できるようにしました。言わば垂直統合の形です。
さらに、従来は代理店やASPが複数入ることでメディアに残る利益が少なくなり、結果的にポイント還元率が下がってしまう構造でした。しかし当社が中間を省いたことで粗利率が向上し、同じ利益率でも付与できるポイント数が増えます。例えば5,000ポイントのところを1万ポイントにできると、ユーザーはより利用しやすくなり、結果として件数も増加します。これは成功報酬型の仕組みなので、掛け算的に成長が加速するのです。このように「AD.TRACK」を開始したことで、粗利率の改善と売上の拡大を両立でき、競合他社よりも多くのポイントを還元できるため、メディアとしても優位性を確立するという好循環が生まれています。
馬渕:
それだけ効果があるなら、他社も真似したいと思うはずです。垂直統合は簡単にはできないものなのですか。
都木:
不可能ではありませんが、メディアの力がなければ難しいでしょう。例えばテレビ局が大手代理店を飛ばせるかといえば、そう簡単ではありません。当社はモッピーという強力なメディアを持っているため、それを活かしてASP事業を展開できました。垂直統合により粗利率を高め、その利益を再投資して成長を加速させています。
馬渕:
広告主にとっては件数が増え、ユーザーにとっては還元率が高くなる。そして御社にとっては成長が加速する。まさに三方良しですね。
都木:
はい。株主にとってもありがたい仕組みだと思います。
馬渕:
独自の経済圏を築いていらっしゃることに驚かされます。やはり、この仕組みを構築するまでには時間やご苦労もあったのではないでしょうか。
都木:
当社は2014年に上場しましたが、「AD.TRACK」事業を立ち上げたのはその後です。立ち上げから3年間ほどは小規模で進めていたため、IR資料に載せられる段階ではありませんでした。スモールスタートで育ててきた事業です。
株式会社セレス×馬渕磨理子氏|対談動画文字起こし(3)に続く
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馬渕:
そこまで詳細に紐付けられるのですね。
都木:
はい。すべて追跡でき、広告主が自由に成功報酬を設定できます。ただし、成功報酬単価が低いとユーザーに付与されるポイントも少なくなるため、利用者の行動につながりにくくなります。ユーザーに行動してもらうためには、ある程度のインセンティブが必要です。広告は常時5,000〜1万件ほど掲載されていますので、ユーザーはその中から選ぶことができます。その意味では、広告主同士である程度の競争が生まれる仕組みになっています。
馬渕:
なるほど。現在は企業も広告費用を可視化し、効率的に運用しようとする流れがあります。その中で、モッピーのように「ここに出稿したらこれだけの成果が返ってきた」と明確に見える化されている仕組みは、企業側にとって非常に使いやすいですね。
都木:
そうですね。当社のサービスはオンラインですので、例えばユーザーが証券会社に口座を開設したり、クレジットカードを利用したり、アプリをダウンロードした場合、その行動結果がクライアント側にも可視化されます。つまり、当社を経由したユーザーがどれだけ売上やアクションをもたらしたかまで把握できるのです。そのため、クライアントはユーザーのLTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)を算出し、その値に基づいた広告単価で出稿することが可能になります。
馬渕:
ユーザーのその後の活動までも可視化されるのですね。
都木:
はい。テレビや一般的なCMではそこまで追えません。
馬渕:
確かにそうです。モッピーの場合はランディング効果が非常に強いのですね。
都木:
よくあるケースとしては、テレビCMと当社のようなインセンティブメディアを組み合わせて利用されることがあります。プロモーション戦略として両方を併用される企業は多いです。
馬渕:
広告主の業種としては、どういった企業が多いのでしょうか。
都木:
基本的にはインターネットサービスを展開している企業はすべてお客様になっていただけます。その中でも売上比率が高いのは金融系です。金融サービスはオンラインとの相性が良く、特にクレジットカード会社や、最近では銀行口座開設の広告が多く見られます。例えばオリーブのような新しいサービスも対象になっています。
馬渕:
銀行の口座獲得競争は非常に激しくなっています。金利が上昇した環境も影響しているのでしょうか。
都木:
はい。例えば三菱UFJ銀行さんが新しくテレビCMを展開していますし、証券会社も動きを強めています。新NISAが始まったことで、各証券会社は若いユーザーの獲得に力を入れています。証券会社の平均的な利用者層は50代、60代、70代が中心です。そのため、20代・30代のユーザーを獲得する施策を打ち出してほしいという依頼は非常に多く、今も継続しています。
馬渕:
モバイルサービスでは、モッピー以外にどのようなサービスを展開しているのでしょうか。
都木:
当社ではD2C事業も展開しています。自社で化粧品やインソールなどを製造し、オンラインで直接販売しています。
馬渕:
インソールが特にヒットしていると伺いました。
都木:
そうですね。ダイエットインソールと呼ばれる新しいジャンルの商品です。インソールの内部に突起をつけ、歩くことで姿勢を矯正する仕組みになっています。その効果についてはエビデンス(科学的根拠)を取得しており、多くのお客様にご購入いただいています。
馬渕:
少し話を戻しますが、「モッピーフクモニ」という覆面調査サービスもあるのですか。
都木:
はい。新しく始めたサービスです。例えば、飲食店の案件の場合、契約している飲食店で指定された料理を注文していただき、領収書をアップロードしたうえで味の感想などをモニターとして提出していただきます。その結果に応じて、最大全額、あるいは半額や7割程度をポイントバックします。
馬渕:
覆面調査は特別な資格がなくても一般の方が参加できるのですか。
都木:
はい。大手の飲食店はクオリティコントロールのために常時覆面調査を行っていますが、店舗数が多いため、人手不足で十分に対応できないのが現状です。その役割を一般ユーザーに担ってもらう仕組みです。アンケート調査に近いイメージですね。
馬渕:
なるほど。ユーザーにとっても楽しそうですね。アプリを見ながら「今日はここで食べてみよう」と選べますし、自己負担が少しあるものもあれば、全額ポイントでカバーされるケースもあるのですね。
都木:
はい。当社のポイントは1ポイント1円で現金に交換できますので、実質的に無料で食事ができる場合もあります。
馬渕:
それは面白いですね。私も趣味にしてみたくなります。ところで、モバイルサービス事業は特に粗利率が高いと伺いました。その背景にはどのような理由があるのでしょうか。
都木:
当社は元々「モッピー」というポイントメディアを運営しています。一般的に広告の商流では、広告代理店が2〜3割を中抜きしますよね。アフィリエイトの世界でもASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)が同様に手数料を取ります。そこで当社は「AD.TRACK」という自社ASPサービスを立ち上げ、広告主を直接獲得することで、その2〜3割分を自社で粗利として確保できるようにしました。言わば垂直統合の形です。
さらに、従来は代理店やASPが複数入ることでメディアに残る利益が少なくなり、結果的にポイント還元率が下がってしまう構造でした。しかし当社が中間を省いたことで粗利率が向上し、同じ利益率でも付与できるポイント数が増えます。例えば5,000ポイントのところを1万ポイントにできると、ユーザーはより利用しやすくなり、結果として件数も増加します。これは成功報酬型の仕組みなので、掛け算的に成長が加速するのです。このように「AD.TRACK」を開始したことで、粗利率の改善と売上の拡大を両立でき、競合他社よりも多くのポイントを還元できるため、メディアとしても優位性を確立するという好循環が生まれています。
馬渕:
それだけ効果があるなら、他社も真似したいと思うはずです。垂直統合は簡単にはできないものなのですか。
都木:
不可能ではありませんが、メディアの力がなければ難しいでしょう。例えばテレビ局が大手代理店を飛ばせるかといえば、そう簡単ではありません。当社はモッピーという強力なメディアを持っているため、それを活かしてASP事業を展開できました。垂直統合により粗利率を高め、その利益を再投資して成長を加速させています。
馬渕:
広告主にとっては件数が増え、ユーザーにとっては還元率が高くなる。そして御社にとっては成長が加速する。まさに三方良しですね。
都木:
はい。株主にとってもありがたい仕組みだと思います。
馬渕:
独自の経済圏を築いていらっしゃることに驚かされます。やはり、この仕組みを構築するまでには時間やご苦労もあったのではないでしょうか。
都木:
当社は2014年に上場しましたが、「AD.TRACK」事業を立ち上げたのはその後です。立ち上げから3年間ほどは小規模で進めていたため、IR資料に載せられる段階ではありませんでした。スモールスタートで育ててきた事業です。
株式会社セレス×馬渕磨理子氏|対談動画文字起こし(3)に続く
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